以下、立命館大学の立岩真也氏のつい最近の文章。
http://www.arsvi.com/ts2000/20100038.htm
実は、たまたま、この場に居合わせて、このやりとりを聞いてしまった。
江口氏が目の前の豚の角煮を指差して、
「人間はホラ、こうして豚を食べる。では、なぜ人間は豚を殺して食べてもいいのか。
人間を動物とは違う特別な存在にする根拠は何か?」と迫り、
Singerの考えは部分的には支持できるという立場の堀田義太郎氏が
基本的にシンガーが考えていることというのは、
(動物・人間含めて)殺されるものを総体としては減らし
生きられるものを増やそうと意図したものだと補足解説をし、
立岩氏が、どこかで既に書いた答えとして
とりあえず「人間は人間から生まれるから」としておこうと回答し、
トートロジーにならない答えはあるのだろうか……などと
いろいろ、やり取りが続く中で、
じゃぁ、黒人は黒人から生まれ白人は白人から生まれるんだから
黒人と白人の違いは、人間と豚の違いと同じなのか違うのか、と江口氏が畳みかけ、
そこで有馬斉という若手の研究者氏が、
ちょっとすごい(と私は思った)ことを思いつき、
黒人と白人は性交してハーフが生まれるが、
人間と豚は性交してもハーフは生まれないから
黒人と白人の違いは、人間と豚の違いとは違うんではないか、とか
あ、でも今ならキメラ胚とかできるけど(これは堀田氏)とかなんとか
正直、なにそれワケわかんないからどーでもいいわアタシ状態だったけど、
そんなものを、よく分からないままであれなんであれ、ともかく聞いてしまった。
その場でもその後にも自分で考えるつもりは毛頭なかったのだけれど、
なぜだろう、なぜか、今日ふと、頭に浮かんでしまった。
人間は人間を食べないから……?
でも、それを言ったらサルだってサルを食べない。
イワシもイワシ同士は食べない。たぶん
ライオンもライオン同士、食べないんじゃないかな。たぶん。
それなら、ライオンから見れば、
ライオン以外の動物は人間も含めて食べ物だけど、
ライオンだけは食べ物ではないという意味で
ライオンにとっては人間なんか特別でも何でもなくてライオンだけが特別なわけだから、
人間は人間を食べないから、
人間にとっては人間が特別だ、というのでは……?
これは、ただ、江口先生が何度も豚の角煮を指差した手つきからの
単純な連想にすぎないのだけど、いったん頭に浮かんでしまったら、
そこから、あれこれ金魚のウンチ的に連想が働いて、
人間は特別で動物とは違うのか、と問う時は、
それは誰かのために誰も死ななくてもよい世界も認める前提に立って問うのと、
どうしても誰かのために誰かが殺されなければならない世界を前提に問うのとでは
話が違うんでは……?
だって、人間は特別じゃない、動物と違わないと主張することで
殺されるものを総体としてより少なく、生きられるものをより多くしようというなら、
いっそ人間も動物も誰も殺されないでいいことにすればいいだけでは……?
(これは、実はあの酒の席で、ちょろっと頭に浮かんだこと。すぐ消えたけど)
で、誰かが誰かのために殺されなければならない理由を、
「実験動物として」と「食物として」と2つ考えてみた。
(次のエントリーに続く)
http://www.arsvi.com/ts2000/20100038.htm
実は、たまたま、この場に居合わせて、このやりとりを聞いてしまった。
江口氏が目の前の豚の角煮を指差して、
「人間はホラ、こうして豚を食べる。では、なぜ人間は豚を殺して食べてもいいのか。
人間を動物とは違う特別な存在にする根拠は何か?」と迫り、
Singerの考えは部分的には支持できるという立場の堀田義太郎氏が
基本的にシンガーが考えていることというのは、
(動物・人間含めて)殺されるものを総体としては減らし
生きられるものを増やそうと意図したものだと補足解説をし、
立岩氏が、どこかで既に書いた答えとして
とりあえず「人間は人間から生まれるから」としておこうと回答し、
トートロジーにならない答えはあるのだろうか……などと
いろいろ、やり取りが続く中で、
じゃぁ、黒人は黒人から生まれ白人は白人から生まれるんだから
黒人と白人の違いは、人間と豚の違いと同じなのか違うのか、と江口氏が畳みかけ、
そこで有馬斉という若手の研究者氏が、
ちょっとすごい(と私は思った)ことを思いつき、
黒人と白人は性交してハーフが生まれるが、
人間と豚は性交してもハーフは生まれないから
黒人と白人の違いは、人間と豚の違いとは違うんではないか、とか
あ、でも今ならキメラ胚とかできるけど(これは堀田氏)とかなんとか
正直、なにそれワケわかんないからどーでもいいわアタシ状態だったけど、
そんなものを、よく分からないままであれなんであれ、ともかく聞いてしまった。
その場でもその後にも自分で考えるつもりは毛頭なかったのだけれど、
なぜだろう、なぜか、今日ふと、頭に浮かんでしまった。
人間は人間を食べないから……?
でも、それを言ったらサルだってサルを食べない。
イワシもイワシ同士は食べない。たぶん
ライオンもライオン同士、食べないんじゃないかな。たぶん。
それなら、ライオンから見れば、
ライオン以外の動物は人間も含めて食べ物だけど、
ライオンだけは食べ物ではないという意味で
ライオンにとっては人間なんか特別でも何でもなくてライオンだけが特別なわけだから、
人間は人間を食べないから、
人間にとっては人間が特別だ、というのでは……?
これは、ただ、江口先生が何度も豚の角煮を指差した手つきからの
単純な連想にすぎないのだけど、いったん頭に浮かんでしまったら、
そこから、あれこれ金魚のウンチ的に連想が働いて、
人間は特別で動物とは違うのか、と問う時は、
それは誰かのために誰も死ななくてもよい世界も認める前提に立って問うのと、
どうしても誰かのために誰かが殺されなければならない世界を前提に問うのとでは
話が違うんでは……?
だって、人間は特別じゃない、動物と違わないと主張することで
殺されるものを総体としてより少なく、生きられるものをより多くしようというなら、
いっそ人間も動物も誰も殺されないでいいことにすればいいだけでは……?
(これは、実はあの酒の席で、ちょろっと頭に浮かんだこと。すぐ消えたけど)
で、誰かが誰かのために殺されなければならない理由を、
「実験動物として」と「食物として」と2つ考えてみた。
(次のエントリーに続く)
2010.10.07 / Top↑
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