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ロンドンのローカル紙と思われる新聞電子版の小さな記事で
事実関係も、ほとんど分からないのですが、

2007年の2月に
28年間連れ添ったパートナーRaymond Cutkelvin(58歳)に付き添ってスイスへ行き、
Dignitasで彼が死ぬのを見ていたとして、
57歳の Alan Cutkelvin Rees (57歳)が
自宅から警察に連行されて、尋問を受けた。

Raymondさんは癌だった。

本人は
「今まで何もせず、いきなりやってきた警察には腹が立ったけど、
でも、最終的には(こうなって?)嬉しい」

最初から逮捕覚悟でやったことだったから、こうなって嬉しいのか、
ちょっと「嬉しい」の意味は、よく分かりません。

また、
記事タイトルは「逮捕される」となっているのだけど本文には「逮捕された」という記述は無く、
質問を受けただけのようにも受け取れる点も、ちょっと引っかかります。

逮捕されたのだとしたら、この本人のコメントはいつ、どうやって取ったのか、という点も。

Assisted suicide partner arrested
The London Evening Standard, July 17, 2009


先週の指揮者夫妻の前段階で115人といわれていた英国人のDignitasでの自殺で
付き添っていった人が罪に問われたケースは無いというのだけれど、

付き添う家族を罪に問わないことにする法改正案が最近、不成立になったから
それを受けた動きであるとすれば、これが罪に問う最初のケースになる可能性があるということでしょうか。

ちょっと、そういうニュアンスの記事ではないような気もするし、
なんで2007年のケースを今更……という気も。

ただ、この記事を読んで、ふと頭に浮かんだのは、

もしも
少なくとも大きく報じられた最初のケースだった先週の夫婦“幇助心中”
あの著名な文化人と病気の妻の夫婦ではなく、

この人たちのようにホモセクシュアルの夫婦だったとしたら、
果たして世論は今のように賛美・擁護したのだろうか……?

これも、また、Ashley事件の時に考えた疑問と同じ。

もしもAshleyがあんなに美しい白人の子どもでなかったら
果たして世論は、あれほど賛美・擁護しただろうか……?


【20日の続報】

以下の記事を見つけました。
Cutkelvin Ree氏は確かに逮捕されて、保釈された模様。

記事から彼の発言を拾うと、

逮捕は衝撃でしたが、どこかで、こうなると予期しているところはありました。

私を逮捕したければできる。でも、その法律は変わらなければならない。

私が腹が立つのは、Reymondが外国に行って死ななければならなかったこと。

この国の姿勢は無意味に厳格すぎる。死ぬのはRaymond自身の選択だったのに。

スイスへ行くのは、ものすごく大変でしたが、Reymondが望んだのが
尊厳のある穏やかな死に方をしたいということだったから。

いつ、どのような死に方をするかは個人の判断に任されるべきだ。


Assisted suicide partner arrested
south wales.co.uk, July 20, 20090
2009.07.19 / Top↑
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