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「家族と法」(二宮周平)の中に「親権とは何か」という項目があるのですが、
その中から。

一九八九年、国連で採択された子どもの権利条約において、子の権利主体性が確認された。子の権利を守るとはいっても、それは、子が未熟、未発達な存在だから保護するというのではなく、子自身に発達し成長する権利があり、親や国・社会はこれを援助するものだという発想に変わってくる。(P.141)

今日では、親権の権利性は、親として子に対して有する養育の義務を遂行するのに必要な限りで認められ、他人から不必要に干渉されない法的地位として構成される。そして不適切な養育については、国や社会が子の利益を守るために介入することがある。(P.141)

「親子の利益の対立」の項目では、

民法は特に財産に関して、親権者の利益と子の利益が相反する場合(たとえば、子の財産を担保にして親が借金するなど)には、あらかじめ特別代理人を選任して、その人に子の代理をしてもらうようにしている(八二六条一項)。これは親権者を100%信用できないからである。(P.142)

9月末に出された英国医事委員会の医療における子どもの権利の考え方は、
国連の子どもの権利条約に沿ったガイダンスということが言えそうです。

これらを念頭に
体というものをその人の財産と考えて(そう考えていいのかどうかは分かりませんが)、
Ashley と Katie のケースを振り返ってみると、

そこら辺のオッサン、オバサンたちがワイドショー的に
「やらせてあげたらいいじゃない。こんなに愛と涙で頑張ってるんだから」と
ウルウルと情緒的な反応するのはともかくとして、
仮にも障害児の医療や福祉に関与する専門職やメディアがそういう論調でいいのか!!
……と疑問に思う。

でも、彼らだって卑しくも専門家であり報道機関であるならば、
上記のような考え方が共通理念となりつつある世の中の動向を
まったく知らないはずはないだろう、
とも思うわけで、

それなら、どうして知らないフリを決め込むのだろう
というのが、やっぱり不思議。

だから、

知っていて、それでもそういう論調になっているのは、
「なる」のではなく、そういう論調に「している」のでは……
というのが、ちょっとひっかかるところ。
2007.11.07 / Top↑
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