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先月、連邦地方裁判所が

数十年前に州立の精神病院に変わるものとして次々に出来た民営のアダルト・ホームに
NY市内の精神障害者約4300人が入れられていることについて、

実質的に入所施設であり、州による差別、米国障害者法に違反している、と判決。
10月半ばまでに改善計画を提出するよう、州に命じた。



この判決を受け、精神障害者の家族・親族らは
施設然とした環境から家族が開放されることを歓迎する一方で、

はたして彼らに独立して生活することが出来るのか、
以前、試みた自立生活で命に関わるような行動があったり、
薬を飲むことができなかったりしたエピソードを振り返っては
ただホームから地域に出されるのでは困ると、懸念も募っている。

精神障害者のアドボケイトらは
ホームから出せばいいということではなく、
supported housing 支援つき住居をいかに実現させていくかという問題、と。



詳しいことを知っているわけではないけど、
70年代くらいに精神病院から地域へというノーマライゼーションで
米国で州立の精神病院が相次いで閉鎖されたことは、

日本でも、例えば障害者自立支援法で
「精神障害者を病院から地域へ」という理念を打ち出す際などに
よく「欧米では」と引き合いに出されるのだけれど、

これ、ふたを開けてみたら、
実際は精神病院から出して民間の小規模施設に閉じ込めていただけだったという話?

地域に受け皿やサービスを先に作ることをしないで、
病院から追い出すことを先行させれば、
それは日本でも同じことが繰り返されるだけのような……。

自立支援法では、精神病院の敷地内にそれらしい施設さえ作って、
患者を敷地内で移動させればそれでいい、という話もあったみたいだし。

高齢者では、支援つき住居の整備が
ここ数年、急ピッチで進められている印象があるのだけど、
障害者の場合も、支援つき住居で支援を受けながら自立して暮らすということが
もっと、いろいろ検討されてもいいんじゃないのかなぁ……。
2009.10.15 / Top↑
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