○池田委員 この2つのワクチンは2価と4価で、基本的に受ける側の方にとってもわかりやすい違いがあるわけです。これをどこまで同一の目的のものだと説 明するかは注意しないといけないと思っています。例えばイギリスのJCVAという評価機関では、この2つのワクチンは違うものであって、どちらを国として 推奨するかに関しては、もしも価格が同じであれば4価のほうを推奨するという書き方、これは費用対効果の点から当然ですが、そういうことが明確に書かれて います。この部会あるいは小委員会でまとめた報告の中では、まだ4価のワクチンについては十分な検討なりデータが含まれていませんで、費用対効果の分析も 2価のワクチンのみ結果が示されています。先ほど市町村でどちらをと決めていくという話がありましたが、この両ワクチンの違いに関する臨床的、経済的、両 方のエビデンスが示されない限り、市町村としても選びようがないのではないかと思いましたので、その分についてはさらに小委員会等で議論あるいは検討をし ていく、データを提供していくことが必要ではないかと考えています。以上です。
○加藤部会長 ありがとうございました。北澤委員どうぞ。
(この直前の倉田委員の指摘にあったように、
子宮頸がんそのものの予防効果については不透明だとすると、
どのようにして「費用対効果」が弾き出されるんだろう……?)
○北澤委員 先ほどの倉田先生のご意見、コメントに私も同感で、実際に今日見せていただいた実施要綱にも、「ヒトパピローマウイルスワクチン」と書いて、 「以下、子宮頸がん予防ワクチン」と書かれています。一般の人がパッと見たときに、子宮頸がんがこれで予防できるのだと思いますが、それは期待されている とはいえ、まだ実証はされていないので、そのあたりの言葉の使い方についてどうかなと個人的には考えています。ヒブワクチンは微生物の名前+ワクチンとい う名前なので、HPVワクチンとかヒトパピローマウイルスワクチンで良いのではないかと思います。
○加藤部会長 ご意見ありがとうございます。岡部委員どうぞ。
○岡部委員 2価、4価の区別ではないですが、分科会およびワーキンググループのほうではHPVワクチンのときにアナウンスとして注意すべき点として、こ のワクチンはがん予防に100%の効果があるものではないということと、臨床的な効果、倉田先生のおっしゃった子宮頸がんそのものの効果については接種か らの年数から見てデータとして不十分であるということを明記してあるので、Q&Aを作成されるときに、そういったようなことをおそらく考慮される と思いますがよろしくお願いしたい。加えて子宮頸がんに対する検診の重要性についても改めて強調していただきたいと思います。
○加藤部会長 ありがとうございます。ほかにご意見はありますか。
加藤部会長 貴重なご意見をありがとうございました。ほかにご意見はありますか。よろしいですか。効果等のご意見はいろいろありましたが、事務局において はガーダシルを作っているMSD社に対して、さらなる供給量の確保を要請することが1点。それとともに、円滑な事業の実施のために、国としても十分に策を 講じることが必要ですので、それを前提としてガーダシルを子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の対象疾病に追加することとして、この部会として了承して いただきたいと考えています。これについて大体議論が出たと思いますので、ご了承いただきたいと思いますがよろしいですか。ご意見はありますか。
○保坂委員 いまの皆さんの言ったことが確保されるという確認がないと、と思います。
○加藤部会長 その確認ができるかどうかということは、いま私が話した中に入っていますが、事務局としてはお答えになれますか。
○大臣官房審議官 今いろいろご意見をいただいて、実行が着実に行われないと駄目ですよと。現場が混乱することのないようにということだと思いますので、その点については私どもも十分に注意した上で、実施をしたいと思います。
○加藤部会長 よろしいですか。なかなか不信感があるとは思いますが、この辺のところは国として十分策を講じることが前提にという前提が入っていますの で、それを前提として、このガーダシルを子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の対象疾病に追加することについてご異議がないというふうに部会長としては 認めますので、そのようにさせていただきたいと考えますが。
○宮崎委員 細かいですが、「対象疾病」ではなくて「対象ワクチン」ですか。まとめの文章の最後に緊急事業の対象疾病に追加すると言われましたが、疾病は子宮頸がんということで変わらないと思います。
○加藤部会長 事業というのは、子宮頸がん予防ワクチンです。
○宮崎委員 ですね。ですから、対象疾病に加えるという言い方を今されたのですが。
○加藤部会長 対象ワクチンです。よろしいですか。そのように訂正します。ありがとうございました。
続きまして、議題(3)に移ります。前回の部会で議論いただいた不活化ポリオワクチンの円滑な導入に向けました対応についてです。事務局よりご説明願います。
部会長から出てくるのは
ブッシュ政権がいつかFDAとつるんで薬害訴訟つぶしを図った時の
「FDAが認可した以上、安全性はそこで確立されている」というpre-emption論で、
厚労省が認可した以上は、
あなたが指摘している安全性を含めた効果への疑問はすでに解消されていると受け止めよ、
あなたが指摘している現場での混乱(”実害”も含め)の可能性も、
公費助成事業である以上、問題なく対応されるのが前提であると受け止めよ、
はたまた欧米で広く使われている以上、問題はないと認識せよ。
で、そういう論理が使えない指摘に対しては
「ここで議論することではない」とつっぱねる。
または「ありがとうございました」で丸無視する。
これって、科学的な検証の必要そのものを否定する姿勢だし
その筋の専門家が集まって議論する意味が全くないのでは?
こんな、どうみても最初から結論ありきの議論で
ガーダシルを公費助成の対象に含めることを強引に決めておいて、
「子宮頸がん制圧を目指す専門家会議」の新聞広告のように
「国が推奨するんだから効果も安全性も保障されている」という姿勢で
国民に向けてHPVワクチン、もとい「子宮頸がんワクチン」が推奨されていくというのは、
やっぱり、おかしくないですか?