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英国で終末期医療のクリニカル・パスとして作られ日本でも翻訳されている
Liverpool Care Pathway(LCP)が機械的に適用されて
ただ手間をかけずに患者を死なせていくためのプロトコルと成り下がっていると
現場医師らからメディアへの告発があったことを、
つい先日、こちらのエントリーで紹介したばかりですが、



このような現場の思考停止状態の犠牲者がついに出ました。

Jack Jonesさん76歳。
癌が再発しているので、もう打てる手はないと医師に告げられ、ホスピスに入った。

ところが、家族によると、
食べ物と水分を与えられず、出てきたのは鎮痛剤だけだった。

Jonesさんは2週間後の1月14日に死亡。
死後になって、実は癌の再発ではなく、肺炎だったことが判明した。
適切な治療を受けていれば命を落とすことはなかったのだ。

未亡人は夫の受けた治療を「野蛮」、医師による殺人だと批判。
訴訟を起こし、病院は未亡人と和解し18000ポンドの慰謝料を支払った。

が、病院側弁護士はライアビリティを否定。
ただ裁判に持ち込むと多額のお金がかかるので、和解しただけだ、と。

病院側はJonesさんにLCPが適応されていたわけではないとしているものの、
LCPを採用している病院であることから
患者一人ひとりを丁寧にケアする姿勢が失われて、
患者を機械的に分類し、その分類が一人歩きしているのではないかと
LCPの適用姿勢への疑問が大きくなっている。



これは、自殺幇助議論がかまびすしい英国からのニュースなので
一応「尊厳死」の書庫に入れることにしましたが、

実際には「終末期医療」とか「尊厳死」の問題というよりも英国版「無益な治療」という感じ。

……というよりも、
「尊厳死」の問題が、ものすごい速度で「無益な治療」概念に近づいていっている。
もう、ほとんど重なりかけている、という気がする。
2009.10.14 / Top↑
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