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PASが合法化されたばかりのVT州で、オプト・アウトする病院が出てきている。
http://www.reformer.com/localnews/ci_23515442/grace-cottage-opts-out-assisted-suicide-law-now
http://www.nationalreview.com/human-exceptionalism/351770/vermont-hospitals-say-no-assisted-suicide-wesley-j-smith

Siri(シリ)に、自殺したいようなことを言ったり書いたりする人にはライフラインや自殺予防センターの情報を提供するなど自殺予防機能が加わったが、自殺幇助推進ロビーはまずGPS機能でユーザーがOR、WA、VT州の住民かどうかをチェックして、ガンや終末期の人は対象外とするよう求めているとか。
http://www.dfwcatholic.org/siri-to-help-prevent-suicide-but-not-assisted-suicide-19830/.html
http://www.lifenews.com/2013/06/20/siri-wont-help-people-commit-suicide-assisted-suicide-another-question/

米国の大規模介護実態調査で、不況から介護サービスを利用できず家族が介護を担うケースが増えている。で、米国の成人の4人に1人が介護者。
http://www.kaiserhealthnews.org/Daily-Reports/2013/June/21/long-term-care-costs.aspx
http://www.medicalnewstoday.com/articles/262287.php

アイルランドの介護者実態調査。
http://www.belfasttelegraph.co.uk/debateni/press-feed/publication-of-carers-statistics-for-northern-ireland-quarter-ending-31-march-2013-29362807.html

HPVワクチンでHPV感染が半減した、という調査結果を米国CDCが発表して、なんだかNYTがえらく熱心に取り上げている。社説でまで「驚くべき効果のHPVワクチン」とタイトルを打ち、最後の一文は「Doctors need to recommend, and parents need to accept, a vaccine that can save thousands of lives. 何千人もの命を救うワクチンなんだから、医師は推奨する必要があるし、親は受け入れる必要がある」。忌避を十分に意識した、こんな書き方を新聞の社説がやるということ自体、なんだかなぁ……。
http://www.nytimes.com/2013/06/20/health/study-finds-sharp-drop-in-hpv-infections-in-girls.html?pagewanted=all&_r=0
http://www.nytimes.com/video/2013/06/19/health/100000002289965/the-success-of-the-hpv-vaccine.html?nl=todaysheadlines&emc=edit_th_20130620
http://www.nytimes.com/2013/06/22/opinion/a-surprisingly-successful-hpv-vaccine.html?nl=todaysheadlines&emc=edit_th_20130622

一方、すごく微妙な書き方なんだけれど、抗ウイルス療法は却って子宮頸がんを発症させている可能性が指摘されてもいる。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/262258.php

日本。子宮頸がんワクチンと健康被害 因果関係を調査 日産婦:どうか「安全でした」と結論するための調査ではありませんように。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130622-00000038-asahi-sci

マラリア・ワクチンで対応したのでは、ワクチンへの耐性が強化されるばかりなので、マラリア撲滅には社会経済的な支援の介入が必要なのでは、とLancetの論文。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2813%2960851-X/fulltext?elsca1=ETOC-LANCET&elsca2=email&elsca3=E24A35F

【関連エントリー】
公衆衛生でマラリア死8割減のエリトリアから「製薬会社株主ビル・ゲイツのワクチン開発」批判(2011/8/2)


あのJulian SavulescuとRoger Crispの編集で、オックスフォード大学ウエヒロ実践倫理センターが the Journal of Practical Ethics を創刊。
http://www.jpe.ox.ac.uk/

認知症患者にGPS装置を付けて追跡することの倫理問題。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/262294.php

【関連エントリー】
徘徊追跡でアルツハイマー病患者にマイクロチップ?(2007/7/28)
Verichipスキャンダル&ハイブリッド胚(2007/9/11)


代理母によって生まれた子どものウェルビーイングには問題はないというのが2002年からの定説だったけれど、新たな研究で親子の間に遺伝的なつながりがないことは子どもの適応問題につながり、攻撃的な行動や不安神経症やうつ病など問題に繋がる確率がそうで派に子どもに比べて高い。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10569#comments


