まずは一昨日、3つもエントリー原稿を書いて一晩寝かせておいたら、
昨日の朝一番のPC崩壊で消えてしまい、書き直す気力がわかないので、
このまま幻のエントリーとなりそうな話題を2題。
(残り1つは向井承子『患者追放―行き場を失う老人たち』の読後メモだったのだけれど、
入れ込んで書いただけにパァになったショックで沈没したまま)
① カナダのTayor訴訟やアイルランドのFleming訴訟にもかかわった「死ぬ権利」擁護派の米ユタ大学の生命倫理学者 Margaret Pabst Battin と四肢まひの夫との穏やかな「最良の時間」。(ビデオがとても良いです)
自転車事故で四肢まひ、人工呼吸器依存となった夫が死にたいという意思表示していたのに、Battinは夫が急変した際には救急部に運び込んで救命した。その後、大学教授の夫は呼吸器をつけたまま講義を再開し、生きていることを喜びながら暮らしている。Battin自身も現在の夫婦の生活は2人で過ごした「最善の時」だと語り、時に夫が痛苦から死にたいと願うことがあるが「彼が本当に本当にそういうところに至ったと私が確信できるまでは」と。
BioEdgeのCookは「愛され十分なケアを受けられる患者は生きたいと強く、揺らぐことなく望むようだ。死んだほうがましだと絶望する瞬間はあるが、実際に死を選ぶ瞬間は決して訪れることはないように思われる」「自律がそれほど明確な原理なら、このケースではどうして機能しないのだろう? もし機能しないなら自律原理には一貫性がない。一貫しないなら捨てるべきでは?」。
NYTのビデオでのBattinの静かな語りがとてもいいんだけれど、ビデオを見ると、夫のRobertさんには24時間体制でプロの介護士が付いていると思われ、「愛され十分なケアを受けられる」以外に「家族に過剰な介護負担がかからないこと」も患者が生きたいと願うことができるための条件なのだろうな、とも。
http://www.nytimes.com/2013/07/21/magazine/a-life-or-death-situation.html?hp&_r=2&pagewanted=all&
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10608#comments
② 米VA州のダウン症の女性(IQ50とのこと)Margaret Jean Hatchさんに、自分が誰とどこで暮らすかを自分で決めることは認められるのか。法定代理人は必要なのか、必要だとしたら誰なのか。
離婚した両親とは折り合いが悪く、両親のいずれも共に暮らすことはできないと言いながら、Margaretさんがグループホームから出て友人夫婦と暮らすことは認めず、自分たちが法定代理人となり娘の交際範囲まで管理しようと提訴。裁判の途中、Margaretさんは裁判官の言葉途中で「私には代理人は要りません」と発言し裁判官に退廷させられた。自立生活のためには支援は不可欠。誰がどのように支援するのがよいのか。:難しい問題。けれど日本ではこんな訴訟など論外なほどに親の代理決定権が当然とされていることも、大いに疑問だと改めて考えさせられる。
http://www.washingtonpost.com/local/virginia-woman-with-down-syndrome-seeks-power-to-live-the-way-she-wants/2013/07/20/76102a82-d789-11e2-a9f2-42ee3912ae0e_story.html
――――――
(ここから、通常の補遺です)
米国と英国それぞれで、DNR指定が本人の同意も家族の同意もなしに行われている、との調査結果が発表されている。英国のはケアの質コミッションの報告書だというので、リヴァプール・ケア・パスウェイの機械的適用問題での調査結果だと思うのだけれど、Popeのブログ記事すら、まだ読めていない。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2013/07/hospital-inspection-reports-show-dnr.html
【LCPの機械的適用問題関連エントリー】
“終末期”プロトコルの機会的適用で「さっさと脱水・死ぬまで鎮静」(英)(2009/9/10)
「NHSは終末期パスの機会的適用で高齢患者を殺している」と英国の大物医師(2012/6/24)
英国の終末期パスLCPの機会的適用問題 続報(2012/7/12)
LCPの機械的適用でNHSが調査に(2012/10/28)
英国医師会が「LCPには機械的適用の問題あり」(2013/6/29)
カナダ、バンクーバーの精神科医で元BC州医師会会長のDerryck Smith医師が自殺ほう助ロビー団体に加盟。:精神科医には自殺を敗北とみなす文化があるんだとばかり思っていた……。
http://www.vancouversun.com/news/Vancouver+doctor+joins+board+right+group/8684839/story.html
中国でのグラクソの贈賄スキャンダルで、グラクソ側が幹部による贈賄と性的便宜供与を認めた。GSK has admitted that some of its senior Chinese executives broke the law in a £320m cash and sexual favours bribery scandal.
http://www.guardian.co.uk/business/2013/jul/22/glaxosmithkline-admits-bribery-china?CMP=EMCNEWEML6619I2
NYT. 中国でのグラクソ・スキャンダルは違法な販促にとどまらず、研究にも疑義?
Glaxo’s problems in China may not just be about its sales practices. They may also concern its research.
