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昨日のエントリーで掘り出してきた過去の補遺の断片を見ていたら、
読みたいと思ってそのままになっていた去年12月のProPublicaの記事が
とても気になってきたので、読んでみた。

これまで向精神薬や骨減少症や心臓ステントなどを巡って報じられてきたスキャンダルの構図と全く同じで、
具体的な名前や数字をイチイチ挙げるのも空しい気分なのだけれど、我慢して一応整理してみる。

なお、鎮痛剤関連のこれまでのエントリーは以下 ↓
“薬の自動販売機”医師が被害者の親から訴えられて「法制度を悪用するな」と逆訴訟(2011/8/28)
ビッグ・ファーマのビッグな賠償金(2012/7/4)


今回の記事で問題になっているのはオピオイド鎮痛剤の過剰処方と、
その背景にある製薬会社のえげつないマーケティング。

ビッグファーマ自前の患者支援団体と、
ファーマと癒着した専門家とによる……。

(オピオイドと麻薬とは違いがあるようなのですが
記事では表現が混在しており、私には区別して使うことが難しいので
ここではオピオイドで通しますので、あしからずご了解ください)

まず問題の深刻さを記事から拾ってみると、

米国でオピオイド鎮痛剤の過剰摂取で死ぬ人は年間15000人に近く、
ヘロインとコカインによる死者を合わせてもこれには及ばない。
州によっては年間の交通事故死より多い。

去年1年間で、米国では85億ドルものオピオイド鎮痛剤が売れた。
全アメリカ国民が1日中、1カ月間に渡って使っていられる量だという。

そのうち31億ドル分が OxyContin。
2006年の7億5200万ドルから売上が急増していることが分かる。

他では、Vicodin, Percocetなど。

CDC(米国疾病予防管理センター)のディレクターは
「今現在、医療全体がオピオイド漬けになっている。
オピオイドは依存性があって、依存症を起こす薬なのに」

2005年にVI州で、薬の違法売買で50の罪で起訴されたWilliam Hurwitz医師の裁判がすごい。
一人の患者に1日に1600錠もの Roxicodone鎮痛剤を処方したという。

また、過剰処方で依存症になった患者からの集団訴訟や
Purdue社がOxyContinのリスクを隠したとして患者が訴えたことも。

こうした訴訟で、法廷の友の意見書を出したり、
関係者である医師に専門家として証言させるなどして介入し、

また米国議会が規制に乗り出そうとするたびに、それら専門家を使ったロビー活動で
「痛みに苦しんでいる患者が困ることになる」と訴えて抵抗してきたのが

記事が問題にしている the American Pain Foundation(APF)。

APFは、痛みに苦しむ患者の米国最大のグラス・ルーツのアドボケイトを謳い、
依存リスクは大げさに言われ過ぎている、
鎮痛剤はまだ十分使われていない、と主張する。

公式サイトの患者へのガイドでは、
やはりオピオイドのリスクは控えめに、利益が過大に書かれている。
慢性痛に効くエビデンスは少ないという情報はどこにもない。

その著者は、上記、訴訟やロビー活動で大活躍の疼痛専門医。
このガイドの内容については、APFそのものが
「最先端の知見からは遅れているのでアップデイトが必要」と認めているそうな。

活動資金の約9割が製薬会社から出ている。
理事の中には製薬会社との金銭繋がりがある研究者や医師が含まれており、
そのうちの一人は、製薬会社Cephasonの資金で研究をして
癌患者にのみ認可されている同社の鎮痛剤が癌患者以外にも安全であると
同社社員と共著論文を書いていたりする。

しかし、その一人で、APFのトップだったScott Fishman医師は
退任することになったとたんに「私はずっとAPFの主張と同じ意見だったわけではない。
オピオイドは使われ過ぎているし、依存性もあると思う」。

Physicians for Responsible Opioid Prescribing
(責任をもってオピオイドを処方する医師の会)という組織があるというのもすごいけど、
その会を率いる医師は、議会が操作されてしまう背景に、
APFはオピオイドを作っている製薬会社そのものだということを
政治家が知らないからだ、と指摘。

ついでに追記しておくと、FDAの薬の安全とリスク管理諮問委員会の委員長は
「製薬会社のカネをもらっていて、患者のアドボカシー団体として活動していれば、
必然的にバイアスがかかっている。そういうところの言うことは私は全部マユツバで聞きますね」

