【4月15日追記】
その後、この論文を読んで詳細を別エントリーに取りまとめました。
シアトルがんセンターの「自殺幇助プログラム」論文を読んでみた(2013/4/15)
----------------------------------------------------------
またも医師による自殺幇助に新たなパターンが登場――。
シアトルのがんセンター、the Seattle Cancer Care Allianceが
PASの全プロセスをシステマティックに引き受けるプログラムを実施しており、
患者や家族に好評だと、4月11日にNEJMのオンライン版で論文発表。
その名も the Death with Dignity プログラム。
参加希望の患者には、最初に担当のアドボケイトがつく。
同センターの職員である有資格のソーシャル・ワーカー。
この人が、担当医と共に
患者がターミナルであること、自己決定能力があること、
全ての選択肢を理解した上で決断していることを確認し、
手続きがすべて合法的に行われるように全プロセスを通じて仕切る。
担当医が個人的な信条から参加したくない場合には、
参加してもよいとする医療職から候補を選ぶ。
患者の意向は記録され、
グリーフ・ケア、法的支援、家族へのケアまで怠りない。
手続きが所定の通りに行われて処方箋が出されると、
薬剤師が患者と会い、副作用などについて詳しく説明する。
処方箋で薬を手に入れるかどうか
飲むかどうかは、その後の患者次第。
2009年から2011年の間に114人の患者から問い合わせがあり、
そのうち44人(38%)は問い合わせだけで終わるか、参加資格がないとみなされた。
30人(26%)は
最初の申請を行った後に参加を取りやめたか、その段階で亡くなった。
40人(一回目の申請をした患者の35%)が致死薬の処方を受け、
この40人は全員が既に死亡しているが
致死薬(セコバルビタール)を飲んで死んだのは24人。
結局、自殺幇助で実際に死んだのはプログラム参加者の21%で
同センターの患者の年間死亡件数のうち 0.02%に当たる。
参加理由で最も多いのは
「自律の喪失」 97%
「楽しい活動ができなくなる/なった」 89%
「尊厳の喪失」 75%
これまでに家族からも介護者からも苦情は出ておらず、
患者の死は穏やかだったと言われる。
薬を実際に手に入れるか、飲むかに関わらず、
処方箋が出ることに患者と家族が感謝を語り、
不透明な状況でも自分でコントロールできると思えることが大事なのだと
話すのが常だという。
PAS反対論者は弱者への圧力になると言うが、
プログラム参加者のほとんどは白人の教育レベルの高い男性だと著者らは反論している。
(でも、それは
こうしたがんセンターにかかれるのが既に選別された層だからでもあろうし、
また、弱者への圧力はPASに追いやるという以外の形で起こる可能性もある)
不測の合併症は起きていないが、
薬を飲んだ後、死ぬまで1日かかった患者が一人。
死が長引いたことは家族にとっても医師にとっても辛い体験となった。
同様のケースはこれまでにも報告されている。
(これはORとWAの年間報告書に情報があります)
気になるのは記事の以下の個所。
The program’s policy - written by the Seattle Cancer Care Alliance’s
medical director and approved by a majority of the medical executive
committee members, as with any clinical policy - requires that patients
request information about medically assisted suicide from their physicians,
or that these clinicians raise the topic, to be considered for referral.
