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これまで、あらまし追いかけてきた訴訟ですが、

自殺幇助を違法とする州法の規定から医師による自殺幇助を除外するよう求めて
コネチカット州の2人の医師とC&Cが起こしていた訴訟で、
地方裁判所は彼らの訴えを却下。

その理由は、
① 州法の文言もこれまでの判例からも、自殺幇助は明らかに犯罪とされており、
それは、たとえ人道的な目的によるものであっても変らない。
すなわち、この点に関しては論争は存在しない。

② 自殺幇助禁止規定を変更すると以下の深刻な問題が生じる。

社会の最も弱い立場の人たちが脅かされるのではないか。

関心が心身の健康のために患者を治療することから逸れて
医師と保険者が死のアドボケイトに変わってしまうのではないか。

それによって、医師―患者間の関係が損なわれるのではないか。

③ これらの重要な問題を検討する最適な機関は立法府であり、
裁判所が立法府に先んじてこれらの判断を行うことは、
立法府からこれらの問題を議論する正当な機会と義務とを不当に奪うこととなる。

もっとも、2人の医師とC&Cは上訴するだろうと見られています。

Connecticut Trial Court Rejects Attempt to Overturn Ban on Assisted Suicide
LifeNews.com, June 7, 2010


この記事によると、
C&Cら死のアドボケイトの最近の傾向として
「自殺幇助」を「死の援助」(aid in dying)と言い換えて
あたかも、それが自殺幇助とは別物であるかのように主張するという戦術を
この裁判でも使ったようですが、

Smith判事は、aid in dying は自殺幇助と同じではなく、
それもまた、法律で認められているわけではない、と。


ちなみに、assisted dying という表現は
英国の自殺幇助合法化議論でも目につくようになっていて、
例えば障害学の学者であるTom Shakespeareも使っていたりします。



【コネチカット州自殺幇助議論関連エントリー】
Connecticut州議会、自殺幇助法案を棚上げ(2009/3/18)
2010年3月9日の補遺(医師2人とC&Cによる訴訟の公判開始)
CT州の障害者権利擁護局が「自殺幇助合法化訴訟に障害者の視点を」と動議(2010/4/15)
2010.06.08 / Top↑
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