これまでネグレクトされてきた10の熱帯病と取り組むべく、
ゲイツ財団の元に、英・米・アラブ首長国連邦の各政府、世界銀行、それから
グラクソ、サノフィ、ノヴァルティス、ファイザー、メルク、エーザイ、J&Jなど
13ものビッグ・ファーマがずらり集結。
みんなで力を合わせて新薬の開発と途上国への提供し、
2020年に向けたWHOのロードマップ実現を目指すのだとか。
特に10のうち5つの病気は完全撲滅、
その他も大幅に減少させることを狙う。
ゲイツ財団はこれまでの10年間にも熱帯病の撲滅には力と資金を注いできたが、
26日にも政府系資金の削減を補うべく、エイズ、結核、マラリア撲滅に
今後6年間で7億5000万ドルの提供を約束したばかり。
今回のキャンペーンでは同財団が研究資金として今後5年間に3億6500万ドル、
全体では研究、開発、分配に7億8500万ドルを集めるとしている。
ビル・ゲイツは、
「前は、カネを出すという人たちはいても、
配達するためのカネがなかったものだから
薬をオーダーする人が誰もいなかった」
「でも、今回は配達するカネも出る、薬を作るカネも出る、
こうして盛大に薬が届けられれば、毎年、以前の10倍もの人が使えるだろう」
また、下の方の記事では、次のようにも発言している。
「これまでも製薬会社はこうした病気の治療薬を提供してくれていたのだが、
その薬を、必要としている人たちの元へ配達するためのカネが不足していた」
去年ゲイツ財団は製薬会社に対して、提供する薬の増量を求めたが、
「提供した薬を本当に使うんですか、と製薬会社が言うんだ。
実際に現地に届けて分配するカネがあるんですか、とね」
そこでゲイツ財団自身が配達に3億6300万ドルを出し、
英米の国際協力機関にも同じ目的に拠出を求めた。
世銀もそこに乗ることになった……というのが
どうやら今回のキャンペーンのいきさつらしい。
ビル・ゲイツは、
こうした公と民との協働モデルはゲイツ財団の他の関心事である
農業と教育の分野にも広げていける、と語った、とのこと。
「民間セクターの企業のこうした問題での、
実行力、秀でた能力、そして深い理解は強大。
もしも公の側が民間をうまく引き入れられたら、
それこそ取るべき道」
農業は、もちろんモンサントと組んでのGM農業改革。
教育は、言わずと知れたマイクロソフト主導のIT化(成果主義による教師コントロールも)。
そして、ここでは言っていないけど、
いずれはTerra Powerによる次世代型原発の推進も念頭にあるはず。
今後それらの分野で、
ワクチンでやってきたことを繰り返そうと狙っているともとれる最後の発言、
この前どこかから報告書が出ていた
「民間のゼニの力で公的な国際農業関連組織が本来の機能を果たせなくなっている」との
「シアトル慈善資本主義クラブ」批判を彷彿とさせます。
Agencies, Drug Makers, Gates Target 10 Diseases
WSJ, January 31, 2012
Drugmakers Join Gates Foundation in Tropical-Disease Fight
Bloomberg, January 31, 2012
すごく不思議なのだけど、
これまで10年間にゲイツ財団は熱帯病の撲滅研究に資金を投入してきた。
例によって、各国政府や慈善団体、篤志家など世界中からカネを募ってきた。
ワクチンと同じように
「みんなで熱帯病に苦しむ途上国の人々を助けよう」と言っては。
でも、ここへきて「これまでは、届けるカネがなかった」という。
「だから、薬をオーダーする人が誰もいなかった」ともいう。
じゃぁ、これまでに投入されたカネはどこへ行っていたの?
少なくとも、薬は、それを必要とする人のところには届いていなかった、ということでは?
それ、「途上国の子供たちにワクチンを」と
世界中から集められたカネで届けられるはずのワクチンでも
よもや、同じことが起こっていたなんて言いませんよね?
「ワクチン資金が盗まれている」「別の目的に流用されている」などの
ニュースが最近ちょくちょく流れてますけど?