患者側から情報を求めるだけでなく、
医師の側から切り出してもいい、ということになっている。
Cancer patients embrace pioneer assisted-suicide program
Family Practice News, April 10, 2013
前から、ちょっと気に掛ってはいたのだけれど、
がんセンターがこういうプログラムを実施すると、
PASはいよいよ緩和ケアの一環と位置付けられていきそうな気配。
オレゴンの自殺幇助ほぼ全員がホスピス・ケアを受けていた、という怪(2009/3/20)
幇助自殺者が毎年1割ずつ増えるオランダで「安楽死クリニック」求める声(2010/8/12)
全国平均より35%も自殺率高いOR州で、それでも尊厳死法に消極的だとホスピス批判(2010/9/13)
NC州に自殺幇助専用ホスピス?(2010/9/14)
まさに、安藤泰至先生が言う「死や死にゆく人をめぐるケアの医療化」そのもの ↓
『シリーズ生命倫理学 第4巻 終末期医療』書評を書きました(2013/4/3)
こうして「医療によって効率的に死なせるシステム」が整備された社会ができていく――。
改めて、エマニュエルが言っていることを読み返したくなる ↓
Dr. Emanuel「PASに関する4つの神話」(2012/11/5)
「安楽死やPAS合法化は、痛苦の責を患者に転嫁する」と16年前にエマニュエル(2013/3/22)
【追記】
その後、LA Timesも記事にしています(私は読んでいません)。
http://www.latimes.com/health/boostershots/la-heb-death-with-dignity-seattle-20130410,0,7934455.story
さっそく、この論文が「すべり坂懸念を否定するデータ」と報じられている。
http://health.usnews.com/health-news/news/articles/2013/04/10/physician-assisted-suicide-program-rarely-used-study-finds
【追追記】
Wesley Smithが、自殺クリニックだと批判している。
http://www.nationalreview.com/human-exceptionalism/345308/suicide-clinic-washington
【13日追記】
医療系のサイトが、この論文を「患者も家族も感謝」というタイトルで。
http://www.clinicaladvisor.com/patients-families-grateful-for-physician-assisted-suicide-program/article/288336/
その後、この論文を読んで詳細を別エントリーに取りまとめました。
シアトルがんセンターの「自殺幇助プログラム」論文を読んでみた(2013/4/15)
----------------------------------------------------------
またも医師による自殺幇助に新たなパターンが登場――。
シアトルのがんセンター、the Seattle Cancer Care Allianceが
PASの全プロセスをシステマティックに引き受けるプログラムを実施しており、
患者や家族に好評だと、4月11日にNEJMのオンライン版で論文発表。
その名も the Death with Dignity プログラム。
参加希望の患者には、最初に担当のアドボケイトがつく。
同センターの職員である有資格のソーシャル・ワーカー。
この人が、担当医と共に
患者がターミナルであること、自己決定能力があること、
全ての選択肢を理解した上で決断していることを確認し、
手続きがすべて合法的に行われるように全プロセスを通じて仕切る。
担当医が個人的な信条から参加したくない場合には、
参加してもよいとする医療職から候補を選ぶ。
患者の意向は記録され、
グリーフ・ケア、法的支援、家族へのケアまで怠りない。
手続きが所定の通りに行われて処方箋が出されると、
薬剤師が患者と会い、副作用などについて詳しく説明する。
処方箋で薬を手に入れるかどうか
飲むかどうかは、その後の患者次第。
2009年から2011年の間に114人の患者から問い合わせがあり、
そのうち44人(38%)は問い合わせだけで終わるか、参加資格がないとみなされた。
30人(26%)は
最初の申請を行った後に参加を取りやめたか、その段階で亡くなった。
40人(一回目の申請をした患者の35%)が致死薬の処方を受け、
この40人は全員が既に死亡しているが
致死薬(セコバルビタール)を飲んで死んだのは24人。
結局、自殺幇助で実際に死んだのはプログラム参加者の21%で
同センターの患者の年間死亡件数のうち 0.02%に当たる。
参加理由で最も多いのは
「自律の喪失」 97%
「楽しい活動ができなくなる/なった」 89%
「尊厳の喪失」 75%
これまでに家族からも介護者からも苦情は出ておらず、
患者の死は穏やかだったと言われる。
薬を実際に手に入れるか、飲むかに関わらず、
処方箋が出ることに患者と家族が感謝を語り、
不透明な状況でも自分でコントロールできると思えることが大事なのだと
話すのが常だという。
PAS反対論者は弱者への圧力になると言うが、
プログラム参加者のほとんどは白人の教育レベルの高い男性だと著者らは反論している。
(でも、それは
こうしたがんセンターにかかれるのが既に選別された層だからでもあろうし、
また、弱者への圧力はPASに追いやるという以外の形で起こる可能性もある)
不測の合併症は起きていないが、
薬を飲んだ後、死ぬまで1日かかった患者が一人。
死が長引いたことは家族にとっても医師にとっても辛い体験となった。
同様のケースはこれまでにも報告されている。
(これはORとWAの年間報告書に情報があります)
気になるのは記事の以下の個所。
The program’s policy - written by the Seattle Cancer Care Alliance’s
medical director and approved by a majority of the medical executive
committee members, as with any clinical policy - requires that patients
request information about medically assisted suicide from their physicians,
or that these clinicians raise the topic, to be considered for referral.