日本語<情報収集暴露>英機関 傍受の通信情報をNSAと共有:英国が米国のプリズムを通じて情報収集していたという話は、プリズムが暴露された直後に英語ニュースでは既に出ていた。この問題での日本のメディアの反応の遅さは気になる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130622-00000057-mai-int

結婚相手を選ぶ時など、レストランへ行ってウエイターやウエイトレスに対して態度の悪い人は信頼しないこと。:これは言えるなぁ。
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2013/jun/15/never-trust-anyone-rude-waiter
2013.06.24 / Top↑
メイヨー・クリニック他の研究により、
ガーナの新生児でロタ・ウイルス・ワクチンに60%の効果があることが分かった、
というニュースが出てきているのだけれど、

現在、ロタ・ウィルス・ワクチンの接種は生後2カ月からとされていて、
先進国では2度の摂取が有効とされているが、それでは
生後2カ月未満の新生児への保護になっていないとの懸念も出ている。

そこで今回のガーナの研究では
最も貧しい2つの地域で998人の新生児を
ランダム二重盲検プラシーボ対象試験の対象として選び、
初回を生後29日で経口接種、2回目を生後60日で接種。

その結果、効果と安全性と免疫獲得が明らかになった、と。

Newborn Vaccination For Rotavirus In Africa Is Effective
MNT, June 20, 2013


このニュースで思い出したのは、
こちらのエントリーで紹介した
“The Body Hunters: Testing New Drugs on the World’s Poorest Patients”という本の内容。

簡単に言えば、この本が指摘しているのは以下。

欧米先進国で製薬会社に対する不信が高まり、
募っても治験に参加してくれる人がいなくなった。
それでも新薬への期待もマーケットも大きい。
そこでビッグ・ファーマがこぞって貧しい途上国に治験の場を移し、
医療アクセスの不備と貧困とで治療を受けられない病人の弱みに付け込んで、
世界で最も貧しい人たちをモルモット代わりに使っている。
先進国でならあり得ないような非人道的なやり方で。


「途上国にワクチンを」とは
まさか「途上国にワクチンを届けて、
先進国ではできない治験を」の意図だった……なんてことは――??

「ナイロビの蜂」という映画もあったし、
当ブログが拾った、こんなニュースもある ↓

ファイザー製薬ナイジェリアの子どもに違法な治験、11人が死亡(2009/2/1)

また、こういうことにもつながる問題でもありそうで ↓
MGH、重症脳尊重患者への同意なき臨床実験に参加か(2013/6/18)
2013.06.24 / Top↑
労働問題を中心に、若者の「働くこと」に関する様々な問題に取り組むNPO、
POSSEの代表、今野晴貴氏へのインタビュー記事が
今月号の『介護保険情報』にあり、今の日本社会の問題を鋭く指摘していると思った。

特に印象に残った個所を以下に。

……介護現場で働く方からの相談の特徴は、自分の労働問題ではなく、「事業所に問題がある」という相談が多いことです。
 どういうことかというと、介護や医療の現場で事故隠しや虐待があり、そうした問題に対する相談があるわけです。もちろん、その背景として、そもそも労働条件が悪く、それを我慢して働いてきた。しかし、彼らが一番許せないポイントは、利用者をないがしろにすることなのです。

 看護師や医療事務職からの相談は多いです。労働法を無視している経営者もいる。医療の現場では、医師をトップとする権威主義が根強く、法律を無視したパワーハラスメントが多いのではないでしょうか。
 また医療の現場でも介護と同様に、看護師などから「きちんと仕事を教えてほしい」という訴えがあります。

 今の日本は、企業丸抱えのOJTを放棄し、国も職能技術の担保をしない。どちらも人材育成を放棄したまま、ブラック企業の問題が社会問題化しつつあるにもかかわらず、解雇規制を緩和すべきといった提案がされるような状況です。
 ですから、国が雇用保障とセットで人を育てていく方向を打ち出し、推進していくべきだと思います。雇用の仕組みをしっかり作っていかないと、デフレ脱却もできないでしょう。

