Matthew Millington さん31歳はイラクからの帰還兵。
不治の呼吸器疾患があったため2007年4月に両肺の移植を受けたのだけれど、
そのドナーは一日に30~50本もタバコを吸うヘビー・スモーカーだったため、
6ヶ月後に肺がんになってしまった。
そのドナーは一日に30~50本もタバコを吸うヘビー・スモーカーだったため、
6ヶ月後に肺がんになってしまった。
通常なら、移植臓器に不具合が生じた場合には
NHSで再度の移植を受けることが出来るのだけれど、
NHSで再度の移植を受けることが出来るのだけれど、
がん患者には臓器移植は行わないというルールに引っかかって
次の移植は受けられなかったばかりか、
移植後に飲んでいた拒絶反応を抑制する薬によって
がん細胞の増殖が加速されてしまった。
次の移植は受けられなかったばかりか、
移植後に飲んでいた拒絶反応を抑制する薬によって
がん細胞の増殖が加速されてしまった。
去年2月に死亡。
移植を手がけたPapworth病院は心臓と肺の移植を手がける英国の主要的センターで
調査の結果、このような事態を招いた背景にあったのは
放射線技師と担当医らのコミュニケーション不足、とされ、
検視官はMillington氏の死因を「臓器移植の合併症」と記録。
調査の結果、このような事態を招いた背景にあったのは
放射線技師と担当医らのコミュニケーション不足、とされ、
検視官はMillington氏の死因を「臓器移植の合併症」と記録。
ドナー肺について病院側は
移植前にレントゲンで調べた際には異常はなかったし
移植に使う臓器は厳重にチェックしている、と。
移植前にレントゲンで調べた際には異常はなかったし
移植に使う臓器は厳重にチェックしている、と。
Millington氏の父親は
「ミスがあったとしても、悪意からのものではないし
Papworthで移植に使われる肺の51%は喫煙ドナーのものだというのも事実。
そういう肺を使わなければ、もっと多くの人が移植できずに死ぬのだから」と述べ、
特に法的な措置をとる考えはない、と。
「ミスがあったとしても、悪意からのものではないし
Papworthで移植に使われる肺の51%は喫煙ドナーのものだというのも事実。
そういう肺を使わなければ、もっと多くの人が移植できずに死ぬのだから」と述べ、
特に法的な措置をとる考えはない、と。
この記事で、私が大きなインパクトを感じたのは、
残された妻(記事に寄せられたコメントでは婚約者としているものも)の言葉で
残された妻(記事に寄せられたコメントでは婚約者としているものも)の言葉で
「Matthewが望んでいたのは、
ただ、もう一度、別の肺(another set of lungs)が欲しいということだけだったのに。
ただ、もう一度、別の肺(another set of lungs)が欲しいということだけだったのに。
『不良品(a dud pair)を使われたんだから、別の(another set)をくれよ』と言ってたわ。
克服できると考えていたのに、それから、あっという間に状態が悪くなってしまった」
克服できると考えていたのに、それから、あっという間に状態が悪くなってしまった」
このニュースには、
喫煙者の肺を移植に利用することそのものの安全性、
病気が潜んでいる可能性のある臓器を移植に使うこと一般の安全性、倫理性、
その場合の検査手順の厳格化や、病院の責任の範囲の明確化、レシピエントへの説明の問題、
喫煙者の肺を移植に利用することそのものの安全性、
病気が潜んでいる可能性のある臓器を移植に使うこと一般の安全性、倫理性、
その場合の検査手順の厳格化や、病院の責任の範囲の明確化、レシピエントへの説明の問題、
移植が成功しなかった場合に再移植を受けられるルールの問題、
がんの原因が移植そのものであった場合に、そのルールが適用されるべきかという問題、
がんの原因が移植そのものであった場合に、そのルールが適用されるべきかという問題、
次の移植を受けられずに死んだ患者さんがイラクからの帰還兵だったことが
一般の患者の場合とは、また違った国民感情を引き起こしている可能性がありそうだ、
と、私は記事に寄せられたコメントを読んで感じる、その問題、
一般の患者の場合とは、また違った国民感情を引き起こしている可能性がありそうだ、
と、私は記事に寄せられたコメントを読んで感じる、その問題、
……などなど、いろんな別問題があるのだろうと思うのだけど、
記事と、そこに寄せられた読者コメントを読めば読むほど、英国では
臓器というものは、いつでももらえて、何度でももらえて、それが当たり前のもののようで……
臓器というものは、いつでももらえて、何度でももらえて、それが当たり前のもののようで……
この記事を読んでいたら、
深刻な臓器不足という言葉が頭に浮かんで、だんだんと大きくなっていき、
深刻な臓器不足という言葉が頭に浮かんで、だんだんと大きくなっていき、
another set、a dud pair と一緒になって、蛍光色のネオンサインみたいにチカチカし始めた。
2009.10.13 / Top↑
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