英米でも深刻化する子どもの貧困
子どもの貧困が深刻だ。
ガーディアン紙は自社サイトの教師ネットワークを通じて全英591人の教師に調査を行い、その結果を6月に報じた。それによると、「朝の登校時にお腹をすかせている生徒がいる」と回答した教師は83%にものぼった。朝食を食べていない生徒のために食べ物を持っていったことがある教師が49%。昼食を買うお金を生徒にあげたことがある教師も、ほぼ5人に1人だった。55%の教師が「生徒の4分の1が十分な食事をとらずに学校に来る」「不況、失業、福祉削減で家族の経済事情が悪化している」と回答。低所得家庭の子どもたちには無料で昼食を提供する制度があるが、5人に4人の教師が、そうした子どもたちには登校時に無料の朝食も必要だと訴えた。
独自に「朝食クラブ」を実施している学校もあるが、GP(家庭医)協会、小児科学会、全国校長会は、無料の給食制度の適用となっている130万人の子どもたちに朝食も出すよう、大臣らに向けて呼び掛けている。また無料給食制度の適用条件も緩和するよう訴えている。
こうした事態を受け、世界120カ国で子どもたちへの支援活動を行ってきたチャリティ Save the Childrenが、初めて自国内での子どもたちの支援に乗り出した。“Eat, Sleep, Learn, Play! (食べて、眠って、学んで、遊ぼう!)”キャンペーンである。年間3万ポンド以下の収入で暮らす家庭では、子どもたちが温かい食事を取れず、冬用の温かい衣類もなく擦り切れた靴のまま暮らしている。年間所得17000ポンド以下の最貧困層では、子どもの8人に1人が1日1食すら食べられないことがあるという。「この国でこんなことがあってはならない」が同キャンペーンのスローガン。貧困状態で暮らす子どものいる家庭に調理器具やベッドなど生活必需品を支給するため、50万ポンドを目標に資金を募る。
またSave the Childrenでは、貧困の世代間連鎖を断ち切るべく、親子を対象にした学習支援プログラムFAST(Families and Schools Together)を行っている。同チャリティのFASTサイトのビデオによると、英国の子どもの3人に1人が基礎的な読み書き能力を身につけないまま小学校を終えるという。経済的ストレスが親の心身の状態に影響し、口論や離婚に至ったり、子どもたちに余裕をもって接することができなくなる。毎週のFASTセッションでは、親と子、教師と地域のつながりを強化し、子どもの力を伸ばすのが狙い。
米国でも18歳未満の子どもの5人に1人が貧困状態にあるという。国税調査局の9月の発表では、世帯所得の中間値がこの1年間で1.5%落ち込む一方で、最富裕層の総所得は4.9%アップ。所得分配の不平等を図るジニ係数は1.6%上昇するなど、貧富の格差も広がっている。目を引くのは、通常は富裕な地域とみなされるワシントンD.C.の郊外で貧困率が急上昇していることだ。無料で食糧を配布するボランティア組織に助けを求めてくる人たちの数は、過去4年間でほぼ倍増している。特にホームレスが急増したラウドン郡の福祉担当者は、最近では仕事も増え家も売れるようになってきたが、それが却って家賃など諸物価を上昇させて最下層には打撃となっている、と語る。
日本でも生活保護費用の増大と抑制策が問題となっているが、日本の子どもたちはどうしているのだろう。おなかをすかせてはいないか。これからの季節に向けて、みんな温かい衣類を身につけることができているだろうか。
ベンゾジアゼピンに認知症リスク?
