まず、前置き段階の話。
1月6日、親戚のお通夜から帰ってきて
始めて間もないツイッターのTLをお気楽にざっと見していたら
森岡正博先生のツイッターでJulian Savulescuが東京に来ている、と知った。
どうやら翌7日に東大のカンファでSavulescuが講演し、
その後、森岡先生もmoral enhancementについて発言される、とのこと。
ということは、Savuちゃんが話題にするのは moral enhancement……。
これまでの彼の発言からすると、それはゼッタイに
科学とテクノで人に手を加えることを意味するのは間違いない。
このブログではどちらかというと
無益な治療と、それを臓器提供安楽死や安楽死後臓器提供へと誘導する路線の発言を
中心に追いかけてきたので、急ぎ、検索してみると、
去年5月13日の東大での講演の報告がネットに出ていた ↓
報告 ジュリアン・サバレスキュ教授講演会「未来に合ってるだろうか? - 現代テクノロジー、リベラル・デモクラシー、道徳的向上の差し迫った必要性」
まさに moral enhancementのことをしゃべっている。
それを読んで頭が俄かにチャカチャカし始めて、
わわわっと一人で騒いでツイートしたのが以下 ↓
「我々の制限された人間本性(humanity) が人類(humanity) に対する最大の脅威になっているため、道徳上の欠点を有し、不完全でもある人間は、その自然本性を変えるために道徳的なエンハンスメントを行う必要があ る」とSavuちゃん、去年5月に東大でしゃべってた……。
森岡先生のツイートにあったmoral enhancementって、これですね。
じゃねーや。bioenhancementだから、そういう目的で道徳上の欠点を有し、不完全でもある人間を遺伝子操作によってまっとうにしてあげようって話なんだ、きっと。
もひとつ去年5月の東大でのSavuちゃん発言。「人々の反社会的行動には幼児期の虐待とともに遺伝子が関与しているが、プロザック(SSRI)を投与することで協調性を増し、攻撃性を弱めることが可能である」
「技術によって我々の人間本性を変えてまで人類は存続する必要があるのか、同様に、技術によってより「道徳的」となることに何の意味があるのかという疑問 を抱かざるをえなかった」と5月の講演の報告者は書いているんだけど、それは違う、既にSavuちゃんの手口にノセられているよ、と思う。
Savuちゃんが言っている「制限された人間本性」って一体なによ? 「道徳上の欠点」を有した「不完全な人間」って、どういう人間のことよ? それを誰がいつどこでどういう基準で決めるのよ? それがその人の「自然本性」だとどうやったら証明可能なのよ?
「技術によって人間本性を変えてまで」とノセられるんじゃなくて、Savuちゃんが言ってる「人間本性」を疑うべきじゃないの?
親戚のお通夜から帰ってきてツイッター見たらSavu来日中で、いきなりコーーフンしてしまった。この人もう一方で「安楽死臓器提供」なんか説いてますから。合体させたら、どんな世界よ。http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/61036251.htm
Savulescuが「反社会的な人間」の「本性」について言っていることって、昨日、kayukawaさんに教えてもらったロンブローゾと変わらないような気がするんですけど。
コーフンして間違えました。「臓器提供安楽死」でした。ちなみに「安楽死後臓器提供」はすでにベルギーで行われています。http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/62619452.html
ダメだ。頭と口(手?)がとまらなくなってしまった。アシュリー療法論争でもそうなんだけど、そこに提示されているのは土台が穴ぼことマヤカシだらけで本 来なら議論として成立しないはずの「議論」。それが議論として成立、進行してしまうのは、そのデタラメな土台にノセられる人がゾロゾロ出るから。
Savulescuが言っている「グローバル・ジャスティス」って、またの名を「グローバル(薬とテクノロジーくさい)金融慈善(実は人でなし)資本主義」なんでは?
で、この後、Savulescuがこういうことを言っているとしたら、
Peter SingerやNorman Fostも、同じことをもう言っているな、
言っていないとしても、そのうちに言い始めるな、という気がしていた。
そしたら、やっぱり……。
Peter SingerがAgata Saganって人と共著で
NYTのオンライン・コメンタリーに以下の論考を寄せている。
タイトル、私の独断と偏見で日本語にすると、
そろそろ“道徳ピル”考えてもいいかな?
