米国メイン州の議会でも
医師による自殺幇助合法化法案が審議されていたみたいですが、
昨日30日に否決。
反対 95 vs 賛成 43 だったとのこと。
Maine overwhelmingly rejects physician-assisted suicide
LifeSiteNews, May 31, 2013
医師による自殺幇助合法化法案が審議されていたみたいですが、
昨日30日に否決。
反対 95 vs 賛成 43 だったとのこと。
Maine overwhelmingly rejects physician-assisted suicide
LifeSiteNews, May 31, 2013
2013.06.07 / Top↑
83歳の英国人男性が
認知症の初期であることを理由にDignitasで自殺。
家族はみんな本人の決定を支持し、
妻がスイス行きの手配をした。
……と発表したのは、英国のDr. Deathこと、Michael Irwin医師。
Irwin医師によると、
今年1月に家族から接触があり、ディグニタスでの自殺に向けて
アセスメントをしてもらうための精神科医の紹介を求められた。
精神科医が本人の意思決定能力を認めた後に妻が旅行の手配をした。
Irwin医師は
I’ve been campaigning since the mid-1990s. I was a chairman of what is now called Dignity in Dying from 1996 to 1999 and from 2001 to 2003. I’m a retired GP, so I think it should be every person’s right to have the option of a dignified death. In four European countries it is possible for terminally ill, disabled and unwell, elderly people to have a dignified doctor assisted suicide – are we so different to the Dutch? I don’t think so.
いつのまに
ヨーロッパの4カ国で「尊厳ある医師による自殺幇助」が受けられる対象者が
「終末期の人、障害者、病気の人、高齢者」になったんです……?
それとも、and だから、
ここは「終末期で障害も病気もある高齢者」と読むべきなのか?
例えば、「この83歳の男性のような人々」という意味で?
でも、この人は「終末期」ではないですし。
First Briton ends life through assisted suicide at Dignitas because of dementia
The Independent, May 30, 2013
認知症の英国人がディグニタスで自殺するのは初めてのケースだとかで
他にもニュースは続々出てきていますが
もうなんだかメディアの騒ぎに付き合うのが嫌になってきたので、
とりあえず以下2つだけ。
http://www.bbc.co.uk/news/health-22715363
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2333133/Man-83-Briton-Dignitas-assisted-suicide-dementia.html
ちなみに、Dr. Irwinというのは
ディグニタスが自殺者の遺灰をチューリッヒ湖に投棄していたことが明らかになった時に、
以下のように発言したことがなによりも私には忘れがたい人物――。
「Dignitasで死んだ人の遺灰がどこでどうなっていようと別に」(2011/5/15)
【追記】
Irwin医師はTimes紙で
認知症の患者の幇助自殺はこれから増えていくだろう、と語っている ↓
http://www.thetimes.co.uk/tto/news/uk/article3779005.ece
つい3日前にアップした以下のエントリーが頭に浮かびます ↓
メディアのイメージ操作でアルツハイマー病の“予防的安楽死”への誘導する「安楽死の政治」(2013/5/28)
【Dr. Irwin関連エントリー】
スイスで自殺幇助に付き添ったパートナー逮捕(英)(2009/7/19)
英国で患者の自殺を幇助した医師が「証拠出すから逮捕に来い」と(2009/7/28)
英国で、自殺幇助容疑で元GP逮捕へ(2009/9/28)
自殺幇助ガイドライン後、初の起訴か(英)(2010/4/25)
英国のDr. Death「元気な高齢者にも医師による自殺幇助を」(2010/8/16)
中高の授業でDr. Deathが自殺装置を披露する「教育ビデオ」(英)(2011/4/17)
Dr.Deathの手引きでケア・ホームの入所者がDignitasへ(英)(2011/9/13)
認知症の初期であることを理由にDignitasで自殺。
家族はみんな本人の決定を支持し、
妻がスイス行きの手配をした。
……と発表したのは、英国のDr. Deathこと、Michael Irwin医師。
Irwin医師によると、
今年1月に家族から接触があり、ディグニタスでの自殺に向けて
アセスメントをしてもらうための精神科医の紹介を求められた。
精神科医が本人の意思決定能力を認めた後に妻が旅行の手配をした。
Irwin医師は
I’ve been campaigning since the mid-1990s. I was a chairman of what is now called Dignity in Dying from 1996 to 1999 and from 2001 to 2003. I’m a retired GP, so I think it should be every person’s right to have the option of a dignified death. In four European countries it is possible for terminally ill, disabled and unwell, elderly people to have a dignified doctor assisted suicide – are we so different to the Dutch? I don’t think so.
いつのまに
ヨーロッパの4カ国で「尊厳ある医師による自殺幇助」が受けられる対象者が
「終末期の人、障害者、病気の人、高齢者」になったんです……?
それとも、and だから、
ここは「終末期で障害も病気もある高齢者」と読むべきなのか?
例えば、「この83歳の男性のような人々」という意味で?
でも、この人は「終末期」ではないですし。
First Briton ends life through assisted suicide at Dignitas because of dementia
The Independent, May 30, 2013
認知症の英国人がディグニタスで自殺するのは初めてのケースだとかで
他にもニュースは続々出てきていますが
もうなんだかメディアの騒ぎに付き合うのが嫌になってきたので、
とりあえず以下2つだけ。
http://www.bbc.co.uk/news/health-22715363
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2333133/Man-83-Briton-Dignitas-assisted-suicide-dementia.html
ちなみに、Dr. Irwinというのは
ディグニタスが自殺者の遺灰をチューリッヒ湖に投棄していたことが明らかになった時に、
以下のように発言したことがなによりも私には忘れがたい人物――。
「Dignitasで死んだ人の遺灰がどこでどうなっていようと別に」(2011/5/15)
【追記】
Irwin医師はTimes紙で
認知症の患者の幇助自殺はこれから増えていくだろう、と語っている ↓
http://www.thetimes.co.uk/tto/news/uk/article3779005.ece
つい3日前にアップした以下のエントリーが頭に浮かびます ↓
メディアのイメージ操作でアルツハイマー病の“予防的安楽死”への誘導する「安楽死の政治」(2013/5/28)
【Dr. Irwin関連エントリー】
スイスで自殺幇助に付き添ったパートナー逮捕(英)(2009/7/19)
英国で患者の自殺を幇助した医師が「証拠出すから逮捕に来い」と(2009/7/28)
英国で、自殺幇助容疑で元GP逮捕へ(2009/9/28)
自殺幇助ガイドライン後、初の起訴か(英)(2010/4/25)
英国のDr. Death「元気な高齢者にも医師による自殺幇助を」(2010/8/16)
中高の授業でDr. Deathが自殺装置を披露する「教育ビデオ」(英)(2011/4/17)
Dr.Deathの手引きでケア・ホームの入所者がDignitasへ(英)(2011/9/13)
2013.06.07 / Top↑
時間つぶしのためにふらっと入った書店の雑誌コーナーで、
不意打ち的になんとも懐かしい人に出会って、
心の奥の軟らかいところに、ふわっと甘やかなものがそよいだ。
いや、なに、この雑誌なんですけど。
http://www.amazon.co.jp/Pen-%E3%83%9A%E3%83%B3-2013%E5%B9%B4-1%E5%8F%B7-%E9%9B%91%E8%AA%8C/dp/B00CHRK4IM/ref=pd_cp_b_0
私はPen という雑誌はその存在も知らなかったのだけれど、
藤沢周平さんとオスカル様だけは、目にした以上どうしたって素通りできないタチだから、
とりあえず即座に手に取ってみる。
特集のトップは『リボンの騎士』6ページ。次に『ベルばら』が、なんと8ページ!
その他、ボリュームある特集みたい。そそられる。
ただ、目次の次の Pen News というページには、
ピンクがかった男物の靴のでっかい写真があって、
コルテというパリの紳士靴の「メゾン」(なんじゃら?)の
「ベルエア―」というシリーズなんだとか。
スポーツマガジンを思わせる、ちょっとクサイ文章で、
こんな高級靴についてウンチク垂れながら、
一緒にいる女友達がカワイイって言ったから、
じゃぁ、買おうかなってくらいのノリで買ってしまえる、
なんてスタイリッシュなボク……臭が漂っていると思ったら、
その靴のお値段、なんと165900円ナリ。
わー、イヤな男を読者対象とした、
なんて厭らしーコンセプトの雑誌なんだ?