先月号の当欄で書いた向精神薬の副作用リスクに関連して、気になるニュースがあった。
ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに発表されたフランスの研究者らの論文で、ベンゾジアゼピンの高齢者における認知症リスクが報告されている。ベンゾジアゼピン系薬剤はソラナックス、デパスなどの名称で、不眠や不安の治療薬として日本でも、また世界中で広く使われている。フランスでは65歳以上人口の30%に処方されており、カナダとスペインでは20%、オーストラリアでも15%に及ぶという。
しかし、この研究によると、65歳以上でベンゾジアゼピンを飲んでいる人は飲んだことがない人に比べて、その後の15年間に認知症を発症するリスクが50%増加した、という。著者らは結論付けるにはさらなる研究が必要としながらも、これまでも高齢者では転倒やそれによる骨折リスクなどの副作用が指摘されてもおり、今回新たに認知症リスクの懸念も出てきたことで、処方に慎重を呼び掛けている。
「世界の介護と医療の情報を読む」77
「介護保険情報」2012年11月号
子どもの貧困が深刻だ。
ガーディアン紙は自社サイトの教師ネットワークを通じて全英591人の教師に調査を行い、その結果を6月に報じた。それによると、「朝の登校時にお腹をすかせている生徒がいる」と回答した教師は83%にものぼった。朝食を食べていない生徒のために食べ物を持っていったことがある教師が49%。昼食を買うお金を生徒にあげたことがある教師も、ほぼ5人に1人だった。55%の教師が「生徒の4分の1が十分な食事をとらずに学校に来る」「不況、失業、福祉削減で家族の経済事情が悪化している」と回答。低所得家庭の子どもたちには無料で昼食を提供する制度があるが、5人に4人の教師が、そうした子どもたちには登校時に無料の朝食も必要だと訴えた。
独自に「朝食クラブ」を実施している学校もあるが、GP(家庭医)協会、小児科学会、全国校長会は、無料の給食制度の適用となっている130万人の子どもたちに朝食も出すよう、大臣らに向けて呼び掛けている。また無料給食制度の適用条件も緩和するよう訴えている。
こうした事態を受け、世界120カ国で子どもたちへの支援活動を行ってきたチャリティ Save the Childrenが、初めて自国内での子どもたちの支援に乗り出した。“Eat, Sleep, Learn, Play! (食べて、眠って、学んで、遊ぼう!)”キャンペーンである。年間3万ポンド以下の収入で暮らす家庭では、子どもたちが温かい食事を取れず、冬用の温かい衣類もなく擦り切れた靴のまま暮らしている。年間所得17000ポンド以下の最貧困層では、子どもの8人に1人が1日1食すら食べられないことがあるという。「この国でこんなことがあってはならない」が同キャンペーンのスローガン。貧困状態で暮らす子どものいる家庭に調理器具やベッドなど生活必需品を支給するため、50万ポンドを目標に資金を募る。
またSave the Childrenでは、貧困の世代間連鎖を断ち切るべく、親子を対象にした学習支援プログラムFAST(Families and Schools Together)を行っている。同チャリティのFASTサイトのビデオによると、英国の子どもの3人に1人が基礎的な読み書き能力を身につけないまま小学校を終えるという。経済的ストレスが親の心身の状態に影響し、口論や離婚に至ったり、子どもたちに余裕をもって接することができなくなる。毎週のFASTセッションでは、親と子、教師と地域のつながりを強化し、子どもの力を伸ばすのが狙い。
米国でも18歳未満の子どもの5人に1人が貧困状態にあるという。国税調査局の9月の発表では、世帯所得の中間値がこの1年間で1.5%落ち込む一方で、最富裕層の総所得は4.9%アップ。所得分配の不平等を図るジニ係数は1.6%上昇するなど、貧富の格差も広がっている。目を引くのは、通常は富裕な地域とみなされるワシントンD.C.の郊外で貧困率が急上昇していることだ。無料で食糧を配布するボランティア組織に助けを求めてくる人たちの数は、過去4年間でほぼ倍増している。特にホームレスが急増したラウドン郡の福祉担当者は、最近では仕事も増え家も売れるようになってきたが、それが却って家賃など諸物価を上昇させて最下層には打撃となっている、と語る。
日本でも生活保護費用の増大と抑制策が問題となっているが、日本の子どもたちはどうしているのだろう。おなかをすかせてはいないか。これからの季節に向けて、みんな温かい衣類を身につけることができているだろうか。
ベンゾジアゼピンに認知症リスク?
先月号の当欄で書いた向精神薬の副作用リスクに関連して、気になるニュースがあった。
ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに発表されたフランスの研究者らの論文で、ベンゾジアゼピンの高齢者における認知症リスクが報告されている。ベンゾジアゼピン系薬剤はソラナックス、デパスなどの名称で、不眠や不安の治療薬として日本でも、また世界中で広く使われている。フランスでは65歳以上人口の30%に処方されており、カナダとスペインでは20%、オーストラリアでも15%に及ぶという。