Are We Ready for a ‘Morality Pill’
Peter Singer and Agata Sagan
NYT, January 28, 2012
内容は次のエントリーで。
1月6日、親戚のお通夜から帰ってきて
始めて間もないツイッターのTLをお気楽にざっと見していたら
森岡正博先生のツイッターでJulian Savulescuが東京に来ている、と知った。
どうやら翌7日に東大のカンファでSavulescuが講演し、
その後、森岡先生もmoral enhancementについて発言される、とのこと。
ということは、Savuちゃんが話題にするのは moral enhancement……。
これまでの彼の発言からすると、それはゼッタイに
科学とテクノで人に手を加えることを意味するのは間違いない。
このブログではどちらかというと
無益な治療と、それを臓器提供安楽死や安楽死後臓器提供へと誘導する路線の発言を
中心に追いかけてきたので、急ぎ、検索してみると、
去年5月13日の東大での講演の報告がネットに出ていた ↓
報告 ジュリアン・サバレスキュ教授講演会「未来に合ってるだろうか? - 現代テクノロジー、リベラル・デモクラシー、道徳的向上の差し迫った必要性」
まさに moral enhancementのことをしゃべっている。
それを読んで頭が俄かにチャカチャカし始めて、
わわわっと一人で騒いでツイートしたのが以下 ↓
「我々の制限された人間本性(humanity) が人類(humanity) に対する最大の脅威になっているため、道徳上の欠点を有し、不完全でもある人間は、その自然本性を変えるために道徳的なエンハンスメントを行う必要があ る」とSavuちゃん、去年5月に東大でしゃべってた……。
森岡先生のツイートにあったmoral enhancementって、これですね。
じゃねーや。bioenhancementだから、そういう目的で道徳上の欠点を有し、不完全でもある人間を遺伝子操作によってまっとうにしてあげようって話なんだ、きっと。
もひとつ去年5月の東大でのSavuちゃん発言。「人々の反社会的行動には幼児期の虐待とともに遺伝子が関与しているが、プロザック(SSRI)を投与することで協調性を増し、攻撃性を弱めることが可能である」
「技術によって我々の人間本性を変えてまで人類は存続する必要があるのか、同様に、技術によってより「道徳的」となることに何の意味があるのかという疑問 を抱かざるをえなかった」と5月の講演の報告者は書いているんだけど、それは違う、既にSavuちゃんの手口にノセられているよ、と思う。
Savuちゃんが言っている「制限された人間本性」って一体なによ? 「道徳上の欠点」を有した「不完全な人間」って、どういう人間のことよ? それを誰がいつどこでどういう基準で決めるのよ? それがその人の「自然本性」だとどうやったら証明可能なのよ?
「技術によって人間本性を変えてまで」とノセられるんじゃなくて、Savuちゃんが言ってる「人間本性」を疑うべきじゃないの?
親戚のお通夜から帰ってきてツイッター見たらSavu来日中で、いきなりコーーフンしてしまった。この人もう一方で「安楽死臓器提供」なんか説いてますから。合体させたら、どんな世界よ。http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/61036251.htm
Savulescuが「反社会的な人間」の「本性」について言っていることって、昨日、kayukawaさんに教えてもらったロンブローゾと変わらないような気がするんですけど。
コーフンして間違えました。「臓器提供安楽死」でした。ちなみに「安楽死後臓器提供」はすでにベルギーで行われています。http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/62619452.html
ダメだ。頭と口(手?)がとまらなくなってしまった。アシュリー療法論争でもそうなんだけど、そこに提示されているのは土台が穴ぼことマヤカシだらけで本 来なら議論として成立しないはずの「議論」。それが議論として成立、進行してしまうのは、そのデタラメな土台にノセられる人がゾロゾロ出るから。
Savulescuが言っている「グローバル・ジャスティス」って、またの名を「グローバル(薬とテクノロジーくさい)金融慈善(実は人でなし)資本主義」なんでは?
で、この後、Savulescuがこういうことを言っているとしたら、
Peter SingerやNorman Fostも、同じことをもう言っているな、
言っていないとしても、そのうちに言い始めるな、という気がしていた。
そしたら、やっぱり……。
Peter SingerがAgata Saganって人と共著で
NYTのオンライン・コメンタリーに以下の論考を寄せている。
タイトル、私の独断と偏見で日本語にすると、
そろそろ“道徳ピル”考えてもいいかな?
Are We Ready for a ‘Morality Pill’
Peter Singer and Agata Sagan
NYT, January 28, 2012
内容は次のエントリーで。
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