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各国から3000人を超える緩和ケアの専門家が集まって5月7-10日まで開かれた
欧州緩和ケア協会(European Association of Palliative Care:EAPC)会議において、
だいたい以下のようなことが確認された。

緩和ケアの専門的な養成過程が整備されてきた一方で
いまだ国によってばらつきがある。

緩和ケアを必要とする全ての人が病院外来と地域のクリニックで
適切なケアを迅速に受けられることを目標に、
専門教育を充実する必要がある。

ヨーロッパ各国で盛んに議論されつつある安楽死と自殺幇助については
様々に複雑な要因が含まれており、
それらを望む患者の気持ちも複雑で、尊重はしなければならないし、
こうした問題が議論されることは大事ではあるにせよ、

安楽死や自殺幇助を望んでいる患者が
緩和ケアが十分に行われれば気持ちを変えることは頻繁に起こることであり、

仮に医師による安楽死や自殺幇助が合法化されたとしても
緩和ケアの専門家はそうした責任を担うべきではない。

終末期の沈静と安楽死を同一視する誤解が広く見られるが、
緩和ケアの沈静は苦痛を取り除く目的で行われるものであり、
患者を殺す意図によるものではない。

いずれの国にせよ、安楽死や自殺幇助が合法化されれば
弱い立場にある人たちにプレッシャーがかかることになる。
また緩和ケアの軽視にも繋がる。

一度ドアを開ければ、社会全体が殺人を容認していくことになるだろう。

現代の医療には無用な延命や耐え難い苦痛に満ちた終末期への恐怖があり、
それが安楽死や自殺幇助の希望に繋がっている。

緩和ケアの専門家は安楽死や自殺幇助を推進する人たちと
オープンな議論を行い、一人ひとりの意思を尊重することは大切であるが、
高齢者、死にゆく病者、弱い立場にある市民へのケアを提供する責任を
全ての社会がもう一度再確認することが大切である。


Euthanasia And Physician-assisted Suicide: Danger Of Pressure On Vulnerable Persons and The Devaluation Of Palliative Care Structure
Press release from European Association for Palliative Care
The Medical News Today, May 11, 2009
2009.05.12 / Top↑
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