しかし、この研究によると、65歳以上でベンゾジアゼピンを飲んでいる人は飲んだことがない人に比べて、その後の15年間に認知症を発症するリスクが50%増加した、という。著者らは結論付けるにはさらなる研究が必要としながらも、これまでも高齢者では転倒やそれによる骨折リスクなどの副作用が指摘されてもおり、今回新たに認知症リスクの懸念も出てきたことで、処方に慎重を呼び掛けている。
「世界の介護と医療の情報を読む」77
「介護保険情報」2012年11月号
2012.12.07 / Top↑
糖尿病の治療薬Avandiaをめぐるスキャンダルは
補遺で何度も断片情報を拾ってきたので、気にはなりながらも、
製薬会社と研究者の癒着スキャンダルの構図は結局のところ
ずっと同じことが繰り返されているだけだという気がして、
手間をかけてエントリーにする気力が沸かずにいたのですが、
WPが25日に、
製薬会社の資金により治験のあり方そのものが変わってきていることに問題を提起しており、
その中でAvandiaスキャンダルの全容が取りまとめられていたので、読んでみました。
GlaxoSmithKlineって、
抗ウツ薬のパキシルでやったのと同じことをAvandiaでもやってる……と唖然としたのと、
治験資金のすでに半分が製薬会社となっており、そうした実態につれて、
治験が大学や研究機関への委託から民間の営利企業へと移行している、
すでに論文のディスクロージャー程度ではバイアスを見抜くことは不可能だと
NEJMの編集長までが嘆息する事態となっている、という内容が
なんとも衝撃的だったので、以下に。
(ちょうどマイケル・サンデルの「それをお金で買いますか」を読んで
絶句したところだったので、治験データも「お金で買える」うちの一つになったのかぁ……とも)
ちなみに、グラクソのパキシル・スキャンダルとは、
小児には効かないとか副作用で自殺念慮が起こるなどのデータを隠ぺいし、
ゴーストライターに書かせて有名研究者らの名前を連ねた論文によって
DFAの認可を受けて販売し、副作用から子どもを含む多くの自殺者を出した、というもの。
参考エントリーはこちら ↓
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書(米国)(2008/11/17)
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書 Part2(2008/11/23)
で、今回のアバンディアでは、
他の糖尿病治療薬よりもアバンディアが優れていたとの治験ADOPTの結果が
2006年にNew England Journal of Medicineに報告されたが、
その治験自体がグラクソの資金によるものだっただけでなく、
著者11人のうち4人は同社の株を有する社員で、
残る7人全員が同社からグラントや顧問料をもらう学者だった。
そして、その論文では、
アバンディアには悪玉コレステロールを上げて心臓病リスクを高めるとの
データが隠ぺいされていた。
その隠ぺいのやり方が手が込んでいる。
上院委員会の調査情報によれば
グラクソは2003年段階でWHOから
このタイプの薬には心臓リスクがあると警告を受けており、
2005、2006年と14000人に治験を行って血栓症リスクが30%上がることを掴んでいた。
が、この情報は社外秘とされた。
FDAも認可に当たって心臓病リスクについて確認の治験を行うよう求めた。
そこで行われた治験がADOPT。
しかし
治験を依頼された研究者らにはFDAの警告もリスクも知らせないまま、
デザインの段階から既に別の目的のものにされてしまった。
この論文に疑問を抱いたクリーブランド・クリニックのNissen医師が
グラクソが行ったDREAMという別治験のデータを調べたところ、
アバンディアを飲んだグループで明らかに悪玉コレステロールが上がっていた。
訴訟で明らかになったところでは
42の治験が行われていながら結果が公にされていない治験が35もあり、
それらはすべてグラクソの資金によるものだった。
すべてのデータを分析すると、アバンディアは
心臓発作リスクを43%、心臓病による死亡リスクを64%も上げることが判明。
Nissen医師らは、これらについてNEJMに論文を投稿。
通常、受理から掲載まで数カ月かかるが、
2000年に編集長となり問題の改善に取り組んできたJefffrey Drazen(ハーバード大の医師)は
問題を重視し、受理から19日で掲載させた。
ところが驚くことに、上院の調査で明らかになったところによると、
この論文は掲載前にグラクソ側にリークされてしまった。
査読者の誰かが、ADOPTに関わったテキサス大の教授にリークし、
この教授がグラクソに論文コピーをファックスしたのだという。
その情報を元にグラクソ側はNissen医師らの論文に反撃態勢を整える。
当時進行中だったRECORDという治験のデータで反論を試みたのだ。
実際には対象者の数が少ないばかりか、
未だに確定的な結果が得られていない治験であるにもかかわらず、
中間報告を論文発表して、問題を曖昧にすることを図った。
RECORDもまたグラクソの資金による治験で、
この論文の著者8人のうち1人はグラクソの社員、
その他7人は全員がグラクソから何らかの金銭を受けている学者だった。
発表された論文には説得力はなかったが、
