この法案、名前を The Family Health Care Decisions Act という。
最初にNY州議会で提案されたのは1992年なのだそうな。
それが17年たっても、まだ成立していないために、NY州では、
患者本人が代理決定の委任書やリビング・ウィル、その他の指示書を書いていない限り
意思決定能力を失った人の治療に家族が同意する権利も拒む権利も認められていない。
カルテをチェックする権利すら認められていない。
それが17年たっても、まだ成立していないために、NY州では、
患者本人が代理決定の委任書やリビング・ウィル、その他の指示書を書いていない限り
意思決定能力を失った人の治療に家族が同意する権利も拒む権利も認められていない。
カルテをチェックする権利すら認められていない。
米国人の8割は代理決定の委任もリビング・ウィルも書いていないというのに、
これは実に許しがたく、かつ人道に反することだ、とNY Timesの社説。
これは実に許しがたく、かつ人道に反することだ、とNY Timesの社説。
17年間、成立しなかったいきさつには、
同姓婚のパートナーの代理権をどうするかとか
妊娠中の女性がこん睡状態になったらどうかとか、
いろいろ政治的な対立があったようなのだけれど、
同姓婚のパートナーの代理権をどうするかとか
妊娠中の女性がこん睡状態になったらどうかとか、
いろいろ政治的な対立があったようなのだけれど、
今回の審議はそろそろ大詰めらしく、成立すれば、
NY州もめでたく米国の大半の州と同じく
意思決定の能力がないと認定された患者の家族や身近な人に
代理決定する権限が認められることとなる。
NY州もめでたく米国の大半の州と同じく
意思決定の能力がないと認定された患者の家族や身近な人に
代理決定する権限が認められることとなる。
家族その他の代理が延命治療を拒むことができるのは、唯一、
ターミナルな病状または永続的に意識のない患者にその治療が「過度な負担」を強いるか、
もしくは、その治療が非人道的なほどの痛みや苦しみを患者に与える場合のみ。
ターミナルな病状または永続的に意識のない患者にその治療が「過度な負担」を強いるか、
もしくは、その治療が非人道的なほどの痛みや苦しみを患者に与える場合のみ。
たぶん、Ashley事件とか「無益な治療」論・法とか
Navarro 事件とか、Golubchuk事件とか、Kaylee事件とか、
そういうものを何も知らずに、この記事だけを読めば、
そりゃ、そうだよね……と思ったんだろうな……と、思う。
Navarro 事件とか、Golubchuk事件とか、Kaylee事件とか、
そういうものを何も知らずに、この記事だけを読めば、
そりゃ、そうだよね……と思ったんだろうな……と、思う。
事故で脊髄を損傷し「身障者という身分の低い存在として生きるなんて耐えられない」と
スイスへ行った23歳の元ラグビー選手の自殺まで支持・擁護されてしまうような、
「ターミナル」も「耐えがたい苦痛」も、もはや、どうでもよくて、
なんでもありグズグズの、急坂を転げ落ちるような自殺幇助合法化議論も知らずに、
スイスへ行った23歳の元ラグビー選手の自殺まで支持・擁護されてしまうような、
「ターミナル」も「耐えがたい苦痛」も、もはや、どうでもよくて、
なんでもありグズグズの、急坂を転げ落ちるような自殺幇助合法化議論も知らずに、
だから
「患者の最善の利益」という言葉が
どんな使い方でもされ得ることの危うさ・怖さを知らずに、
「患者の最善の利益」という言葉が
どんな使い方でもされ得ることの危うさ・怖さを知らずに、
この記事だけを読めば――。
2009.06.09 / Top↑
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