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英国DPPの最終ガイドラインの発表を受け、
Guardian紙のデータ・ブログに、
Dignitasで自殺した人、また登録会員の国別一覧が。

情報源はDignitas。

去年9月の暫定ガイドラインの発表時にも
BBCからグラフが出てきたことがありましたが、
今回はさらに詳細です。

ダントツはやっぱりドイツで563人。

それから英国の134人。
次いで自国スイスの112人。
次がフランスで93人。

その後、ぐっと減って、

オーストリア22人、
イタリア15人、
イスラエルとスペインとアメリカがそれぞれ13人。
スウェーデンが11人。
カナダとオーストラリアが9人。

ちょっと興味深いところでは
自殺幇助が合法化されているオランダ8人、ベルギー 2人。
これはDignitasがターミナルでない人も受け入れているからでしょう。

スイス自国民では、ここ数年、減少傾向が見られることも興味深い現象ではあります。

傾向としては、やっぱり欧米を中心に、南米にもパラパラという感じ。

アジアは少なくて、
2004年に香港、2006年にタイから、それぞれ1人ずつのみ。

日本人は自殺者、登録者ともに今のところゼロです。

2010.03.01 / Top↑
まず、2月25日に公表されたDPPの最終ガイドラインの現物はこちら

(私はまだ読めていません。なるべく数日中には読みたいと思っていますが)


【最終ガイドライン公表に関する報道】




UK publishes new rules for assisted suicide
The Associated Press(WP), February 25, 2010




【ガイドラインに対する反応】

Killing, with kindness / Saimo Chahal
Legal News, February 26, 2010/03/01

Debbie Purdyさんの弁護士がガイドラインを歓迎する、と。


Dignitasに妻を連れていったという男性が、
ガイドラインは自殺幇助合法化の議論そのものを回避している、と批判。
(上記、G紙の記事でDPPは合法化そのものは議会の仕事だとの見解を示しています)


癌患者でGPでもあり、合法化支持の発言を続けているAnn McPhersonさんが、
専門職の関与を明確に認めていない点でガイドラインは不十分だ、と。

Terry Pratchett welcomes assisted suicide guidelines
Lovereading.co.uk, February 26, 2010/03/01



英国MS協会はガイダンスの明確化は歓迎しつつも、
MS患者の終末期ケアと支援を確保する責任が、社会ではなく個人に負わされたままだ」と懸念。

MDU concerned about assisted suicide prosecution for GPs
healthcarerepublic.com, March 1, 2010

Medical Defense Union(医師のための最大の保険業者)から
医師は自殺幇助希望の患者の病状の証明を求められる立場にいるにもかかわらず、
医師、看護師その他医療職に対して起訴となるファクターがこの度追加されたことに
懸念を表明。患者から相談や要望を受けた会員には、とりあえずMDUに相談するように、と。

Law on assisted suicide is a worry
The Daily Mirror, February 28, 2010

これまでの議論でも既に高齢者にはプレッシャーがかかっており、
「家族の負担になりたくない」という高齢患者が増えてきている、という医師の証言。


お馴染み、カナダの安楽死防止連合(EPC)からの批判。

Clair Lewis: Disabled people need assistance to live, not die
The Independent, February 26, 2010/03/01

米国の障害者運動アクティビストからの批判。


上記記事を紹介するNDY
2010.03.01 / Top↑


これは「面白いもの」なのだか「ヘンなもの」なのだか単なる「文化の違い」なのだか、
私自身、ちょっと困惑気味なのですが、

好きなものをプリントしてオリジナルなTシャツを作ろうというコンセプトの
ネット販売サイト Cafe Pressに、

「Ashley療法は児童虐待」
「すべての子供に成長する権利がある」
「障害のある子供たちを守れ。Ashley療法に反対を」
「障害のある子供たちに成長抑制実験をやめよ」
などのサンプルが登場。

よだれかけにプリントした場合、
色は白、ピンク、ブルーから選べて10ドル。

他に、もちろん Tシャツ、バッジ、バッグ、カップ、犬用の衣服など
いろいろなものにプリント可。



最初に目にしたのがTシャツだったら、また違っていたのかなぁ。

最初に見たのが、よだれかけだったから余計そうなのかもしれないけど……
なんとなく、ざらっとした違和感がある。

こういうものが出てくることによって
ああ、もう、ここまで一般化しちゃったのかぁ……と思い知らされたショックもあるけど、

もっと、それとも違う何かが引っかかっている。
ただ、それが何なのか、どういう違和感なのか、うまく掴みきれない。
2010.03.01 / Top↑
【自殺幇助関連】