患者側から情報を求めるだけでなく、
医師の側から切り出してもいい、ということになっている。
Cancer patients embrace pioneer assisted-suicide program
Family Practice News, April 10, 2013
前から、ちょっと気に掛ってはいたのだけれど、
がんセンターがこういうプログラムを実施すると、
PASはいよいよ緩和ケアの一環と位置付けられていきそうな気配。
オレゴンの自殺幇助ほぼ全員がホスピス・ケアを受けていた、という怪(2009/3/20)
幇助自殺者が毎年1割ずつ増えるオランダで「安楽死クリニック」求める声(2010/8/12)
全国平均より35%も自殺率高いOR州で、それでも尊厳死法に消極的だとホスピス批判(2010/9/13)
NC州に自殺幇助専用ホスピス?(2010/9/14)
まさに、安藤泰至先生が言う「死や死にゆく人をめぐるケアの医療化」そのもの ↓
『シリーズ生命倫理学 第4巻 終末期医療』書評を書きました(2013/4/3)
こうして「医療によって効率的に死なせるシステム」が整備された社会ができていく――。
改めて、エマニュエルが言っていることを読み返したくなる ↓
Dr. Emanuel「PASに関する4つの神話」(2012/11/5)
「安楽死やPAS合法化は、痛苦の責を患者に転嫁する」と16年前にエマニュエル(2013/3/22)
【追記】
その後、LA Timesも記事にしています(私は読んでいません)。
http://www.latimes.com/health/boostershots/la-heb-death-with-dignity-seattle-20130410,0,7934455.story
さっそく、この論文が「すべり坂懸念を否定するデータ」と報じられている。
http://health.usnews.com/health-news/news/articles/2013/04/10/physician-assisted-suicide-program-rarely-used-study-finds
【追追記】
Wesley Smithが、自殺クリニックだと批判している。
http://www.nationalreview.com/human-exceptionalism/345308/suicide-clinic-washington
【13日追記】
医療系のサイトが、この論文を「患者も家族も感謝」というタイトルで。
http://www.clinicaladvisor.com/patients-families-grateful-for-physician-assisted-suicide-program/article/288336/
2013.04.16 / Top↑
オーストラリア the Brighton EastのBeverley Broadbentさん(83)は、
これまで充実した人生を歩んできて、病気でターミナルな状態にあるというわけではなく、
不幸だと感じているわけでもウツっぽいわけでもないけど、
加齢に伴い、健康問題があれこれと出てきたり、
これまでのように行かないことが増えてきて、
そのうちに認知症になったり、
転んで骨折でもしたらナーシング・ホームで寝たきりになると考えると、
そんなことにならないうちに静かに死にたい、と
バービツレートを手に入れた。
そして、メディアのインタビューを受けて思いを語るビデオを収録し、
2月11日に自宅ベッドでそれを飲んで自殺した。
記事によると、安楽死活動家Rodney Symeが
死の前に何度かBroadbentさんと会った、とのこと。
Symeは、
こうした希望を持って相談してくる高齢者が増えているので、
皆で議論すべきだ、と語っている。
一方、Right to Life AustraliaのKatrinaHallerは、
高齢者が、例えば病院のベッドをふさいでいると言われるなど、
社会からお荷物視されることが、自殺願望に繋がっているとして、
「どこで線を引くんですか? ベルギーとオランダでは、
年々、ドアは少しずつ大きく開いていますよ」
Rational suicide: Why Beverley Broadbent chose to die
The Age Victoria, April 2, 2013
Beverleyさんが致死薬を飲む時には
Amandaとだけ名前を明かしている看護師をしている女性が側にいた、とのこと。
女性は、comfort(安楽にすること)はしたけれど、幇助はしていない、と言っている。
Amandaさんによると、
Beverleyさんは致死量のNembutal を午後7時半に飲み、
その30分後に安らかに息を引き取った。
Suicide a calm and beautiful ending, says witness
The Age Victoria, April 3, 2013
ちょっとFEN事件を思わせる事件――。
FENが自殺する人に指南役として送り込むボランティアはExit Guideと呼ばれている。
それにしても、
英国のGilderdale事件もそうだったけれど、
こういう事件のニュースに触れるたびに私は不思議でならないのだけれど、
使われたモルヒネとかバルビツールの入手経路って、
どうして誰も問題にしないんだろう???
