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先天的な視覚障害者で作家のStephen Kuusisto氏が
自身のブログでAshley事件の最近の展開を取り上げて
いくつか鋭い指摘をしています。

まず、シアトル子ども病院で成長抑制が強引に正当化されようとしている事実に注意を喚起し、

障害学の学者や障害者の人権アドボケイトがきちんと議論に含まれていないと
小山さんと同じ点を指摘。

それ自体はこれまで繰り返されてきたことではあるが、
医療のフリをした相対論というポストモダンなヤリクチで正当化させるには
今回の問題は倫理の侵犯が大きすぎる、とも。


Microsoftの社員であるAshleyの父親が効率の名の下に
人体実験を進めるべく倫理の捉え方を変えようと動いているのは明らかだが

(彼は子ども病院の2つのシンポも父親の意向を受けて出てきたものだと捉えています。
 私はむしろ病院の隠蔽の必要と父親の利害が一致して出てきたものだと解釈していますが)

小さければケアしやすいし、本人にはどうせ分からない、という理屈は
そもそも現象論であって倫理の議論ではないのに、
学者や医師らがこれほど易々とそれに乗ってしまうのは興味深い、
まるで催眠術だ、と。

そして、優生の歴史においても
このような理由付けによって人体実験が許されてきたのだと警告。

ちょっと面白いこととして
個人的に知っている医師の何人かがオフレコで
「成長抑制はsniff testを通らない」と言っているとのこと。

(臨床実験をやってデータをとっても効果が実証できないという意味だろうと思うのですが
sniff testというのがよく分かりません。どなたかご教示ください)



この人がAshleyの父親をMicrosoftの社員だと断定している根拠が気になるのですが、

「まるで催眠術だ」というのは本当に言い得て妙。
もちろん政治的な圧力を感じていれば学者も医師もさぞ催眠術が効きやすかろうというものですが、

特にDiekema医師がしゃべると、
なぜか聴く人が簡単にたぶらかされてしまうらしいのも確か。
その辺りが稀代のペテン師の天分じゃないかと私は前々から感じています。

その天分がAshley父の政治的影響力やAshley療法一般化への熱意とタグを組むと
これは恐ろしいことになるのではないかとも書いてきたのですが、
どうやら、当ブログが危惧した通りのことが起こりつつあるような……。

しかし、なにより
小山さんが当日行ってくださったばかりか詳細な報告を書いてくださったお陰で
当事者の人たちから少しずつ批判が出てきていること、

そうした当事者の人たちが
重症重複障害児の尊厳の侵害を自分たち自身の尊厳と同じ問題と受け止め、
線引きをせずに問題視してくれていることが、とても、とても、嬉しい。
2009.02.09 / Top↑
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