……たとえば非正規雇用で十分な技術を持たない人が専門的なサービスを提供しようとすれば、サービスそのものが劣化します。

 そもそも、雇用保障の在り方は、人材育成の在り方とセットになっています。日本の長期雇用制度は、企業内の職業訓練と親和的でした。したがって公共職業訓練制度や失業給付もなしに、ただ解雇規制だけを緩和すれば、余計に現場は混乱し、サービスの質が低下します。また、「解雇するぞ」という圧力のもとで、サービス残業が蔓延し、ブラック企業が激増していくことでしょう。
2013.06.24 / Top↑
2012年のWA州の尊厳死法の実施報告書が出ています。
私は読んでいませんが、本文はこちら ↓
http://www.doh.wa.gov/portals/1/Documents/Pubs/422-109-DeathWithDignityAct2012.pdf


以下の Life News の記事から概要を以下に。

2012年に尊厳死法を利用して自殺した人は83人で、
前年から17%の増加。2010年の51人からは63%の増加。

出された処方箋は121通で、
2010年から39%の増加。

その他、

・処方を受けた121人のうち、精神科医のアセスメントを受けたのは3人のみ。

・致死薬を受け取ってから150日後に死んだ人が一人。
 17人は致死薬を受け取ってから6か月以上たってから死亡。

・致死薬を飲むときに医師がその場にいたのは5回だけ。
(ここは元の英文が私にはちょっと理解不能)

・飲んで16時間後に死亡した人が一人。

・121通の処方箋のうち、10件では申請書が提出されていない。
 13件では死亡証明書が出ていない。
 4件では薬局から患者に薬を渡した記録用紙が提出されていない。
 11件では対応した医師の書くべきthe Consulting Physician formが提出されていない。

記事は
患者の死後に医師による自己申告が義務付けられているのみでは、
濫用を発見することは難しい、と指摘している。

Washington State Sees Huge Increase in Assisted Suicides in 2012
Life Site News, June 21, 2013


また、以下のAP通信の記事によると、

83人の年齢は35歳から95歳で、
90%以上が西ワシントン州在住。
ほとんどの人が癌だった。

Washington assisted suicide report shows 17 percent jump in people requiring lethal prescriptions
AP, June 20, 2013


なるほどWA州西部の人が多いのですね。

そして、もちろんその中には
以下のSCCAのシステム化されたプログラムに「参加」して
「アドボケイト」と称する病院ソーシャルワーカーの手引きと手配によって
自殺したがん患者も含まれているわけです。

シアトルがんセンターの「自殺ほう助プログラム」論文を読んでみた(2013/4/15)


【これまでの年次報告エントリー】
WA州とOR州の2009年尊厳死法データ(2010/3/5)
WA州から2010年の尊厳死法報告:処方を受けた人は前年より22人増加(2011/3/11)
WA州尊厳死法報告2011(2012/5/17)
2013.06.24 / Top↑
先週、以下のエントリーで紹介したケベックの法案について、

ケベックの法案は「医療的自殺幇助」という名の安楽死合法化法案(2013/6/14)

私がこのエントリーで指摘した通りの言葉のマジックを指摘する記事が
19日のGlove and Mailに出ていますが、

そちらの記事に法案の詳細があり、
それによると想像以上にラディカルな内容になっているようです。


まず冒頭の一文は、実に爽快。

なるほど。飼っているのはアヒルなのに、自分のペットはイヌだと称するわけですね。アパートでアヒルを買うのは法律で禁じられているから。法律を破ったら捕まりますからね。


大まかに言えば、この記事はこの法案について、

安楽死をmedical aid in dying (MAD)と称することによって、
安楽死でも自殺幇助でもなく「医療の一端である」と言い抜けることを狙っている、

というのも、安楽死や自殺幇助は連邦刑法に関わる事項だけれど、
医療については州政府の決定事項であり、州の医療法改正の問題に過ぎないから。

実際に、ケベック州の医療法では医療行為の定義が拡大されて
医師が「終末期を尊重する同法の下で、
終末期の患者がmedical aid in dyingを受けられるよう薬物などを投与すること」が
含まれているとのこと。

しかし、この法案ではMADをきっちり定義しておらず、
せいぜい以下のように書いて施設の医師、視界、薬剤師の委員会にゆだねられている。

……in accordance with the clinical standards established by the professional orders concerned, to adopt clinical protocols applicable to terminal palliative sedation and medical aid in dying.