製薬会社に対して治験データの全面公開を求める動きがあることに対抗するため、製薬会社が患者団体を反対ロビーに動員している。
http://www.guardian.co.uk/business/2013/jul/21/big-pharma-secret-drugs-trials?CMP=EMCNEWEML6619I2
【関連エントリー】
臨床実験データ全公開を求める動き、研究者らから(前)(2013/7/1)
臨床実験データ全公開を求める動き、研究者らから(後)(2013/7/1)
オーストラリアで、本人への最善の利益であれば認められている障害者への不妊手術を禁じるべき、とする報告書。Cookは「多くの親が子どものストレス軽減と性的虐待防止のため不妊手術を最善の方法と考えているので、報告書の勧告は物議を醸す」と。:アシュリー療法の正当化そのもの。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10610#comments
インドの代理母産業での虐待の実態が報告書 “Surrogacy Motherhood: ethical or commercial?”に。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10612#comments
米国外科学会誌に、肝臓を部分移植することによって一人の生体ドナーで2人の命を救うことができる、とする論文。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/263602.php
日本。新出生前検査 陽性の3人中絶
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130717/k10013104551000.html
日本。出生前診断に賛成の声多数…施設拡大を望む声も
http://iryojinzai.net/1616.html
肥満抑制の遺伝子発見=壊すとマウス体重2倍―名古屋大:遺伝子を操作するということは、遺伝子が変異してきた膨大な時間の流れを無視した暴力的な加速だというような意味のことを、福岡伸一さんが言っていたことを思い出した。⇒福岡伸一の“動的平衡”生命観と“科学とテクノで簡単解決文化”批判2(2011/5/6)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130719-00000008-jij-sctch
昨日の朝一番のPC崩壊で消えてしまい、書き直す気力がわかないので、
このまま幻のエントリーとなりそうな話題を2題。
(残り1つは向井承子『患者追放―行き場を失う老人たち』の読後メモだったのだけれど、
入れ込んで書いただけにパァになったショックで沈没したまま)
① カナダのTayor訴訟やアイルランドのFleming訴訟にもかかわった「死ぬ権利」擁護派の米ユタ大学の生命倫理学者 Margaret Pabst Battin と四肢まひの夫との穏やかな「最良の時間」。(ビデオがとても良いです)
自転車事故で四肢まひ、人工呼吸器依存となった夫が死にたいという意思表示していたのに、Battinは夫が急変した際には救急部に運び込んで救命した。その後、大学教授の夫は呼吸器をつけたまま講義を再開し、生きていることを喜びながら暮らしている。Battin自身も現在の夫婦の生活は2人で過ごした「最善の時」だと語り、時に夫が痛苦から死にたいと願うことがあるが「彼が本当に本当にそういうところに至ったと私が確信できるまでは」と。
BioEdgeのCookは「愛され十分なケアを受けられる患者は生きたいと強く、揺らぐことなく望むようだ。死んだほうがましだと絶望する瞬間はあるが、実際に死を選ぶ瞬間は決して訪れることはないように思われる」「自律がそれほど明確な原理なら、このケースではどうして機能しないのだろう? もし機能しないなら自律原理には一貫性がない。一貫しないなら捨てるべきでは?」。
NYTのビデオでのBattinの静かな語りがとてもいいんだけれど、ビデオを見ると、夫のRobertさんには24時間体制でプロの介護士が付いていると思われ、「愛され十分なケアを受けられる」以外に「家族に過剰な介護負担がかからないこと」も患者が生きたいと願うことができるための条件なのだろうな、とも。
http://www.nytimes.com/2013/07/21/magazine/a-life-or-death-situation.html?hp&_r=2&pagewanted=all&
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10608#comments
② 米VA州のダウン症の女性(IQ50とのこと)Margaret Jean Hatchさんに、自分が誰とどこで暮らすかを自分で決めることは認められるのか。法定代理人は必要なのか、必要だとしたら誰なのか。
離婚した両親とは折り合いが悪く、両親のいずれも共に暮らすことはできないと言いながら、Margaretさんがグループホームから出て友人夫婦と暮らすことは認めず、自分たちが法定代理人となり娘の交際範囲まで管理しようと提訴。裁判の途中、Margaretさんは裁判官の言葉途中で「私には代理人は要りません」と発言し裁判官に退廷させられた。自立生活のためには支援は不可欠。誰がどのように支援するのがよいのか。:難しい問題。けれど日本ではこんな訴訟など論外なほどに親の代理決定権が当然とされていることも、大いに疑問だと改めて考えさせられる。
http://www.washingtonpost.com/local/virginia-woman-with-down-syndrome-seeks-power-to-live-the-way-she-wants/2013/07/20/76102a82-d789-11e2-a9f2-42ee3912ae0e_story.html
――――――
(ここから、通常の補遺です)
米国と英国それぞれで、DNR指定が本人の同意も家族の同意もなしに行われている、との調査結果が発表されている。英国のはケアの質コミッションの報告書だというので、リヴァプール・ケア・パスウェイの機械的適用問題での調査結果だと思うのだけれど、Popeのブログ記事すら、まだ読めていない。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2013/07/hospital-inspection-reports-show-dnr.html
【LCPの機械的適用問題関連エントリー】
“終末期”プロトコルの機会的適用で「さっさと脱水・死ぬまで鎮静」(英)(2009/9/10)
「NHSは終末期パスの機会的適用で高齢患者を殺している」と英国の大物医師(2012/6/24)
英国の終末期パスLCPの機会的適用問題 続報(2012/7/12)
LCPの機械的適用でNHSが調査に(2012/10/28)
英国医師会が「LCPには機械的適用の問題あり」(2013/6/29)
カナダ、バンクーバーの精神科医で元BC州医師会会長のDerryck Smith医師が自殺ほう助ロビー団体に加盟。:精神科医には自殺を敗北とみなす文化があるんだとばかり思っていた……。
http://www.vancouversun.com/news/Vancouver+doctor+joins+board+right+group/8684839/story.html
中国でのグラクソの贈賄スキャンダルで、グラクソ側が幹部による贈賄と性的便宜供与を認めた。GSK has admitted that some of its senior Chinese executives broke the law in a £320m cash and sexual favours bribery scandal.
http://www.guardian.co.uk/business/2013/jul/22/glaxosmithkline-admits-bribery-china?CMP=EMCNEWEML6619I2
NYT. 中国でのグラクソ・スキャンダルは違法な販促にとどまらず、研究にも疑義?
Glaxo’s problems in China may not just be about its sales practices. They may also concern its research.
