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自殺幇助ツーリズムのメッカ、スイスのDignitasクリニックの創設者 Ludwig Minelliが
BBC Radio4の The Reportという番組に登場。

放送メディアでのインタビューは5年ぶりだとか。

ついに出てきたか……という感じで以下の記事を読み始めて、
すぐに「なんてこと言うんだ! なんてこと、するんだよっ!」と頭に血が上った。

Dignitas defends assisted suicide
The BBC, April 1, 2009


記事に出ている彼の発言を、とりあえず以下に。

・自殺に失敗されると英国のNHSにとっても厄介だしコストも重い。

・「自殺に対する私の姿勢はまったく違って、自殺は人間に与えられたすばらしい可能性だと考える。自殺は、自分では変えることのできない状況から逃れるための大変すぐれた選択肢である」

・「ターミナルな病状は条件ではない。英国人が勝手にターミナルにこだわっているだけだ」

・「Dignitas はクリニックではない。人権問題の弁護士として、私はパターナリズムには反対の立場だ。他の人に代わって意思決定を行うことはしない」

・「カナダ在住の夫婦で、夫の方が病気というケースがある。妻の方は病気ではないが、私の家のこのリビングルームで彼女ははっきりと『夫が逝く時に自分も一緒に逝きたい』と言った。問題をはっきりさせておくために、たぶん裁判所に判断を仰ぐことになるだろう」と、この夫婦をテスト・ケースと考えていることを明らかに。

・また、これまでDignitasが自殺幇助を行ってきた100人を超える英国人の大半はターミナルな人たちだったが、中には精神病患者や、病状に差がある夫婦が含まれていたことも明かした。

記事には、Dignitasでアシスタントをしていたが
精神病者や夫婦に対するDignitasの姿勢に疑問を覚えて辞めたという女性
Soraya Wernliさんのコメントもあり、

「その人が病気でターミナルであれば自殺幇助そのものは問題ないと思うけれど、
私が疑問を感じるのはDignitasが自殺を幇助する、そのやり方」と。

先月、前保健相が提案した the Coroners and Justice Bill への修正法案は
時間切れで投票にいたらなかったものの、
Hewitt前保健相は、この発言に、
Dignitasでの自殺幇助では十分なセーフガードになっていないからこそ
英国の法律を改正する必要があるのだと。

(しかし、Hewitt氏が提案した改正案は
「自殺幇助のためにターミナルな人を海外へ連れていく家族や知人を
罪に問わないことにしよう」という別の話だったはずなのですが)

一方、スイス当局は自殺幇助法の見直しを行っているところ。

もっと時間をかけてアセスメントを行う、
自殺希望の精神病者や夫婦には判断基準を厳しくする、など
同国の医療倫理コミッションから勧告が出されている。

コミッションの委員長によると
スイスの法律は結局のところ、刑法にある
自分の勝手な動機で自殺を幇助したら、それは犯罪だとの1文でしかない。

「現在は、規制がないまま自殺幇助が行われているという妙な状態」と。

スイスの法務大臣はBBCに対して
2ヶ月以内に改正を提言する予定、と。


なお、このニュースはTimesも以下に。




自殺を試みて失敗されたら医療費がかかって迷惑だろうから
最初から医師が確実に死なせてあげる方がいいだろう……って
それは一体どういう屁理屈なんだよっ。

自分では変えることのできない状況から逃れるために自殺は優れた選択肢……って、
思い通りにならない、気に入らないからって、イチイチ死んで、どーすんだよっ。


【2009年7月17日追記】

この時にDignitasが検討していた夫婦はこちらのカナダの夫婦と思われます。
夫が思い心臓病。妻は健康で「娘たちも愛しているけど、夫の方をもっと愛している」と。

2009.04.02 / Top↑
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