こんなの買いたくないわ。
……と、いったんは棚に戻しかけた手が
それでもやっぱりオスカル様との別れがたさで止まったので、
あはは。買ってしまった。
で、この特集、ぜんぜん悪くなかった。
読み終えるなりアマゾンに直行、あれこれ何冊かオーダー入れたくらい、悪くなかった。
それにつけても
オスカルとアンドレが結ばれる場面が「少女マンガ初のベッドシーン」だった、とか
そのベッドシーンに「PTAからクレームの電話が編集部にかかって」きた、とか
初めて知った。へぇぇ。
アンドレ……
だれかが
いっていた
血にはやり
武力にたけることだけが
男らしさではない
心やさしく
あたたかい男性こそが
真に男らしい
たよるにたる男性なのだと
いうことに気づくとき……
たいていの女はもうすでに
年老いてしまっている……と…
これが、そのベッドシーンのちょっと前のオスカルの言葉。
とりあえず Pen の p.93 より。
(ウチには『ベルばら』と『オルフェウスの窓』
それから『エースをねらえ』と『七つの黄金境』
ちょっとマイナーだけど『あるまいと せんめんき』の
全巻が揃っているのですが、
この家に引っ越してきた時の荷づくりのまま
20年間ずっと納戸で開かずの段ボール箱になっているので、
これを機に引っ張り出すことを、今ここで決意。
お宝が虫食ってませんように……)
物語りが革命前夜に及ぶとオスカルの死を予感したファンから
「悲痛な電報が送られてきた」というのも
この特集で初めて知った。
確かに「悲痛」だったなぁ。
「オスカルが死んだ」時、高校生だった私にも。
その週の『マーガレット』の発売日、授業が終わるや、
いつも『ベルばら』だけ立ち読みする雑貨屋まで
学校の下の坂道を一散に走ったもの。
オスカルが撃たれた時の絵は、この特集にもあるけど、
それはもう、あの雑貨屋の店先で呆然と立ち尽くしたほどの衝撃だった。
が~ん。私のベルばらはここで終わった……。というほどの。
想定読者層の小・中・高校生だけでなく、
当時働く女性から思わぬ反響があったということも
この特集記事で初めて知った。
男性優位の中で働きつつも、ジェンダーの限界を感じていた女性たちから、貴族という身分を捨ててまでも信念に向かって突き進み、男よりも強く優しく凛々しい女「オスカル」という生き方は、圧倒的な支持を得たのだ。
なるほど。わかるな~。
「女であること」と「人であること」との相克。
「貴族であること」と「貧しい人たちと同じ人間であること」の相克。
「アントワネットらを愛し案じ守りたい思い」と、
「一市民として革命に身を投じたいとの思い」との相克。
その間で苦しみながら、
人として誠実に生きようとするオスカルに恋こがれた私も、
やっぱりずいぶん影響されているよなぁ、と思う。
人として生きる――。
高校生の私にとって、
それはさほど難しいことには思えなかった。
学校という世界は
成績という分かりやすい尺度がモノをいう男女平等なところだったから。
もちろん社会に出たとたんに
世の中から「だまされた」とたちまちにして思い知るわけで、
その気分は今でもずっと続いているし、
改めて気づいてみれば、
『リボンの騎士』の主人公も男と女の両方の心を持って生まれてきた。
『オルフェウスの窓』の主人公ユリウスも男装の女性。
他にも、このPenの特集に取り上げられている数多くの少女漫画には、
男装の女という設定がけっこう見受けられて、
なんだか切なくなる。
女が「人として生き」ようと思えば、
「男装」するしかない社会は今でも続いている……
……と思った時に頭に浮かんだのは、
何人かの女性政治家とか女性評論家だった。
特に、田中美津ふうに言えば「自分だけが甘い蜜を吸おう」と
自分ほど恵まれていない女や女の傍に追いやられてきた弱いものをみんな裏切って、
男・強者の論理に媚びて「男装」している、
あの人やあの人の顔が――。
そういえば中学生や高校生の時から
「女装」する生き方を決めている女も周りにいたっけなぁ。
パリの高級靴の「メゾン」(なんじゃら?)が云々ってウンチク垂れつつ
そういうの分かっている「女友達」をつれ歩きつつ
16万円の靴をさらっと買っちゃうボク……的な
イヤ~な男たちの世界に招き入れてもらうための
パスポートとして男を選び、捕まえるべく、
田中美津ふうに言えば「メスとして尻尾を振」るのが
賢い女の生き方なんだって、親から叩きこまれた少女たちが――。
でも、こうしてオバサンになって
つくづく思うんだけど、
いちばん悲しいのは、
それが本当は「男装するか女装するか」の単純な二者択一の選択ではなくて、
どんな女も場面に応じて機敏に判断しては両方を適宜うまく使い分けないと
安んじて生きていけないような社会だってこと――。
だから女はそれぞれみんな
その時々の場面とそこにいる男によって(ほとんど自動的になった)適宜の判断で
「男装」しては他の女を裏切り、
「女装」しては自分を裏切って
いつのまにか「男装も女装もしていない自分」って
本来どんな人間だったのかを少しずつ見失っていくんだ。
(森岡正博先生の「感じない男」って、
男も「男装」させられて本来の自分を見失わされている、という話なんじゃないかと
まだ読まないまま勝手に想像している)
だから、オスカルはあんなにも清々しかったんだよ。
オスカルは「女装」はもちろん、
男装しながら「男装」もしなかったから――。
不意打ち的になんとも懐かしい人に出会って、
心の奥の軟らかいところに、ふわっと甘やかなものがそよいだ。
いや、なに、この雑誌なんですけど。
http://www.amazon.co.jp/Pen-%E3%83%9A%E3%83%B3-2013%E5%B9%B4-1%E5%8F%B7-%E9%9B%91%E8%AA%8C/dp/B00CHRK4IM/ref=pd_cp_b_0
私はPen という雑誌はその存在も知らなかったのだけれど、
藤沢周平さんとオスカル様だけは、目にした以上どうしたって素通りできないタチだから、
とりあえず即座に手に取ってみる。
特集のトップは『リボンの騎士』6ページ。次に『ベルばら』が、なんと8ページ!
その他、ボリュームある特集みたい。そそられる。
ただ、目次の次の Pen News というページには、
ピンクがかった男物の靴のでっかい写真があって、
コルテというパリの紳士靴の「メゾン」(なんじゃら?)の
「ベルエア―」というシリーズなんだとか。
スポーツマガジンを思わせる、ちょっとクサイ文章で、
こんな高級靴についてウンチク垂れながら、
一緒にいる女友達がカワイイって言ったから、
じゃぁ、買おうかなってくらいのノリで買ってしまえる、
なんてスタイリッシュなボク……臭が漂っていると思ったら、
その靴のお値段、なんと165900円ナリ。
わー、イヤな男を読者対象とした、
なんて厭らしーコンセプトの雑誌なんだ?