製薬会社に対して治験データの全面公開を求める動きがあることに対抗するため、製薬会社が患者団体を反対ロビーに動員している。
http://www.guardian.co.uk/business/2013/jul/21/big-pharma-secret-drugs-trials?CMP=EMCNEWEML6619I2
【関連エントリー】
臨床実験データ全公開を求める動き、研究者らから(前)(2013/7/1)
臨床実験データ全公開を求める動き、研究者らから(後)(2013/7/1)
オーストラリアで、本人への最善の利益であれば認められている障害者への不妊手術を禁じるべき、とする報告書。Cookは「多くの親が子どものストレス軽減と性的虐待防止のため不妊手術を最善の方法と考えているので、報告書の勧告は物議を醸す」と。:アシュリー療法の正当化そのもの。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10610#comments
インドの代理母産業での虐待の実態が報告書 “Surrogacy Motherhood: ethical or commercial?”に。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10612#comments
米国外科学会誌に、肝臓を部分移植することによって一人の生体ドナーで2人の命を救うことができる、とする論文。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/263602.php
日本。新出生前検査 陽性の3人中絶
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130717/k10013104551000.html
日本。出生前診断に賛成の声多数…施設拡大を望む声も
http://iryojinzai.net/1616.html
肥満抑制の遺伝子発見=壊すとマウス体重2倍―名古屋大:遺伝子を操作するということは、遺伝子が変異してきた膨大な時間の流れを無視した暴力的な加速だというような意味のことを、福岡伸一さんが言っていたことを思い出した。⇒福岡伸一の“動的平衡”生命観と“科学とテクノで簡単解決文化”批判2(2011/5/6)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130719-00000008-jij-sctch
2013.07.28 / Top↑
この前、ある方に教えてもらった、この漫画を読んで、
ちょっとすぐには言葉にならないほどの深い衝撃を受けた。
「この世界の片隅に(前篇)」(アクションコミックス)
こうの史代 双葉社 2011
Spitzibara自身の感想は
すぐには言葉にならないのだけれど、
今日の選挙の後、この国はこれまでとはまったく別の国へと
急速に変貌していくのだろうなぁ……と考えると、
これから始まる開票結果の速報を見る前に、
とり急ぎ、エントリーにしておきたい漫画だったので――。
Amazonの前編、後編の内容紹介は、
平成の名作・ロングセラー「夕凪の街 桜の国」の第2弾ともいうべき本作。戦中の広島県の軍都、呉を舞台にした家族ドラマ。主人公、すずは広島市から呉へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世 界に戸惑う。しかし、一日一日を確かに健気に生きていく。そして、すずも北條家に嫁ぎあくせくしてる間に、ようやく呉の街にも馴染んできた。リンさんとい う友達もできた。夫婦ゲンカもする。しかし戦況は厳しくなり、配給も乏しく日々の生活に陰りが…。
広島市から軍都呉市に嫁いだすずは、不器用ながら北條家に徐々に溶け込み日々を過ごす。やがて戦争の暗雲が周囲を色濃く染めていく。大空襲、原爆投下、終戦。歴史の酷い歯車が一人の女性の小さな世界をゆがませていく。そして…。
アマゾンのレビューで、
私にはまだ言葉にならない読後感を代弁してもらっている気がするのは
「仮面ライター」さんの以下のレビュー。
この本は、「平和に生きる」ということの尊さをしみじみと感じさせます。物語は昭和9年1月の「冬の風景」から始まり、昭和21年1月の「しあはせの手 紙」で終わりますが、前後編一気に読み通してしまいます。絵描きの好きな、少しぼんやり気味の《すず》という女性に仮託した「戦争」の話は、淡々とした戦 時下の生活風景を描写しながらも、その時代を体験した多くの日本人に共通する“悲しみ”が心の底からじんわりと伝わってきます。
私は、 戦後生まれですが、亡くなった両親から「戦争」と向き合った暮らしぶりを聞いていました。この度の東日本大震災そして福島での原発事故など、日本人にとって《忘れてはならない事》は多々あると思いますが、そうした中にあって、先の「戦争」を振り返り、庶民の《記憶》として長く留めておくべき“悲しみ”が、こうの史代さんのこの作品にそっと込められています。是非とも昭和の「戦争」を知らない方々の目に触れて欲しい冊子です。
去年の衆院選の時には、
以下のようなエントリーを書いて自分の気持ちを鼓舞してみたりしたんだけれど、
今回は、そんな気力すら根こそぎにされそうな気がする……。
選挙の夜に(2012/12/16)
選挙から元気をなくしている人にお薦めの映画『グレート・ディベーター』(2012/12/28)
ちょっとすぐには言葉にならないほどの深い衝撃を受けた。
「この世界の片隅に(前篇)」(アクションコミックス)
こうの史代 双葉社 2011
Spitzibara自身の感想は
すぐには言葉にならないのだけれど、
今日の選挙の後、この国はこれまでとはまったく別の国へと
急速に変貌していくのだろうなぁ……と考えると、
これから始まる開票結果の速報を見る前に、
とり急ぎ、エントリーにしておきたい漫画だったので――。
Amazonの前編、後編の内容紹介は、
