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このたびBMJに発表されたベルギーのLiege大学の調査で、
ロックトイン症候群の患者65人に質問し、瞬きや目の動きで回答を求めたところ、

72%が自分は幸せだと回答し、
68%が自殺を考えたことはない、と回答。

またロックトインになってからの期間が長いほど
幸福だと感じる人が増える傾向があった。

回答者のうち
55%は何らかの発語(speech)が取り戻せた人、
70%は何がしか手足の動きが取り戻せた人。

調査規模が小さい、
幸福と感じていない人は調査に応じない、など
結果をそのまま鵜呑みにできないとの指摘もあるが、

身体が動かなくなった人の気持ちについて
特に自殺幇助合法化議論で、他人が勝手な憶測でものを言うことがいかに危険であるか、
この調査結果は示している、

ロックトインになって間もない人の安楽死希望には慎重な受け止めが大切、とも。

Most locked-in patients ‘happy’
BBC, February 24, 2011


ベルギーといえば、09年にこんな衝撃的なケースがあった ↓

23年間“植物状態”とされた男性が「叫んでいたのに」(ベルギー)(2009/11/24)
「なぜロックトイン症候群が植物状態と誤診されてしまうのか」を語るリハ医(2009/11/25)


また、ベルギーのLiege大学といえば、
Cambridge大学と一緒にこういう技術を研究しているところ ↓

植物状態の人と脳スキャンでコミュニケーションが可能になった……けど……?(2010/2/4)

これは今回検索してみたら、
論文全文が読めるようになっていました ↓

Willful Modulation of Brain Activity in Disorders of Consciousness
Martin M. Monti, Ph.D., et. al.
The New England Journal of Medicine, February 18, 2010


でも、すっごく恐ろしい発見なんだけど、
その他にもLiege大学というのに見覚えがあるような気がして、
ブログ内検索してみたら、なんと、あの「安楽死後臓器提供」を報告した大学でもあった ↓

ベルギーの医師らが「安楽死後臓器提供」を学会発表、既にプロトコルまで(2011/1/26)


これは一体どういうことなんだろう……?

同じ大学の移植医療のあり方に対して、
脳神経領域の研究者が異議を唱えようとしている……?


もし、そうなのだとしたら、
日本でも、同じような研究の必要を感じておられる医師の方々も多いのでは……と

考えたのと同時に、頭に浮かんでしまったのは、

でも、病院や大学にどれだけ外部からゼニをもたらせるかという点で、
組織内部での部門ごとの力関係というか、厚遇のされ方というか、
はたまた個々の研究者がどういう研究態度をとれるかという自由度が
決まる面っていうのも、あるよね、きっと……?

それは、たぶん医学部内部だけの問題ではなくて、

今の日本でも、
文科系学部の研究者の方々がなかなか思い切った研究や発言ができにくくなっている
要因の一つでもあるように思うのですが……。
2011.02.24 / Top↑
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