ちなみに、BioEdgeのMichael Cookは
先週のニュースレターのコメントでこの事件を取り上げて、
いくつか倫理問題を指摘している。
① 取材して記事を書いた記者には、人として
Beverleyさんの自殺を思いとどまらせようとする道徳的義務はなかったのか。
② 記事の書き方がバルビツールを「安楽ピル」を呼ぶなど、
Philip NitschkeのExit Internationalの無料広告みたいになっている。
③ WHOの自殺報道ガイドラインは、ジャーナリストに対して
「自殺をセンセーショナルに描いたり、正常なことと描いたり、
問題解決の方法であるかのように捉える言葉づかいを避けるよう」求めているが、
この記事はその3つ全てをやっている。
④ 文末にヘルプ・ラインの電話番号を記しているが、
自殺を美化し勧める内容の記事を書いておきながら、何の説得力もない。
【関連エントリー】
オランダで「70歳以上の高齢者には自殺幇助を」を学者・政治家ら(2010/2/10)
「高齢者がいつでも死ねるように街角ごとに“安楽死ブースを”」と英国作家(2010/2/10)
英国のDr. Death「元気な高齢者にも医師による自殺幇助を」(2010/8/16)
Dignitasで英国人がまた自殺、今度は「老いて衰えるのが怖いから」(2011/4/3)
スイスの地方自治体が高齢者施設での自殺幇助合法化巡り住民投票(2011/4/15)
スイスの自殺幇助団体Exit、高齢者の要件を緩和(2011/5/9)
スイスで「人生が嫌になった」高齢者の自殺幇助が増えている(2012/5/10)
これまで充実した人生を歩んできて、病気でターミナルな状態にあるというわけではなく、
不幸だと感じているわけでもウツっぽいわけでもないけど、
加齢に伴い、健康問題があれこれと出てきたり、
これまでのように行かないことが増えてきて、
そのうちに認知症になったり、
転んで骨折でもしたらナーシング・ホームで寝たきりになると考えると、
そんなことにならないうちに静かに死にたい、と
バービツレートを手に入れた。
そして、メディアのインタビューを受けて思いを語るビデオを収録し、
2月11日に自宅ベッドでそれを飲んで自殺した。
記事によると、安楽死活動家Rodney Symeが
死の前に何度かBroadbentさんと会った、とのこと。
Symeは、
こうした希望を持って相談してくる高齢者が増えているので、
皆で議論すべきだ、と語っている。
一方、Right to Life AustraliaのKatrinaHallerは、
高齢者が、例えば病院のベッドをふさいでいると言われるなど、
社会からお荷物視されることが、自殺願望に繋がっているとして、
「どこで線を引くんですか? ベルギーとオランダでは、
年々、ドアは少しずつ大きく開いていますよ」
Rational suicide: Why Beverley Broadbent chose to die
The Age Victoria, April 2, 2013
Beverleyさんが致死薬を飲む時には
Amandaとだけ名前を明かしている看護師をしている女性が側にいた、とのこと。
女性は、comfort(安楽にすること)はしたけれど、幇助はしていない、と言っている。
Amandaさんによると、
Beverleyさんは致死量のNembutal を午後7時半に飲み、
その30分後に安らかに息を引き取った。
Suicide a calm and beautiful ending, says witness
The Age Victoria, April 3, 2013
ちょっとFEN事件を思わせる事件――。
FENが自殺する人に指南役として送り込むボランティアはExit Guideと呼ばれている。
それにしても、
英国のGilderdale事件もそうだったけれど、
こういう事件のニュースに触れるたびに私は不思議でならないのだけれど、
使われたモルヒネとかバルビツールの入手経路って、
どうして誰も問題にしないんだろう???
