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BBCの幼児向け番組 CBeebiesのホスト Cerri Burnellさん(29歳)は
生まれつき右腕の肘から先がない。

それについて
「子どもたちが怖がる」
「子どもが悪夢を見てはいけないから番組を見ることを禁じている」などと
視聴者から抗議が届いている、とのこと。

以下のicadのエントリーにあるABCテレビのビデオには
番組の1シーンと、本人へのインタビューがあります。

Handicapping Cerrie Burnell
By Dick Sobsey,
icad, February 26, 2009


Burnellさんが話していることの要点は

かつて人工の腕をつけてみたこともあるが自分には不便なだけだったので、
それ以来、ありのままに姿で暮らすことを選択した。

このままの姿で番組のオーディションを受けて受け入れられたのだから、
番組スタッフとの間で片腕であることが特に問題になったこともない。

今回のようなことはこれまでもよく言われてきたが
それは私個人に向けられたものというよりも、
すべての障害者に対するスティグマであり、
すべての障害者が経験している差別がここに象徴的に現われている。

子どもたちは、この腕を見て、どうしたのかとまっすぐに聞くが
それは怖がっているのではなく単に興味を持ち、知りたがっているだけ。
ちゃんと説明すれば、それでいいこと。

私がテレビに出たことでこういう声が起こってくるというのは、
いかに一般の人々が障害に馴染んでいないか、
いかにテレビに障害のある人が登場することが少ないかを物語っている。

もっと様々な障害のある人がテレビに登場するべきだということ。


BBCでの平等と人権委員会のBert Massie卿の指摘が鋭くて、

障害者に対する偏見や差別意識のある大人はいるが、彼らはその偏見が自分のものだと認めないために、それを子どもたちに投影して、差別しているのが子どもたちであるかのような物言いをする。だから抗議はみんな匿名なのだ。


Sobsey氏 の指摘も鋭くて、

MSNBCのニュースタイトル
「片腕のテレビホストは子どもを怯えさせる、と親。
専門家はBBCテレビの番組ホストに対する親の不快は“時代遅れ”と」
の「時代遅れ」という表現こそ、
ことの本質を見誤っているし、

ABCテレビの番組タイトルに至っては
「片腕のTV番組ホスト、論争を引き起こす」

これでは
「ユダヤ人がホロコーストを引き起こす」
「黒人がリンチ事件を引き起こす」と題するに等しい、と。

論争を引き起こしたのはBurnellさんではなく、
視聴者の偏見であり、無知であり、ヘイトであり、
Burnellさんは差別を受けた被害者である、と。

また親が自分の差別意識を子どもに投影しているだけでなく、
そうした親の姿勢を子どもに受け継がせていくのだ、とも。


まったく、そのとおり──。

そして、”時代遅れ”というよりも、
むしろ今だからこそ、こんな声が出てくるのかも……?
2009.03.03 / Top↑
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