以下、2つ目の記事には、
オピオイド鎮痛剤のプロモで、向精神薬でのBiederman医師のような役割を担ってきた
Scott Fishman、Perry Fine 両医師の製薬会社との金銭繋がりと、
それらの製薬会社のプロモへの貢献活動の詳細が報告されている。

The Champion of Painkillers
ProPublica, December 23, 2011
Two Leaders in Pain Treatment Have Long Ties to Drug Industry
ProPublica, December 23, 2011


【いわゆる“Biedermanスキャンダル”関連エントリー】
著名小児精神科医にスキャンダル(2008/6/8)
著名精神科医ら製薬会社からのコンサル料を過少報告(2008/10/6)
Biederman医師にさらなる製薬会社との癒着スキャンダル(2008/11/25)
Biederman医師、製薬業界資金の研究から身を引くことに(2009/1/1)

【その他、08年のGrassley議員の調査関連】
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書(米国)(2008/11/17)
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書 Part2(2008/11/23)
今度はラジオの人気ドクターにスキャンダル(2008/11/23)

最近のものでは例えば、↓
「製薬会社に踊らされて子どもの問題行動に薬飲ませ過ぎ」と英国の教育心理学者(2011/1/18)
ジェネリックを売らせないビッグ・ファーマの「あの手この手」が医療費に上乗せられていく(2011/11/15)

あと、この問題を一貫して調査し報道しているProPublicaのシリーズの一つがこちら。↓
(ここにも鎮痛剤関連のスキャンダルが出てきています)
ProPublicaが暴く「ビッグ・ファーマのプロモ医師軍団の実態」(2010/11/2)


【骨減少症関連エントリー】
骨減少症も“作られた”病気?……WHOにも製薬会社との癒着?(2009/9/9)
更年期は、ビッグ・ファーマの提供でお送りしました……(2009/12/14)
ビッグ・ファーマが当てこむ8つの“でっちあげ病”(2010/4/17)

【米不整脈学会、高血圧学会を巡るスキャンダル関連エントリー】これもGrassley議員の調査で明らかに
学会が関連企業相手にショーバイする米国の医療界(2011/5/11)
1つの病院で141人に無用な心臓ステント、500人に入れた医師も(2011/5/15)
2012.10.21 / Top↑
昨日のニューヨーク・タイムズに
“鎮痛剤問題”への取り組みの一環で
製薬会社と薬局や医師との間を取り結ぶ卸業者への
規制が強化されている、という話題があったので、↓

http://www.nytimes.com/2012/10/18/business/to-fight-prescription-painkiller-abuse-dea-targets-distributors.html?pagewanted=all&_r=0


この話題、エントリーはこのくらいだけど ↓
“薬の自動販売機”医師が被害者の親から訴えられて「法制度を悪用するな」と逆訴訟(2011/8/28)

補遺ではあれこれと拾ってきたような気がして、
ざっと検索してみたら、こんなにあった ↓


2009年7月1日の補遺
処方薬の鎮痛剤 Percocet と Vicodin は禁止に、薬局で買えるTylenolは一回量を減らすべき、とFDAアドバイザー。これらに含まれる acetaminophenに肝臓を害する可能性。 日本の鎮痛剤は? 米国の薬の一回量って、日本のよりもずいぶん多いんだったっけ?
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/06/30/AR2009063004228.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/53603326.html


2010年9月14日の補遺
鎮痛剤などの処方薬への中毒者が増え、他人の家に盗みに入る事件が増えている。
http://www.nytimes.com/2010/09/24/us/24drugs.html?th&emc=th
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/61698101.html


2011年9月1日の補遺
NY Timesに、8月28日のエントリーで取り上げたpill mill(“処方薬の自動販売機”クリニック)に関する記事があり、フロリダ州がオピオイド系鎮痛剤Oxycodoneの違法な流通経路を遮断しようと法改正。:このpill mill問題、大きな社会問題となりそうな気配。
Florida Shutting ‘Pill Mill’ Clinics: Officials have implemented tougher laws in an effort to disrupt an illegal pipeline for prescription for drug Oxycodone.
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/63915702.html