ちなみに、BioEdgeのMichael Cookは
先週のニュースレターのコメントでこの事件を取り上げて、
いくつか倫理問題を指摘している。
① 取材して記事を書いた記者には、人として
Beverleyさんの自殺を思いとどまらせようとする道徳的義務はなかったのか。
② 記事の書き方がバルビツールを「安楽ピル」を呼ぶなど、
Philip NitschkeのExit Internationalの無料広告みたいになっている。
③ WHOの自殺報道ガイドラインは、ジャーナリストに対して
「自殺をセンセーショナルに描いたり、正常なことと描いたり、
問題解決の方法であるかのように捉える言葉づかいを避けるよう」求めているが、
この記事はその3つ全てをやっている。
④ 文末にヘルプ・ラインの電話番号を記しているが、
自殺を美化し勧める内容の記事を書いておきながら、何の説得力もない。
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オランダで「70歳以上の高齢者には自殺幇助を」を学者・政治家ら(2010/2/10)
「高齢者がいつでも死ねるように街角ごとに“安楽死ブースを”」と英国作家(2010/2/10)
英国のDr. Death「元気な高齢者にも医師による自殺幇助を」(2010/8/16)
Dignitasで英国人がまた自殺、今度は「老いて衰えるのが怖いから」(2011/4/3)
スイスの地方自治体が高齢者施設での自殺幇助合法化巡り住民投票(2011/4/15)
スイスの自殺幇助団体Exit、高齢者の要件を緩和(2011/5/9)
スイスで「人生が嫌になった」高齢者の自殺幇助が増えている(2012/5/10)
2013.04.07 / Top↑
Dianne Ruth Whittleさん、50歳は、元看護師。
2010年9月にALSを発症。
2011年10月に
夫ともう一人の家族に付き添われてスイスのディグニタスで自殺。
飲み込みができないので、
経管栄養のチューブを通して致死量の即効性のバルビツールを胃に入れた。
そのスイッチは本人が押したことと、
それ以前にも自殺未遂をしていることから、
副検死官が自殺である、と断定。
Nurse travelled to Switzerland to end life in Dignitas clinic
BirminghamMail, April 3, 2013
スイスのディグニタスに家族が付き添って行くことは
ついこの前までは、不起訴になるにせよ警察が捜査する「自殺幇助」行為だったんだけど、
いつの間にか、
検死官が「本人が自分で命を断ったんだから、これは自殺」と宣言すれば、
それでOKということになった……ということなんだろうか、この記事の書き方は?
でも、10年のDPPのガイドラインには、確か、
すべての自殺幇助事件は警察の捜査対象であり、
自殺幇助の証拠がそろっている場合に起訴が公益に当たるかどうかを検察が判断し、
最終的には公訴局長の同意が必要だと書いてあったはずなんだけどなぁ?
そういえば、こういう話もある ↓
検死官が近親者による自殺幇助は見て見ぬフリ(英)(2011/8/25)
【関連エントリー】
警察が「捜査しない」と判断する、英国「自殺幇助起訴ガイドライン」の“すべり坂”(2011/7/15)
検死官が近親者による自殺幇助は見て見ぬフリ(英)(2011/8/25)
要介護状態の夫が、大動脈瘤で倒れた妻を病院で射殺。「慈悲殺か殺人か」論争に(2012/8/24)
「近親者の自殺幇助には温情」文化が広がっている(米)(2013/1/22)
2010年9月にALSを発症。
2011年10月に
夫ともう一人の家族に付き添われてスイスのディグニタスで自殺。
飲み込みができないので、
経管栄養のチューブを通して致死量の即効性のバルビツールを胃に入れた。
そのスイッチは本人が押したことと、
それ以前にも自殺未遂をしていることから、
副検死官が自殺である、と断定。
Nurse travelled to Switzerland to end life in Dignitas clinic
BirminghamMail, April 3, 2013
スイスのディグニタスに家族が付き添って行くことは
ついこの前までは、不起訴になるにせよ警察が捜査する「自殺幇助」行為だったんだけど、
いつの間にか、
検死官が「本人が自分で命を断ったんだから、これは自殺」と宣言すれば、
それでOKということになった……ということなんだろうか、この記事の書き方は?
でも、10年のDPPのガイドラインには、確か、
すべての自殺幇助事件は警察の捜査対象であり、
自殺幇助の証拠がそろっている場合に起訴が公益に当たるかどうかを検察が判断し、
最終的には公訴局長の同意が必要だと書いてあったはずなんだけどなぁ?