途上国政府がワクチンを打った子どもの数を水増しして報告しているという話も
そういえば前に、ありましたっけね ↓
「貧困国はワクチン接種した子どもの数を水増ししている」とIHME論文(2008/12/13)
「医療制度そのものが崩壊している国にワクチン届けても倉庫で眠っておしまい」とか
「医療インフラ整備にカネを舞わない限りワクチンに投入した資金は無駄」
「こんなの企業の利益でしかない」という批判も、たしか出ていましたっけね ↓
やっと出た、ワクチンのため世界中からかき集められる資金に疑問の声(2011/6/16)
いや、実際問題、時々頭に浮かぶ疑問なのですが、
この人たちの興味って、実はお金を集めることそのものにある……なんてことは?
やっぱり不思議な「ワクチン債」、ますます怪しい「途上国へワクチンを」(2011/9/4)
そもそも、
世界最強の慈善団体と、英米政府とアラブ首長国連邦と
WHOと世界銀行と、世界で一番金持ちのビッグ・ファーマが13社も雁首そろえて、
本当に貧しい国の人々のために、というなら、集めたカネで、
医療インフラや生活環境改善の方に取り組んだらどうなの――?
もしくは、アンタたち一部の人間だけが富を独占して、
貧しい国々や、各国の貧しい人たちが人間らしい生活も送れず
奴隷労働をさせられたり、怪しげな製薬会社の実験の被験者になるしかないような
世の中そのものをどうにかすることに取り組んだら、どうなのよ――?
アイルランドのEUコミッショナー、Maire Geoghegan-Quinn氏が
一昨日、EUの自らの事務所でビル・ゲイツと会談。
既にEU政府もEU委員会も
アフリカのサブ・サハラ地域でのHIV、結核、マラリア治療薬の臨床実験への資金提供で
ゲイツ財団と提携しており、
会談の後、Geoghegan-Quinn氏は
「欧州委員会とビル&メリンダゲイツ財団は
多くの研究ゴールと優先順位を共有しており、既に良好に協働している。
今後さらに緊密に協力していけるのが楽しみ」と。
二人はそれら臨床実験だけでなく、
貧困関連病、難病、それから食料の安定(food security)について話し合ったとのこと。
Geoghegan-Quinn meets Bill Gates for talks on aid project
Independent.ie, January 24, 2012
去年、以下のエントリーを書いた際に、私は
「途上国は、先進国がやりたい放題できる人体実験場と化しているのでは?」と書いた。
ゲイツ財団肝いり“HIV感染予防ゼリー”は「新たなタスキギ実験」?(2011/6/24)
この実験はその後、以下のエントリーで報告したように、中止になっているけれど、
このニュースでも別の治験が進行していることが言及されている。
“HIV感染予防ゼリー、”効果確認できず大規模治験が中止に(2011/12/10)
途上国が人体実験場と化しているのでは、との疑惑関連では ↓
ファイザー製薬ナイジェリアの子どももに違法な治験、11人が死亡(2009/2/1)
タスキギだけじゃなかった米の非人道的人体実験、グァテマラでも(2011/6/9)
米の科学者ら、非倫理的だと承知の上でグァテマラの性病実験を実施(2011/8/31)
そこにゲイツ財団の慈善資本主義が絡んでいるのでは、との疑惑関連では ↓
ゲイツ財団がコークとマックに投資することの怪、そこから見えてくるもの(2011/3/9)
各国政府がワクチンだけで財布を閉じるなど「許されてはならない……」とGuardianがゲイツ財団の代弁(2011/6/17)
公衆衛生でマラリア死8割減のエリトリアから「製薬会社株主ビル・ゲイツのワクチン開発」批判(2011/8/2)
また、昨日の会談で協議されたという food security とは、
ゲイツ財団がモンサントなどアグリ・ビジネスとつるんで進めているGM農業改革のことでは? ↓
ゲイツ財団がインドで目論んでいるのはワクチン普及だけでなくGM農業改革も(2011/4/16)
「アグリビジネス」の後ろにはワクチン推進と同じ構図が見える(2011/10/5)
“大型ハイテクGM強欲ひとでなし農業“を巡る、ゲイツ財団、モンサント、米国政府、AGRAの繋がり(2011/10/27)
シアトルこども病院・ワシントン大学とゲイツ財団の関係について、以下にまとめました ↓
シアトルこども病院・ワシントン大学とゲイツ財団の密接な関係:グローバルな功利主義・優生主義医療の動き(2011/2/9)
ワクチン関連では、接種への強制が広がろうとしている↓
米国で「ワクチン打たないなら診てやらない」と医師ら(2011/7/6)
「ワクチン打たないなら診てやらない」の続報(米)(2011/9/27)
ゲイツ財団(の連携機関)が途上国の子どもに銃を突きつけワクチン接種](2011/7/29)
WA州が法改正でワクチン免除の条件を厳格化(2011/9/28)
ワクチン関連では日本でも今年はいろいろあった ↓
日本の「ワクチン産業ビジョンの要点」の怪(2011/3/8)
5月18日の補遺 (ゲイツ財団から武田製薬に大物が)
日本も13日のカンファでGAVIに8億3000万円を約束(2011/6/17)