こんなの買いたくないわ。
……と、いったんは棚に戻しかけた手が
それでもやっぱりオスカル様との別れがたさで止まったので、
あはは。買ってしまった。
で、この特集、ぜんぜん悪くなかった。
読み終えるなりアマゾンに直行、あれこれ何冊かオーダー入れたくらい、悪くなかった。
それにつけても
オスカルとアンドレが結ばれる場面が「少女マンガ初のベッドシーン」だった、とか
そのベッドシーンに「PTAからクレームの電話が編集部にかかって」きた、とか
初めて知った。へぇぇ。
アンドレ……
だれかが
いっていた
血にはやり
武力にたけることだけが
男らしさではない
心やさしく
あたたかい男性こそが
真に男らしい
たよるにたる男性なのだと
いうことに気づくとき……
たいていの女はもうすでに
年老いてしまっている……と…
これが、そのベッドシーンのちょっと前のオスカルの言葉。
とりあえず Pen の p.93 より。
(ウチには『ベルばら』と『オルフェウスの窓』
それから『エースをねらえ』と『七つの黄金境』
ちょっとマイナーだけど『あるまいと せんめんき』の
全巻が揃っているのですが、
この家に引っ越してきた時の荷づくりのまま
20年間ずっと納戸で開かずの段ボール箱になっているので、
これを機に引っ張り出すことを、今ここで決意。
お宝が虫食ってませんように……)
物語りが革命前夜に及ぶとオスカルの死を予感したファンから
「悲痛な電報が送られてきた」というのも
この特集で初めて知った。
確かに「悲痛」だったなぁ。
「オスカルが死んだ」時、高校生だった私にも。
その週の『マーガレット』の発売日、授業が終わるや、
いつも『ベルばら』だけ立ち読みする雑貨屋まで
学校の下の坂道を一散に走ったもの。
オスカルが撃たれた時の絵は、この特集にもあるけど、
それはもう、あの雑貨屋の店先で呆然と立ち尽くしたほどの衝撃だった。
が~ん。私のベルばらはここで終わった……。というほどの。
想定読者層の小・中・高校生だけでなく、
当時働く女性から思わぬ反響があったということも
この特集記事で初めて知った。
男性優位の中で働きつつも、ジェンダーの限界を感じていた女性たちから、貴族という身分を捨ててまでも信念に向かって突き進み、男よりも強く優しく凛々しい女「オスカル」という生き方は、圧倒的な支持を得たのだ。
なるほど。わかるな~。
「女であること」と「人であること」との相克。
「貴族であること」と「貧しい人たちと同じ人間であること」の相克。
「アントワネットらを愛し案じ守りたい思い」と、
「一市民として革命に身を投じたいとの思い」との相克。
その間で苦しみながら、
人として誠実に生きようとするオスカルに恋こがれた私も、
やっぱりずいぶん影響されているよなぁ、と思う。
人として生きる――。
高校生の私にとって、
それはさほど難しいことには思えなかった。
学校という世界は
成績という分かりやすい尺度がモノをいう男女平等なところだったから。
もちろん社会に出たとたんに
世の中から「だまされた」とたちまちにして思い知るわけで、
その気分は今でもずっと続いているし、
改めて気づいてみれば、
『リボンの騎士』の主人公も男と女の両方の心を持って生まれてきた。
『オルフェウスの窓』の主人公ユリウスも男装の女性。
他にも、このPenの特集に取り上げられている数多くの少女漫画には、
男装の女という設定がけっこう見受けられて、
なんだか切なくなる。
女が「人として生き」ようと思えば、
「男装」するしかない社会は今でも続いている……
……と思った時に頭に浮かんだのは、
何人かの女性政治家とか女性評論家だった。
特に、田中美津ふうに言えば「自分だけが甘い蜜を吸おう」と
自分ほど恵まれていない女や女の傍に追いやられてきた弱いものをみんな裏切って、
男・強者の論理に媚びて「男装」している、
あの人やあの人の顔が――。
そういえば中学生や高校生の時から
「女装」する生き方を決めている女も周りにいたっけなぁ。
パリの高級靴の「メゾン」(なんじゃら?)が云々ってウンチク垂れつつ
そういうの分かっている「女友達」をつれ歩きつつ
16万円の靴をさらっと買っちゃうボク……的な
イヤ~な男たちの世界に招き入れてもらうための
パスポートとして男を選び、捕まえるべく、
田中美津ふうに言えば「メスとして尻尾を振」るのが
賢い女の生き方なんだって、親から叩きこまれた少女たちが――。
でも、こうしてオバサンになって
つくづく思うんだけど、
いちばん悲しいのは、
それが本当は「男装するか女装するか」の単純な二者択一の選択ではなくて、
どんな女も場面に応じて機敏に判断しては両方を適宜うまく使い分けないと
安んじて生きていけないような社会だってこと――。
だから女はそれぞれみんな
その時々の場面とそこにいる男によって(ほとんど自動的になった)適宜の判断で
「男装」しては他の女を裏切り、
「女装」しては自分を裏切って
いつのまにか「男装も女装もしていない自分」って
本来どんな人間だったのかを少しずつ見失っていくんだ。
(森岡正博先生の「感じない男」って、
男も「男装」させられて本来の自分を見失わされている、という話なんじゃないかと
まだ読まないまま勝手に想像している)
だから、オスカルはあんなにも清々しかったんだよ。
オスカルは「女装」はもちろん、
男装しながら「男装」もしなかったから――。
2013.06.07 / Top↑
NYTに医師が書いた「医師の診察室における障害と差別」という論考。
中心的な主張は以下の一節によくあらわされていると思う。
It’s been nearly 23 years since the Americans With Disabilities Act, a federal law prohibiting discrimination against people with disabilities, went into effect. Despite its unequivocal language, studies in recent years have revealed that disabled patients tend not only to be in poorer health, but also to receive inadequate preventive care and to experience worse outcomes. One study even uncovered significant disparities in the diagnosis and treatment of breast cancer in women with disabilities.
障害者への差別を禁じた連邦法であるADAが施行されて23年が経とうとしている。
同法の明確な法文にもかかわらず、近年の研究では
障害のある患者は健康度が低いだけでなく、
不適切な予防ケアしか受けられず、
受けた医療の効果も低いことが明らかになっている。
ある研究では、障害のある女性の乳がんの診断と治療に
大きなバラつきがあることすら判明している。
で、この記事が大きな紙面を割いて紹介しているのは
以下のエントリーで取り上げたTara Lagu医師らの調査。
米国の医療機関に、車いす使用者の診察予約の電話を入れてみたならば……(調査)(2013/3/27)
調査の結果はリンクから読んでもらうとして、
この論考の興味深い個所としては、
Many of the doctors’ practices were eager to explain why they refused to see the patient, unaware, it seemed, of the legal implications of their refusal. Some said the patient was “too heavy.” Others brought up the potential litigation risk if the patient or a staff member was hurt during a transfer.
多くの医院や診療所が、なぜその患者を診れないかという理由を熱心に説明したが、
拒絶することそのものが法的に問題なのだということは分かっていないようだった。
中には患者が「重たすぎる」といったところもあった。
車いすから診察台にトランスファーする際に患者やスタッフがけがをしたら
訴訟になる可能性がある、といったところもあった。
Lagu医師は、
「我々が医療職だというだけで患者は診てもらえると、みんな思いこんでいるけれど、」
実際の医療現場では、私が障害者だったらしてほしくないようなことが行われている」
要因として挙げられているのは、
医療提供サイドの意識の低さや法的な知識不足のほかに、
高さを調節できる診察台が通常の診察台の4倍の値段であるなど
物理的な環境整備のコストや、
抱えてトランスファーするなどの時間が余計にかかることに対して
報酬が設けられていない問題。
さらに、ADAに医療機器について詳細な規定がない問題。
しかし、この記事によると、
オバマの医療改革法、the Affordable Care Actに設けられた新条項で
この夏に専門家委員会ができてガイドラインを議論し
各種連邦機関に対して一定の勧告を行うので、
この問題についても改善があるのでは、と。
Disability and Discrimination at the Doctor’s Office
NYT, May 23, 2013
いちばん上の引用箇所で触れられている研究はこちら ↓
http://content.healthaffairs.org/content/30/10/1947.abstract
Lagu医師らの研究は身体障害に関するもの。
知的障害者に対する医療差別はさらに深刻な面がある。
それについては英国のメンキャップがもう何年も前から頑張っている ↓
「医療における障害への偏見が死につながった」オンブズマンが改善を勧告(2009/3/31)
オンブズマン報告書を読んでみた:知的障害者に対する医療ネグレクト(2009/3/31)
Markのケース:知的障害者への偏見による医療過失
Martinのケース:知的障害者への偏見による医療過失
「NHSは助かるはずの知的障害者を組織的差別で死なせている」とMencap(2012/1/3)
助かったはずの知的障害児者が医療差別で年間1238人も死んでいる(英)(2013/3/26)
【拡散希望】知的障害のある人への医療差別(Mencap作成のビデオ)(2013/5/1)
Mencap「知的障害者への医療差別をなくす憲章」(2013/5/1)
中心的な主張は以下の一節によくあらわされていると思う。
It’s been nearly 23 years since the Americans With Disabilities Act, a federal law prohibiting discrimination against people with disabilities, went into effect. Despite its unequivocal language, studies in recent years have revealed that disabled patients tend not only to be in poorer health, but also to receive inadequate preventive care and to experience worse outcomes. One study even uncovered significant disparities in the diagnosis and treatment of breast cancer in women with disabilities.
障害者への差別を禁じた連邦法であるADAが施行されて23年が経とうとしている。
同法の明確な法文にもかかわらず、近年の研究では
障害のある患者は健康度が低いだけでなく、
不適切な予防ケアしか受けられず、
受けた医療の効果も低いことが明らかになっている。
ある研究では、障害のある女性の乳がんの診断と治療に
大きなバラつきがあることすら判明している。
で、この記事が大きな紙面を割いて紹介しているのは
以下のエントリーで取り上げたTara Lagu医師らの調査。
米国の医療機関に、車いす使用者の診察予約の電話を入れてみたならば……(調査)(2013/3/27)
調査の結果はリンクから読んでもらうとして、
この論考の興味深い個所としては、
Many of the doctors’ practices were eager to explain why they refused to see the patient, unaware, it seemed, of the legal implications of their refusal. Some said the patient was “too heavy.” Others brought up the potential litigation risk if the patient or a staff member was hurt during a transfer.