平成の名作・ロングセラー「夕凪の街 桜の国」の第2弾ともいうべき本作。戦中の広島県の軍都、呉を舞台にした家族ドラマ。主人公、すずは広島市から呉へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世 界に戸惑う。しかし、一日一日を確かに健気に生きていく。そして、すずも北條家に嫁ぎあくせくしてる間に、ようやく呉の街にも馴染んできた。リンさんとい う友達もできた。夫婦ゲンカもする。しかし戦況は厳しくなり、配給も乏しく日々の生活に陰りが…。
広島市から軍都呉市に嫁いだすずは、不器用ながら北條家に徐々に溶け込み日々を過ごす。やがて戦争の暗雲が周囲を色濃く染めていく。大空襲、原爆投下、終戦。歴史の酷い歯車が一人の女性の小さな世界をゆがませていく。そして…。
アマゾンのレビューで、
私にはまだ言葉にならない読後感を代弁してもらっている気がするのは
「仮面ライター」さんの以下のレビュー。
この本は、「平和に生きる」ということの尊さをしみじみと感じさせます。物語は昭和9年1月の「冬の風景」から始まり、昭和21年1月の「しあはせの手 紙」で終わりますが、前後編一気に読み通してしまいます。絵描きの好きな、少しぼんやり気味の《すず》という女性に仮託した「戦争」の話は、淡々とした戦 時下の生活風景を描写しながらも、その時代を体験した多くの日本人に共通する“悲しみ”が心の底からじんわりと伝わってきます。
私は、 戦後生まれですが、亡くなった両親から「戦争」と向き合った暮らしぶりを聞いていました。この度の東日本大震災そして福島での原発事故など、日本人にとって《忘れてはならない事》は多々あると思いますが、そうした中にあって、先の「戦争」を振り返り、庶民の《記憶》として長く留めておくべき“悲しみ”が、こうの史代さんのこの作品にそっと込められています。是非とも昭和の「戦争」を知らない方々の目に触れて欲しい冊子です。
去年の衆院選の時には、
以下のようなエントリーを書いて自分の気持ちを鼓舞してみたりしたんだけれど、
今回は、そんな気力すら根こそぎにされそうな気がする……。
選挙の夜に(2012/12/16)
選挙から元気をなくしている人にお薦めの映画『グレート・ディベーター』(2012/12/28)
2013.07.28 / Top↑
来月、以下の本が出ることになりました。
タイトルは
『死の自己決定権のゆくえ: 尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植』。
大月書店から8月23日刊行予定。1890円。
ある意味、当ブログの
いくつかの書庫の集大成のような内容になっております。
はじめに
第1章 死の自己決定権をめぐる議論
1 日本の尊厳死議論
●良い死に方●尊厳死法案●尊厳死が法制化されることの意味●自由な選択の保障●ガイドライン● 医療費削減のねらい?●終末期の定義●すべり坂●本当の願い●「なぜ日本ではできないのか」
2 安楽死・自殺幇助が合法化された国や地域
●PAS=医師による自殺幇助●スイス●オレゴン州、ワシントン州●オランダ●ベルギー●英国● 免罪符となる介護実績●「社会で支える」視点の欠落
第2章 「無益な治療」論と死の決定権
1 医療側の決定権
●「無益な治療」とは何か●ゴンザレス事件とテキサスの事前指示法●「無益な治療」論をめぐる議 論●一方的DNR指定●看取りプロトコルの機械的適用問題●医師が慣れれば例外はルーティーンに なる●コスト論と共に拡大する対象者の範囲●「どうせ」の共有を広げていく生命倫理学者らの問い
2 「意識がある」ことの発見
●ザック・ダンラップ●〝可逆的脳死報告〟●スティーブン・ソープ●相次ぐ睡眠剤による「覚醒」 事例●オウェンによる植物状態患者の意識の発見●「意識があると証明できない」は「意識がないと 証明された」ではない●「分かっていない人」を「分かっている人」に変えるもの●「窓を閉じて立 ち 去ってしまおう」との提案
3 それは臓器移植へとつながっていく
●ナヴァロ事件●ケイリー事件●心臓死後臓器提供(DCD)●デンバー子ども病院の「75秒観察プ ロトコル」論争●小児の脳死判定、14項目すべて満たしたのはたった一人●臓器提供安楽死
第3章 いのちの選別と人間の尊厳
1 科学万能主義とグローバル経済
●科学、テクノロジーと結びつく市場経済●〝コントロール幻想〟と差別の再生産
2 医療と障害のある人びと
●私たち親子の体験●マークとマーティンの『無関心による死』●米国NDRN『障害者の市民権を 侵す医療』●「暗黙のパーソン論」と無関心●医療と患者のあいだの溝●二者択一の議論が取りこぼ していくもの●認知症の人に関心を向け、理解するアプローチ●こういう約束をしてくれる医療を受 けたい●本当の「自己決定」ができるための英から●弱者の権利を守るための仕組み
3 社会で支えるという視点
●介護者支援●「死の自己選択」は通苦の責を患者に負わせ、社会を免責する●「どのような社会であ ろうとするのか」という問題
4 いのちへの畏怖と祈り
5 重症重複障害当事者の親として
おわりに
資料 尊厳死法案
大月書店HPの当該サイトはこちら ↓
http://www.otsukishoten.co.jp/book/b120658.html
アマゾンの予約ページはこちら ↓
http://www.amazon.co.jp/%E6%AD%BB%E3%81%AE%E8%87%AA%E5%B7%B1%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E6%A8%A9%E3%81%AE%E3%82%86%E3%81%8F%E3%81%88-%E5%B0%8A%E5%8E%B3%E6%AD%BB%E3%83%BB%E3%80%8C%E7%84%A1%E7%9B%8A%E3%81%AA%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%80%8D%E8%AB%96%E3%83%BB%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D-%E5%85%90%E7%8E%89-%E7%9C%9F%E7%BE%8E/dp/4272360698/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1374144584&sr=1-1
