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障害児・者への“アシュリー療法”、強制不妊、生命維持停止について
市民権、人権侵害である、と批判する大部の報告書が、
National Disability Rights Network から5月に出ていました。

タイトルは 
Devaluing People with Disabilities
Medical Procedures that Violate Civil Rights

著者は
David Carlson
Cindy Smith
Nachama Wilker

資金はNIDRR(the National Institute on Disability and Rehabilitation Research)

報告書本体はこちら ↓
http://www.ndrn.org/images/Documents/Resources/Publications/Reports/Devaluing_People_with_Disabilities.pdf


Ashley療法だけでなく“無益な治療”論の観点からも
これは非常に重要な文書。

読んで、おいおいにエントリーにしていこうと思いますが、
とりあえず書いておきたいことは2点で、

① 今年5月は、07年のWPASとこども病院の合意の最初の期限であり、
その期限切れの時期にタイミングを合わせて、この報告書が出されている、ということ。

この点について、私がずっと懸念してきたことは以下に ↓

シアトルこども病院は、5年の合意期限が切れるのを待っている?(2010/11/8)

実際に、以下のような動きが起きている ↓
論争から5年、アシュリー父ついに動く(2010/3/16)
豪でアシュリー事件の賛否を問うアンケートが仕掛けられている?(2012/5/15)


② 大いに引っかかるのが、
この報告書のファースト・オーサーのDavid Carlson。

この人は07年に
このネットワークの一つであるWPAS(現DRW)が調査報告書を書いた時にも
ファースト・オーサーだった人。

07年5月のワシントン大のシンポにも登場したけれど、

その後、シアトルこども病院が、
明らかに初めに結論ありきとしか思えない成長抑制ワーキング・グループを立ち上げた時に、
そのメンバーに入った。

9年1月に同病院がこのWGの結論を正当化するためのシンポを開いた段階でも
Carlsonはまだメンバーに残っていた。

ところが、WGの結論(一定の条件付きで成長抑制を妥当とする)がついに
へースティング・センター・レポートに掲載された際には
メンバーの一覧の中にCarlsonの名前はなく、
20人いると論文中で書かれているメンバーが実際には19人しかいなかった。

その欠員1名について論文は報告していないし、
Carlson自身もメンバーから抜けたことについて説明していない。
(少なくとも私はそんな説明には行き当たっていない)。


WPASの調査報告書が
当初の目的を途中であきらめてしまっていることを含め
David Carlsonという人の行動そのものが、当ブログでは
Ashley事件をめぐるミステリーの一つです。

その詳細は以下のエントリーに ↓
なぜWPASのCarlson弁護士はWGメンバーから消えたのか?(2010/12/6)
2012.06.26 / Top↑
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