これを正しく日本語にできる自信は私にないのだけれど、
最後のところで terminal palliative sedation と MAD と2つが並べてあるのには
重要な意味があって、

この法案 Bill 52は
終末期の患者に「素早い安楽死」と「ゆっくりの安楽死」を選択させるんだそうな。

もちろん、MADが素早い方。鎮静(sedation)がゆっくりの方。

しかし、この記事の著者は指摘する。
terminal palliative sedationという紛らわしい表現は一体なんだ、と。

【法案の問題その①】

terminal sedation とは、
死を引き起こす目的を持った鎮静であり、つまり実質は安楽死。

palliative sedation とは、
苦痛緩和の目的で行われる鎮静。

安楽死推進派は両者を区別することはできないと主張するが、
著者はきっぱりと言い切る。

「もしも患者の症状が鎮静を行わずにコントロール可能であったり、
患者が死に瀕していないのに栄養と水分が差し控えられていれば特に、
そういう場合の鎮静は明らかに安楽死である」

オランダでは terminal sedation は安楽死と定義されていないために
致死薬の注射のように報告する義務が課せられておらず、
こちらの安楽死が増えている、といわれるが、
ケベックの法案が通れば同じことが起こることになる。

これと同じことがベルギーの調査報告でも指摘されていたと思う ↓
ベルギーにおける安楽死、自殺幇助の実態調査(2010/5/19)


【問題その②】

法案は administer medical aid という表現を用いており、
「医師は自分でこのようなaid in dyingを行い、
死亡するまで患者をケアしなければならない」とは書かれているが
MADにいわゆる医師による自殺幇助PASが含まれるのかどうかが
法案の文言では明らかでない。

ケベック議会の法務委員会は自殺幇助を否定したといい、
それは自殺という枠組みにすると「医療行為」としにくいことに加えて、
自殺企図のある人への医療職の適切な対応は命を救う方向であるという一般の考え方や
カナダの最高裁が自殺幇助の犯罪性は憲法に則しているとの判決(Rodorigeuez)などが
影響しているのでは、というのが著者の読み。


【法案の問題③】

MADが認められる「終末期」の患者の要件として、

…… suffer from an incurable serious illness; suffer from an advanced state of irreversible decline in capability; and suffer from constant and unbearable physical of psychological pain which cannot be relieved in a manner the person deems tolerable.

不治の重病があること; 不可逆的に能力が低下する状態が進行していること; 本人が許容できる方法では軽減することのできない継続的で耐え難い身体的または心理的な苦痛があること

つまり終末期の人でなくてもよく、
身体的な病気がなく精神障害であってもよく、
多くの障害者、高齢者、病者、弱者は当てはまることになる。

しかもMADは
「入所施設、介護施設」でも個人宅でも行ってよいこととされている。

Quebec is trying to legalize euthanasia by calling it something else. It’s still wrong
The Globe and Mail, June 19, 2013


Terminal sedation と palliative sedation の区別については
ハリケーン・カトリーナの安楽死事件を思い出す。

苦痛を感じてもいなければ意識を失っていたわけでもなく、
まして死を自己決定したわけでもない人達に
非難させられないからという理由で「死ぬまで鎮静剤を」投与するよう
看護師に支持した医師は、事件後にフィンズ記者の取材で、
緩和の鎮静にだって死を早める効果があり、鎮静を安楽死というなら
医師は日常的にそういうことをやっているのだ、と釈明した。

ハリケーン・カトリーナ:メモリアル病院での“安楽死”事件 1/5: 概要(2010/10/25)
ハリケーン・カトリーナ:メモリアル病院での“安楽死”事件 2/5: Day 1 とDay 2(2010/10/25)
ハリケーン・カトリーナ:メモリアル病院での“安楽死”事件 3/5 : Day 3(2010/10/25)
ハリケーン・カトリーナ:メモリアル病院での“安楽死”事件 4/5 : Day 4(2010/10/25)
ハリケーン・カトリーナ:メモリアル病院での“安楽死”事件 5/5 : その後・考察(2010/10/25)


なお、この前、某MLで教えていただいた
日本緩和医療学会の「苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン」はこちら ↓
http://www.jspm.ne.jp/guidelines/sedation/2010/index.php

その他、関連エントリーは ↓
在宅医療における終末期の胃ろうとセデーション(2010/10/6)


