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ちょっと、この記事だけでは判然としない部分のある事件なのですが、

アート・ギャラリーのオーナーである女性 Chen Ling-huiさんの自殺を幇助したとして
夫の Chang Zhi-chengさんが台北の地方検察局に起訴されたとのこと。

罪状は、
夫婦の寝室で練炭に火をつけた後、
ドアや窓の隙間を粘着テープでふさいで、
妻の自殺を幇助したというもの。

ゴミ箱の中から夫の指紋のついた火バサミとか粘着テープが出てきたのが証拠に。

当初、自分は居間のソファで寝ていて、
妻の死には朝まで気づかなかったといっていたらしいのですが、
その後、供述を変えた、とのこと。

当初、否認したため求刑は2年間の懲役。
台湾では自殺幇助は1年から7年の刑。

夫は軽い精神障害があったとされていますが、
検察側は、判断力を損なうほどではない、と。

またメディアの報道には
妻は巨額の借金があり取立てに苦しんでいた、との情報も。



おそらくは、この記事に書かれていないだけなのでしょうけれど、
どうやって妻に自殺する意図があったことが確認されたのだろう?

だって、借金を苦にした自殺で、病気で動けなかったわけではなさそうだから、
練炭自殺したければ、夫の手を借りなくても可能だったのでは?

自殺幇助と見せかけた殺人と、自殺幇助との見分け方って、
実は至難の業なんじゃないのかなぁ……。


それから、こういう事件が起きるたび、私はいつも同じ疑問を感じるのですが、

たとえばモンタナで合法とされたばかりの医師による自殺幇助
こういう場合の家族による自殺幇助とは、
本来、話が別なんじゃないでしょうか。

合法とされた国や米国の州で致死薬を処方する医師には
患者との間に個人的に濃厚な感情があるわけではなく、
いわば医師としての業務の一環の行為であり、

確かにモンタナの判事が言うように
手段を提供するだけだといえば言えないこともないわけですが、

家族との関係は、そう単純ではない。

しかも家族による自殺幇助の場合には、
程度と形態はそれぞれだとしても家族が直接に手を下すわけでしょう。

この事件でも、妻がいる部屋で練炭を炊いて、その部屋を密封したわけだから、
それは例えばPurdyさんをスイスまで連れて行くのとは、ぜんぜん違う。
この夫の行為は、やっぱり殺人じゃないのか……と思うし

私は、英国の公訴局長のガイドライン
「本人さえ死にたがっていて、手伝う家族・友人が善意ですることだったら殺してもいい」と
言っているような気がする。


あちこちで合法化が議論されている、いわゆる「医師による自殺幇助」と
英国のガイドラインが扱っているような家族や友人による「自殺幇助」とは
なにか別の文言を作って、きちんと区別した方がいいんじゃないでしょうか。

こんなところで私が言っても、全く何の足しにもならないですけど。
2010.01.05 / Top↑
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