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オーストラリア the Brighton EastのBeverley Broadbentさん(83)は、
これまで充実した人生を歩んできて、病気でターミナルな状態にあるというわけではなく、
不幸だと感じているわけでもウツっぽいわけでもないけど、
加齢に伴い、健康問題があれこれと出てきたり、
これまでのように行かないことが増えてきて、

そのうちに認知症になったり、
転んで骨折でもしたらナーシング・ホームで寝たきりになると考えると、
そんなことにならないうちに静かに死にたい、と
バービツレートを手に入れた。

そして、メディアのインタビューを受けて思いを語るビデオを収録し、
2月11日に自宅ベッドでそれを飲んで自殺した。

記事によると、安楽死活動家Rodney Symeが
死の前に何度かBroadbentさんと会った、とのこと。

Symeは、
こうした希望を持って相談してくる高齢者が増えているので、
皆で議論すべきだ、と語っている。

一方、Right to Life AustraliaのKatrinaHallerは、
高齢者が、例えば病院のベッドをふさいでいると言われるなど、
社会からお荷物視されることが、自殺願望に繋がっているとして、

「どこで線を引くんですか? ベルギーとオランダでは、
年々、ドアは少しずつ大きく開いていますよ」

Rational suicide: Why Beverley Broadbent chose to die
The Age Victoria, April 2, 2013



Beverleyさんが致死薬を飲む時には
Amandaとだけ名前を明かしている看護師をしている女性が側にいた、とのこと。

女性は、comfort(安楽にすること)はしたけれど、幇助はしていない、と言っている。

Amandaさんによると、
Beverleyさんは致死量のNembutal を午後7時半に飲み、
その30分後に安らかに息を引き取った。

Suicide a calm and beautiful ending, says witness
The Age Victoria, April 3, 2013


ちょっとFEN事件を思わせる事件――。
FENが自殺する人に指南役として送り込むボランティアはExit Guideと呼ばれている。


それにしても、
英国のGilderdale事件もそうだったけれど、
こういう事件のニュースに触れるたびに私は不思議でならないのだけれど、

使われたモルヒネとかバルビツールの入手経路って、
どうして誰も問題にしないんだろう???


ちなみに、BioEdgeのMichael Cookは
先週のニュースレターのコメントでこの事件を取り上げて、
いくつか倫理問題を指摘している。

① 取材して記事を書いた記者には、人として
Beverleyさんの自殺を思いとどまらせようとする道徳的義務はなかったのか。

② 記事の書き方がバルビツールを「安楽ピル」を呼ぶなど、
Philip NitschkeのExit Internationalの無料広告みたいになっている。

③ WHOの自殺報道ガイドラインは、ジャーナリストに対して
「自殺をセンセーショナルに描いたり、正常なことと描いたり、
問題解決の方法であるかのように捉える言葉づかいを避けるよう」求めているが、
この記事はその3つ全てをやっている。

④ 文末にヘルプ・ラインの電話番号を記しているが、
自殺を美化し勧める内容の記事を書いておきながら、何の説得力もない。



【関連エントリー】
オランダで「70歳以上の高齢者には自殺幇助を」を学者・政治家ら(2010/2/10)
「高齢者がいつでも死ねるように街角ごとに“安楽死ブースを”」と英国作家(2010/2/10)
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2013.04.07 / Top↑
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