また、鎮静を含めた、英国のLCPの機会的適用問題については ↓
“終末期”プロトコルの機会的適用で「さっさと脱水・死ぬまで鎮静」(英)(2009/9/10)
「NHSは終末期パスの機会的適用で高齢患者を殺している」と英国の大物医師(2012/6/24)
英国の終末期パスLCPの機会的適用問題 続報(2012/7/12)
LCPの機会的適用でNHSが調査に(2012/10/28)
2013.06.24 / Top↑
米国で百日咳の免疫ができていない大人が多い、子どもでも致死率60%と、なんだかこの話題にわかに騒がしくなりそうな気配。3月15日の補遺では「百日咳のワクチンは何度目かまでで効力が切れるので、追加接種が必要」という話が出てきていたし、じゃぁ日本でも風疹の次は百日咳でキマリか?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/262112.php
http://www.medicalnewstoday.com/articles/262227.php

日本。男性注目! 風疹の予防接種で日本の赤ちゃんを守ろう:こうして一つの病気が騒がれるたびに、「いのちを守ろう」という掛け声で「全額助成を」という話になっていくのだけれど、そうやって次々に一つのワクチンからその次のワクチンへと同じパターンのキャンペーンが繰り返されて、次々に助成が進められていくことに、なんか妙だなぁ、という感じ、ないです?
http://medical.yahoo.co.jp/feature/rubella/

ワクチンは注射でなくても、ナノパッチでOKに。:ワクチン業界にはカネが集まってきていますから。ワクチンの周辺は研究資金も潤沢でしょう。なるほど「ワクチンの10年」って、こういうことだったのですね。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/261944.php

ビタミンDも相変わらず効用が研究されているようで、今度はぜんそくに効くそうな。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/260770.php

スタチンに筋力低下などの副作用。:スタチン、ビタミンD、それからアスピリンは、ビッグ・ファーマ提供の予防医学の3種の神器。まるで万能なのかよと思うくらい、「○○に効く」という調査結果が報告され続けてもう何年にもなる。そういえば、ビタミンDについても10年にこんなのあったな。⇒ サプリでさんざん儲けた後で「やっぱりビタミンDの摂り過ぎはよくない」って(2010/11/30)
http://www.medicalnewstoday.com/articles/261444.php

【スタチン関連エントリー】
米ではスタチン8歳からどんどん使おう、と
「8歳からコレステロール薬」にNYTimesが社説
Risperdal他、適応外処方にはもっとエビデンスが必要(2008/11/26)
健康な人も5種混合薬を毎日飲んで将来の心臓病リスクを半減しよう、って(2009/4/2)
コラムニストがビッグ・ファーマにお勧めする「2010年・新年の誓い」(2009/12/24)
ビッグ・ファーマが当て込む8つの“でっちあげ病”(2010/4/17):うち一つが「スタチン不足」
2011年1月29日の補遺(スタチンにアルツハイマー病予防効果)

【アスピリン関連エントリー】
「現代医学は健康な高齢者を患者にしている」(2009/3/8)
健康な人も5種混合薬を毎日飲んで将来の心臓病リスクを半減しよう、って(2009/4/2)
「40過ぎたらガン予防で毎日アスピリンを飲みましょう」って(2009/4/30)

これはオマケ ↓
「やれ何が癌の原因だ、やれ予防にはどうしろ、こうしろって、ウザい」と英国人(2009/5/26)


サプリで高齢者の筋肉量を上げることができる。:この前また「サルコペニア」をテレビでやっているのを見たから、そのうちこういう話と繋がっていくことでしょう。ちなみに、その番組はサルコペニアを解説している時に背景に何度もおどろおどろしい感じの音楽を流していたな。あの「ジョーズ」の音楽みたいなのを。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/262071.php

全身バイブレーション療法で脳性マヒの青少年の骨を強化できる。:骨は強化できるかもしれないけど、なんかよそに悪影響ありそうな気がするんですけど。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/262070.php

更年期後の女性の性交痛を緩和する薬を米国FDAが認可。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/256916.php

女性の更年期症状、実は男性が引き起こしている?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/261949.php