多くの医院や診療所が、なぜその患者を診れないかという理由を熱心に説明したが、
拒絶することそのものが法的に問題なのだということは分かっていないようだった。
中には患者が「重たすぎる」といったところもあった。
車いすから診察台にトランスファーする際に患者やスタッフがけがをしたら
訴訟になる可能性がある、といったところもあった。
Lagu医師は、
「我々が医療職だというだけで患者は診てもらえると、みんな思いこんでいるけれど、」
実際の医療現場では、私が障害者だったらしてほしくないようなことが行われている」
要因として挙げられているのは、
医療提供サイドの意識の低さや法的な知識不足のほかに、
高さを調節できる診察台が通常の診察台の4倍の値段であるなど
物理的な環境整備のコストや、
抱えてトランスファーするなどの時間が余計にかかることに対して
報酬が設けられていない問題。
さらに、ADAに医療機器について詳細な規定がない問題。
しかし、この記事によると、
オバマの医療改革法、the Affordable Care Actに設けられた新条項で
この夏に専門家委員会ができてガイドラインを議論し
各種連邦機関に対して一定の勧告を行うので、
この問題についても改善があるのでは、と。
Disability and Discrimination at the Doctor’s Office
NYT, May 23, 2013
いちばん上の引用箇所で触れられている研究はこちら ↓
http://content.healthaffairs.org/content/30/10/1947.abstract
Lagu医師らの研究は身体障害に関するもの。
知的障害者に対する医療差別はさらに深刻な面がある。
それについては英国のメンキャップがもう何年も前から頑張っている ↓
「医療における障害への偏見が死につながった」オンブズマンが改善を勧告(2009/3/31)
オンブズマン報告書を読んでみた:知的障害者に対する医療ネグレクト(2009/3/31)
Markのケース:知的障害者への偏見による医療過失
Martinのケース:知的障害者への偏見による医療過失
「NHSは助かるはずの知的障害者を組織的差別で死なせている」とMencap(2012/1/3)
助かったはずの知的障害児者が医療差別で年間1238人も死んでいる(英)(2013/3/26)
【拡散希望】知的障害のある人への医療差別(Mencap作成のビデオ)(2013/5/1)
Mencap「知的障害者への医療差別をなくす憲章」(2013/5/1)
2013.06.07 / Top↑
23日の補遺で拾った
オーストラリアのニュー・サウスウェールズ(NSW)州のPAS合法化法案ですが、
上院の投票で否決されたとのこと。
反対 23 vs 賛成 13 。
棄権 5 。
欠員による無投票が 1 。
Australia State Soundly Rejects Bill to Legalize Assisted Suicide
LifeNews.com, May 27, 2013
米国VT州の合法化の後だけに、
ほっとするニュース。
オーストラリアのニュー・サウスウェールズ(NSW)州のPAS合法化法案ですが、
上院の投票で否決されたとのこと。
反対 23 vs 賛成 13 。
棄権 5 。
欠員による無投票が 1 。
Australia State Soundly Rejects Bill to Legalize Assisted Suicide
LifeNews.com, May 27, 2013
米国VT州の合法化の後だけに、
ほっとするニュース。
2013.06.07 / Top↑
英国の認知症啓発週間。専門職は家族介護者を本人のアドボケイトとして尊重し、アセスメントや介護計画の立案に参加させるべき。
http://www.guardian.co.uk/social-care-network/2013/may/24/dementia-awareness-week-carers-message
23日のエントリーのコメント欄でえりさんが教えてくださった、米国ホスピス財団の昏睡と遷延性植物状態に関する用語解説のページ。2005年に書かれたものだけれど、冒頭Schiavo事件に触れて、家族が感情に左右されると同事件のように現実を見失ってしまうから、そうならないように用語をきちんと解説しておく、といったトーン。全体に、家族が生命維持の差し控えや中止を選択する方向に誘導している印象。植物状態の人が目を動かした際に家族が「自分を見ている」とか意識があると誤解することがあるが、こうした反応は自動的な動きに過ぎない、などと断言されている。それって、どれほどエビデンスがある「科学的な事実」なんだろう、といつも思う。これを覆す事例もあれこれ出てきているのに。
http://www.americanhospice.org/articles-mainmenu-8/caregiving-mainmenu-10/50-coma-and-persistent-vegetative-state-an-exploration-of-terms
日本語。死亡と診断された米国女性が赤ちゃんを出産 その後、蘇生(米)「医学的には死亡と判断される状態だったが緊急の帝王切開に踏み切り、エレイナちゃんが誕生した。この後、医師がエリカさんの治療を再度試みたところ、心機能が復活したという」。CNNのビデオを見てみたところ、生まれた後で the doctors THEN turned their attention to the mother and …… と。どこよりもラディカルな「無益な治療」法のあるテキサスでの事件だというのが、引っかかる。
http://www.cnn.co.jp/fringe/35032537.html
日本。終末期の人工透析、中止も選択肢に 学会が提言案
http://www.asahi.com/national/update/0126/TKY201301260149.html
日本。乳房切除、16施設が実施・計画…がん予防で
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130524-00000780-yom-sci
しぶる医師を説得して「予防的前立腺切除」を強行した53歳の英国人男性
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10528
中国の臓器移植を推進してきた医師Huang Jiefuのシドニー大学名誉教授就任を巡り、オーストラリアの学者、医師、弁護士らから反対運動。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10533#comments
【関連エントリー】
A・Caplanが、死刑囚の臓器に依存する中国の移植医療ボイコットを呼びかけ(前)(2011/10/12)
A・Caplanが、死刑囚の臓器に依存する中国の移植医療ボイコットを呼びかけ(後)(2011/10/12)
「囚人を臓器ドナーに」は実施面からも倫理面からもダメ、とCaplan論文(2011/10/14)
政治犯から生きたまま臓器を摘出する「新疆プロトコル」(2011/12/13)
米国で、「ワクチンを打たせない親の子どもは診てやらない」と診療拒否する小児科医が増加。ここでもワクチンと言えばこの人、Diekema医師がコメント。待合室で感染する懸念から、というのだけど、アート・カプランが面白い指摘をしていて、最近の親は高学歴で医師の言うことに反駁してくるので、忙しい医師らがそういう親を忌避している、という面もあるのだとか。もう一つ、この記事で興味深いのは、これがWSJの記事だということ。ワクチンは常に経済界(投資家の?)の関心事。:そういえば今日の夕方のニュースで日本の風疹ワクチンの話題がまたも大きく報じられていて、社員が接種しやすいように会社に医師を招いてワクチンを打ってもらう企業が出てきている、と紹介されたのは、IT企業だった……。で、結局、「風疹が流行している、妊婦がかかったら障害児が生まれるぞ、ワクチンを打たないと、でもなかなか打たない人が多いのは問題」の次に向かう結論って、常に「公的助成を」なんだけど。つまり、国民に対して、風疹ワクチンへの公費助成の必要を訴えるキャンペーン? HPVワクチンの時にも、メディアはずいぶんこの手のキャンペーンを行っていたっけな。
http://online.wsj.com/article_email/SB10001424052970203315804577209230884246636-lMyQjAxMTAyMDEwNTExNDUyWj.html
【関連エントリー】
米国で「ワクチン打たないなら診てやらない」と医師ら(2011/7/6)
「ワクチン打たないなら診てやらない」の続報(米)(2011/9/27)
ビル・ゲイツがオーストラリアへ行って首相その他と会っては、グローバル・ヘルスへの資金提供を縮小しないよう求めているのだけれど、ついでにオーストラリアの親たちに向かって「子どもにはワクチンをきちんと打つように」と。ここでも高学歴の親たちの間でワクチンへの不安が広がっている、と書かれている。通常は、ワクチンの水銀が自閉症を引き起こす説だけが親のワクチン忌避の背景とされるのだけれど、この記事では、沢山のワクチンを短期間に打たせることへの不安も書かれている。でも実はもう一つ、ビッグ・ファーマとの癒着ぶりを隠そうともしない医薬行政への不信が大きな要因としてあると思うんだけれど、それはあまり書かれることはない。
http://www.heraldsun.com.au/news/national/bill-gates-urges-aussie-parents-to-immunise-their-children/story-fni0xqrb-1226652266412
日本語。厚生施設の運営企業から金を受け取った元判事、起訴事実認める(米 ワシントンDC)「多数の未成年者の被告を民間企業が運営する更生施設に送る判決を出す見返りに、これらの民間企業から260万ドル(約2億4000万円)以上の金を受け取っていたとして訴えられていた米ペンシルベニア(Pennsylvania)州ルサーン(Luzerne)郡の元判事2人が12日、連邦裁判所で司法取引に応じ、起訴事実を認めた」
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2572497/3811759
日本語。スウェーデン暴動、5夜連続 移民問題浮き彫りに
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130524-00000026-jij_afp-int
橋下氏会見 海外メディア不満「明確な回答なかった」、失笑もれる:この会見のニュース、テレビとネットではまるきり印象が違う。日本のテレビの情報操作は本当に怖い。
http://blogos.com/article/63153/
日本:市民社会は、橋下大阪市長による「従軍慰安婦」に関する発言に対し、強く抗議する アムネスティ・インターナショナル+ヒューマンライツ・ナウ+反差別国際運動ほか65団体
http://www.amnesty.or.jp/news/2013/0524_3981.html
http://www.guardian.co.uk/social-care-network/2013/may/24/dementia-awareness-week-carers-message
23日のエントリーのコメント欄でえりさんが教えてくださった、米国ホスピス財団の昏睡と遷延性植物状態に関する用語解説のページ。2005年に書かれたものだけれど、冒頭Schiavo事件に触れて、家族が感情に左右されると同事件のように現実を見失ってしまうから、そうならないように用語をきちんと解説しておく、といったトーン。全体に、家族が生命維持の差し控えや中止を選択する方向に誘導している印象。植物状態の人が目を動かした際に家族が「自分を見ている」とか意識があると誤解することがあるが、こうした反応は自動的な動きに過ぎない、などと断言されている。それって、どれほどエビデンスがある「科学的な事実」なんだろう、といつも思う。これを覆す事例もあれこれ出てきているのに。
