2ntブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
先日来中国、米国で自閉症児を巡る航空機での受け入れトラブルが続いていますが、
米国ミネソタ州ではカトリック教会が13歳の自閉症少年を締め出し。

裁判所も少年の行動を州法が規定する「繰り返されるハラスメント」に当たると判断、
この決定を支持しました。

子どもが6人いるPace一家は
1996年からミネソタ州BerthaのSt.Joseph教会に通い始めて以来、
重症の自閉症を患うAdamの存在から常に最後列に座ってきた。
それまで誰からも苦情を言われたことはないのに、
去年の6月に司祭のWalz師と教会幹部が家に来て、
「いきなり訴訟を起こすといわれた」というのが母親の言い分。

協会側は
「Adamがミサに参加できて他の信者も守れる方法をいくつか用意して話し合おうとしたが、
 母親がそれら選択肢を拒絶した」と。

Adam君は背丈180センチ、体重100キロを超える体躯。
挙げられている彼の問題行動は
ミサの最中に子どもを殴り、制止に抗った、
思春期の少女をひざの上に乗せた、
他人の車のエンジンを勝手にかけた、
他の信者にぶつかっていった、
排尿した、など。

教会は今年5月に裁判所から
両親に対して彼の教会立ち入りを禁じる暫定命令をとったものの
両親はこれを差別だとして無視し、
障害者支援団体にも訴えて自閉症児への差別だと批判していた模様。

母親の気になる発言として
「自閉症なんだから私が叱ったからってこの子は抑えられません。
(I can’t discipline him out of his autism)
そんなことは司祭さんも分かるはずです」

ミネソタの人権法では
障害のある人に公共の場への立ち入りを禁じることが認められるのは
他者の健康と安全が直接的に脅かされる場合のみ。

7月1日、裁判所は
Adamの行為が上記州法の規定する「繰り返されるハラスメント」に当たるとして
教会への立ち入りを禁じる命令を妥当だと最終的に判断。

大人と変わらない体躯の未成年が望ましくない迷惑行為を他人に繰り返すことを
両親には予測できない状態が続いてきた、
教会には教会と信者への大きな悪影響(現実の影響も可能性としても)を避ける権利がある、としています。

ただし、今回の裁判所の判断はハラスメントの定義を中心としたもので、
この事件が提起している問題には、犠牲、寛容、相互尊重、妥協とともに、
“現実を受け入れること”が求められる、と裁判官。

Adam君には、教会側が家族と話し合って自宅でミサを行い、
そこに参加するという方法が勧められているようです。


障害者のアドボケイト団体ARCのミネソタ支部幹部は
「多くの地域、多くの家族と教会で起こっている問題です。
たいていの場合は家族と教会が解決策を見つけていますが、
このケースでは不幸にもそれができなかった。」

その他、障害者アドボケイト団体から指摘されているのは、
その場にいる人たちに本人が意図的にやっているのではないことを説明し、
他の信者も含めて関係者全員で解決策を探る努力をすることの必要。
親にも周囲の人の安全に配慮する責任があるという自閉症児の親の声も。


Church bars severely autistic boy from mass
The Star Tribune, May 17, 2008


Judge: Boy can be kept out of church
Wadena Pioneer Journal, July 1, 2008
(読むためには無料登録が必要です)

5月17日の記事には本人の写真が出ており、
なんで本人の写真がこうして公開されてしまったのか不思議なのですが、
出ている以上は少なくとも親が認めたものと考えられ、それもまたちょっと不可解。

もっとも写真によって、
「180センチ、100キロを超える少年」がただの抽象的な言葉ではなく、
リアルに感じられるのは確かです。

この子がパニックを起こしたら……と考えたら
確かに現実問題として大変そうだとは思う。

でも、よく記事を読むと「パニックで暴れた」とは書いてなくて、
書かれているのはむしろ「迷惑行為」のような気もするし……。

リンク以外の記事も多少読んでみましたが、
Adam君の具体的な行為については
どの記事もはっきり書くのを避けている感じがあって
事実関係がイマイチはっきりしません。
2008.07.02 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://spitzibara.blog.2nt.com/tb.php/1276-2b9e777c