子宮頸がんワクチンでの失神は「ドキドキするから」?(2011/8/5)
日本でもガーダシル導入へ、厚労省当該部会の議論の怪 1(2011/8/5)
JICA、ゲイツ財団とパキスタンのポリオ撲滅で“戦略的パートナーシップ”(2011/8/20)
やっぱり不思議な「ワクチン債」、ますます怪しい「途上国へワクチンを」(2011/9/4)
しかし、今年は批判の声もあり、「慈善」の背景がいよいよ見えてきた ↓
ゲイツ財団がコークとマックに投資することの怪、そこから見えてくるもの(2011/3/9)
ゲイツ財団はやっぱりビッグ・ファーマの株主さん(2011/3/28)
“プロザック時代”の終焉からグローバル慈善ネオリベ資本主義を考える(2011/6/15)
やっと出た、ワクチンに世界中からかき集められる資金への疑問の声(2011/6/16)
公衆衛生でマラリア死8割減のエリトリアから「製薬会社株主ビル・ゲイツのワクチン開発」批判(2011/8/2)
ゲイツ財団、ビッグ・ファーマ・ノバルティス役員の引き抜きへ(2011/9/12)
さらに今年、ゲイツ財団はモンサントと手を組んだ ↓
ゲイツ財団がインドで目論んでいるのはワクチン普及だけでなくGM農業改革も(2011/4/16)
「アグリビジネス」の後ろにはワクチン推進と同じ構図が見える(2011/10/5)
“大型ハイテクGM強欲ひとでなし農業“を巡る、ゲイツ財団、モンサント、米国政府、AGRAの繋がり(2011/10/27)
TPP進める経済界のトップ、やっぱりぐるっと廻って“ゲイツつながり”(2011/10/27)
その他、ゲイツ財団が今年、興味を示したのは例えば、
途上国向け、水を使わない衛生的トイレの開発。
途上国向け、栄養を強化したバナナの開発。
相変わらず途上国向け、革新的避妊法の開発 ↓
注目集めるインド発・男性向け避妊法、「女性にも」とゲイツ財団(2011/6/3)
教育のIT改革・生徒のパフォーマンスによる教師の評価・競争原理の導入
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 1(2011/5/2)
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 2(2011/5/2)
次世代原発の開発。
日本の原発事故を機にエネルギー問題について発言が続き、
中国政府と次世代原発の開発で連携を約束。
ゲイツ氏自身が立ち上げに関与した次世代原発開発ベンチャー
Terra Powerの営業活動?
ふと目についたのが、以下のBluerose_smell さんの23日のツイート。
経団連会長は、遺伝子組み換え種子モンサントと業務提携、放射能除去薬メジフィジックス出資の住友化学会長米倉氏、経済同友会代表幹事はワクチンで有名なメルクと深い関係にある武田薬品社長長谷川氏。TPPで、医薬品緩和市場開放でボロ儲けの2大経済団体。
モンサントにメルク…… え? それって……。
まず、
① モンサントについて拙ブログで拾った情報を整理してみると、
ゲイツ財団がインドで目論んでいるのはワクチン普及だけでなくGM農業改革も(2011/4/16)
「アグリビジネス」の後ろにはワクチン推進と同じ構図が見える(2011/10/5)
“大型ハイテクGM強欲ひとでなし農業”を巡る、ゲイツ財団、モンサント、米国政府、AGRAの繋がり(2011/10/27)
② 日本メジフィジックスについては知らなったので、
ちょっと検索してみたら背景にいるのはゼネラル・エレクトリック社。
当たり前ながら、
Cascadeという個人投資会社を持っているビル・ゲイツはGEの株主さんだし、
ここ数年、ゲイツの投資の師匠をやってるウォーレン・バフェットも同様。
Bill Gates’Highest-Yielding Stocks
Stockpickr, November 9, 2008
A Sneak Peak Into the World’s Richest Portfolios(AMX, NYT, KO, GS, GE, MSFT, MCD, XOM, WFC, AXP, PG, GLD, KGC, AU, BRK.A, BRK.B)
tickerspy, March 11, 2011
2011年3月25日の補遺で拾ったように
3月にはゲイツ夫妻とバフェットは一緒に訪印している。
インドといえば、
ゲイツ財団が仕掛けるワクチンや避妊や農業のイノべージョンのグラウンド。
そこでバフェットは「慈善に回すのはヤバい金でも全然構わない」と。
バフェットは数年前に個人所有の株をごっそりゲイツ財団に差し出し、それ以後、
2人はせっせとゲイツ財団に世界中の金持ちのゼニを結集させている。
それは、つまり世界人口の1%のスーパーリッチたちと
そこに繋がる先進国の政府が、“慈善”や“途上国支援”という名目を隠れ蓑に
自分たちの国民を見殺しにし、途上国の人々を餌食にしながら、カネを回し、
さらに自分たちが肥え太るべくグローバルひとでなし経済を維持していくために
ゲイツ財団を見てくれの良い“財布”として使おうと決めた、
ということなのでは?