臨床医と患者に安全をアピールするグラクソ側のこうした抵抗によって、
アバンディアが市場から引き上げられるまでにはさらに3年の時間がかかり、
2010年9月に市場から回収されるまでの4年間に、
FDAの試算で8300人が心臓発作を起こし、死者まで出すことになった。
―――――
WPの上記記事によると、同様の問題は
Vioxx(メルクの関節炎治療薬)とCelebrex(ファイザーの消炎鎮痛剤)でも起きたことから、
薬の治験データから製薬会社の影響を取り除くための努力がさまざま試みられている。
市場に出ている薬に関する治験データの全公開を求める動きもあるが、
製薬会社が資金を出している治験でそれが保障されるかどうかには疑問もある。
WPの調査によると、
8月までの1年間にNEJMに発表された新薬のオリジナル研究論文は73本あり、
そのうち60本が製薬会社の資金による研究。
50本は製薬会社の社員が共著者となっており、
37本で主著者はスポンサー社から顧問料やグラント、講演料をもらった学者。
1980年代まではこうした実験は政府の資金で行われていたが、
だんだんと製薬会社の資金への依存度が高まり、
去年は製薬会社が390億ドル、NIHが310億ドル。
ペンシルベニア大の調査によると、
製薬会社の資金による治験では結論がその会社に都合のよいものとなる確率が
政府資金やNOPの資金によるよりも3.6倍も上がる、という。
さらに気がかりな傾向として、WPは
治験を請け負う民間企業まで登場しており、
大学や研究機関から、こうした営利企業へと治験が流れているという。
既に製薬会社の治験資金はすでに半分以上がこうした企業に流れており、
そうした仕組みの中では研究者は製薬会社に使われる手足と化してしまう。
(この部分を読んで思い出したのは、
遺伝子治療で死者が出た2007年のニュースの中にあった
新しい治療の安全性を審査する審査委員会が米国では
すでに民間企業にゆだねられている、という実態 ↓
遺伝子治療で死者 続報(審査委員会は民間企業!)(2007/8/7))
「論文発表の際に金銭関係のディスクロージャーがあれば
それでバイアスが防げると考えられたのは、
査読が厳しく行われる時代だったからで、
もはや論文報告にバイアスがかかっているかどうかなんて
編集者にも査読者にも読者にも、分からない」という人も。
NEJMのDrazen編集長はそうしたバイアスの排除に向けて努力してきたが、
最近ではNEJMに発表された論文であっても、
製薬会社資金の治験であれば医師らが信頼しなくなりつつあり、
医学研究そのものが崩壊の危機の様相を呈してきた、とも。
Drazen氏の以下の言葉が印象的。
This is a business built on people telling the truth.
医学研究というのは関係者がウソをつかないという前提で成り立っている業界。
同じような構図のスキャンダルは他の問題でも繰り返されており、
それらは以下のエントリーにリンクしてあります。 ↓
“オピオイド鎮痛剤問題”の裏側(米)(2012/10/20)
補遺で何度も断片情報を拾ってきたので、気にはなりながらも、
製薬会社と研究者の癒着スキャンダルの構図は結局のところ
ずっと同じことが繰り返されているだけだという気がして、
手間をかけてエントリーにする気力が沸かずにいたのですが、
WPが25日に、
製薬会社の資金により治験のあり方そのものが変わってきていることに問題を提起しており、
その中でAvandiaスキャンダルの全容が取りまとめられていたので、読んでみました。
GlaxoSmithKlineって、
抗ウツ薬のパキシルでやったのと同じことをAvandiaでもやってる……と唖然としたのと、
治験資金のすでに半分が製薬会社となっており、そうした実態につれて、
治験が大学や研究機関への委託から民間の営利企業へと移行している、
すでに論文のディスクロージャー程度ではバイアスを見抜くことは不可能だと
NEJMの編集長までが嘆息する事態となっている、という内容が
なんとも衝撃的だったので、以下に。
(ちょうどマイケル・サンデルの「それをお金で買いますか」を読んで
絶句したところだったので、治験データも「お金で買える」うちの一つになったのかぁ……とも)
ちなみに、グラクソのパキシル・スキャンダルとは、
小児には効かないとか副作用で自殺念慮が起こるなどのデータを隠ぺいし、
ゴーストライターに書かせて有名研究者らの名前を連ねた論文によって
DFAの認可を受けて販売し、副作用から子どもを含む多くの自殺者を出した、というもの。
参考エントリーはこちら ↓
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書(米国)(2008/11/17)
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書 Part2(2008/11/23)
で、今回のアバンディアでは、
他の糖尿病治療薬よりもアバンディアが優れていたとの治験ADOPTの結果が
2006年にNew England Journal of Medicineに報告されたが、
その治験自体がグラクソの資金によるものだっただけでなく、
著者11人のうち4人は同社の株を有する社員で、