日本語。動物体内でヒト臓器、研究容認へ 移植用、倫理面で課題:一方からは「病気になったらカネがかかって迷惑だから、さっさと死ね」とささやかれ続けている気がするのだけれど、一方では「ここまでして生きろ」って……。カネがかかるという点では、こっちの方がよっぽど半端ないと思うんだけど。
http://apital.asahi.com/article/news/2013061900002.html

予防的乳房切除術に効果が期待できる女性を選別するための検査の研究が有望だとか。:世界中で予防的乳房切除をごく一般的な医療にしてしまって、大きな市場に育てましょう……と、砂糖に群がる蟻ん子のように……。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/261956.php

17日のコメントでMoritaさんが教えてくださった医学書院サイトの連載 続 アメリカ医療の光と影 (李啓充著)「アンジェリーナ効果」は日本にも波及するのか? 
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03031_06

日本語。臓器提供の登録者数、21倍に急増―フエイスブック表示開始で:臓器提供って、そんなに簡単に決断できるようなことじゃないと思うんですけど。それに「“臓器不足”を解消しなければならない」という発想はもともとヘンでしょ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130618-00000038-bloom_st-bus_all

【関連エントリー】
Facebookが臓器不足解消のため、英米の利用者に臓器提供の意思表示を呼び掛け(2012/5/2)
FBの臓器提供意思の掲載欄、1週間で6000人がドナー登録(2012/5/10)

これもね ↓
Kaylee事件から日本の「心臓が足りないぞ」分数を考えた(2009/4/5)


英国のNHSの病院の産科病棟で母子が死亡したケースを巡り、内部調査の結果をこともあろうにケアの質コミッション自身が操作していた、というスキャンダルが持ち上がっている。
http://www.guardian.co.uk/society/2013/jun/19/cqc-nhs-cover-up-maternity-ward

ケニアの少女たちに護身術を教えたら、教えられた少女ではレイプの被害が減った。これ、ちゃんと読んでエントリーにしたいなぁ。こういう話題を拾いたいよ。ほんと、心から、そう思うんだけど。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/261927.php

ガーディアンに「犬のグルーミング・コンテスト」というスライド・ショーがあったので、覗きに行ってみたら、まるきり想定外の「グルーミング」で、見ていたらだんだん気持ちが悪くなった。最後のスライドに、OK, this competition has gone wrong. (確かに、ここまで来たらこのコンテストも、もうやり過ぎ)と書かれているけど、なんとなく科学とテクノの簡単解決文化ならでは……という気も。私は例の、寝ている子どもを使って絵を描くというのも、すかん。
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/gallery/2013/jun/18/dog-grooming-competition-in-pictures#/?picture=411023056&index=0
2013.06.24 / Top↑
祝! 障害者差別解消法が成立:ご尽力下さった方々、ありがとうございました。それにしてもテレビのニュース、この話題を報じなかった(怒) 私がたまたま見なかっただけ?
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201306190147.html
http://mainichi.jp/select/news/20130619k0000e010183000c.html

日本ケアラー連盟が16日、東京でフォーラムを開きました。私は今年は行けなかったばかりか、手元がバタバタしていて告知の協力すらサボってしまいました。ごめんなさい。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130617/k10015346361000.html

「国連人権理事会は日本政府に何を求めたのか」日本弁護士連合会。:まだちゃんと目を通せていないのですが、とても分かりやすい資料が2008年に作られていました。
http://www.moj.go.jp/content/000055358.pdf

ケベック州のmedical aid in dying (MADというそうな)のマヤカシについて、14日のエントリーで私が指摘したのと同じ批判を展開しているGlobe and Mail の記事。法案の詳細も紹介されているので、できたら明日エントリーに。
http://www.theglobeandmail.com/commentary/quebec-is-trying-to-legalize-euthanasia-by-calling-it-something-else-its-still-wrong/article12664211/

MN州のFEN事件の上訴審。7月10日に審問。:FEN事件は本当に複雑。限りなく暗い色の灰色だと私には思えるんだけれど。FEN事件については2008年当時から多数のエントリーがあるのですが、それらへのリンクを含め、こちらのTVドキュメンタリーの映像が生々しいです。 ⇒ http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/65805049.html
http://medicalfutility.blogspot.jp/2013/06/minnesota-appeals-court-to-hear.html