その“慈善団体”は、2009年段階で既に
WHOよりもおカネ持ちだったんだけど……。
③ 次にメルクと仲良しの武田製薬について。
まず、ゲイツ財団とメルクとのつながりについて
分かりやすいのは、こちら ↓
ゲイツ財団はやっぱりビッグ・ファーマの株主さん(2011/3/28)
ちょっと面倒でもよかったら、こういうところから関連リンクへ ↓
ゲイツ財団がインドで目論んでいるのはワクチン普及だけでなくGM農業改革も(2011/4/16)
HPVワクチン、男児にも定期接種が望ましい、とCDC(2011/10/26)
で、武田製薬には今年5月に、
それまでゲイツ財団のグローバル・ヘルス部門のトップだった山田氏が、役員として着任している。
すると、その前後から、日本でも
GAVIやゲイツ財団との「途上国ワクチン支援」での提携が目に見えて加速。
この辺りのことは以下のエントリーで概観している ↓
(タイトルにあるように山田氏の後任はノバルティスからの引き抜き)
ゲイツ財団、ビッグ・ファーマ・ノバルティス役員の引き抜きへ(2011/9/12)
このエントリーの最後で私は以下のように書いた。
(実際に行ってもらうとリンクも)
ゲイツ財団が世界の科学とテクノとグローバル経済に及ぼす影響力(支配力?)は
まず、身体を巡る血液のように世界中の研究機関に浸透した研究助成のカネを通じて、
次に、上記のように世界中の国々や国際機関に送りこまれた「元職員」を通じて、
そして、ウォーレン・バフェットと2人でタグを組んでの投資行動を通じて、
またカネを通じての世界中のメディア・コントロールと、
Lancetを始めとする研究メディアのコントロール……
などなどを通じて、数年間で
あっという間に世界中に広がり強大化してきている。
それは、まるで、
世界的大不況が広がり、各国政府がカネと政治力を失っていくにつれ、
逆に、ごく少数に極端に集中していく富とその力とが
ゲイツ財団を中心に集中・強大化・組織化されていくかのようで。
これまではその戦略のキーワードは
ワクチンと母子保健を中心にした「医療」だったけど、
いまやそこに「農業」が追加され、これからのキーワードは「医療と農業」――。
今日の直前エントリーの最後に追記したように、
中国政府が途上国の医療と農業のイノベーションでゲイツ財団と提携調印とのニュースが出てきているし、
25日の補遺で拾ってたんだけど、
もう1つ、「これを聞いて驚くなよ……」ともったいぶった前置きをしたいようなニュースもある。
なんと
ゲイツとバフェット、「貧しい農民を支援した功績」により24日、
World Food Program USA’s George McGovern Leadership Awardなる賞を受賞している。
まるで来週のG20でのゲイツ演説に向け、
彼の“慈善家”ぶりに、より強力なスポットライトを当てるかのように、ね。
ビル・ゲイツは受賞の言葉として、
途上国の医療と農業の支援にゼニを投じることに
不況だからと言って金持ち国はひるんではならない……とか
「貧しい農民への支援はこれまでになく重要になっている」などと発言。
Bill Gates Accepts Hunger Award, Says Focus on Poor Farmers “More Important Than Ever”
PR Newswire, October 24, 2011
誰も言わないけど、TPPって実は、
こういう大きな構図の中の、ほんの小さな一部の話なんでは――?