このブログでやってきたことをとりまとめた本書の性格から
『アシュリー事件 メディカル・コントロールと新優生思想の時代』と同じく、
注にはURLが多く並んでおります。
そこで、『アシュリー事件』と同様に、このブログに
「拙著『死の自己決定権のゆくえ』」という書庫を作り、
各章ごとの注をアップして、そこからリンクをたどってもらえるようにする予定です。
また、視覚障害のある方にも読んでいただけるよう、
テキストデータの交換券を付けてもらいました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
タイトルは
『死の自己決定権のゆくえ: 尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植』。
大月書店から8月23日刊行予定。1890円。
ある意味、当ブログの
いくつかの書庫の集大成のような内容になっております。
はじめに
第1章 死の自己決定権をめぐる議論
1 日本の尊厳死議論
●良い死に方●尊厳死法案●尊厳死が法制化されることの意味●自由な選択の保障●ガイドライン● 医療費削減のねらい?●終末期の定義●すべり坂●本当の願い●「なぜ日本ではできないのか」
2 安楽死・自殺幇助が合法化された国や地域
●PAS=医師による自殺幇助●スイス●オレゴン州、ワシントン州●オランダ●ベルギー●英国● 免罪符となる介護実績●「社会で支える」視点の欠落
第2章 「無益な治療」論と死の決定権
1 医療側の決定権
●「無益な治療」とは何か●ゴンザレス事件とテキサスの事前指示法●「無益な治療」論をめぐる議 論●一方的DNR指定●看取りプロトコルの機械的適用問題●医師が慣れれば例外はルーティーンに なる●コスト論と共に拡大する対象者の範囲●「どうせ」の共有を広げていく生命倫理学者らの問い
2 「意識がある」ことの発見
●ザック・ダンラップ●〝可逆的脳死報告〟●スティーブン・ソープ●相次ぐ睡眠剤による「覚醒」 事例●オウェンによる植物状態患者の意識の発見●「意識があると証明できない」は「意識がないと 証明された」ではない●「分かっていない人」を「分かっている人」に変えるもの●「窓を閉じて立 ち 去ってしまおう」との提案
3 それは臓器移植へとつながっていく
●ナヴァロ事件●ケイリー事件●心臓死後臓器提供(DCD)●デンバー子ども病院の「75秒観察プ ロトコル」論争●小児の脳死判定、14項目すべて満たしたのはたった一人●臓器提供安楽死
第3章 いのちの選別と人間の尊厳
1 科学万能主義とグローバル経済
●科学、テクノロジーと結びつく市場経済●〝コントロール幻想〟と差別の再生産
2 医療と障害のある人びと
●私たち親子の体験●マークとマーティンの『無関心による死』●米国NDRN『障害者の市民権を 侵す医療』●「暗黙のパーソン論」と無関心●医療と患者のあいだの溝●二者択一の議論が取りこぼ していくもの●認知症の人に関心を向け、理解するアプローチ●こういう約束をしてくれる医療を受 けたい●本当の「自己決定」ができるための英から●弱者の権利を守るための仕組み
3 社会で支えるという視点
●介護者支援●「死の自己選択」は通苦の責を患者に負わせ、社会を免責する●「どのような社会であ ろうとするのか」という問題
4 いのちへの畏怖と祈り
5 重症重複障害当事者の親として
おわりに
資料 尊厳死法案
大月書店HPの当該サイトはこちら ↓
http://www.otsukishoten.co.jp/book/b120658.html
アマゾンの予約ページはこちら ↓
http://www.amazon.co.jp/%E6%AD%BB%E3%81%AE%E8%87%AA%E5%B7%B1%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E6%A8%A9%E3%81%AE%E3%82%86%E3%81%8F%E3%81%88-%E5%B0%8A%E5%8E%B3%E6%AD%BB%E3%83%BB%E3%80%8C%E7%84%A1%E7%9B%8A%E3%81%AA%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%80%8D%E8%AB%96%E3%83%BB%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D-%E5%85%90%E7%8E%89-%E7%9C%9F%E7%BE%8E/dp/4272360698/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1374144584&sr=1-1
このブログでやってきたことをとりまとめた本書の性格から
『アシュリー事件 メディカル・コントロールと新優生思想の時代』と同じく、
注にはURLが多く並んでおります。
そこで、『アシュリー事件』と同様に、このブログに
「拙著『死の自己決定権のゆくえ』」という書庫を作り、
各章ごとの注をアップして、そこからリンクをたどってもらえるようにする予定です。
また、視覚障害のある方にも読んでいただけるよう、
テキストデータの交換券を付けてもらいました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
2013.07.28 / Top↑
昨日のエントリーで触れたジマーマン事件についての報道をいくつか。
NYT. 無罪判決を受けて、法改正を呼び掛ける社説。
Trayvon Martin’s Legacy: The acquittal of George Zimmerman should be a call to reform laws that make it easier to kill.(July 15, 2013)
NYT. 弁護士が何と言おうと、この事件は人種差別の問題、とする社説。
The Truth About Trayvon: Ignore what the lawyers say. The case was always about race.
