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2008年にオーストラリアで同様の事件がありましたが、↓
「ダウン症の息子が社会の重荷」とドイツ人医師に永住権を拒否

今度はカナダ政府が、子どもの障害を理由に2家族に永住権を拒否しています。


Immigrant family with disabled child to stay in Canada
Ottawa Citizen, April 20, 2011

David Barlagnesさん一家は2005年にフランスからカナダに移住。

今年7月、
8歳の娘の障害(脳性まひ)が社会保障への「過剰な負担」になるという理由で
「医学的に許容できない」としてカナダ移民局から永住権の申請を拒否され、
国外退去を言い渡されたが

その後、移民大臣Katheleen Wellの介入によって
連邦政府と地方自治体の移民担当部局の間で協議・合意が行われて
決定取り消しとなった。

永久権の拒否は
特別教育コストが年間5259ドルかかるため、
社会サービスへの「過剰な負担」となることが理由。

Barlagne氏はカナダに移住する際、パリのカナダ大使館からは
娘の障害を理由に永住できないということはないとの説明を受けたというが
大使館側は否定している。

またカナダ入国前後にRatchelさんの障害についての詳細情報の提出を求めたが
出さなかったと移民局は主張。この点も一家の主張と食い違っている。

一家は4月中旬に
人道的見地から居住を認めるように移民大臣に求めて記者会見を行い、
連邦政府、地方自治体の政治家らも支持。大臣が介入することに。

記者会見に同席したカナダ障害者会議(CCD)も
プレス・リリースを出している。

CCD Dismayed Family with a Disabled Child Ordered Deported


社会に貢献したカナダの脳性まひ者の名前を挙げて
脳性まひを理由に永住を拒否することの理不尽を問うと同時に、

カナダが2010年3月に国連障害者人権条約を批准したことに触れ、
今回の決定は明らかに条約の精神に違反している、と指摘。


Canada bars autistic teen from immigrating his father, stepmother also ruled inadmissible
The Ottawa Citizen, April 26, 2011

おそらくは上記の事件の報道を受けて、表面化したと思われる
こちらの事件はもっと不可思議。というか、露骨。

カナダのCornwall在住で、
ここ10年間Cornwallと英国を行ったり来たりして暮らしている英国人
Robert and Pauline Crowe夫妻は4年前に永住権を申請していたが、
2か月前に17歳の息子の自閉症を理由に拒否された。

といっても不可解なのは
息子のLewisはRobertさんの前の妻との間に生まれた子供で、
現在は姉とともに母親と英国に住んでおり、親権も前妻にある。
カナダに永住を希望しているのはCrowe夫妻のみだ。

Crowe夫妻が永住権の申請を行った際に、
22歳以下であることからLewisは自動的に夫妻の子どもとして
永住権申請の対象者とみなされたという。

そこでCrowe氏らには
万が一Lewesがカナダで暮らすことになった場合には
Cornwallでどういうサービスを利用することになるかの計画と、
それらのサービスを利用する費用の試算、
その額を自力で支払うことができるとの証明が求められた。

Crowe氏が試算したところ費用は年間2万ドルで、
支払いは可能だった。

それでも移民局からは
仮にLewisがカナダで暮らすことになっても彼の医療費については
カナダ政府に一切負担をかけないとの文書に署名を求められた。

去年Cornwallで仕事のオファーがあり、
永住権が取れると考えていたCrowe夫妻は家まで購入したのだが、
オファーは永住権が前提であったため、いつまでも取れずにいるうちに
取り下げられてしまった。

そして2か月前に、
Lewisの永住権は「医学的に許可できない」、
夫妻の永住権も認められないとの通知が届いた。

また、今後、
Lewisの姉と母親は自由にカナダのCrowe夫妻を訪問することができるが、
Lewisの入国には許可が必要となる。

Crowe氏はカナダ政府の決定が
「障害のみを理由に自閉症者の人権と自由を侵害している」と憤慨。

10年前にカナダ在住の姉を訪ねて初めて訪れて以来
カナダに魅せられ自分の国と考えてきたのに失望したといい、
家を売って英国に変えることを考えている。

こちらの件についても、CCDが
国連障害者人権条約違反だとコメントしている。
2011.05.03 / Top↑
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