http://www.americanhospice.org/articles-mainmenu-8/caregiving-mainmenu-10/50-coma-and-persistent-vegetative-state-an-exploration-of-terms
日本語。死亡と診断された米国女性が赤ちゃんを出産 その後、蘇生(米)「医学的には死亡と判断される状態だったが緊急の帝王切開に踏み切り、エレイナちゃんが誕生した。この後、医師がエリカさんの治療を再度試みたところ、心機能が復活したという」。CNNのビデオを見てみたところ、生まれた後で the doctors THEN turned their attention to the mother and …… と。どこよりもラディカルな「無益な治療」法のあるテキサスでの事件だというのが、引っかかる。
http://www.cnn.co.jp/fringe/35032537.html
日本。終末期の人工透析、中止も選択肢に 学会が提言案
http://www.asahi.com/national/update/0126/TKY201301260149.html
日本。乳房切除、16施設が実施・計画…がん予防で
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130524-00000780-yom-sci
しぶる医師を説得して「予防的前立腺切除」を強行した53歳の英国人男性
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10528
中国の臓器移植を推進してきた医師Huang Jiefuのシドニー大学名誉教授就任を巡り、オーストラリアの学者、医師、弁護士らから反対運動。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10533#comments
【関連エントリー】
A・Caplanが、死刑囚の臓器に依存する中国の移植医療ボイコットを呼びかけ(前)(2011/10/12)
A・Caplanが、死刑囚の臓器に依存する中国の移植医療ボイコットを呼びかけ(後)(2011/10/12)
「囚人を臓器ドナーに」は実施面からも倫理面からもダメ、とCaplan論文(2011/10/14)
政治犯から生きたまま臓器を摘出する「新疆プロトコル」(2011/12/13)
米国で、「ワクチンを打たせない親の子どもは診てやらない」と診療拒否する小児科医が増加。ここでもワクチンと言えばこの人、Diekema医師がコメント。待合室で感染する懸念から、というのだけど、アート・カプランが面白い指摘をしていて、最近の親は高学歴で医師の言うことに反駁してくるので、忙しい医師らがそういう親を忌避している、という面もあるのだとか。もう一つ、この記事で興味深いのは、これがWSJの記事だということ。ワクチンは常に経済界(投資家の?)の関心事。:そういえば今日の夕方のニュースで日本の風疹ワクチンの話題がまたも大きく報じられていて、社員が接種しやすいように会社に医師を招いてワクチンを打ってもらう企業が出てきている、と紹介されたのは、IT企業だった……。で、結局、「風疹が流行している、妊婦がかかったら障害児が生まれるぞ、ワクチンを打たないと、でもなかなか打たない人が多いのは問題」の次に向かう結論って、常に「公的助成を」なんだけど。つまり、国民に対して、風疹ワクチンへの公費助成の必要を訴えるキャンペーン? HPVワクチンの時にも、メディアはずいぶんこの手のキャンペーンを行っていたっけな。
http://online.wsj.com/article_email/SB10001424052970203315804577209230884246636-lMyQjAxMTAyMDEwNTExNDUyWj.html
【関連エントリー】
米国で「ワクチン打たないなら診てやらない」と医師ら(2011/7/6)
「ワクチン打たないなら診てやらない」の続報(米)(2011/9/27)
ビル・ゲイツがオーストラリアへ行って首相その他と会っては、グローバル・ヘルスへの資金提供を縮小しないよう求めているのだけれど、ついでにオーストラリアの親たちに向かって「子どもにはワクチンをきちんと打つように」と。ここでも高学歴の親たちの間でワクチンへの不安が広がっている、と書かれている。通常は、ワクチンの水銀が自閉症を引き起こす説だけが親のワクチン忌避の背景とされるのだけれど、この記事では、沢山のワクチンを短期間に打たせることへの不安も書かれている。でも実はもう一つ、ビッグ・ファーマとの癒着ぶりを隠そうともしない医薬行政への不信が大きな要因としてあると思うんだけれど、それはあまり書かれることはない。
http://www.heraldsun.com.au/news/national/bill-gates-urges-aussie-parents-to-immunise-their-children/story-fni0xqrb-1226652266412
日本語。厚生施設の運営企業から金を受け取った元判事、起訴事実認める(米 ワシントンDC)「多数の未成年者の被告を民間企業が運営する更生施設に送る判決を出す見返りに、これらの民間企業から260万ドル(約2億4000万円)以上の金を受け取っていたとして訴えられていた米ペンシルベニア(Pennsylvania)州ルサーン(Luzerne)郡の元判事2人が12日、連邦裁判所で司法取引に応じ、起訴事実を認めた」
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2572497/3811759
日本語。スウェーデン暴動、5夜連続 移民問題浮き彫りに
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130524-00000026-jij_afp-int
橋下氏会見 海外メディア不満「明確な回答なかった」、失笑もれる:この会見のニュース、テレビとネットではまるきり印象が違う。日本のテレビの情報操作は本当に怖い。
http://blogos.com/article/63153/
日本:市民社会は、橋下大阪市長による「従軍慰安婦」に関する発言に対し、強く抗議する アムネスティ・インターナショナル+ヒューマンライツ・ナウ+反差別国際運動ほか65団体
http://www.amnesty.or.jp/news/2013/0524_3981.html
2013.06.07 / Top↑
オーストラリアの生命倫理学者 Megan―Jane Johnstoneが
“Alzheimer’s disease, media representations and the politics of euthanasia: constructing risk and selling death in an aging society” という本を出し、
メディアによるアルツハイマー病の否定的なイメージ操作で
安楽死の対象としていこうとする「安楽死の政治」に警告を発している。
アルツハイマー病は
人口の高齢化に伴って世界中の医療システムにほぼ壊滅的な影響を与える
「今世紀最大の病気」として描かれてきた。
このような描き方は、
「生きながら死んでいるようなもの」「終わりのない葬式」「死んだ方がまし」などの表現と共に、
自分もかかるのでは、そういう姿になるのでは、と人々の恐怖を煽って、
アルツハイマー病を暗黙のうちに安楽死のターゲットとしている。
そうした立場は、アルツハイマー病を解決策の必要な問題とみなしており、
その解決策として予防的で思いやりある安楽死が考えられるようになってきている。
しかし、メディアと安楽死推進の立場の団体が持ち出してくるような
個々の患者のケースだけから問題を「選択の問題」へと単純化することは
世論を一方へ誘導することにしかならない、と。
安楽死は決して単純な選択の問題ではないし、
選択それ自体がもともと単純な問題でもない。
安楽死はきわめて複雑な現象。
アルツハイマー病も
メディアが盛んに流しているような個別のケースで適切に描けるような病気ではない。
Alzheimer’s and the euthanasia debate
BioEdge, May 25, 2013
アンジェリーナ・ジョリーが「予防的両側乳房切除」をブレークさせたところに、
今度はしぶる医師を説得して「予防的前立腺切除」を強行した
53歳の英国人男性のニュースもあった ↓
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10528
で、こういう科学とテクノで簡単に“プロアクティブな予防”文化が浸透していった先に
やってくる流行が「アルツハイマー病を予防するための思いやりに満ちた安楽死」……?
しかし、なんにせよ、
「安楽死のポリティックス」という表現は、どんぴしゃ。
【関連エントリー】
英国
英国著名哲学者、認知症患者に「死ぬ義務」(2008/9/29)
Pratchett氏の「自殺幇助委員会」提言にアルツハイマー病協会からコメント(2010/2/3)
オランダ
「IC出せない男児包皮切除はダメ」でも「IC出せない障害新生児も認知症患者も殺してOK」というオランダの医療倫理(2011/11/12)
ベルギー
ベルギーで「知的障害者、子どもと認知症患者にも安楽死を求める権利を」(2012/5/5)
ベルギー社会主義党「未成年と認知症患者にも安楽死を」(2012/12/22)
米国
「認知症末期患者のビデオを見せて延命治療拒否の決断を促そう」とMGHのお医者さんたち(2009/6/5)
09年のSacks vs Mitchell論争
「認知症患者の緩和ケア向上させ、痛みと不快に対応を」と老年医学専門医
「認知症はターミナルな病気」と、NIH資金の終末期認知症ケア研究
NYTもMitchell、Sacksの論文取り上げ認知症を「ターミナルな病気」(2009/10/21)
“Alzheimer’s disease, media representations and the politics of euthanasia: constructing risk and selling death in an aging society” という本を出し、
メディアによるアルツハイマー病の否定的なイメージ操作で
安楽死の対象としていこうとする「安楽死の政治」に警告を発している。
アルツハイマー病は
人口の高齢化に伴って世界中の医療システムにほぼ壊滅的な影響を与える
「今世紀最大の病気」として描かれてきた。
このような描き方は、
「生きながら死んでいるようなもの」「終わりのない葬式」「死んだ方がまし」などの表現と共に、
自分もかかるのでは、そういう姿になるのでは、と人々の恐怖を煽って、
アルツハイマー病を暗黙のうちに安楽死のターゲットとしている。
そうした立場は、アルツハイマー病を解決策の必要な問題とみなしており、
その解決策として予防的で思いやりある安楽死が考えられるようになってきている。
しかし、メディアと安楽死推進の立場の団体が持ち出してくるような
個々の患者のケースだけから問題を「選択の問題」へと単純化することは
世論を一方へ誘導することにしかならない、と。
安楽死は決して単純な選択の問題ではないし、
選択それ自体がもともと単純な問題でもない。
安楽死はきわめて複雑な現象。
アルツハイマー病も
メディアが盛んに流しているような個別のケースで適切に描けるような病気ではない。
Alzheimer’s and the euthanasia debate
BioEdge, May 25, 2013
アンジェリーナ・ジョリーが「予防的両側乳房切除」をブレークさせたところに、
今度はしぶる医師を説得して「予防的前立腺切除」を強行した
53歳の英国人男性のニュースもあった ↓
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10528
で、こういう科学とテクノで簡単に“プロアクティブな予防”文化が浸透していった先に
やってくる流行が「アルツハイマー病を予防するための思いやりに満ちた安楽死」……?