残る7人全員が同社からグラントや顧問料をもらう学者だった。
そして、その論文では、
アバンディアには悪玉コレステロールを上げて心臓病リスクを高めるとの
データが隠ぺいされていた。
その隠ぺいのやり方が手が込んでいる。
上院委員会の調査情報によれば
グラクソは2003年段階でWHOから
このタイプの薬には心臓リスクがあると警告を受けており、
2005、2006年と14000人に治験を行って血栓症リスクが30%上がることを掴んでいた。
が、この情報は社外秘とされた。
FDAも認可に当たって心臓病リスクについて確認の治験を行うよう求めた。
そこで行われた治験がADOPT。
しかし
治験を依頼された研究者らにはFDAの警告もリスクも知らせないまま、
デザインの段階から既に別の目的のものにされてしまった。
この論文に疑問を抱いたクリーブランド・クリニックのNissen医師が
グラクソが行ったDREAMという別治験のデータを調べたところ、
アバンディアを飲んだグループで明らかに悪玉コレステロールが上がっていた。
訴訟で明らかになったところでは
42の治験が行われていながら結果が公にされていない治験が35もあり、
それらはすべてグラクソの資金によるものだった。
すべてのデータを分析すると、アバンディアは
心臓発作リスクを43%、心臓病による死亡リスクを64%も上げることが判明。
Nissen医師らは、これらについてNEJMに論文を投稿。
通常、受理から掲載まで数カ月かかるが、
2000年に編集長となり問題の改善に取り組んできたJefffrey Drazen(ハーバード大の医師)は
問題を重視し、受理から19日で掲載させた。
ところが驚くことに、上院の調査で明らかになったところによると、
この論文は掲載前にグラクソ側にリークされてしまった。
査読者の誰かが、ADOPTに関わったテキサス大の教授にリークし、
この教授がグラクソに論文コピーをファックスしたのだという。
その情報を元にグラクソ側はNissen医師らの論文に反撃態勢を整える。
当時進行中だったRECORDという治験のデータで反論を試みたのだ。
実際には対象者の数が少ないばかりか、
未だに確定的な結果が得られていない治験であるにもかかわらず、
中間報告を論文発表して、問題を曖昧にすることを図った。
RECORDもまたグラクソの資金による治験で、
この論文の著者8人のうち1人はグラクソの社員、
その他7人は全員がグラクソから何らかの金銭を受けている学者だった。
発表された論文には説得力はなかったが、
臨床医と患者に安全をアピールするグラクソ側のこうした抵抗によって、
アバンディアが市場から引き上げられるまでにはさらに3年の時間がかかり、
2010年9月に市場から回収されるまでの4年間に、
FDAの試算で8300人が心臓発作を起こし、死者まで出すことになった。
―――――
WPの上記記事によると、同様の問題は
Vioxx(メルクの関節炎治療薬)とCelebrex(ファイザーの消炎鎮痛剤)でも起きたことから、
薬の治験データから製薬会社の影響を取り除くための努力がさまざま試みられている。
市場に出ている薬に関する治験データの全公開を求める動きもあるが、
製薬会社が資金を出している治験でそれが保障されるかどうかには疑問もある。
WPの調査によると、
8月までの1年間にNEJMに発表された新薬のオリジナル研究論文は73本あり、
そのうち60本が製薬会社の資金による研究。
50本は製薬会社の社員が共著者となっており、
37本で主著者はスポンサー社から顧問料やグラント、講演料をもらった学者。
1980年代まではこうした実験は政府の資金で行われていたが、
だんだんと製薬会社の資金への依存度が高まり、
去年は製薬会社が390億ドル、NIHが310億ドル。
ペンシルベニア大の調査によると、
製薬会社の資金による治験では結論がその会社に都合のよいものとなる確率が
政府資金やNOPの資金によるよりも3.6倍も上がる、という。
さらに気がかりな傾向として、WPは
治験を請け負う民間企業まで登場しており、
大学や研究機関から、こうした営利企業へと治験が流れているという。
既に製薬会社の治験資金はすでに半分以上がこうした企業に流れており、
そうした仕組みの中では研究者は製薬会社に使われる手足と化してしまう。
(この部分を読んで思い出したのは、
遺伝子治療で死者が出た2007年のニュースの中にあった
新しい治療の安全性を審査する審査委員会が米国では
すでに民間企業にゆだねられている、という実態 ↓
遺伝子治療で死者 続報(審査委員会は民間企業!)(2007/8/7))
「論文発表の際に金銭関係のディスクロージャーがあれば
それでバイアスが防げると考えられたのは、
査読が厳しく行われる時代だったからで、
もはや論文報告にバイアスがかかっているかどうかなんて
編集者にも査読者にも読者にも、分からない」という人も。
NEJMのDrazen編集長はそうしたバイアスの排除に向けて努力してきたが、
最近ではNEJMに発表された論文であっても、
製薬会社資金の治験であれば医師らが信頼しなくなりつつあり、
医学研究そのものが崩壊の危機の様相を呈してきた、とも。
Drazen氏の以下の言葉が印象的。
This is a business built on people telling the truth.
