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米国医師会の会員向け新聞において、
現在米国でただ2つだけ医師による自殺幇助を合法化しているOR州とWA州の
同法の適用実態がまとめられています。

まず今年3月に試行されたばかりのWA州について。

尊厳死法の適用を受け医師の処方による致死薬を飲んで死んだ人は5人。

うち2件では精神医療の専門家が相談を受け、不服を申し立てた。

亡くなった5人のうち2人はCompassion & Choiceの支援を受けた。
(これら2件については当ブログで追いかけており、文末に関連エントリー)

この記事の締め切り時点で致死薬の処方を受けた人は14人で、
そのうち13人が薬局で購入済み。

(私は個人的に、この薬のトラッキングが誰の責任でどのように行われるのか、
患者が飲まずに死んだ場合には、その確認と回収はどうなるのか、とても気になります。
今のところネットの英文情報で、そうした懸念が表明されているのを見たことはないので、
何らかの方策が法文に盛り込まれているのかもしれませんが)


一方、Oregon州では、
1998年以来400人以上が尊厳死法によって死亡。

昨年は最も多く、
88人が致死薬の処方を受け、
60人が死亡。

医師による自殺幇助に反対する医師らの団体
Physician for Compassionate Care Education Foundation の副会長 Kenneth R. Stevens氏は
死亡60件のうち、たった2件でしか精神科医の関与が求められていない点と
2008年では全ケースの88%がC&C Oregonによって援助(facilitated)されており
十分な情報と支援が与えられず誘導された懸念がある点とを問題視。

(この高率はちょっとショッキング。
実は、この60人のうち59人がホスピスケアを受けていたとC&Cが明らかにしており、
Oregon では C&C がホスピスケアにも入り込んで患者を誘導している、恥を知れと
Wesley Smith が批判しています)

Montana州でも去年12月に下級裁判所によって
ターミナルな病気の人は医師に自殺幇助を受ける権利が
憲法(州の?)で認められているとの判断(Baxter v. Montana)が下されたものの
州当局が上訴し、口頭弁論が秋に予定されているところ。

米国医師会の方針は「自殺幇助を合法化するいかなる法案にも強く反対する」
その理由は「癒す者(healer)としての医師の役割と基本的に一貫しないから」。

記事には、
1998年から2008年までのOregon州尊厳死法での
書かれた処方箋数、死亡者数、処方箋を出した医師数の一覧表があります。


5 people die under new Washington physician-assisted suicide law
Fourteen patients in that state requested doctors’ aid in dying. Meanwhile, more patients than ever made use of Oregon’s death-with-dignity law in 2008.
American Medical News, July 6, 2009




そのほか「尊厳死」の書庫に多数あります。
2009.07.06 / Top↑
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