しかし、なんにせよ、
「安楽死のポリティックス」という表現は、どんぴしゃ。
【関連エントリー】
英国
英国著名哲学者、認知症患者に「死ぬ義務」(2008/9/29)
Pratchett氏の「自殺幇助委員会」提言にアルツハイマー病協会からコメント(2010/2/3)
オランダ
「IC出せない男児包皮切除はダメ」でも「IC出せない障害新生児も認知症患者も殺してOK」というオランダの医療倫理(2011/11/12)
ベルギー
ベルギーで「知的障害者、子どもと認知症患者にも安楽死を求める権利を」(2012/5/5)
ベルギー社会主義党「未成年と認知症患者にも安楽死を」(2012/12/22)
米国
「認知症末期患者のビデオを見せて延命治療拒否の決断を促そう」とMGHのお医者さんたち(2009/6/5)
09年のSacks vs Mitchell論争
「認知症患者の緩和ケア向上させ、痛みと不快に対応を」と老年医学専門医
「認知症はターミナルな病気」と、NIH資金の終末期認知症ケア研究
NYTもMitchell、Sacksの論文取り上げ認知症を「ターミナルな病気」(2009/10/21)
2013.06.07 / Top↑
カナダの最高裁で審理中のRasouli事件については、以下に。
「“治療停止”も“治療”だから同意は必要」とOntario上位裁判所(2011/5/17)
「患者に選択や同意させてて医療がやってられるか」Razouli裁判続報(2011/5/19)
カナダのRasouli事件、最高裁へ(2011/12/23)
Hassan Rasouliさん、「植物状態」から「最少意識状態」へ診断変わる(2012/4/26)
この事件の舞台、Sunnnybrook Health Sciences Centerでは
当ブログでは今年初めにも「無益な治療」事件を拾っていますが、
Rasouli事件の病院で新たに「無益な治療」訴訟:「救命できても自立生活は無理だから生命維持停止を」(2013/1/26)
以下のトロント・スター紙の記事によると、
同病院での「無益な治療」係争はこれが5件目だとのこと。
今回の患者は Joaquim Silva Rodrigeus氏(73歳)。
2010年の春に進行性核上性麻痺と診断された。
その際、カトリック教徒であるRodrigeus氏は家族に
病気の進行を止めたいが、それが無理だったとしても、
苦痛があっても生きて家族と共にいたい、と希望していた。
12年7月にSunnybrookに入院し、
8月にICUに移った。
それから3度の危機のたびに人工呼吸器を付けて持ち直してきたが、
このたび病院側が、次には人工呼吸器をつけないことを一方的に決定。
代理決定権者の息子がthe Consent and Capacity Boardに提訴した。
病院側は委員会で
「回復の見込みは皆無。
延命しても、その命が生きるに値するかどうか分からない場合には
延命には明確な利益はない。延命は苦痛を長引かせるだけ」と。
サニーブルックでは、
このところの「無益な治療」事件の続発について、
カナダでも有数の外傷センターとして重症患者を多数扱っているため、と。
また、
「あらゆる段階を踏み、家族とも話し合いをしたうえで、最終的な意思決定は
それが患者の最善の利益であるなら、医師が決めること」とも。
Family battle Sunnybrook hospital over comatose man’s right to live
The Toronto Star, May 23, 2013
「“治療停止”も“治療”だから同意は必要」とOntario上位裁判所(2011/5/17)
「患者に選択や同意させてて医療がやってられるか」Razouli裁判続報(2011/5/19)
カナダのRasouli事件、最高裁へ(2011/12/23)
Hassan Rasouliさん、「植物状態」から「最少意識状態」へ診断変わる(2012/4/26)
この事件の舞台、Sunnnybrook Health Sciences Centerでは
当ブログでは今年初めにも「無益な治療」事件を拾っていますが、
Rasouli事件の病院で新たに「無益な治療」訴訟:「救命できても自立生活は無理だから生命維持停止を」(2013/1/26)
以下のトロント・スター紙の記事によると、
同病院での「無益な治療」係争はこれが5件目だとのこと。
今回の患者は Joaquim Silva Rodrigeus氏(73歳)。
2010年の春に進行性核上性麻痺と診断された。
その際、カトリック教徒であるRodrigeus氏は家族に
病気の進行を止めたいが、それが無理だったとしても、
苦痛があっても生きて家族と共にいたい、と希望していた。
12年7月にSunnybrookに入院し、
8月にICUに移った。
それから3度の危機のたびに人工呼吸器を付けて持ち直してきたが、
このたび病院側が、次には人工呼吸器をつけないことを一方的に決定。
代理決定権者の息子がthe Consent and Capacity Boardに提訴した。
病院側は委員会で
「回復の見込みは皆無。
延命しても、その命が生きるに値するかどうか分からない場合には
延命には明確な利益はない。延命は苦痛を長引かせるだけ」と。
サニーブルックでは、
このところの「無益な治療」事件の続発について、
カナダでも有数の外傷センターとして重症患者を多数扱っているため、と。
また、
「あらゆる段階を踏み、家族とも話し合いをしたうえで、最終的な意思決定は
それが患者の最善の利益であるなら、医師が決めること」とも。
Family battle Sunnybrook hospital over comatose man’s right to live
The Toronto Star, May 23, 2013
2013.06.07 / Top↑
米国、モンタナ州の男性 Mark Templinさんは
2009年に悪性脳腫瘍で余命6カ月と医師に宣告された。
娘さんの一人が医師にどういう死に方になるかと問うと、
脳腫瘍が「カリフラワーのように」大きくなり、脳出血で死ぬ、との答えだった。
そこでTemplinさんは仕事を辞めて身辺を整理。
家の玄関には「蘇生不要」と大きな張り紙を出した。
家族は最後の誕生パーティを開き、
Templinさんは家族に葬式費用を渡した。
義理の息子に遺灰を入れるための木箱を手作りしてもらい、
いよいよホスピスへ。
途中、拳銃自殺することも考えたという。
ところが、ホスピスで容体は回復。
ホスピスを出て、さらに検査を受けてみると、
脳腫瘍なんかなくて、単なる脳卒中だったことが判明。
誤診で余命宣告をされた精神的苦痛に対して
裁判所は病院に59000ドルの支払いを命じた。
それから「最後の誕生会」の費用と、
予約していた葬式代の賠償も。
The man who didn’t die
BioEdge, May 25, 2013
現在、PAS違法化法案と合法化法案が議会に相次いで提出されている
モンタナ州での出来事だということの意味は大きい。
もしTemplinさんがOR, WA, VT州に住んでいて、
この診断書を根拠に、医師による自殺幇助を申請していたら、認められていたわけだから。
実際、WA州、シアトルのがんセンターSCCAの「尊厳死プログラム」で
余命6カ月とされて医師が致死薬を処方した患者24人のうち、
11人が6カ月を超えて生きた、というデータが出ている。
9人は半年を平均7.4週超えたところで致死薬を飲んで死んでおり、
飲まなかったら、どれだけ生きたかは不明。
最長は半年を18.9週(つまり4カ月)超えてから飲んでいる ↓
シアトルがんセンターの「自殺幇助プログラム」論文を読んでみた(2013/4/15)
改めて医師が「余命」を宣告することの難しさ、
その「余命宣告」がPASの根拠とされることの危うさを考えさせられる事件。
【関連エントリー】
「ガンで死が差し迫った段階を“診断”するツールは未だ存在しない」として、そこで起こる現象の整理を試みた調査(2013/5/22)