医学研究というのは関係者がウソをつかないという前提で成り立っている業界。
同じような構図のスキャンダルは他の問題でも繰り返されており、
それらは以下のエントリーにリンクしてあります。 ↓
“オピオイド鎮痛剤問題”の裏側(米)(2012/10/20)
2012.12.07 / Top↑
Pediatricsに発表されたミネソタ大学の研究者らの調査で、
ミネアポリス地区の14歳前後の高校生2700人以上に
筋肉をつけようと食生活を変えたり、プロテイン粉末を摂取したり
ステロイドを使ったり、運動量を増やしたことがあるかをアンケートしたところ、
5.9%の男児、4.6%の女児がステロイド使用の経験があり(処方なしでは違法)、
ティーンの5―10%がクレアチンなど非ステロイド系プロテイン製品を使ったことがある、
と答えた。
また白人に比べてアジア系(ほとんどがモン族)の子どもの方が
ステロイドを使っている確率が3~4倍と高かった。
なお、2006年の研究で、
アナボリック・ステロイドの使用は脳細胞を損傷し、
過興奮を起こして、突然攻撃的になったり興奮する、ということが判明している
著者らは医師や親が子どもたちにステロイドの副作用について
きちんと話をするよう、注意喚起を呼び掛けている。
More Teens Are Turning To Steroids, New Study Reveals
MNT, November 20, 2012
【関連エントリー】
12歳もステロイド使って女の子ゲット(2007/12/10)
ステロイドの副作用は過小に報告されている(2008/6/10)
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/39656491.htmlある作家の違法ステロイド体験(2008/6/10)
違法ステロイド体験から思うこと(2008/6/10)
【アシュリー事件とステロイド問題のつながりエントリー】
「選手がステロイド使って何が悪い」とHughes
アシュリー論争にも出てた「ステロイドの専門家」Norman Fost
カフェインだって昔は違法薬物、とSavulescu
A療法擁護の2人ドーピング議論に
ミネアポリス地区の14歳前後の高校生2700人以上に
筋肉をつけようと食生活を変えたり、プロテイン粉末を摂取したり
ステロイドを使ったり、運動量を増やしたことがあるかをアンケートしたところ、
5.9%の男児、4.6%の女児がステロイド使用の経験があり(処方なしでは違法)、
ティーンの5―10%がクレアチンなど非ステロイド系プロテイン製品を使ったことがある、
と答えた。
また白人に比べてアジア系(ほとんどがモン族)の子どもの方が
ステロイドを使っている確率が3~4倍と高かった。
なお、2006年の研究で、
アナボリック・ステロイドの使用は脳細胞を損傷し、
過興奮を起こして、突然攻撃的になったり興奮する、ということが判明している
著者らは医師や親が子どもたちにステロイドの副作用について
きちんと話をするよう、注意喚起を呼び掛けている。
More Teens Are Turning To Steroids, New Study Reveals
MNT, November 20, 2012
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12歳もステロイド使って女の子ゲット(2007/12/10)
ステロイドの副作用は過小に報告されている(2008/6/10)
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/39656491.htmlある作家の違法ステロイド体験(2008/6/10)
違法ステロイド体験から思うこと(2008/6/10)
【アシュリー事件とステロイド問題のつながりエントリー】
「選手がステロイド使って何が悪い」とHughes
アシュリー論争にも出てた「ステロイドの専門家」Norman Fost
カフェインだって昔は違法薬物、とSavulescu
A療法擁護の2人ドーピング議論に
2012.11.21 / Top↑
ヴァージニア州のRufus McGillさん(19)は
10月14日に交通事故を起こして危篤状態となり、
医師らは脳死である可能性が濃厚だと両親に告げた。
離婚しているが良好な関係にあるRufusさんの両親は
息子の回復を祈りつつ、万が一回復不能な場合には
息子の精子を採取して孫を持ちたいと希望し、
引き受けてくれる泌尿器科医も見つけた。
しかし、Rufusさんが法的には成人であることから
本人の生殖についての意思が明確に確認できない以上、
生殖の自己決定権の中には子どもを生まない権利も含まれるため、
両親には倫理的にも法的にも、息子の精子の採取の許可を裁判所に求める権限がない。
生命維持の停止を決めることはできるが、
息子の精子の採取は認められない。
8日、両親は生命維持の停止を決めて、Rufusさんは死亡。
Clinging to life, man hospitalized in Roanoke may yet become father
The Roanoke Times, October 31, 2012
Parents fail in bid to harvest brain-dead teen’s sperm
BioEdge, November 11, 2012
