2ntブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
Peter Duff さん(80)と妻のPennyさん(70)は英国の裕福な夫婦。
共に末期がん患者である2人は金曜日にスイスのDignitasクリニックで
バルビツール系毒物を飲み自殺。

娘は両親の行為を「美しくすばらしいこと」と讃えるが
法律上の問題があるため詳細は語っていない。

MSの女性が将来Dignitasに行く場合の夫の介助をめぐって
法律の明確化を求めた裁判で
英国の最高裁は事実上罪に問わないとの判断を示したばかり。

英国の夫婦がそろってDignitasで自殺したのは2例目で
1例目は2003年のStokes夫妻。
Stokes夫妻は夫がてんかん患者で妻がMS。
いずれも末期の病気ではなかったが、
スイスの法律では自殺幇助に末期であることを条件付けていない。

なお、Times紙の取材によると、
英国の医療委員会(GMC)は近く全国の医師らに対して
終末期医療においては患者の意思を尊重することとしてガイドラインを出すとのこと。

延命治療拒否や中止を望む患者の意思が明確であるのに
それに反して治療を行った医師には資格剥奪の可能性も。



もう本当に「滑り坂」ずるずる……と思えてならないし、

ここでもまた、厳密に線引きした上で議論されるべきことが
なにもかもゴチャマゼで同じ土俵に上げられて、
それが「滑り坂」をさらに急傾斜させていると思えてならない。

GMCのガイドラインは
英国内での消極的安楽死の自己決定の話であり、
Dignitasで行われているのは積極的安楽死、または安楽死ですらない自殺幇助。

本人がDignitasに出かけて自殺する行為についての判断と
それを家族が手伝う行為についての判断も、また別問題のはずで

しかも、こちらは外国での幇助自殺なのだから、
話が錯綜しているのに、

余命が限られて耐えがたい苦痛がある人の自己決定と
そうではない人の「死の自己決定」も並べられて

こんなにも、なにもかもを一緒くたに持ち出して記事にして、

そこに「夫婦がそろってスイスで契約自殺」というタイトルと
「医師らへのガイドラインとタイミング重なる」という副題をくっつけるというのは、
報道する側の意識のあり方として、いかがなものか──。
2009.03.06 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://spitzibara.blog.2nt.com/tb.php/859-31f58208