MA州の自殺幇助合法化法案の審議で、合法化を求め続けて亡くなった癌患者 Al Lipkinさんの妻が夫の思いを語った。
http://www.milforddailynews.com/news/state/x1487809065/Emotional-testimony-at-State-House-hearing-on-right-to-die-bill

NYで、保険金目当てで自殺したいと望む男性 Jeffrey Lockerさんに1000ドル上げるから手伝ってほしいといわれて、刺したKenneth Minorの裁判で、検察は自殺幇助の可能性を視野に入れつつ、殺人での立件も諦めていない、と。
http://www.mercurynews.com/breaking-news/ci_14463769?nclick_check=1


【その他】

今日は英国保健省が決めた Dignity in Care Action Day.「介護に尊厳を」アクション・デイ。今年から。尊厳大使も。でも、たまたまとはいえ、DPPのガイドラインが出される日と重なって、HPを覗いてみても、なんか空しい。
http://www.dhcarenetworks.org.uk/dignityincare/DAD/

子宮の組織というのは冷凍しておけば、解凍・移植によって機能するんだそうだ。その方法で、癌治療のために子宮の機能不全になった女性が移植を受けて、その後子どもを2人産んだ。2人目を産んだのは世界で初めて。最初の子は体外受精で、2人目は自然妊娠で。デンマーク。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8534227.stm

前からちらちら出てきているけど、生殖補助医療で生まれた子どもたちでは、出生後に遺伝子の異常から健康問題が生じる確率が高い。
http://www.medicalnewstoday.com/articles

「カリフォルニアの死のスパイラル」というタイトルの、クルーグマン先生の「なぜ米国の保険会社は急に保険料を釣り上げているのか」解説。http://www.nytimes.com/2010/02/19/opinion/19krugman.html?ex=1282626000&en=6e3cc02dd1c06e23&ei=5087&WT.mc_id=NYT-E-I-NYT-E-AT-0224-L20

フォークランドの石油の採掘を巡って、英国とアルジェンチンの間でまたも紛争が起こっているらしい。
http://link.timesonline.co.uk/r/72NZA87/UYT/B1OOA/1JO/7LUO/D5/h

患者によって乳がんの治療に反応しないのは、遺伝子エラーによるもので、それは対応可能だと科学者。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8530305.stm

メラミン入りの日用品に接している中国の子たちの大半が回復するものの、約12%に腎臓障害が残っている。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/180059.php
2010.02.25 / Top↑
Mid Staffordshire のNHSトラストのStafford Hospitalで、
管理運営側が政府の設置した目標やコスト削減を重視するあまり、
安全なケアを提供することをやめ、
「想像を絶する」苦しみを患者に与えた、
それらの劣悪なケアが患者の死を招いた、と
同病院のスキャンダルを調査したケアの質コミッションと保健省の報告書。

報告書によると、Stafford病院では、職員不足から
患者が何週間も身体を洗ってもらえていなかったり、
食べ物も飲み物も与えられなかったり、
トイレに行くことすらできなかったという。

中には汚物にまみれたシーツで寝かされている患者もいて、
家族が家に持ち帰って洗ってきたとか、

感染症を起こしたり、転倒したり、その転倒が死に至ったケースも。

多くのスタッフは最善を尽くしてはいたが、
看護師の中には勤務態度に問題がある人もいた。

これまでの同病院での死者数から考えると、
去年1年間にStafford病院で亡くなった患者数は400から1200人も増えている。

現在、複数の医師と少なくとも看護師1人に事情聴取が行われている。

経営陣が刷新され、
報告書でも18の勧告が行われて、
新しい経営体制で病院は出なおすことに。

しかし、報告書で同時に問題視されているのは、
ある病院で問題のなる運営を行った幹部が、
辞職に追いやられても、そのまま別のトラストに職を得てしまう
英国医療制度の構造上的な問題。

しかも、彼らは、そのたびに巨額の報酬や退職金を得ている。

(前からNHSは官僚主義的になりすぎているという批判を聞くのですが、
こういう「わたり」みたいなところも含めてのことなのでしょうか)

NHSの病院を監督し、
早期に問題を発見して警告を発する仕組みの必要も指摘された。

この病院で母親が悲惨な死に方をしたという女性が
Cure the NHSという運動団体を立ち上げている。

その名も、「NHSの病気を治そう」――。



病院での通常の医療がこういう状態で、
終末期医療では機会的に重鎮静にされて脱水死に持っていかれるのだとしたら、

そりゃぁ、病院に行かなければならない事態になる前に
死んだ方がマシだと考えるのも無理はないのかもしれないけど、

でも、だから、みんなで自分の好きな時に
好きな方法で死にましょう、という話になるというのも……。
2010.02.25 / Top↑