26歳の息子がインターネットの自殺サイトで購入した自殺キットで死んだとして、英国政府に向けて自殺サイトを禁じるよう要望。この記事の中で気になることとして、この女性は息子の死後、いくつかの自殺サイトを覗いてみたというのだけれど、表向きは『サポート・グループ』を謳いながら、そのサイトのフォーラムでは公然と自殺がそそのかされている、と。
http://www.yourlocalguardian.co.uk/news/local/topstories/10494050.Ban_assisted_suicide_websites__urges_mum_of_Purley_chef_Kevin_Boyle/

私もFEN事件が最初に報じられた時に、FENのサイトに行ってみて、自殺を勧めているようなその内容に目を剥いたことがある。その直後に閉鎖されたけど、こんなことが書かれていた。
http://www.arsvi.com/2000/0904km.htm

上の関連エントリーとして拾ってきたのだけれど、さっき読み返してみたら、最後のところで以下のように書いていて、「頭でしか受け止めなくなって、心を痛めなくなると、人が人として腐っていく」ということって、どこか昨日読んだ高山医師の「倫理の腐敗」に繋がるような気がした。

本当は、一番おそろしい「すべり坂」は
人の心が、いのちや、人の生死に対する畏怖や、身体に対しての敬意の感覚を鈍らせて、
人としての心の感度を失っていくことにこそ、あるのでは――?

そして、人間の社会全体が、
人の遺骨を無造作に湖に投げ捨てるような行為に対して、
「その、どこに問題があるのか」と頭で受け止めるようになり、
心を痛める、ということをしなくなっていくこと、

そんなふうに人が人として腐っていくことに――?
統合失調症のスペイン人男性にDIY自殺キットを渡したとして、Dignitasに捜査(2010/6/1)

Medical Futility BlogのThaddeus Popeがあらたに「医療パターナリズム」という名前のブログを立ち上げている。
http://healthpaternalism.com/
2013.06.24 / Top↑
教えてくださる方があって、読んだ。

倫理の腐敗としての「胃ろう不要論」
高山義浩 apital 2013年6月19日

心が温かくなって、
じん、と感謝の気持ちに満たされた。

例えば、以下の個所など。
(ゴチックは例によって、共感を込めてspitibara)

私は胃ろう推進論者ではありませんが、胃ろうを選択した方々が後ろめたさを感じることがないよう配慮したいと思っています。寝たきりでも、発語不能でも、 それで尊厳がないと誰が言えるでしょうか? コミュニケーションできることは「生命の要件」ではありません。胃ろうを受けながら穏やかに眠り続けてい る・・・、そんな温室植物のように静謐な命があってもよいと私は思うのです。

「拘縮して会話不能な寝たきり高齢者に胃ろうは必要か?」という思考実験は、胃ろうのもつ倫理的課題を明らかにします。その実験自体は大切なことだし、そこ で皆が感じている直観は「(それぞれに)正しい」と私も思います。ただ、その結果、胃ろうを選択する全ての患者さんへと疑念を向けてしまう「倫理の腐敗」 が日本社会に起きつつないでしょうか?

胃ろうについて悩んでいる方々のこと、もう少し、そっとしておいてくださると助かります。

未読の方、ぜひ読んでいただければ――。


胃ろうの問題については
当ブログでも何度も書いてきました。

それについては以下に ↓

ETV特集を機に「胃ろう」について書いたエントリーをまとめてみる(2010/7/26)
“栄養補給所”を作って「業務がはかどる」と胸を張った師長さん、「胃ろう検討は十分な看護ケアをしてから」と主張した師長さん(2010/7/26)


また、同医師が同じサイト書かれた
縛られる患者たち(2013年1月31日)も良いです。

この記事に関するツイッターでのやり取りの中で高山医師は以下のように書いている。

弱者を犠牲にして集団を守ろうとする傾向が強まっているようなので、とくに医療者は気をつけなければいけないと思っています。


その他、以下も面白かった。

真実を伝えること、判断を待つこと(2012年25日)
沖縄戦と延命医療(2013年4月1日)も


            ------

ついでに高山医師のツイッターを覗いてみて、
ひゃっほー!! と叫んでしまったツイートを2つ。

病児ケアは保護者の理解度や観察力が重要なので、観察マニュアルを配布して「分かったでしょ」では、むしろ危険なんですよね。母親の直観が大切だし、それを磨いてほしい。まあ、患者の検査データばかりみていて、患者の顔色で「やばい」と思えない研修医もいます。
(1月20日)

