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California州在住の弁護士John West氏が
回想録The Last Goodnights: Assisting My Parents With Their Suicides を出版、
その中で10年前に両親の自殺を幇助したことを明かしたとのこと。

以下の記事では、West氏の出版を受けて
終末期の自己選択のアドボケイト団体 Compassion & Choicesの代表Barbara Lee氏が

West氏のように、死んでいく者を手助けする行為は
合法的な医療決定の延長線上に最後の選択肢として位置づけるべきこと。

合法化で規制されないために、却って水面下での危険な自殺幇助がはびこっている。

West氏はresourcefulな(知識と、たぶん人脈もある?)弁護士だから効き目のある薬を手に入れることができて
両親によい死に方をさせてあげることが出来たけれど

たいていの家族はそれほどラッキーではないのだから

合法化されたOregon, Washingtonそれから現在裁判所が審議中のMontana以外の
47州では、そういう家族は差別されていることになる。

オープンで透明性のある合法な自殺幇助以外には
誰もが死に際してあらゆる選択肢と平等な機会を与えられることにはならない。

「知識も人脈もある人にしかそういう薬が手に入らないのは平等じゃないから
誰でも手に入るようにしましょう」って、
ものすごく妙な理屈じゃないでしょうか??


New Book Shows Need For Death With Dignity Laws
The Medical News Today, February 4, 2009/02/07


検索してみたら、著者のWest氏は1月4日にABCの番組に出演していました。
(以下の記事にビデオ)



父親は世界的に高名な精神科医、
母親も著名な心理学者。

10年前の1998年、父親は癌で余命6ヶ月と宣告され
同じ頃に母親はアルツハイマーだと判明した。

まず父親が息子に自殺したいと自分の計画を打ち明け、手助けを求めたので
息子は「数種類の錠剤のカクテルを作り」ある晩、父親はそれを1つずつ飲んだ。
翌朝、父親は死んでいたが、息子以外は癌による死を疑うことはなかった。

その後、今度は母親が
長年連れ添ってきた夫が死んで心がつぶれてウツ状態だから
死にたいので手伝ってほしい、と。

それで、ある晩、家族が寝静まった後で
息子は「母親の世話をした」と。

West氏はこの事実を10年間、妹たちにも隠し通してきたのだけれど、
このたび回想録で告白したのは
自殺幇助を合法化すべきだと訴えるため。

ABCのインタビュアーは
「こういうことをした人は、ふつう
他の人に同じことをするなというんじゃないかと思うけど、
あなたは同じことを勧めるんですか?」

「私と同じことをしなくてもいいようにするべきだと言いたいのです」

当ブログでもすっかりおなじみになったArt Caplanがコメントで
「自殺幇助の合法化は滑り坂だ」と。

「愛ゆえに行った行為が罪に問われるのは理不尽」とWest氏は言っていて、

”Ashley療法”論争でも「親が愛ゆえに行ったことだから外野が口を出すな」というのは
目にも耳にもタコが出来るほど繰り返された擁護論だったのですが、

世の中には「愛ゆえに」愚かしく残忍な行為が繰り返されているのでは――?

            ------

もう1つ、どうにも解せないのは、
この記事の冒頭部分にも、
「West氏はターミナルな病気の両親が自殺するのを手伝った」と書かれていること。

癌で余命6ヶ月と宣告されたという父親はともかく
母親は息子に自殺幇助を頼めるくらいなのだから
アルツハイマーがターミナルな状態であったはずはなく
話の内容からすれば、夫の死後のウツ状態から死を望んだのだと思われ、
こちらのケースを「ターミナルな病気」とするのは不正確でしょう。

どうも自殺幇助を巡るメディアの記事には
こういう不正確な記述が目に付くことが気になります。
2009.02.07 / Top↑
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