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英国で、ダウン症を理由にした中絶が
実は政府の公式発表の2倍も行われていることが判明した。

London大学に本拠を置く the National Down’s Syndrome Cytogenetic Registerによると、
2004年から2008年までにダウン症候群と診断された4777胎児が中絶された。
そのうち1032件は去年2008年のもの。

ところが、保健省の記録ではその間のダウン症を理由にした中絶件数は2168件。
去年は436件となっている。

NDSCRは、病院の遺伝子診断センターから
胎児にダウン症候群が診断された段階で直接報告を受けて、
その後を個別にフォローして中絶された件数を把握しているので、
中絶した医師からの報告のみを集計した政府の数字よりも正確。

この2つの統計数のギャップの原因は、
中絶する女性の気持ちを傷つけないために
医師が「胎児にダウン症があるため」ではなく
「社会的な理由により」と報告してしまうためという声もあるが、
ただ単に、正しく報告されていないだけとも思われ、

政府統計がこれほど不正確なのは問題、と批判が出ている。

来年度からNDSCRの予算は大幅にカットされることが決まっており、
正確な中絶数の把握のためにも、NDSCRは自らの役割の大きさを訴える。

また、医師らが正確に中絶理由を報告していないのは違法行為でもある、とも。



じゃぁ、先月末に、以下のニュースで出てきていた
「中絶する人の割合は、ずっと9割のまま」というのも、
不正確な統計ということになるのかも?



そういえば、この前、某所で聞いたシンポで、
日本の某制度が諸外国の制度に比べて、いかに優れているかということを
次々にさまざまな統計をグラフで示しては論証して見せる人がいて、

私たち素人は、そんなふうにグラフや表を持ち出されて「ほら」と解説されると、
とりあえず数字に説得されてしまいそうになるのだけれど、

その学者さんの場合は、私なりに、どういう人かというイメージはあるので
ちょっと眉にツバつけながら聞かせてもらっていたところ、

シンポジストがみんな発表した後で、
モデレーターがその人の発表に関して、
「ここのところの統計が一種類しか示されていないなど、
出された統計に関して、ちょっと言いたいことはあるのですが……」と
さらりと触れて、次の話題にいったのが、私の耳には大音響のように聞こえた。


統計を引っ張り出してくる人は、
たいてい「これぞエビデンス」と主張するのだけれど、
どの統計(だけ)をチョイスしてくるかによって情報は操作できるし、
その数字そのものにカラクリがあったりもする。

自民党時代にも存在してはずなのに、
政権交代したとたんに表に出てくる統計というのもあるし、

貧困率みたいに、政権交代して初めて調査されて出てくる数値もある。

重症重複障害児・者の実数は、いまだに政府も地方自治体も把握していないし。
2009.11.16 / Top↑
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