そういえば、こういう話もある ↓
検死官が近親者による自殺幇助は見て見ぬフリ(英)(2011/8/25)
【関連エントリー】
警察が「捜査しない」と判断する、英国「自殺幇助起訴ガイドライン」の“すべり坂”(2011/7/15)
検死官が近親者による自殺幇助は見て見ぬフリ(英)(2011/8/25)
要介護状態の夫が、大動脈瘤で倒れた妻を病院で射殺。「慈悲殺か殺人か」論争に(2012/8/24)
「近親者の自殺幇助には温情」文化が広がっている(米)(2013/1/22)
2013.04.07 / Top↑
気になっていたコネチカット州の自殺幇助合法化法案は、
保健医療委員会で議会に送る議題から削除され、
議会での採決まで行かず廃案に。
委員長によると、
賛成が少なく、法的に自殺を認めることに対する反対が強かったため。
賛否は拮抗すらしなかった(not even close)と。
C&Cでは、来年また提出する、と。
Connecticut General Assembly will not vote on assisted suicide bill this year
New Haven Register, April 5, 2013
まずは、グッド・ニュース。
保健医療委員会で議会に送る議題から削除され、
議会での採決まで行かず廃案に。
委員長によると、
賛成が少なく、法的に自殺を認めることに対する反対が強かったため。
賛否は拮抗すらしなかった(not even close)と。
C&Cでは、来年また提出する、と。
Connecticut General Assembly will not vote on assisted suicide bill this year
New Haven Register, April 5, 2013
まずは、グッド・ニュース。
2013.04.07 / Top↑
去年のマサチューセッツ州のPAS合法化住民投票の直前に
反対派陣営にはカトリック教会の資金が投入されているという情報が出てきて、
それを宗教からの介入操作であるかのように書く記事が沢山あったのだけれど、
ワシントン州での住民投票前のキャンペーンや、その他の州で進行してきた
合法化推進派のすさまじいキャンペーンを眺めれば、
それどころではない規模の莫大な資金が
C&CやFENに流れていることは想像がつく。
(自殺幇助を美化して描く映画やTV番組がどれだけ作られてきたことか……)
これまで当ブログが拾った情報から描いている
世界のあり方の「大きな図」で考えれば、当然のこととして、
いわゆる「1%」のカネが背景に在るのだろうと個人的には想像していた。
ただ、そういう具体的な情報に
これまで行き当たったことがなかった。
ついに、ひとつ、出てきた。
以下の記事のOp-Edタイトルは
「ジョージ・ソロスのカネで自殺を売る」
C&Cはthe Soros American Foundationsからの
2010年のグラント受給金額トップ75の中に入っている。
グラント額は100万ドル。
この資金でC&Cは大々的なキャンペーンを張り、
テレビでは痛苦に苦しむ終末期の患者が家族による自殺幇助で
穏やかな最期を迎えたエピソードを流し続けている。
しかし、OR州とWA州での医師からの報告によれば、
医師のよる自殺幇助を受けて死んだケースはすべて
長引く苦痛のためではなく、自立を失うことへの不安によるものだった。
(「すべて」と書かれているのは事実とは違うのでは、とは思いますが、
自律を失うことへの不安を理由に挙げた人が多いというのは私も拾っている情報)
また、ソロスのカネがC&Cの背景にあるということは
州の議員らにとっては、今回提出されている合法化法案に付いた方が
あと後でオイシイ(彼らの最善の利益である)という判断を促す、と記事は書く。
実際、議員らは今回法案を通す意向を表明している。
ちょっと興味深い情報として、
ソロスは緩和ケア充実にも力(カネ)を入れていて
10年にはC&Cよりもはるかに多い270万ドルをthe Partnership for Palliative Careに
提供していること。
また、370万ドルをつぎ込んで、シカゴで
Heights of Compassion: Bridge to Choice というタイトルのカンファを開催。
緩和ケアの関係者と自殺幇助合法化運動関係者とが「共通のグラウンド」を模索した、とも。
この情報は、どのように読んだらいいのか、ちょっと……。
ただ、以前から、OR州のホスピスには
C&Cが既に浸透しているのではないか、との疑惑はあるので ↓
オレゴンの自殺幇助ほぼ全員がホスピス・ケアを受けていた、という怪(2009/3/20)
うがった見方もできないことはない。
その他、この記事から注目情報として、
マサチューセッツ州の住民投票がPAS合法化を否決したのに続いて、
メイン州でも住民投票で否決された、と書かれている。