全米に広がる抗議で、オバマ政権に連邦政府としてZimmerman起訴への圧力がかかっている。
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jul/15/george-zimmerman-us-federal-charges?CMP=EMCNEWEML6619I2
Huffington Postに、「Trayvon Martinが死ななくても済んだ7つの決断」という記事があり、「ジマーマンがマーテインの後をつけない決断だってできた」「ジマーマンが銃を隠し持っていなかったら後をつけなかったのでは」「ジマーマンにはマーティンを撃ち殺さない決断だってできた」など。
http://www.huffingtonpost.com/2013/07/15/6-decisions-trayvon_n_3600690.html
-----
4月にスイスのディグニタスで自殺したイタリア人 Pietro D’Amico(62)さん、死後の解剖により、死ぬような病ではなかったことが判明。
http://www.lifesitenews.com/blog/swiss-assisted-suicide-clinic-kills-dying-italian-man-autopsy-discovers-bot
英国のケアホーム経営者の団体トップから、自殺幇助合法化を支持する発言。
http://www.christian.org.uk/news/suicide-clinics-could-come-to-uk-says-care-home-boss/
日本。「医療否定」は患者にとって幸せか(「Dr.Poohの日記」ブログ 2013/4/14)「一連の「尊厳死」「平穏死」「自然死」に関する書籍や記事を読んだり講演を聞いたりして感じてきた違和感」「昨今のブームはむしろそれが目的化してしまっている印象」
http://d.hatena.ne.jp/DrPooh/20130414
ワシントンDCが進める最低賃金に関わる条例改正に、ウォールマートが24時間以内に撤回しなければなら撤退するぞ、と議会に対して脅し。
http://www.washingtonpost.com/local/dc-politics/wal-mart-says-it-will-pull-out-of-dc-plans-should-city-mandate-living-wage/2013/07/09/4fa7e710-e8d0-11e2-a301-ea5a8116d211_story.html
医師によっては無茶苦茶な処方をしているので、処方薬について患者はきちんと関心を持った方がよい、と処方箋データとメディケアのプランDのデータを根拠に警告するProPublicaの記事。ProPublicaは医師らの処方データをネット公開する計画。
http://www.propublica.org/article/why-you-should-care-about-the-drugs-your-doctor-prescribes
日本。「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン」について(厚労省):けど、この問題は以下のリンクのように、英語圏では2009年から既に指摘されていたわけで。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000036k0c.html
【関連エントリー】
認知症患者への不適切な抗精神病薬投与、教育・意識改革が必要(2009/4/17)
ナーシングホーム入所者に症状もICもなく精神病薬投与(2009/10/31)
不適切な抗精神病薬の投与、15万人の認知症患者に(英)(2009/11/15)
「認知症高齢者への抗精神病薬を巡る動き」を書きました(2012/11/7)
英国で2度目の全国認知症調査で病院の認知症ケアは未だにお粗末、と。2010年3月から1年間かけて行われた1回目の調査についてはこちらに ⇒ 「病院での認知症ケア実態調査 英国」を書きました(2012/4/4)
http://www.medicalnewstoday.com/releases/263238.php
日本語。中国臓器移植の深い闇 中国赤十字会が見返り要求「ほしいなら礼金払え」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130715-00000501-fsi-bus_all
日本。虐待疑い3件見送り 子どもの臓器移植提供 朝日新聞調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130714-00000014-asahi-soci
マラリアの遺伝子変異の速度が速いことはワクチン開発の困難の要因だけれど、グローバルな人の移動も手伝って米国でもマラリアが拡がりつつある?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/263247.php
おしっこの分析をして健康チェック、データを親の携帯に送ってくれるスマートおむつが登場。日本の児童精神科医にも、オムツは親が替えるよりもロボットが替える方が望ましく、排泄物のデータ分析までできたらさらに理想的、と言われる方がありました ⇒ http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/59838849.html
http://www.medicalnewstoday.com/articles/263165.php
デスクワークは健康に悪く命に関わるとして、ウォーカーで歩きながらパソコンで仕事をする人が増えているんだとか。
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/desk-jobs-can-be-killers-literally/2013/07/15/ce61f9e8-e59b-11e2-aef3-339619eab080_story.html
日本語。ゲイに続き、パウエルやシンプソンも薬物陽性。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130715-00000167-yom-spo
一つの身体に2つの頭で生きている姉妹が送る大学生活(英)
http://www.youtube.com/watch?v=ZBtYomZWR68
日本。新型出生前診断1500人、研究予定の1.5倍。:「研究」が「調査捕鯨」の「調査」と重なって見える。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130716-00000001-yom-sci
文春8月号「安倍晋三インタビュー」。「あのような大事故を経験したからこそ、日本の原発技術は発達しているのではないかと、世界各国から期待されているのです」。「事故を乗り越えた日本の技術が欲しいという国があります」:「終息」もしていないのに「乗り越えた」ぁぁ??? それでも自民党に入れようと?
https://twitter.com/xxcalmo/status/355273882418163712
2013年度参院選挙を医療・介護の視点から考える 結城康博 シノドス 7月11日
http://synodos.jp/welfare/4874
参院選 憲法と家族<上>生活保護 障害者にとっては命綱 (東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2013071002000160.html
日本語。「アベノミクスが新たなリスク」 IMFが初めて指摘。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130710-00000004-asahi-bus_all
第27回マガ9学校「オッサン政治にもの申す! 全日本おばちゃん党」:胸がすきます。
http://www.youtube.com/watch?v=u7lgj_fPZVs
全日本おばちゃん党の『はっさく』と『腹太の方針』が面白い
http://velvetmorning.asablo.jp/blog/2013/05/13/6809447
映画「ひまわり ~沖縄は忘れない、あの日の空を~」の宮森事件とは。
http://www.ggvp.net/himawari/miyamori.html
NYT. 無罪判決を受けて、法改正を呼び掛ける社説。
Trayvon Martin’s Legacy: The acquittal of George Zimmerman should be a call to reform laws that make it easier to kill.(July 15, 2013)
NYT. 弁護士が何と言おうと、この事件は人種差別の問題、とする社説。
The Truth About Trayvon: Ignore what the lawyers say. The case was always about race.
