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現代医学における予防医学重視と医療費節減インセンティブによって
75歳以上の健康な高齢者に対して予防的投薬が行われているが、
一人ひとりへの利益が実際にどの程度あるかということはきちんと検証されておらず、
高齢者への予防医学はむしろ有害、と

BMJに発表された論文でEdinburgh大学の名誉教授(心臓病の専門医)が指摘。

例えば脳卒中を予防する治療とは
軽い高血圧の症状のある成人75人に1人の確率で起こる脳卒中を予防するものなのだから、
統計上74人は予防の必要がないのに死ぬまで治療を受けることになる。

政府のガイドラインは
医療経済上の必要と製薬会社からの執拗な圧力とから出ているのだから
あまり鵜呑みにしてマジメに守ろうとしない方がいい、

そういうことをするから患者は簡単に診断をつけられて治療されてしまう。

それよりも大事なのは症状の原因をきちんと分析研究して突き止めることであり、
本当に75歳以上の高齢者で危険因子に対する予防治療を行うことが
それぞれの高齢者にとって利益となるのかどうか
慎重にエビデンスを出すべきだ、と。

また患者には、
治療に伴う利益とリスクと、治療しなかった場合の利益とリスクの両方を
十分に説明する必要がある、とも。


元論文はこちらに全文があります。


著者は若い人の予防医学はそれなりに意味があるとして
高齢者についてのみ疑問を呈しているのですが、

最近、立て続けに目に付いた記事で、例えば、

米国泌尿器科学会が、
前立腺がんの兆候が全くない中高年の男性でも
この薬を飲めば予防できますよ、と新たなガイドラインを出したとか



小児のⅠ型糖尿病を引き起こすウィルスが分かったから
これでワクチンが作れるようになるという話だとか



妊娠中に胎児のために飲むマルチ・ビタミン「出生前ビタミン」には
脳の発達に不可欠なビタミンiodine が十分に入っていない商品があるから気をつけろとか、

(たかがサプリメントなのだから、飲まなければ欠乏するというわけでもないのに
これを読むと、iodineがちゃんと入った製品でないと
おなかの赤ちゃんの脳の発達に悪影響がある……と解釈されかねないような)



この記事からたどったら、
米国の超有名で権威あるMayo Clinicのサイトの健康情報に
出生前ビタミン:あなたの赤ちゃんにベストなスタートを」と題したページがあったりとか。


予防医学が行き過ぎているのは
高齢者についてだけではないのでは?

研究者は1つの病気の予防さえ考えていればいいかもしれないけど、
あの病気もこの病気も予防できるからとワクチンやら薬やらを飲まされる方は
それぞれ1人の人間が複数のワクチンやら薬を体内に取り込むことになるわけで、

そこの相互の影響や総合的な安全性は検証されるのか……
……という素朴な疑問を私は無知な素人なりにずっと引きずっていて、

たしか米国では乳幼児期に義務付けられたり推奨されているワクチンが
既に11種類もあって、その中には
子宮がんの原因とされているヒトパピローマウイルスのワクチンも含まれているのですが、
このまま「この病気の原因になるのはこのウィルス」という新たな知見が出てきて、
そのウィルスに対するワクチンが開発されるたびに
この11種類にひたすら追加していくつもりなんだろうか。

そこまでどの病気も予防してしまわなければ気がすまないなら、
いっそ人体をクリーンルームみたいにしてしまうしかないんじゃないかと思うのだけど、

そんなことをしたら人間はもちろん免疫もなくして
生きてなんかいけなくなってしまうのだろうし、

それなら際限なくワクチンを追加していけば人間が健康になるというのも
大いに疑問なのではないかと、素人ながら考えてしまう。
2009.03.08 / Top↑
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