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メイヨー・クリニック他の研究により、
ガーナの新生児でロタ・ウイルス・ワクチンに60%の効果があることが分かった、
というニュースが出てきているのだけれど、

現在、ロタ・ウィルス・ワクチンの接種は生後2カ月からとされていて、
先進国では2度の摂取が有効とされているが、それでは
生後2カ月未満の新生児への保護になっていないとの懸念も出ている。

そこで今回のガーナの研究では
最も貧しい2つの地域で998人の新生児を
ランダム二重盲検プラシーボ対象試験の対象として選び、
初回を生後29日で経口接種、2回目を生後60日で接種。

その結果、効果と安全性と免疫獲得が明らかになった、と。

Newborn Vaccination For Rotavirus In Africa Is Effective
MNT, June 20, 2013


このニュースで思い出したのは、
こちらのエントリーで紹介した
“The Body Hunters: Testing New Drugs on the World’s Poorest Patients”という本の内容。

簡単に言えば、この本が指摘しているのは以下。

欧米先進国で製薬会社に対する不信が高まり、
募っても治験に参加してくれる人がいなくなった。
それでも新薬への期待もマーケットも大きい。
そこでビッグ・ファーマがこぞって貧しい途上国に治験の場を移し、
医療アクセスの不備と貧困とで治療を受けられない病人の弱みに付け込んで、
世界で最も貧しい人たちをモルモット代わりに使っている。
先進国でならあり得ないような非人道的なやり方で。


「途上国にワクチンを」とは
まさか「途上国にワクチンを届けて、
先進国ではできない治験を」の意図だった……なんてことは――??

「ナイロビの蜂」という映画もあったし、
当ブログが拾った、こんなニュースもある ↓

ファイザー製薬ナイジェリアの子どもに違法な治験、11人が死亡(2009/2/1)

また、こういうことにもつながる問題でもありそうで ↓
MGH、重症脳尊重患者への同意なき臨床実験に参加か(2013/6/18)
2013.06.24 / Top↑
労働問題を中心に、若者の「働くこと」に関する様々な問題に取り組むNPO、
POSSEの代表、今野晴貴氏へのインタビュー記事が
今月号の『介護保険情報』にあり、今の日本社会の問題を鋭く指摘していると思った。

特に印象に残った個所を以下に。

……介護現場で働く方からの相談の特徴は、自分の労働問題ではなく、「事業所に問題がある」という相談が多いことです。
 どういうことかというと、介護や医療の現場で事故隠しや虐待があり、そうした問題に対する相談があるわけです。もちろん、その背景として、そもそも労働条件が悪く、それを我慢して働いてきた。しかし、彼らが一番許せないポイントは、利用者をないがしろにすることなのです。

 看護師や医療事務職からの相談は多いです。労働法を無視している経営者もいる。医療の現場では、医師をトップとする権威主義が根強く、法律を無視したパワーハラスメントが多いのではないでしょうか。
 また医療の現場でも介護と同様に、看護師などから「きちんと仕事を教えてほしい」という訴えがあります。

 今の日本は、企業丸抱えのOJTを放棄し、国も職能技術の担保をしない。どちらも人材育成を放棄したまま、ブラック企業の問題が社会問題化しつつあるにもかかわらず、解雇規制を緩和すべきといった提案がされるような状況です。
 ですから、国が雇用保障とセットで人を育てていく方向を打ち出し、推進していくべきだと思います。雇用の仕組みをしっかり作っていかないと、デフレ脱却もできないでしょう。

……たとえば非正規雇用で十分な技術を持たない人が専門的なサービスを提供しようとすれば、サービスそのものが劣化します。

 そもそも、雇用保障の在り方は、人材育成の在り方とセットになっています。日本の長期雇用制度は、企業内の職業訓練と親和的でした。したがって公共職業訓練制度や失業給付もなしに、ただ解雇規制だけを緩和すれば、余計に現場は混乱し、サービスの質が低下します。また、「解雇するぞ」という圧力のもとで、サービス残業が蔓延し、ブラック企業が激増していくことでしょう。
2013.06.24 / Top↑
マサチューセッツ総合病院(MGH)の研究チームが
救急搬送されてくる重症の頭部外傷患者に対する同意なき臨床実験に
参加を検討していることを巡って論争になっている。

頭部外傷で脳損傷のある患者は受傷後数時間以内に
脳浮腫や蘇生の変化などの二次的損傷(secondary cascade)が起こるが、
そこで受傷後数時間以内にホルモン剤、プロジェステロンを投与することによって
それを防ぐことができるのではないかと期待されている。
(ただし、そのメカニズムも効果もいまだに明らかにされているわけではない)

一方、救急搬送されてくるそうした患者は意識がなく、
家族など代理決定権者を探すのには少なくとも4時間半もかかると言われており、
早期にプロジェステロンの投与を可能とするためには、
同意なき臨床実験にそうした患者を参加させる以外にないし、