全米に広がる抗議で、オバマ政権に連邦政府としてZimmerman起訴への圧力がかかっている。
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jul/15/george-zimmerman-us-federal-charges?CMP=EMCNEWEML6619I2
Huffington Postに、「Trayvon Martinが死ななくても済んだ7つの決断」という記事があり、「ジマーマンがマーテインの後をつけない決断だってできた」「ジマーマンが銃を隠し持っていなかったら後をつけなかったのでは」「ジマーマンにはマーティンを撃ち殺さない決断だってできた」など。
http://www.huffingtonpost.com/2013/07/15/6-decisions-trayvon_n_3600690.html
-----
4月にスイスのディグニタスで自殺したイタリア人 Pietro D’Amico(62)さん、死後の解剖により、死ぬような病ではなかったことが判明。
http://www.lifesitenews.com/blog/swiss-assisted-suicide-clinic-kills-dying-italian-man-autopsy-discovers-bot
英国のケアホーム経営者の団体トップから、自殺幇助合法化を支持する発言。
http://www.christian.org.uk/news/suicide-clinics-could-come-to-uk-says-care-home-boss/
日本。「医療否定」は患者にとって幸せか(「Dr.Poohの日記」ブログ 2013/4/14)「一連の「尊厳死」「平穏死」「自然死」に関する書籍や記事を読んだり講演を聞いたりして感じてきた違和感」「昨今のブームはむしろそれが目的化してしまっている印象」
http://d.hatena.ne.jp/DrPooh/20130414
ワシントンDCが進める最低賃金に関わる条例改正に、ウォールマートが24時間以内に撤回しなければなら撤退するぞ、と議会に対して脅し。
http://www.washingtonpost.com/local/dc-politics/wal-mart-says-it-will-pull-out-of-dc-plans-should-city-mandate-living-wage/2013/07/09/4fa7e710-e8d0-11e2-a301-ea5a8116d211_story.html
医師によっては無茶苦茶な処方をしているので、処方薬について患者はきちんと関心を持った方がよい、と処方箋データとメディケアのプランDのデータを根拠に警告するProPublicaの記事。ProPublicaは医師らの処方データをネット公開する計画。
http://www.propublica.org/article/why-you-should-care-about-the-drugs-your-doctor-prescribes
日本。「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン」について(厚労省):けど、この問題は以下のリンクのように、英語圏では2009年から既に指摘されていたわけで。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000036k0c.html
【関連エントリー】
認知症患者への不適切な抗精神病薬投与、教育・意識改革が必要(2009/4/17)
ナーシングホーム入所者に症状もICもなく精神病薬投与(2009/10/31)
不適切な抗精神病薬の投与、15万人の認知症患者に(英)(2009/11/15)
「認知症高齢者への抗精神病薬を巡る動き」を書きました(2012/11/7)
英国で2度目の全国認知症調査で病院の認知症ケアは未だにお粗末、と。2010年3月から1年間かけて行われた1回目の調査についてはこちらに ⇒ 「病院での認知症ケア実態調査 英国」を書きました(2012/4/4)
http://www.medicalnewstoday.com/releases/263238.php
日本語。中国臓器移植の深い闇 中国赤十字会が見返り要求「ほしいなら礼金払え」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130715-00000501-fsi-bus_all
日本。虐待疑い3件見送り 子どもの臓器移植提供 朝日新聞調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130714-00000014-asahi-soci
マラリアの遺伝子変異の速度が速いことはワクチン開発の困難の要因だけれど、グローバルな人の移動も手伝って米国でもマラリアが拡がりつつある?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/263247.php
おしっこの分析をして健康チェック、データを親の携帯に送ってくれるスマートおむつが登場。日本の児童精神科医にも、オムツは親が替えるよりもロボットが替える方が望ましく、排泄物のデータ分析までできたらさらに理想的、と言われる方がありました ⇒ http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/59838849.html
http://www.medicalnewstoday.com/articles/263165.php
デスクワークは健康に悪く命に関わるとして、ウォーカーで歩きながらパソコンで仕事をする人が増えているんだとか。
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/desk-jobs-can-be-killers-literally/2013/07/15/ce61f9e8-e59b-11e2-aef3-339619eab080_story.html
日本語。ゲイに続き、パウエルやシンプソンも薬物陽性。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130715-00000167-yom-spo
一つの身体に2つの頭で生きている姉妹が送る大学生活(英)
http://www.youtube.com/watch?v=ZBtYomZWR68
日本。新型出生前診断1500人、研究予定の1.5倍。:「研究」が「調査捕鯨」の「調査」と重なって見える。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130716-00000001-yom-sci
文春8月号「安倍晋三インタビュー」。「あのような大事故を経験したからこそ、日本の原発技術は発達しているのではないかと、世界各国から期待されているのです」。「事故を乗り越えた日本の技術が欲しいという国があります」:「終息」もしていないのに「乗り越えた」ぁぁ??? それでも自民党に入れようと?
https://twitter.com/xxcalmo/status/355273882418163712
2013年度参院選挙を医療・介護の視点から考える 結城康博 シノドス 7月11日
http://synodos.jp/welfare/4874
参院選 憲法と家族<上>生活保護 障害者にとっては命綱 (東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2013071002000160.html
日本語。「アベノミクスが新たなリスク」 IMFが初めて指摘。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130710-00000004-asahi-bus_all
第27回マガ9学校「オッサン政治にもの申す! 全日本おばちゃん党」:胸がすきます。
http://www.youtube.com/watch?v=u7lgj_fPZVs
全日本おばちゃん党の『はっさく』と『腹太の方針』が面白い
http://velvetmorning.asablo.jp/blog/2013/05/13/6809447
映画「ひまわり ~沖縄は忘れない、あの日の空を~」の宮森事件とは。
http://www.ggvp.net/himawari/miyamori.html
2013.07.28 / Top↑
この記事が冒頭、問題視するのは以下の状況。
The foundation’s ability to spend unprecedented amounts of money on education reform causes has recently made Gates unduly influential in the education world.
The organization supports groups that generally have an anti-union and pro-testing agenda.
前例のない額の資金を教育改革に投じることができるゲイツ財団の能力は
ここ最近、ゲイツによる教育会への度を越した影響力行使を招いてきた。
同財団は反教員組合、共通テスト支持の姿勢を持つ組織を支持している。
その実態とは、以下のエントリーで取りまとめた通り ↓
ビル・ゲイツが自分路線の公教育改革実現に“投資”したグラント一覧(2013/6/15)
そうした事態に対して、
米国の教師が立ちあがり、果敢に反論の声を挙げているのが
以下のエントリーで紹介した、Teachers’ Letters to Bill Gates.
