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英語のニュースには日本のことが具体的に出てこないし、
日本語のニュースではすぐには目につかなかったために
うっかりしていましたが、以下の方のブログが
日本がこのカンファで8億3000万円を確約するとのニュースを拾われていました。

【日本政府】子どもの予防接種に8億円=普及機関を初支援(2011/6/9)

英国の首相は社会保障費を大幅にカットしながら途上国のワクチンに資金を出すことで
国内で非難ごうごう出ているけど、それはメディアが大きく報じるからであって、

日本では8億3000万円の拠出を知らない人が多いのかもしれない。

それとも英国の8億ポンドと比べれば
桁がいくつか違うから問題にならないのでしょうか。

東北の人たちが何もかも失って自分たちはこのまま見捨てられるのかと、
途方に暮れ、怯え暮らしていたり、復興費用をどうやって賄うのか、
そのことの影響は国民の生活にどのように及ぶのか、みんなが不安に陥って、
日本でも英国以上の危機的状況だと思うのだけど、

「それでもなお、途上国の8000万の子どもにワクチンを打って
140万の命を救うことには人道上の意味がある」と管首相は
英国のキャメロン首相と同じことを言うのでしょうか?

いや、もしかしたら日本の場合は首相ではなく官僚が言うのかも?
その場合、それを言うのは厚労省の官僚、それとも経産省の官僚……?

日本にもちゃんと「ワクチン産業ビジョン」なるものが用意されていて、
それが、なぜか「ワクチン・ビジョン」ではないということは、
やっぱり答弁の担当も経産省の官僚かな……?

ゲイツ財団からも、先ごろ人が送り込まれてきました。それも相当な大物が。
日本でもこれから「ワクチンの10年」が本格始動するのでしょう。

こちらは、5月18日の補遺から ↓

武田、ゲイツ財団医療支援分野トップを取締役に招へい(日経新聞 5月11日。一旦貼ったリンクがおかしくなったので、後で修正する予定):グラクソ経由。この人、たぶんこのエントリーの最後に触れているDr.Tanakaじゃないかと思う。そう言えば米国の国際開発支援組織USAIDのトップもゲイツ財団の元職員。

              ――――――

その他、上記の関連で「ゲイツ財団と製薬企業連携」。NPO法人ファーマサポートのサイト。日本語。「第一三共がポリオに効果のある4種混合ワクチンの開発に乗り出したほか、武田製薬、エーザイなど大手がワクチン事業に力を入れ始めている」。

:「ワクチンの10年」経済施策がいよいよ日本でも本格的に始動するということか……。これ保健施策じゃなくて経済施策なんだけど、子どもたちの命は本当に守れるのか。日本の子どもたちも、途上国の子どもたちも……。
http://pharma-support.or.jp/2011/03/28/%E3%82%B2%E3%82%A4%E3%83%84%E8%B2%A1%E5%9B%A3%E3%81%A8%E8%A3%BD%E8%96%AC%E4%BC%81%E6%A5%AD%E9%80%A3%E6%90%BA/



前から漠然と思ってはいたけど、ここ数日、ここにある構造が
いよいよ、あの「原発の安全神話」とそこに繋がる利権構造とそっくり重なって見えてきた――。


このエントリーだけを読まれる方には誤解を招きそうなので
念のために書いておくと、

私は別に、日本は震災でたいへんな時なんだから
ワクチンを打てなくて命を落とす途上国の子どもたちのことなど
助ける必要はないと考えているわけでも、そう言いたいわけでもありません。

今回のカンファを巡って言いたいことは、おおむね、こういうことなのですが ↓
やっと出た、ワクチンのため世界中からかき集められる資金に疑問の声(2011/6/16)
(コメント欄の「ワクチン債」についても合わせ読んでください)

このエントリーに至る過程で当ブログはかなりの情報を読み込んでおり、
その中の一部を以下に挙げてみると、


【ゲイツ財団と「ワクチンの10年」について】
新興国でのワクチン開発・製造に、巨大製薬会社がマーケット・チャンスと乗り出している(2009/11/8)
リスクの“リ”の字もなく“黄金時代”に沸くワクチン開発記事(2009/11/19)
「これからはワクチンが儲かりまっせぇ」の陰には、やっぱりゲイツ財団が……(2009/11/20)
「次世代ワクチン・カンファ」の露骨(2010/5/28)

【ゲイツ財団の慈善資本主義について】
世界中の研究機関に流れていくゲイツ財団のお金(2008/8/28)
ゲイツ財団の私的研究機関が途上国への医療支援の財布を管理しようとしている(2009/6/20)
(ここにGAVIに関する話が詳しく出てきます)
ゲイツ財団の慈善ネオリベ医療グローバリズム賛歌(2009/6/20)
ゲイツ財団のメディア・コントロール(2010/10/21)
ゲイツ財団がコークとマックに投資することの怪、そこから見えてくるもの(2011/3/9)
ゲイツ財団はやっぱりビッグ・ファーマの株主さん(2011/3/28)
ゲイツ財団がインドで目論んでいるのはワクチン普及だけでなくGM農業改革も(2011/4/16)

【グローバル経済の構造的問題として】
巨大ファーマがかつてのゼネコンなのだとしたら……(2009/9/29)
事業仕分けの科学研究予算問題から考えること(2009/12/12)
「必要を創り出すプロセスがショーバイのキモ」時代と「次世代ワクチン・カンファ」(2010/5/29)
“プロザック時代”の終焉からグローバル慈善ネオリベ資本主義を考える(2011/6/15)

【日本のワクチン施策について】
朝日のワクチン記事にも「米国では」の印籠(2009/8/8)
「健康ギャップ」なくても「ワクチン・ギャップ」埋めないと「世界に恥じる」……と説くワクチン論文(2010/3/5)
日本の「ワクチン産業ビジョンの要点」の怪(2011/3/8)


なお、これらの情報などから、2010年6月段階で大まかにまとめたものはこちら ↓
「米国のワクチン不信と、そこから見えてくるもの」を書きました(2010/7/5)
2011.06.17 / Top↑
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