それによって重症脳損傷の治療方法に繋がる可能性があるなら、
特に治療の選択肢が臨床研究によって次々に否定されている領域としては
正当化できる、というのが研究者らの主張。

一般には、臨床実験への参加は
患者または代理決定権者がリスクを十分に説明され、
参加を拒否する機会を保障された上で同意することが必要とされているが、

1996年の法でFDAは
緊急のケースでは例外を認めた。

しかしボストン大学の倫理学者、ジョージ・アナスは強硬に反対。

なぜ同意を取り付けられる患者の研究ではいけないのか、と問い、
「救急部へ来る患者は、そこで研究に参加させられるなんて夢にも思っていないし、
事故にあったからというだけで研究に同意したことにはならない」

また、効果がある可能性があるというだけでは
患者が研究に参加するかどうかを決める権利を否定する根拠として十分ではない、と主張し、
「やはり同意と同程度の強力な根拠が必要である」と。

現在すでに40の病院が参加し、
760人以上の患者で実施。

MGHが参加すれば、
資金が切れる2014年までに目標の1140人を達成できると研究者らは逸る。

Hospitals want to test drug with no consent
The Boston Globe, June 8, 2013


米国では2004年に
人造血液を外傷患者にICなしに実験して
少なくとも47人の死者を出していて、

この人造血液が問題になった2008年の報道で既に
外傷患者ではICなしに治験が行われている、と書かれている ↓

人造血液リスク知りながら臨床実験認めていたFDA(2008/4/29)


また、2009年にやはりICなしで外傷患者に臨床実験で
通常よりも高濃度の生理的食塩水などを与えて、死者が出ている ↓

ICなしの外傷患者臨床実験、死亡者像で中止に(2009/3/30)


これらの件について
上記の記事が一切触れていないのは不気味。

この路線でいくと、
いずれは植物状態や脳死の人たちの実験利用へ向かうのでは?

実際、2006年にドレイパーという英国の生命倫理学者が
意識がある時の同意があれば植物状態の人を実験に利用しても問題はない、と主張している。

「植物状態や、それほどでないにせよ意に染まない状態で生きながらえるよりは、
臨床試験に参加して他者のためになる方が明らかによい生き方だ」といって ↓
http://www.arsvi.com/2000/0705km.htm

そして、これは現在すでに
「無益な治療」停止から臓器提供へと誘導する際に使われている論理――。



【19日追記】
こんなのも思いだしたので、追記 ↓

Norman Fostが「子どもの臨床実験リスクには報酬で」(2007/11/28)
Norman Fostが「ヒト対象実験の無意味な規制と手続きやめろ」(2009/8/12)
2013.06.24 / Top↑
レベッカ事件とは、

双極性障害で抗精神病薬を処方される2―5歳児が倍増(2010/1/16)
2歳で双極性障害診断され3周対もの薬を処方されたRebeccaちゃん死亡事件・続報(2010/2/22)


米国マサチューセッツ州(かのBiederman医師のおひざ元)で起きたこの事件で

2歳のレベッカちゃんに多動があるとして薬を処方し始めて、
3歳の時に双極性障害を診断し、3種類もの強力な向精神薬を適用外処方したのが
日本人の木藤香代子医師。

レベッカちゃんの死後、一時は医師ライセンスを停止されたのだけれど、
裁判では無罪となった。

その木藤医師が、日本に帰ってきて診療していることを
いつもお世話になっているkebichan55さんの以下のブログ・エントリーで知った。

子どもを狙え! 精神医療産業の戦略
ブログ「精神科医の犯罪を問う」 2013/5/29


米国の「ファーマゲドン」で起こってきた恐ろしいことの数々は
日本では全くと言っていいほど報道されることはない。

その一方で、アベノミクスは
最先端医療だ、創薬だ、農業改革だと
グローバル強欲ひとでなしネオリベ金融慈善資本主義に
政治の魂を――国民の生命を守る義務と一緒に――売り渡したと見える……。



【いわゆる“Biedermanスキャンダル”関連エントリー】
著名小児精神科医にスキャンダル(2008/6/8)
著名精神科医ら製薬会社からのコンサル料を過少報告(2008/10/6)
Biederman医師にさらなる製薬会社との癒着スキャンダル(2008/11/25)
Biederman医師、製薬業界資金の研究から身を引くことに(2009/1/1)

【その他、08年のGrassley議員の調査関連】
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書(米国)(2008/11/17)
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書 Part2(2008/11/23)
今度はラジオの人気ドクターにスキャンダル(2008/11/23)

最近のものでは例えば、↓
「製薬会社に踊らされて子どもの問題行動に薬飲ませ過ぎ」と英国の教育心理学者(2011/1/18)
ジェネリックを売らせないビッグ・ファーマの「あの手この手」が医療費に上乗せられていく(2011/11/15)

