この数ヶ月、あちこちで目にはするので
いずれ、こういう話も出てくるのだろうなぁ・・・・・・とは思っていたので、
いずれ、こういう話も出てくるのだろうなぁ・・・・・・とは思っていたので、
この評論のリード部分を読んだ時に、
今にも自閉症が出生前診断で分かって
ダウン症のように生むか生まないかを選択できるようになる、といわんばかりなので
「とうとう来たか・・・・・・」と血相を変えて読んでみたら、
今にも自閉症が出生前診断で分かって
ダウン症のように生むか生まないかを選択できるようになる、といわんばかりなので
「とうとう来たか・・・・・・」と血相を変えて読んでみたら、
ケンブリッジ大 Autism Research Centreの所長 Simon Baron-Cohen教授が書いたもので、
もうじき可能となるとされる
自閉症の遺伝子診断や出生前の薬物治療に慎重を呼びかける、という論旨。
自閉症の遺伝子診断や出生前の薬物治療に慎重を呼びかける、という論旨。
しかし、ものすごく引っかかったのは
その根拠として持ち出されているのが
「そんなことをして自閉症を予防したり、治療してしまったら
世の中は大きな数学的な才能を失うことにもなるのだぞ」という論理だということ。
その根拠として持ち出されているのが
「そんなことをして自閉症を予防したり、治療してしまったら
世の中は大きな数学的な才能を失うことにもなるのだぞ」という論理だということ。
「男性、数学、自閉症」というのは相互に繋がりあった3点セットであって、
ケンブリッジで数学を学ぼうという学生の大半は男だし、
フィールズ賞の100年の歴史に女の受賞者は出ていないし、
つまり男は女よりも数学の能力が秀でているのは統計的にも明らかで、
自閉症の子どもの父親や祖父にはエンジニア関係が多いとか
数学者の兄弟には効率に自閉症が見られることからも、
また自閉症の発症がテストステロンのレベルと関係しているとの研究もあることからも
ケンブリッジで数学を学ぼうという学生の大半は男だし、
フィールズ賞の100年の歴史に女の受賞者は出ていないし、
つまり男は女よりも数学の能力が秀でているのは統計的にも明らかで、
自閉症の子どもの父親や祖父にはエンジニア関係が多いとか
数学者の兄弟には効率に自閉症が見られることからも、
また自閉症の発症がテストステロンのレベルと関係しているとの研究もあることからも
自閉症を防ぎ、自閉症児を減らすために出生前診断で妊娠中絶すると
Would we also reduce the number of future great mathematicians, for example?
(それはとりもなおさず、例えば将来の偉大な数学者の数も減らすことになるのでは?)
Would we also reduce the number of future great mathematicians, for example?
(それはとりもなおさず、例えば将来の偉大な数学者の数も減らすことになるのでは?)
最後の一文に、一箇所だけ
「かつての優生思想の歴史を不用意に繰り返さないためにも」という文言がありますが、
もちろんBaron-Cohen教授のホンネはそちらではなく、それに続く
「自閉症だけではなく治療を必要としない自閉症関連の才能まで
不用意に“治療”してしまわないためにも」という部分にあるのは明白。
「かつての優生思想の歴史を不用意に繰り返さないためにも」という文言がありますが、
もちろんBaron-Cohen教授のホンネはそちらではなく、それに続く
「自閉症だけではなく治療を必要としない自閉症関連の才能まで
不用意に“治療”してしまわないためにも」という部分にあるのは明白。
どうして才能とか能力の差引勘定でしかモノを考えられないものか。
それ自体、十分に「過去の優生思想の不用意な繰り返し」なのだというのに。
それ自体、十分に「過去の優生思想の不用意な繰り返し」なのだというのに。
それから、ものすごく単純に頭に浮かんだ疑問。
この自閉症の権威は自閉症は遺伝だと言いたげだけど、
自閉症の原因はまだ明らかになっていないんじゃなかったっけか?
それなのに、そもそも、どうして出生前の遺伝子診断が登場するんだろう・・・…?
自閉症の原因はまだ明らかになっていないんじゃなかったっけか?
それなのに、そもそも、どうして出生前の遺伝子診断が登場するんだろう・・・…?
【追記】
このエントリーを書いた直後、今日のthe Guardian に4本も関連記事があることを発見。
出たのは前後していますが、こういう動きがあって、上記BBCのリアクションだったのですね。
出たのは前後していますが、こういう動きがあって、上記BBCのリアクションだったのですね。
こちらは数が多すぎて、読んでいませんが、タイトルと副題は大体こんな感じ。
上記、すべて the Guardian, January 12, 2009
2009.01.12 / Top↑
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