息子が未成年だったら、可能性はあったみたい……。
【関連エントリー】
「死んだ息子の精子で代理母たのみ孫が欲しい」認められず(NY)(2009/3/5)
「死んだ息子の子どもが欲しい」母に裁判所が遺体からの精子採取を認める(TX)(2009/4/17)
亡き夫の精子は妻の“財産”(豪)(2011/5/24)
10月14日に交通事故を起こして危篤状態となり、
医師らは脳死である可能性が濃厚だと両親に告げた。
離婚しているが良好な関係にあるRufusさんの両親は
息子の回復を祈りつつ、万が一回復不能な場合には
息子の精子を採取して孫を持ちたいと希望し、
引き受けてくれる泌尿器科医も見つけた。
しかし、Rufusさんが法的には成人であることから
本人の生殖についての意思が明確に確認できない以上、
生殖の自己決定権の中には子どもを生まない権利も含まれるため、
両親には倫理的にも法的にも、息子の精子の採取の許可を裁判所に求める権限がない。
生命維持の停止を決めることはできるが、
息子の精子の採取は認められない。
8日、両親は生命維持の停止を決めて、Rufusさんは死亡。
Clinging to life, man hospitalized in Roanoke may yet become father
The Roanoke Times, October 31, 2012
Parents fail in bid to harvest brain-dead teen’s sperm
BioEdge, November 11, 2012
息子が未成年だったら、可能性はあったみたい……。
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「死んだ息子の精子で代理母たのみ孫が欲しい」認められず(NY)(2009/3/5)
「死んだ息子の子どもが欲しい」母に裁判所が遺体からの精子採取を認める(TX)(2009/4/17)
亡き夫の精子は妻の“財産”(豪)(2011/5/24)
2012.11.13 / Top↑
認知症高齢者への抗精神病薬をめぐる動き
英国で衝撃的な裁判のニュースがあった。
ミドル・サセックス州ヘイズのナーシング・ホーム(以下ホーム)の看護師で主任職員のMirela Aionoaei(37)は、夜勤の際に(自分が)眠りたいために、認知症の入所者に抗精神病薬を大量に飲ませていたとして今年1月に起訴された。
8月に開かれた裁判で明らかになったところによると、被告は夜勤の度に2つ並べた椅子をベッド代わりに寝るのを好んでいたという。彼女の夜勤の晩に限って入所者が突然ふらふらになるほどの眠気を催す、薬のワゴンではなくエプロンのポケットから取り出した錠剤を飲ませているなど、不審に思った同僚が通報。警察が入所者の髪の毛サンプルを調べたところ、即効性の睡眠薬や抗ウツ剤など、処方されてもいない抗精神病薬を長期間に渡って飲まされていたことが明らかになった。Aionoaeiは容疑を否認している。判決は9月末とのこと。
問題行動を抑制する目的での認知症患者への向精神薬の過剰投与問題は、英語圏では何年も前から取りざたされてきたが、特に最近になって相次いで副作用エビデンスが報告され、見直しへの機運が高まっているようだ。今年に入って特に目についたニュースとして、例えば以下のようなものがある。
抗精神病薬で死亡リスクが上昇
ハーバード大の研究者らがブリティッシュ・メディカル・ジャーナルで、抗精神病薬によっては認知症患者の死亡リスクを上げる可能性を報告している。ホームに入所している65歳以上の75000人を対象にした、米国における同種の調査としてはこれまでで最も大規模な調査。
対象者の属性や身体的な病気、環境など広範な要因からの影響を調整して得られたデータから、「常に可能な限り最少量の処方とし、特に治療開始直後は細かくモニターすることが重要」「認知症高齢者へのハロペリドールの使用は害が大きすぎて正当化できない」などと書き、「問題行動には他の介入を試みる必要」があると結論。(2月24日 Medical News Today)
抗精神病薬で心臓発作リスクが上昇
米国医師会の内科ジャーナルで、認知症高齢者では抗精神病薬により心臓発作のリスクが上がる可能性が報告されている。
カナダとフランスの研究者が2000年1月から09年12月の間、カナダ、ケベック州の処方レセプト・データベースを用いて、コリンエステラーゼ阻害剤を使用中の66歳以上の患者37138人を特定。抗精神病薬を使用した患者と使用していない患者のデータを比較したところ、地域在住の高齢者で、抗精神病薬と心臓発作リスクの中等度の上昇との関連が見られた。著者らはさらなる研究が必要としながらも「当面、医師は認知症患者への抗精神病薬の処方を限定し、可能であれば環境や行動を通じた戦略など他のテクニックを用いるべき」と結論している。(4月2日 Medical News Today)
米国政府機関が削減キャンペーン
米国公的医療保険センター(CMS)やホームの経営者団体は、年末までにホーム入所の認知症患者への抗精神病薬の使用を15%削減するキャンペーンを発表した。CMSの報告によれば、2010年に認知症の兆候のある入所者の40%が、適応外処方で抗精神病薬(適応は統合失調症、双極性障害など)を出されており、17%以上が推奨レベルを超える量を毎日飲んでいた。