これまでに以下の2つのエントリーを書いています。
ゲイツ財団がインドで目論んでいるのはワクチン普及だけでなくGM農業改革も(2011/4/16)
「アグリビジネス」の後ろにはワクチン推進と同じ構図が見える(2011/10/5)
モンサントについては、
最近みつけた、とても詳しく分かりやすいブログ記事がこちらの ↓
モンサント社は何をしようとしているのか
yamachanblog, 2011.06.22
―――――
今回とりあげる以下のTriple Punditの記事は
上の2つのエントリーの間に当たる9月16日に補遺で拾ったものです。
当時はさほど重要とは分からず補遺に放置していたのですが、
日本のTPPに関連して気になる情報に接し(それについては次のエントリーで)
いよいよこの記事の意味するところが大きいと思われるので、とりまとめてみます。
冒頭で提起されているのは以下の事実。
ゲイツ財団は最近モンサント、カーギルなどアグリ=バイオテク企業と手を組んで
例えばウイルス抵抗性を持つキャッサバ(イモの一種?)研究に1190万ドルなど、
遺伝子組み換えGM研究に資金を投じている。
GMキャッサバの研究については日本モンサントのサイトに ↓
http://www.monsanto.co.jp/news/global/crops/vegetable.html#a07
http://www.monsanto.co.jp/news/global/crops/vegetable.html#a19
この後、記事では非常に興味深い4つの指摘がされています。
① ゲイツ財団はUSAIDとも国務省とも強力に繋がっている。
(当ブログでもUNAIDのトップは元ゲイツ財団職員だとの情報を
冒頭にリンクした4月16日のエントリーで拾っています)
② 国務省がモンサントの利益推進エージェントとなっていることは
ウィキリークスに暴かれたばかり。
③ アフリカ緑の革命同盟(AGRA)の幹部の多くはモンサントからの天下り。
④ ゲイツ財団はモンサントの50万株を2300万ドルで購入。
そもそも2008年の段階でFAO(国連食糧農業機関)から
持続可能性が高くアフリカの農民にとって本当の支援になるのはオーガニック農法だとの
報告が出ているし、
最近では、モンサントのGM作物によって逆に害虫の方が強化・進化、
モンサントの大ヒット農薬であるラウンドアップにも耐性を持つ雑草も出ているなどの
指摘も相次いで、
Guardian紙は去年9月29日に
Why is the Gates foundation investing in GM giant Monsanto?
(なぜゲイツ財団はGM最大手モンサントに投資するのか?)という記事の中で、
以下のように書いている。
政府レベルでも地方レベルでも出ているのは、
アフリカ諸国には適さない米国型の大規模ハイテク農法が
「世界の飢餓対策」の名のもとに世界で最も貧しい農民に押し付けられるようなことは
あってはならない、との深刻な懸念の声だ。
このTriple Pundit記事の著者が最後に誰か賢い人の言葉として
ものすごくいいことを言っている。
A really wise person once said that we cannot expect to solve the world’s problems by using the same thinking that created them.
前にだれか賢い人が言っていたように、
世界の問題は、その問題を創り出したのと同じ考え方では解決できないのだ。
GM技術は、まさにその同じ考え方で問題解決を図ろうとするもの以外の何でもない。
ただ、この人、いまいち分かってないのよね……と思うのは
それに続いて、こう書いているのね。
バイオテク農業企業は、手段を選ばず自らのテクノロジーを広く推し進めている。
ゲイツ財団のような団体がそうした企業を支援することはない。
――だから、“支援”しているんじゃないだってば。
この人、ワクチンで起こっていることを知らないのかな。
The Gates Foundation Invests in GMO Research in Africa
Triple Pundit, September 14, 2011
今日は、以下のようなニュースも出てきていて、
中国とゲイツ財団とが「途上国での新たな医療と農業のイノベーション」で提携調印 ↓
China links up with Gates to fund aid projects
AFP, October 27, 2011
ビル・ゲイツはワクチンでやれたことを農業でもやれると読んで、
いよいよ本格的に仕掛けて出ている……と、私には見えるけど……。