新城拓也医師「現時点では医師による終末期の判定は占いの域」(2013/2/23)
2009年に悪性脳腫瘍で余命6カ月と医師に宣告された。
娘さんの一人が医師にどういう死に方になるかと問うと、
脳腫瘍が「カリフラワーのように」大きくなり、脳出血で死ぬ、との答えだった。
そこでTemplinさんは仕事を辞めて身辺を整理。
家の玄関には「蘇生不要」と大きな張り紙を出した。
家族は最後の誕生パーティを開き、
Templinさんは家族に葬式費用を渡した。
義理の息子に遺灰を入れるための木箱を手作りしてもらい、
いよいよホスピスへ。
途中、拳銃自殺することも考えたという。
ところが、ホスピスで容体は回復。
ホスピスを出て、さらに検査を受けてみると、
脳腫瘍なんかなくて、単なる脳卒中だったことが判明。
誤診で余命宣告をされた精神的苦痛に対して
裁判所は病院に59000ドルの支払いを命じた。
それから「最後の誕生会」の費用と、
予約していた葬式代の賠償も。
The man who didn’t die
BioEdge, May 25, 2013
現在、PAS違法化法案と合法化法案が議会に相次いで提出されている
モンタナ州での出来事だということの意味は大きい。
もしTemplinさんがOR, WA, VT州に住んでいて、
この診断書を根拠に、医師による自殺幇助を申請していたら、認められていたわけだから。
実際、WA州、シアトルのがんセンターSCCAの「尊厳死プログラム」で
余命6カ月とされて医師が致死薬を処方した患者24人のうち、
11人が6カ月を超えて生きた、というデータが出ている。
9人は半年を平均7.4週超えたところで致死薬を飲んで死んでおり、
飲まなかったら、どれだけ生きたかは不明。
最長は半年を18.9週(つまり4カ月)超えてから飲んでいる ↓
シアトルがんセンターの「自殺幇助プログラム」論文を読んでみた(2013/4/15)
改めて医師が「余命」を宣告することの難しさ、
その「余命宣告」がPASの根拠とされることの危うさを考えさせられる事件。
【関連エントリー】
「ガンで死が差し迫った段階を“診断”するツールは未だ存在しない」として、そこで起こる現象の整理を試みた調査(2013/5/22)
新城拓也医師「現時点では医師による終末期の判定は占いの域」(2013/2/23)
2013.06.07 / Top↑
米VT州のPAS合法化でメディアが活気づいている。こういうタイミングで必ず出てくるのが世論調査の結果。米国人の半数が合法化支持だって。
http://www.huffingtonpost.com/2013/05/22/assisted-suicide-legalization_n_3314849.html
片や、ギャラップ調査では米国人の49―45%が自殺幇助は道徳的に問題、と回答。:まぁ、上の結果と矛盾するわけではない。
http://www.lifenews.com/2013/05/21/poll-americans-say-abortion-assisted-suicide-and-cloning-immoral/
オーストラリアのニュー・サウスウェ―ルズ州の議会でもPAS合法化が審議中。
http://blogs.abc.net.au/nsw/2013/05/nsw-upper-house-mps-to-vote-on-assisted-suicide-law.html
医師と製薬会社の関係を断ち切れば医療の質向上と医療費削減と同時に実現できる、という報告書。:これは当ブログでも、医師とビッグ・ファーマの癒着スキャンダルを拾うたびに指摘してきたこと。最近では、こことかで ⇒ Vytorinスキャンダルで損害被ったと株主に訴えられたメルク、6億8800万ドルで和解(2013/2/17)
http://www.medicalnewstoday.com/releases/260811.php
<降圧剤論文>社員関与、一転「不適切」 製薬会社内部調査:でも英語圏の治験ではビッグ・ファーマの資金とビッグ・ファーマによるデザインで、論文執筆者にはビッグ・ファーマの社員が名前を連ねているのって、もう当たり前みたいなんだけど?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130523-00000003-mai-soci
【関連エントリー】
医学雑誌にも製薬会社がらみのバイアス、「ディスクロージャーを」と監視団体
精神疾患の臨床ガイドライン執筆者のほとんどに製薬会社との金銭関係
製薬会社がゴーストライターに書かせた論文でエビデンス作り(2009/8/8)
製薬会社資金に信頼性を失っていく治験データ……Avandiaスキャンダル(2012/11/30)
試験のために「スマート・ドラッグ」を飲んでいる子どもは100人に1人くらいだと親は思っているけど、実際は10人に1人という米国の調査結果。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/260801.php
http://www.medicalnewstoday.com/articles/260835.php
【関連エントリー】
米国のティーンの間で処方薬の濫用が広がっている(2009/12/1)
ADHD薬の“スマート・ドラッグ”利用を解禁せよ、とNorman Fost(2010/12/28)
脳刺激法のエンハンスメント利用を巡ってSavulescu(2012/2/2)
ある作家が体験的に推理する「ADHD診断増加のカラクリ」(2012/8/21)
ビル・ゲイツが最近メディアへの露出度をアップしているんだけど、注目される発言の一つが「肥料には魅力がある」。グリーン・レボリューションにも言及。:やっぱり、これ? ⇒ 「アグリビジネス」の後ろにはワクチン推進と同じ構図が見える(2011/10/5)
http://southwestfarmpress.com/blog/bill-gates-finds-fertilizer-fascinating
European Society Of Human Geneticsから、個人の全DNAを読解して遺伝子変異を見つけることは病気の診断には有益であるものの、倫理的に複雑な問題が多々あるため、普及は慎重に、との警告。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/260745.php
病気の予防、診断、治療のためにはすべての人のゲノム・シークエンシングを行うべきか、に関する論争。慎重派の「新しいことができるようになったからといって、すぐにそれを推し進めていけばよいことが正当化されるわけではない。とくに倫理的な問題がこれほど複雑な領域では」
http://www.medicalnewstoday.com/releases/260894.php
英国政府、全がん患者に遺伝子検査提供へ
http://www.medicalnewstoday.com/articles/260766.php
米国でうつ病の過剰診断・過剰治療はごく一般的。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/259902.php
米国の中年層で自殺率が上昇:格差の拡大もあるだろうけど、上のうつ病の過剰診断・過剰治療の影響も?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/260027.php
カナダの研究者の調査で、子どもの自殺は「感染」する、とも。:成人の「自殺幇助」「安楽死」も「感染する」と言えないこともない気がする。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/260836.php
英国の動植物の多様性が失われつつある、との調査結果。:多くの動植物が生きていけない地球になりつつあるということは、人類にとっても運命は同じということでは?