ビル・ゲイツの公教育改革に、米国の教師が突きつけ始めた“NO”(2013/6/15)
そこで、Huffington Post紙が
このサイトに集まってきた教師からの手紙を読みこみ、
先生たちがビル・ゲイツに指摘している7つの論点を取りまとめている。
7.学校が正当に教えるべきことの中には、
テストで測ることのできないものも含まれている。
6.教育においては、
すべての子どもに当てはまる唯一の方法論(例えば統一テストのような)というものは存在しない。
5.教師の評価で生徒のテストの点数は重視されるべきではない。
4.教育改革論者の言うことがすべて正しいとは限らない。
3.教育改革議論には、教育の専門家である教師の声を。
2.2001年の落ちこぼれ防止法は間違っていた。
1. Common Core統一テストを導入しても事態は改善されない。
‘Teaches’Letters To Bill Gates’ Website Reveals 7 Major Things Educators Want The Mogul To Know
Huffington Post, July 16, 2013
単に投入できる膨大な資金があるからというだけで
一民間団体や、一組の夫婦がその資金を通じて巨大な影響力を及ぼすことが
あちこちで弊害をもたらしている、というのは
教育の分野だけではないのでは、と思うし、
ここで指摘されているのと基本的に同じことは
その他の分野でも言えるはずだと思うのだけれど、
なぜか科学とテクノロジーや途上国での保健医療の問題では
ゲイツ財団が unduly influential になることを懸念する声はあまり聞こえてこない。
それはゲイツ財団の資金が投入される先が
「科学とテクノで簡単解決バンザイ」文化の利権とがっぷり繋がっている当たりだからでは、
……というのが当ブログの読みであり、また懸念するところ。
当ブログが細々と拾ってきた
科学とテクノ研究に投入されるゲイツ財団の資金と
その資金を通じて行使される不当に大きな影響力への懸念の声は例えば以下に ↓
世界中の研究機関に流れていくゲイツ財団のお金(2008/8/28)
ゲイツ財団の指摘研究機関が途上国への医療支援の財布を管理しようとしている?(2009/6/20)
ビル・ゲイツの音頭で米国の長者たちが各国政府の頭越しに世界人口抑制に取り組もうと合意(2010/6/9)
公衆衛生でマラリア死8割減のエリトリアから「製薬会社株主ビル・ゲイツのワクチン開発」批判(2011/8/2)
ゲイツ財団がインドでもくろんでいるのワクチン普及だけでなくGM農業改革も(2011/4/16)
国家的権威から市場主義的権威による超国家企業の政治制度へ(2012/1/25)
慈善資本主義に新たなネーミング、「人道帝国主義」:インドの“ポリオ撲滅”のウラ側(
2013/6/11)
慈善資本主義の“マッチポンプ”なカラクリ(2013/6/11)
The foundation’s ability to spend unprecedented amounts of money on education reform causes has recently made Gates unduly influential in the education world.
The organization supports groups that generally have an anti-union and pro-testing agenda.
前例のない額の資金を教育改革に投じることができるゲイツ財団の能力は
ここ最近、ゲイツによる教育会への度を越した影響力行使を招いてきた。
同財団は反教員組合、共通テスト支持の姿勢を持つ組織を支持している。
その実態とは、以下のエントリーで取りまとめた通り ↓
ビル・ゲイツが自分路線の公教育改革実現に“投資”したグラント一覧(2013/6/15)
そうした事態に対して、
米国の教師が立ちあがり、果敢に反論の声を挙げているのが
以下のエントリーで紹介した、Teachers’ Letters to Bill Gates.
ビル・ゲイツの公教育改革に、米国の教師が突きつけ始めた“NO”(2013/6/15)
そこで、Huffington Post紙が
このサイトに集まってきた教師からの手紙を読みこみ、
先生たちがビル・ゲイツに指摘している7つの論点を取りまとめている。
7.学校が正当に教えるべきことの中には、
テストで測ることのできないものも含まれている。
6.教育においては、
すべての子どもに当てはまる唯一の方法論(例えば統一テストのような)というものは存在しない。
5.教師の評価で生徒のテストの点数は重視されるべきではない。
4.教育改革論者の言うことがすべて正しいとは限らない。
3.教育改革議論には、教育の専門家である教師の声を。
2.2001年の落ちこぼれ防止法は間違っていた。
1. Common Core統一テストを導入しても事態は改善されない。
‘Teaches’Letters To Bill Gates’ Website Reveals 7 Major Things Educators Want The Mogul To Know
Huffington Post, July 16, 2013
単に投入できる膨大な資金があるからというだけで
一民間団体や、一組の夫婦がその資金を通じて巨大な影響力を及ぼすことが
あちこちで弊害をもたらしている、というのは
教育の分野だけではないのでは、と思うし、
ここで指摘されているのと基本的に同じことは
その他の分野でも言えるはずだと思うのだけれど、
なぜか科学とテクノロジーや途上国での保健医療の問題では
ゲイツ財団が unduly influential になることを懸念する声はあまり聞こえてこない。
それはゲイツ財団の資金が投入される先が
「科学とテクノで簡単解決バンザイ」文化の利権とがっぷり繋がっている当たりだからでは、
……というのが当ブログの読みであり、また懸念するところ。
当ブログが細々と拾ってきた
科学とテクノ研究に投入されるゲイツ財団の資金と
その資金を通じて行使される不当に大きな影響力への懸念の声は例えば以下に ↓
世界中の研究機関に流れていくゲイツ財団のお金(2008/8/28)
ゲイツ財団の指摘研究機関が途上国への医療支援の財布を管理しようとしている?(2009/6/20)
ビル・ゲイツの音頭で米国の長者たちが各国政府の頭越しに世界人口抑制に取り組もうと合意(2010/6/9)
公衆衛生でマラリア死8割減のエリトリアから「製薬会社株主ビル・ゲイツのワクチン開発」批判(2011/8/2)
ゲイツ財団がインドでもくろんでいるのワクチン普及だけでなくGM農業改革も(2011/4/16)
国家的権威から市場主義的権威による超国家企業の政治制度へ(2012/1/25)
慈善資本主義に新たなネーミング、「人道帝国主義」:インドの“ポリオ撲滅”のウラ側(
2013/6/11)
慈善資本主義の“マッチポンプ”なカラクリ(2013/6/11)
2013.07.28 / Top↑