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スイスで、精神障害者にだって自殺幇助を受ける権利があるんじゃないか、
という議論が起こっている。

ことの起こりは双極性障害のある男性の自殺幇助を追いかけた
テレビのドキュメンタリー、”Tod nach Plan (Death by Plan)”。

ほとんど同時に、死に至るような病気ではなかったフランス人作家の
チューリッヒでの自殺(Dignitasでは?)を取り上げたドキュメンタリーが
スイス―フランス・テレビでも放送されたとのこと。

スイスのドキュメンタリーでとりあげられたのは
56歳の身体的には健康な男性、Andre Rieder氏。
25年間双極性障害で20回の入退院を繰り返してきた。
時には閉鎖病棟に入れられたこともあったという。

Rieder氏は一週間分の薬を仕分けし、
友人と家族に別れを告げてから
チューリッヒの目立たない建物までタクシーで赴き、
そこで自殺した。

彼の自殺を支援したのは Exit の姉妹組織、スイス―ドイツExit。

(Exit はスイス国民の自殺幇助を、Dignitasは外国人の自殺幇助を、それぞれ行っています)

Exit はスイスに16000人の会員がおり、
昨年は91人の自殺を幇助した。
精神障害者はまだ珍しいという。

Exitの代表者はRieder氏の自殺について、
また入院して悪化させたくなかったから安定している時に決心したことで
本人が自分の生を生きるに値しないと決めた以上、
病気が治る可能性を云々して規制することは誰にもできない、
本人が死ぬと決めたなら、その人には生きる義務はないのだ、と。

精神科医らからは
双極性障害や統合失調症の患者には波があり、
長く苦しい時期が続いたり自殺念慮が起こることもあるが、
比較的普通に暮らせる時期があったりもする。

不治であるとか、治療が尽くされているかどうか、
医師だとて判断できるものではないし、
精神的・社会的なハンディキャップを抱えた人の判断を
誰がするのかは大きな問題。

支援によって状況が改善することはあるが、
障害のために社会から疎外され周辺化されてしまう問題もある。

そういう人たちへの自殺幇助を解禁して水門を開けると
それは精神障害者を片づけていくことに繋がるだろう、と。

Mental illness tests assisted suicide norms
Swissinfo.ch, February 28, 2011


記事の書き方からすると、ここ数年の自殺幇助に関する規制の議論の中で、
議論されているという感じもしますが、

スイスでは、以下のような判決が08年に出ているので、

精神障害者へ自殺幇助可能に(スイス)(2008/3/22)

法的議論というよりも道徳的、倫理的な議論ということかもしれません。
実際、Rieder氏の幇助について警察が動いたという言及は一切ありません。
2011.03.01 / Top↑
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