“オピオイド鎮痛剤問題”の裏側(米)(2012/10/20)
ファーマゲドン: オピオイド鎮痛剤問題のさらなる裏側(2013/1/4)

製薬会社資金に信頼性を失っていく治験データ……Avandiaスキャンダル(2012/11/30)


あと、この問題を一貫して調査し報道しているProPublicaのシリーズの一つがこちら。↓
(ここにも鎮痛剤関連のスキャンダルが出てきています)
ProPublicaが暴く「ビッグ・ファーマのプロモ医師軍団の実態」(2010/11/2)


ついでに追加で、

【骨減少症関連エントリー】
骨減少症も“作られた”病気?……WHOにも製薬会社との癒着?(2009/9/9)
更年期は、ビッグ・ファーマの提供でお送りしました……(2009/12/14)
ビッグ・ファーマが当てこむ8つの“でっちあげ病”(2010/4/17)

【米不整脈学会、高血圧学会を巡るスキャンダル関連エントリー】これもGrassley議員の調査で明らかに
学会が関連企業相手にショーバイする米国の医療界(2011/5/11)
1つの病院で141人に無用な心臓ステント、500人に入れた医師も(2011/5/15)
2013.06.07 / Top↑
30日に、気になるニュースに遭遇。

米西部の農場で無認可の遺伝子組み換え小麦
読売新聞 5月30日


これ、目立たないニュースですが、
実はものすごく深刻な事態を知らせていると思う。

ただ、今しばし英語で詳細を調べてみる余裕がないし、
日本の新聞記事はすぐに消えるので、とりあえず以下にコピペしておく。

 【ワシントン=中島達雄】米農務省は29日、米西部オレゴン州の農場から、無認可の遺伝子組み換え小麦が見つかったと発表した。

 この品種は米モンサント社が1998年から2005年にかけ、同州など16州で試験栽培していた。米食品医薬品局(FDA)が04年に安全性を確認しており、食べても問題はないが、同省はこの小麦がどこから来たのかを調べる。

 モンサント社は「農務省の調査に全面的に協力する」との声明を出した。同社はこの品種には商業的な魅力がないとみて、試験栽培だけで開発を中止。栽培や販売は認可されていない。

 オレゴン州の農家が農薬を散布した農場に小麦が生えているのを見つけ、4月末に地元のオレゴン州立大に検査を依頼、遺伝子組み換え小麦と判明した。農務省も独自の調査で、モンサント社の遺伝子組み換え品種と確認した。


田中宇が今日、この問題について
遺伝子組み換えの政治懸念という文章を出している。

田中氏の文章の趣旨からすれば前提説明のところに過ぎないけど、
以下のように書かれている。

遺伝子組み替え品は、食品としての安全性が確立していない。事実上、全人類を対象に人体実験の最中といえる。モンサントや、その息のかかった「専門家」や 政府筋の人々は「安全だ」と言うが、その宣言は、モンサントのロビー活動の結果であるという疑いをぬぐえない(除草剤抵抗小麦は、枯れないというだけで、 除草剤をたっぷりかけられている。殺虫剤をかけても死なないゴキブリを粉にして焼いたクッキーを食べるイメージだ)。最近、欧米をはじめとする世界の52 カ国436都市で、モンサントの遺伝子組み替え種子の使用に反対する市民団体のデモや集会が開かれている。特に欧州人が強く反対している。
(ゴチックはspitzibara)


当ブログでモンサントについて情報を集めてあるのは、こちらのエントリーで、
上の文章のゴチック部分がまさに「同じ構図」と思えるところ ↓

「アグリビジネス」の後ろにはワクチン推進と同じ構図が見える(2011/10/5)


またモンサントについて、
とても詳しく分かりやすい日本語の記事を書いてくださっている方のブログがこちらの ↓
モンサント社は何をしようとしているのか
yamachanblog, 2011.06.22

田中康夫もブログでモンサントのあくどいショーバイについて書いている。
http://ch.nicovideo.jp/yassy/blomaga/ar108115




【その他、関連エントリー】
ゲイツ財団がインドで目論んでいるのはワクチン普及だけでなくGM農業改革も(2011/4/16)
“大型ハイテクGM強欲ひとでなし農業”を巡る、ゲイツ財団、モンサント、米国政府、AGRAの繋がり(2011/10/27)
TPP進める経済界のトップ、やっぱりぐるっと廻って“ゲイツつながり”(2011/10/27)
2012年9月17日の補遺(the African Green Revolution Forumでアナン、ゲイツ夫妻が基調講演)
2013年2月18日の補遺(ゲイツとスリム、GM種子開発に2500万ドル)
2013.06.07 / Top↑