残念ながら「研修医」だけではなかったりもして……。


私は基礎研究者を尊敬していますし、その業績のうえで仕事をさせていただいていますが、感染症について単純化したモデル(ゲノムだけみてどうのこうの)を みながら、結論めいて独白する研究者には自制を求めたいと思いますね。いま、フィールドを走り回っている疫学研究者の報告を待つべきです。
(4月4日)
2013.06.24 / Top↑
マサチューセッツ総合病院(MGH)の研究チームが
救急搬送されてくる重症の頭部外傷患者に対する同意なき臨床実験に
参加を検討していることを巡って論争になっている。

頭部外傷で脳損傷のある患者は受傷後数時間以内に
脳浮腫や蘇生の変化などの二次的損傷(secondary cascade)が起こるが、
そこで受傷後数時間以内にホルモン剤、プロジェステロンを投与することによって
それを防ぐことができるのではないかと期待されている。
(ただし、そのメカニズムも効果もいまだに明らかにされているわけではない)

一方、救急搬送されてくるそうした患者は意識がなく、
家族など代理決定権者を探すのには少なくとも4時間半もかかると言われており、
早期にプロジェステロンの投与を可能とするためには、
同意なき臨床実験にそうした患者を参加させる以外にないし、

それによって重症脳損傷の治療方法に繋がる可能性があるなら、
特に治療の選択肢が臨床研究によって次々に否定されている領域としては
正当化できる、というのが研究者らの主張。

一般には、臨床実験への参加は
患者または代理決定権者がリスクを十分に説明され、
参加を拒否する機会を保障された上で同意することが必要とされているが、

1996年の法でFDAは
緊急のケースでは例外を認めた。

しかしボストン大学の倫理学者、ジョージ・アナスは強硬に反対。

なぜ同意を取り付けられる患者の研究ではいけないのか、と問い、
「救急部へ来る患者は、そこで研究に参加させられるなんて夢にも思っていないし、
事故にあったからというだけで研究に同意したことにはならない」

また、効果がある可能性があるというだけでは
患者が研究に参加するかどうかを決める権利を否定する根拠として十分ではない、と主張し、
「やはり同意と同程度の強力な根拠が必要である」と。

現在すでに40の病院が参加し、
760人以上の患者で実施。

MGHが参加すれば、
資金が切れる2014年までに目標の1140人を達成できると研究者らは逸る。

Hospitals want to test drug with no consent
The Boston Globe, June 8, 2013


米国では2004年に
人造血液を外傷患者にICなしに実験して
少なくとも47人の死者を出していて、

この人造血液が問題になった2008年の報道で既に
外傷患者ではICなしに治験が行われている、と書かれている ↓

人造血液リスク知りながら臨床実験認めていたFDA(2008/4/29)


また、2009年にやはりICなしで外傷患者に臨床実験で
通常よりも高濃度の生理的食塩水などを与えて、死者が出ている ↓

ICなしの外傷患者臨床実験、死亡者像で中止に(2009/3/30)


これらの件について
上記の記事が一切触れていないのは不気味。

この路線でいくと、
いずれは植物状態や脳死の人たちの実験利用へ向かうのでは?

実際、2006年にドレイパーという英国の生命倫理学者が
意識がある時の同意があれば植物状態の人を実験に利用しても問題はない、と主張している。

「植物状態や、それほどでないにせよ意に染まない状態で生きながらえるよりは、
臨床試験に参加して他者のためになる方が明らかによい生き方だ」といって ↓
http://www.arsvi.com/2000/0705km.htm

そして、これは現在すでに
「無益な治療」停止から臓器提供へと誘導する際に使われている論理――。



【19日追記】
こんなのも思いだしたので、追記 ↓

Norman Fostが「子どもの臨床実験リスクには報酬で」(2007/11/28)
Norman Fostが「ヒト対象実験の無意味な規制と手続きやめろ」(2009/8/12)
2013.06.24 / Top↑