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これまで、終末期医療に関する代理決定については
代理決定者がどのように決定や決定の支援を行うかという研究は
いくつかあるものの、

その代理決定が代理決定者におよぼす心理的な影響についての研究はなかった。

Annals of Internal Medicineに発表された研究が
2832人の代理決定者(半分以上が家族)のデータを含む刊行済み論文40本を検証し、
自己決定できない成人に代わって決定を行うことが代理決定者に及ぼす影響を調べたところ、

少なくとも3分の1にネガティブな心理的な影響があること、
その影響はしばしば大きなもので、通常、何か月、何年と続くことがわかった。

具体的には、意思決定を行う際のストレス、
実際に決めたことに対する罪悪感、
その決断は正しかったのだろうかという疑念など。

例えば本人のリヴィング・ウィルがあるなど、
本人の意思を代理決定者が承知していた場合には
事前支持なしに代理決定を行う場合に比べてストレスが少なかった。

When Many Surrogates HaveTo Make Treatment Decisions They Experience A Negative Emotional Effect
MNT, February 28, 2011


元論文のアブストラクトはこちら.。


タイトルを見て思いだしたのは、
「いのちの選択 -今、考えたい脳死・臓器移植」で
脳死臓器提供に同意した家族が語っていた、あの深い苦悩――。

そこから、
こういう研究は脳死臓器移植の家族同意やドナーになる意思決定などでも
もっとされたらいい……というのが、読み始めながら頭に浮かんだことなのだけど、

記事の最後のところまで読み、
次いでアブストラクトに行って結論を読んでみると、

こういう研究結果も、情報としての使い道は
結局、時代によって決まっていくのかなぁ……、

いや、もしかしたら、その時代の要請が使い道を見いだすからこそ、
こういう研究がこういうところでだけは、ある……ということなのかなぁ……

そしたら、やっぱり脳死臓器提供の家族同意で
こういう研究が行われるということは、考えにくいのかなぁ……と。

やっぱり「ない」研究は、
その研究が「ない」という事実そのものが見えなくされてしまうのだけれど、
実は、どの研究があって、どの研究がないか、ということから見えてくるものが
大事な真実を語っていたりもするんじゃないのかなぁ……とも。
2011.03.02 / Top↑
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