(こちらは知らなかった)
コネチカット州では現在、州民からの意見募集が行われており、
ここでは住民投票を回避して議会で法案を審議。
CT州がコケたら、
ヴァーモント、ニュージャージー、カンザス、ハワイも勢いづく。
マサチューセッツでも再チャレンジがあるだろう、と書いて、この記事は、
「ソロスにとっては使った甲斐のあるカネということになるだろう」
Op-Ed: Selling suicide with George Soros’ money
Washington Examiner, April 4, 2013
記事には、
ソロスがかねて合法化の立場で発言してきたことなども書かれているのだけど、
ちょっと書くのがうっとうしいのでパスしました。
ジョージ・ソロスについて、Wikiはこちら ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%AD%E3%82%B9
反対派陣営にはカトリック教会の資金が投入されているという情報が出てきて、
それを宗教からの介入操作であるかのように書く記事が沢山あったのだけれど、
ワシントン州での住民投票前のキャンペーンや、その他の州で進行してきた
合法化推進派のすさまじいキャンペーンを眺めれば、
それどころではない規模の莫大な資金が
C&CやFENに流れていることは想像がつく。
(自殺幇助を美化して描く映画やTV番組がどれだけ作られてきたことか……)
これまで当ブログが拾った情報から描いている
世界のあり方の「大きな図」で考えれば、当然のこととして、
いわゆる「1%」のカネが背景に在るのだろうと個人的には想像していた。
ただ、そういう具体的な情報に
これまで行き当たったことがなかった。
ついに、ひとつ、出てきた。
以下の記事のOp-Edタイトルは
「ジョージ・ソロスのカネで自殺を売る」
C&Cはthe Soros American Foundationsからの
2010年のグラント受給金額トップ75の中に入っている。
グラント額は100万ドル。
この資金でC&Cは大々的なキャンペーンを張り、
テレビでは痛苦に苦しむ終末期の患者が家族による自殺幇助で
穏やかな最期を迎えたエピソードを流し続けている。
しかし、OR州とWA州での医師からの報告によれば、
医師のよる自殺幇助を受けて死んだケースはすべて
長引く苦痛のためではなく、自立を失うことへの不安によるものだった。
(「すべて」と書かれているのは事実とは違うのでは、とは思いますが、
自律を失うことへの不安を理由に挙げた人が多いというのは私も拾っている情報)
また、ソロスのカネがC&Cの背景にあるということは
州の議員らにとっては、今回提出されている合法化法案に付いた方が
あと後でオイシイ(彼らの最善の利益である)という判断を促す、と記事は書く。
実際、議員らは今回法案を通す意向を表明している。
ちょっと興味深い情報として、
ソロスは緩和ケア充実にも力(カネ)を入れていて
10年にはC&Cよりもはるかに多い270万ドルをthe Partnership for Palliative Careに
提供していること。
また、370万ドルをつぎ込んで、シカゴで
Heights of Compassion: Bridge to Choice というタイトルのカンファを開催。
緩和ケアの関係者と自殺幇助合法化運動関係者とが「共通のグラウンド」を模索した、とも。
この情報は、どのように読んだらいいのか、ちょっと……。
ただ、以前から、OR州のホスピスには
C&Cが既に浸透しているのではないか、との疑惑はあるので ↓
オレゴンの自殺幇助ほぼ全員がホスピス・ケアを受けていた、という怪(2009/3/20)
うがった見方もできないことはない。
その他、この記事から注目情報として、
マサチューセッツ州の住民投票がPAS合法化を否決したのに続いて、
メイン州でも住民投票で否決された、と書かれている。
(こちらは知らなかった)
コネチカット州では現在、州民からの意見募集が行われており、
ここでは住民投票を回避して議会で法案を審議。
CT州がコケたら、
ヴァーモント、ニュージャージー、カンザス、ハワイも勢いづく。
マサチューセッツでも再チャレンジがあるだろう、と書いて、この記事は、
「ソロスにとっては使った甲斐のあるカネということになるだろう」
Op-Ed: Selling suicide with George Soros’ money
Washington Examiner, April 4, 2013
記事には、
ソロスがかねて合法化の立場で発言してきたことなども書かれているのだけど、
ちょっと書くのがうっとうしいのでパスしました。
ジョージ・ソロスについて、Wikiはこちら ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%AD%E3%82%B9
2013.04.07 / Top↑