http://www.guardian.co.uk/environment/2013/may/21/uk-species-struggling-wildlife
「ヘイトスピーチ」国連委が日本政府に改善求める
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130522-00000051-jnn-int
「悔しい、早く死にたい」元慰安婦が証言
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130519-00000015-jnn-soci
維新・平沼代表代行、橋下氏の発言を擁護
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130523-00000007-jnn-pol
<大阪弁護士会>弁護士グループ、橋下市長の懲戒請求へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130522-00000006-mai-soci
国際基督教大学ジェンダー研究センターから「橋下徹氏(日本維新の会、大阪市長)の一連の発言に対する異議声明文 「弁護士、公人でありながら、人間の尊厳を無視した発言を、何のためらいもなく国際的に呈する橋下氏に、現職にふさわしい資質を認めることはできません」賛同。
http://web.icu.ac.jp/cgs/2013/05/20130521.html
<体罰調査>東京都教委、130校の校名公表…都道府県初:東京と大阪の何の解決にもならない強権管理操作コントロール主義
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130523-00000032-mai-life
国家公務員3年連続最低評価で免職も…自民原案:東京と大阪だけじゃない、か……。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130522-00000035-yom-pol
【PC遠隔操作事件】第1回公判前整理手続きで、弁護人の怒り炸裂:ひどい……。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130522-00025135/
「女性手帳」配布、希望者のみに 内閣府、批判受け転換:どうして、さっぱりやめられないかなぁ?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130522-00000019-asahi-pol
神社の賽銭から10円盗んだとして、男性が1年の禁固刑になった日本のニュースが英語で紹介されている。下は日本の元記事。
http://www.guardian.co.uk/environment/2013/may/21/uk-species-struggling-wildlife
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/121220/waf12122011320017-n1.htm
生活保護「心苦しく」辞退、心中図る 母殺害の娘の初公判 札幌地裁、というニュースも同じく英語で紹介されている。日本では承諾殺人っていうのね、英語の自殺幇助のこと。
http://en.rocketnews24.com/2013/05/23/japanese-woman-found-guilty-of-murder-after-refusing-to-accept-welfare/
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130514/trl13051417140008-n1.htm
<脱法ハウス>都内で増加 消防法違反で危険
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130523-00000005-mai-soci
日経平均が大幅下落―株式相場はバブルなのか?:え? 「アベノミクス」って、もともと「バブルの演出」じゃなかったの?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130523-00010001-wordleaf-bus_all
http://www.huffingtonpost.com/2013/05/22/assisted-suicide-legalization_n_3314849.html
片や、ギャラップ調査では米国人の49―45%が自殺幇助は道徳的に問題、と回答。:まぁ、上の結果と矛盾するわけではない。
http://www.lifenews.com/2013/05/21/poll-americans-say-abortion-assisted-suicide-and-cloning-immoral/
オーストラリアのニュー・サウスウェ―ルズ州の議会でもPAS合法化が審議中。
http://blogs.abc.net.au/nsw/2013/05/nsw-upper-house-mps-to-vote-on-assisted-suicide-law.html
医師と製薬会社の関係を断ち切れば医療の質向上と医療費削減と同時に実現できる、という報告書。:これは当ブログでも、医師とビッグ・ファーマの癒着スキャンダルを拾うたびに指摘してきたこと。最近では、こことかで ⇒ Vytorinスキャンダルで損害被ったと株主に訴えられたメルク、6億8800万ドルで和解(2013/2/17)
http://www.medicalnewstoday.com/releases/260811.php
<降圧剤論文>社員関与、一転「不適切」 製薬会社内部調査:でも英語圏の治験ではビッグ・ファーマの資金とビッグ・ファーマによるデザインで、論文執筆者にはビッグ・ファーマの社員が名前を連ねているのって、もう当たり前みたいなんだけど?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130523-00000003-mai-soci
【関連エントリー】
医学雑誌にも製薬会社がらみのバイアス、「ディスクロージャーを」と監視団体
精神疾患の臨床ガイドライン執筆者のほとんどに製薬会社との金銭関係
製薬会社がゴーストライターに書かせた論文でエビデンス作り(2009/8/8)
製薬会社資金に信頼性を失っていく治験データ……Avandiaスキャンダル(2012/11/30)
試験のために「スマート・ドラッグ」を飲んでいる子どもは100人に1人くらいだと親は思っているけど、実際は10人に1人という米国の調査結果。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/260801.php
http://www.medicalnewstoday.com/articles/260835.php
【関連エントリー】
米国のティーンの間で処方薬の濫用が広がっている(2009/12/1)
ADHD薬の“スマート・ドラッグ”利用を解禁せよ、とNorman Fost(2010/12/28)
脳刺激法のエンハンスメント利用を巡ってSavulescu(2012/2/2)
ある作家が体験的に推理する「ADHD診断増加のカラクリ」(2012/8/21)
ビル・ゲイツが最近メディアへの露出度をアップしているんだけど、注目される発言の一つが「肥料には魅力がある」。グリーン・レボリューションにも言及。:やっぱり、これ? ⇒ 「アグリビジネス」の後ろにはワクチン推進と同じ構図が見える(2011/10/5)
http://southwestfarmpress.com/blog/bill-gates-finds-fertilizer-fascinating
European Society Of Human Geneticsから、個人の全DNAを読解して遺伝子変異を見つけることは病気の診断には有益であるものの、倫理的に複雑な問題が多々あるため、普及は慎重に、との警告。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/260745.php
病気の予防、診断、治療のためにはすべての人のゲノム・シークエンシングを行うべきか、に関する論争。慎重派の「新しいことができるようになったからといって、すぐにそれを推し進めていけばよいことが正当化されるわけではない。とくに倫理的な問題がこれほど複雑な領域では」
http://www.medicalnewstoday.com/releases/260894.php
英国政府、全がん患者に遺伝子検査提供へ
http://www.medicalnewstoday.com/articles/260766.php
米国でうつ病の過剰診断・過剰治療はごく一般的。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/259902.php
米国の中年層で自殺率が上昇:格差の拡大もあるだろうけど、上のうつ病の過剰診断・過剰治療の影響も?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/260027.php
カナダの研究者の調査で、子どもの自殺は「感染」する、とも。:成人の「自殺幇助」「安楽死」も「感染する」と言えないこともない気がする。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/260836.php
英国の動植物の多様性が失われつつある、との調査結果。:多くの動植物が生きていけない地球になりつつあるということは、人類にとっても運命は同じということでは?
http://www.guardian.co.uk/environment/2013/may/21/uk-species-struggling-wildlife
「ヘイトスピーチ」国連委が日本政府に改善求める
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130522-00000051-jnn-int
「悔しい、早く死にたい」元慰安婦が証言
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130519-00000015-jnn-soci
維新・平沼代表代行、橋下氏の発言を擁護
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130523-00000007-jnn-pol
<大阪弁護士会>弁護士グループ、橋下市長の懲戒請求へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130522-00000006-mai-soci
国際基督教大学ジェンダー研究センターから「橋下徹氏(日本維新の会、大阪市長)の一連の発言に対する異議声明文 「弁護士、公人でありながら、人間の尊厳を無視した発言を、何のためらいもなく国際的に呈する橋下氏に、現職にふさわしい資質を認めることはできません」賛同。
http://web.icu.ac.jp/cgs/2013/05/20130521.html
<体罰調査>東京都教委、130校の校名公表…都道府県初:東京と大阪の何の解決にもならない強権管理操作コントロール主義
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130523-00000032-mai-life
国家公務員3年連続最低評価で免職も…自民原案:東京と大阪だけじゃない、か……。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130522-00000035-yom-pol
【PC遠隔操作事件】第1回公判前整理手続きで、弁護人の怒り炸裂:ひどい……。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130522-00025135/
「女性手帳」配布、希望者のみに 内閣府、批判受け転換:どうして、さっぱりやめられないかなぁ?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130522-00000019-asahi-pol
神社の賽銭から10円盗んだとして、男性が1年の禁固刑になった日本のニュースが英語で紹介されている。下は日本の元記事。
http://www.guardian.co.uk/environment/2013/may/21/uk-species-struggling-wildlife
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/121220/waf12122011320017-n1.htm
生活保護「心苦しく」辞退、心中図る 母殺害の娘の初公判 札幌地裁、というニュースも同じく英語で紹介されている。日本では承諾殺人っていうのね、英語の自殺幇助のこと。
http://en.rocketnews24.com/2013/05/23/japanese-woman-found-guilty-of-murder-after-refusing-to-accept-welfare/
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130514/trl13051417140008-n1.htm
<脱法ハウス>都内で増加 消防法違反で危険
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130523-00000005-mai-soci
日経平均が大幅下落―株式相場はバブルなのか?:え? 「アベノミクス」って、もともと「バブルの演出」じゃなかったの?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130523-00010001-wordleaf-bus_all
2013.06.07 / Top↑
以下の直前2エントリー、
「ガンで死が差し迫った段階を“診断”するツールは未だ存在しない」として、そこで起こる現象の整理を試みた調査(2013/5/22)
新城拓也医師「現時点では医師による終末期の判定は占いの域」(2013/5/23)
に大きく関連しているという気がするThaddeus Mason Popeの情報で、
Penn MedicineのCarline M. Quill医師のチームによる調査、
“Variation Among ICUs In Decisions To Limit Life Sustaining Therapies”.
「生命維持治療を制限する意思決定におけるICU間のバラつき」
米国153のICUで生命維持治療の差し控えと中止の意思決定を調査したところ、
大きなバラつきがみられた。
それはつまり、患者の病気の重症度、年齢、人種、機能状況だけでなく、
ICUの文化や医師の臨床実態が大きく作用している、といういこと。
Quillの研究では、
生命維持治療の差し控えと中止の意思決定が行われる際には
6層に渡るバラつきが見えられるとしており、
同じ患者でもどこのICUに搬送されるかによって
その患者の属性や臨床的な特性とは関わりなく
生命維持治療を差し控えたり中止される意思決定が左右される、ということ。
ICU Variability in Decisions to Limit Life Sustaining Therapies
Medical Futility Blog, May 22, 2013
「ガンで死が差し迫った段階を“診断”するツールは未だ存在しない」として、そこで起こる現象の整理を試みた調査(2013/5/22)
新城拓也医師「現時点では医師による終末期の判定は占いの域」(2013/5/23)
に大きく関連しているという気がするThaddeus Mason Popeの情報で、
Penn MedicineのCarline M. Quill医師のチームによる調査、
“Variation Among ICUs In Decisions To Limit Life Sustaining Therapies”.
「生命維持治療を制限する意思決定におけるICU間のバラつき」
米国153のICUで生命維持治療の差し控えと中止の意思決定を調査したところ、
大きなバラつきがみられた。
それはつまり、患者の病気の重症度、年齢、人種、機能状況だけでなく、
ICUの文化や医師の臨床実態が大きく作用している、といういこと。
Quillの研究では、
生命維持治療の差し控えと中止の意思決定が行われる際には
6層に渡るバラつきが見えられるとしており、
同じ患者でもどこのICUに搬送されるかによって
その患者の属性や臨床的な特性とは関わりなく
生命維持治療を差し控えたり中止される意思決定が左右される、ということ。
ICU Variability in Decisions to Limit Life Sustaining Therapies
Medical Futility Blog, May 22, 2013
2013.06.07 / Top↑