MCSは7月までに同センターのウェブサイトに、ホームごとのデータを比較できる専用ページを設ける予定(7月19日に新装されたNursing Home Compareサイト内に設けられた)。ホームに対して、患者のことを知りニーズへの理解を深めて対応できるスタッフを置き、音楽療法や体操、交流活動など薬に頼らない対応に時間を割くよう求めている。
しかし、現場からは「問題行動があってコミュニケーションもとりにくい認知症患者への投薬はそれほど単純ではない」「皆さんにサン・ルームまで自分で歩いて行ってもらって、そこで本を読んであげられるほど政府からナーシング・ホームに金が出ているわけではない」「(行動療法が)うまくいく人もいるが、そういう人ばかりではない」などの声も上がっている。(6月4日 Pittsburg Post-Gazette)
ちなみに2月のMNTの記事によると、米国FDAは2005年に「認知症高齢者の行動障害への治療として用いられる第2世代抗精神病薬は、死亡率上昇と関連している」と警告している。
「世界の介護と医療の情報を読む」76
「介護保険情報」2012年10月号
英国で衝撃的な裁判のニュースがあった。
ミドル・サセックス州ヘイズのナーシング・ホーム(以下ホーム)の看護師で主任職員のMirela Aionoaei(37)は、夜勤の際に(自分が)眠りたいために、認知症の入所者に抗精神病薬を大量に飲ませていたとして今年1月に起訴された。
8月に開かれた裁判で明らかになったところによると、被告は夜勤の度に2つ並べた椅子をベッド代わりに寝るのを好んでいたという。彼女の夜勤の晩に限って入所者が突然ふらふらになるほどの眠気を催す、薬のワゴンではなくエプロンのポケットから取り出した錠剤を飲ませているなど、不審に思った同僚が通報。警察が入所者の髪の毛サンプルを調べたところ、即効性の睡眠薬や抗ウツ剤など、処方されてもいない抗精神病薬を長期間に渡って飲まされていたことが明らかになった。Aionoaeiは容疑を否認している。判決は9月末とのこと。
問題行動を抑制する目的での認知症患者への向精神薬の過剰投与問題は、英語圏では何年も前から取りざたされてきたが、特に最近になって相次いで副作用エビデンスが報告され、見直しへの機運が高まっているようだ。今年に入って特に目についたニュースとして、例えば以下のようなものがある。
抗精神病薬で死亡リスクが上昇
ハーバード大の研究者らがブリティッシュ・メディカル・ジャーナルで、抗精神病薬によっては認知症患者の死亡リスクを上げる可能性を報告している。ホームに入所している65歳以上の75000人を対象にした、米国における同種の調査としてはこれまでで最も大規模な調査。
対象者の属性や身体的な病気、環境など広範な要因からの影響を調整して得られたデータから、「常に可能な限り最少量の処方とし、特に治療開始直後は細かくモニターすることが重要」「認知症高齢者へのハロペリドールの使用は害が大きすぎて正当化できない」などと書き、「問題行動には他の介入を試みる必要」があると結論。(2月24日 Medical News Today)
抗精神病薬で心臓発作リスクが上昇
米国医師会の内科ジャーナルで、認知症高齢者では抗精神病薬により心臓発作のリスクが上がる可能性が報告されている。
カナダとフランスの研究者が2000年1月から09年12月の間、カナダ、ケベック州の処方レセプト・データベースを用いて、コリンエステラーゼ阻害剤を使用中の66歳以上の患者37138人を特定。抗精神病薬を使用した患者と使用していない患者のデータを比較したところ、地域在住の高齢者で、抗精神病薬と心臓発作リスクの中等度の上昇との関連が見られた。著者らはさらなる研究が必要としながらも「当面、医師は認知症患者への抗精神病薬の処方を限定し、可能であれば環境や行動を通じた戦略など他のテクニックを用いるべき」と結論している。(4月2日 Medical News Today)
米国政府機関が削減キャンペーン
米国公的医療保険センター(CMS)やホームの経営者団体は、年末までにホーム入所の認知症患者への抗精神病薬の使用を15%削減するキャンペーンを発表した。CMSの報告によれば、2010年に認知症の兆候のある入所者の40%が、適応外処方で抗精神病薬(適応は統合失調症、双極性障害など)を出されており、17%以上が推奨レベルを超える量を毎日飲んでいた。
MCSは7月までに同センターのウェブサイトに、ホームごとのデータを比較できる専用ページを設ける予定(7月19日に新装されたNursing Home Compareサイト内に設けられた)。ホームに対して、患者のことを知りニーズへの理解を深めて対応できるスタッフを置き、音楽療法や体操、交流活動など薬に頼らない対応に時間を割くよう求めている。
しかし、現場からは「問題行動があってコミュニケーションもとりにくい認知症患者への投薬はそれほど単純ではない」「皆さんにサン・ルームまで自分で歩いて行ってもらって、そこで本を読んであげられるほど政府からナーシング・ホームに金が出ているわけではない」「(行動療法が)うまくいく人もいるが、そういう人ばかりではない」などの声も上がっている。(6月4日 Pittsburg Post-Gazette)
ちなみに2月のMNTの記事によると、米国FDAは2005年に「認知症高齢者の行動障害への治療として用いられる第2世代抗精神病薬は、死亡率上昇と関連している」と警告している。
「世界の介護と医療の情報を読む」76
「介護保険情報」2012年10月号
2012.11.13 / Top↑