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(前のエントリーの続編のようなものです)

3日のGuardianに、
コスト効率の面から現在のサーバリクスからガーダシルに変更すべきだと説く
BMJ論文が紹介されている ↓

Experts urge cervical cancer vaccine switch
Guardian, August 3, 2011

この記事については、まだちゃんと読んでいないので
また読んでからエントリー立てますが、

最初のあたりのざっと見で、メルクの名前が消え、
Sanofi Psteur MSDがガーダシルの製造元となっているのが目を引いた。

……と、英国での議論かと思いきや、
なんと、日本でもガーダシルが7月の上旬に認可されていました。

(ゲイツ財団から日本にも人が送り込まれてくると、さすがに動きが速くなる?)

で、7月8日に早速、
ワクチン公費助成事業の対象にガーダシルを含めることをめぐる議論が
以下の部会で行われていました。

2011年7月8日 第17回厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会


読んでみると、ものすごいことがいっぱい指摘されていて、
わぁ、日本のお医者さんたちって、すっげぇ信頼できるんだぁ、
もう流れが決まっていると分かっていても言うべきことはちゃんと言ってくれる人が
日本にはこんなにいるだぁぁ……と、私は胸が熱くなった。

でも、こうした人たちからの指摘のことごとくが
どう考えても結論ありきの場であることがあまりにも露骨な、
微塵も揺るがない壁のような対応で跳ね返されていく。

以下、私が「うっへぇぇぇぇ」と思った個所を抜いてみると、
(文字数の関係で、2つのエントリーにまたがって抜きます)

○飯沼委員 ちょっとサイエンティフィックなことをお聞きしますが、6頁と19頁をご覧いただきますと、6頁は4つの型の蛋白量が出ていまして、16型が 40マイクロで、18型が20マイクロですよね。19頁を見るとサーバリックスは、それぞれで20マイクロずつになっています。ということは、片方は倍 入っているということですよね。効果としては、比べたブロムが何かありますか。両方がイーブンで、有効だということはわかりますが、たぶん違う蛋白量を 打っているわけで、結果として副作用も含めていいですが、有効性の問題ということで、2つのワクチンに差があるのかどうかの説明をしていただきたいと思い ます。
○加藤部会長 どなたか、お答えになれますか。欧米その他で幅広く使われているワクチンですから、差があるということはあり得ないと思います。蛋白量の違いがありますので、効果に差があるかどうかというご質問だと思います。どうぞ。
○血液対策企画官 医薬食品局のほうからお答えします。この2製品とも薬事法上の承認を受けていまして、有効性、安全性を確認した上で承認しています。先 生のご指摘も、量によって差はあるのかというところですが、いまそちらのデータは持っていませんが、一定の効果はそれぞれ有していると理解しています。
○飯沼委員 蛋白量を倍入れて効果が同じというのは解せないのですが、予防接種というのは少ない蛋白で高い効果を得るという基本的な考え方が大事だと思いますので、40と20の倍の違いで結果が同じというのは、どうしてもよくわかりません。
○加藤部会長 飯沼委員、この部会での議論とちょっとずれています。これは既に承認されていますので、そういうことは議論された上で承認されたとお伺いいただかないとこの議論は進まないと思いますので、議論を変えてください。ほかにご意見をどうぞ。



(私が英米の親たちのHPVワクチンへの不信についてのニュースを読んだ時には
ガーダシルの方が死亡例を含めた副作用件数が多かったような記憶があるんだけど?

ついでに言えば、インターネットの英語圏では
副作用の多さとか売り込みの余りの強引さで信頼をなくして欧米で売り損ねたガーダシルが
途上国マーケットに振り向けられている……という話が流れていたりもする)

○倉田委員 前にも確か発言したと思いますが、日本の子宮頸がんの遺伝子型は随分違いますよね。そこで有効だという書き方が随分ありますが、有効というのは 子宮頸がんにならないという意味で初めて有効と言えるので、これは書きすぎではないか。というのはメーカーの人が入ったシンポジウムのときに、初めて集団 でやってみてからまだ7年だというのです。イギリスが12歳で始めて、まだ19歳なわけです。そうすると、子宮頸がんが大量に発生する世代ではないので す。それから10年、20年が経ったときに出るか、出ないか。それをいま「有効である」という書き方をすることは、私はちょっと。「期待できる」ぐらいの はまだいいとして、ウイルスの感染症で抗体があれば有効かというのは。随分違った感染症がたくさんありますから、そこのところはそれでいいかどうかという のが1つ。日本のものについて、一言ぐらい、日本でドミナントのタイプのものに関して開発を推進すべきであるというようなことが、一言ぐらいあってもいい のではないか。みなさん無邪気に万歳しているようだけれども、これはあと20~30年ぐらいしないと、有効かどうかは全くわからないですよ。メーカーの人 も、何十年経って有効だということは、どなたも全く保証していませんよ。そこのところの書き方を気をつけたほうがいいと思います。
○加藤部会長 ありがとうございます。それはサーバリックスでも結局同じということですよね。
○倉田委員 全部同じです。

○岩本委員 今回の子宮頸がん等の接種緊急促進事業ということでわかりますが、片方は4つにパピローマウイルスを含んでいて、2つは良性腫瘍ですよね。それ が市場で両方出回ったときに、尖圭コンジローマになった患者が将来、「私はワクチンを打った」という証明はたぶん残らないですよね。その辺の混乱というの を予め考えておかなくてよろしいのですか。考えておかなくてというか、この部会で議論することではないかもしれませんが。
○加藤部会長 この部会で議論することではありません。ほかにどうぞ。



(効果が確かでないだけでなく、ワクチンが原因で将来的に病変が起きたとしても、
それがHPVワクチンを打ったためだとの因果関係を証明する手段はない、ということ? 
そして、そんな重大な事実が指摘されているというのに、
「この部会で議論することではありません」で終わり……ということ?)


(次のエントリーに続く)
2011.08.06 / Top↑
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