2011年9月18日の補遺
例えばイーライ・リリー社が Zyprexa の違法マーケッティングで有罪を認め、刑法違反の罰則金と4つの民事訴訟の和解金とで総額140億ドルを払ったケースや、Alpharma が鎮痛剤 Kadian の処方で医師にキックバックを払っていた疑いで4250万ドルを支払ったケースなど、ビッグ・ファーマが罰則を支払っている場合にも、関与した医師は無罪放免されていることの不思議を、例によってProPublicaが。
http://www.propublica.org/article/doctors-avoid-penalties-in-suits-against-medical-firms
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/64018713.html


2011年11月11日の補遺
「米国における鎮痛剤の非医療的利用について」Lancetに報告。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2811%2961723-6/fulltext?elsca1=ETOC-LANCET&elsca2=email&elsca3=segment
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/64316868.html


2011年12月25日の補遺
米国の鎮痛剤の過剰投与による死者は場所によっては覚せい剤による死者よりも上回っている。ここにも大物研究者とビッグ・ファーマの癒着の構図。2本目の記事の冒頭で名前が挙がっているのはDr. Scott FishmanとDr. Perry Fine。
http://www.propublica.org/article/the-champion-of-painkillers
http://www.propublica.org/article/two-leaders-in-pain-treatment-have-long-ties-to-drug-industry
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/64535649.html


2012年7月13日の補遺
米国の検死制度の怠慢と機能不全を暴いているProPublicaのシリーズ最新記事。2004年に腎臓結石の手術 で入院中、鎮痛剤を出された直後に心臓マヒで死んでいるのが発見された男性(61)。病院側は男性の心臓を今だに保管していて、妻に返そうとしない。検死 が行われるのは病院死の5%のみで、遺族側には死因が分からないままというケースが少なくない。
http://www.propublica.org/article/cardiac-arrest-hospital-refuses-to-give-widow-her-husbands-heart
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/65318220.html
2012.10.21 / Top↑
10月は、オーストラリアの介護者週間。

いつからだったか記憶にないほど幼い頃から
精神障害のある母親の介護を担ってきたヤングケアラーの語りが紹介されている。

Shayley Willsonさん。

年齢が記事には明記されていないけれど、
内容から推測すると、現在19歳……?

Shayleyさんの語り部分を以下に。

「(母の介護は)ずっと意識することもなくやっていました」

「別にどこかで、やらなくちゃと思って介護を始めたというんじゃなくて、
自然に成長とともに介護するようになったんです」

学校から帰った瞬間から夜寝るまでフルタイムで母親の介護をしている自分と同じことを、
子どもはみんなやっているのだとばかり、長い間、思っていた、という。

「気がついたのは小学校の2年生の頃だったかな」

「お昼から友達が遊びに来た時に、
『なんでお母さんのこと何もかもしてあげてるの?』って」

「それで、あぁ、みんなやってるわけじゃないんだ、って分かったんです」

母親の症状が悪化したために
高校2年生で中退せざるをえなくなり、
その後、夜間学校で2年かけて3年生を終えた。

次の目標は、母親と祖母を病院や買い物に連れていくために
運転免許をとること。

「免許が取れたら、いいなぁ、
そしたら、夢がみんなかないます。

母さんは車を持っているから、それを運転すればいいし。
あとは免許だけなんです」

Shaylene Willson: Life as a Full-time Carer
612 ABC Brisbane, October 18, 2012


【2008年の豪介護者週間より】
今日から豪介護者週間……because I care(2008/10/19)
You are only human: 介護者だって生身の人間なのだから(2008/10/30)
介護者も自分を大切にしましょう(2008/10/31)
自分の気持ちを理解して受け入れる(介護者のために)(2008/10/31)
自己主張をしましょう(介護者のために)(2008/11/1)


【その他の関連エントリー】
17歳のヤング・ケアラー、ロンドン5輪の聖火ランナーに(2011/12/9)
統合失調症の母親を持つ子供の回復過程(夏苅郁子論文)(2012/8/9)
英「全国介護者戦略」モデル事業の総括報告書 リーズ大から 1(2011/12/28)
英「全国介護者戦略」モデル事業の総括報告書 リーズ大から 2(2011/12/28)

英国介護者週間
「介護保険情報」2007年8月号 連載「世界の介護と医療の情報を読む」
英国BBCが若年介護者特集
「介護保険情報」2011年1月号 連載「世界の介護と医療の情報を読む」
2012.10.21 / Top↑
MA州の住民投票が近づき、自殺幇助合法化議論が過熱している。結構、反対論も目につくのだけれど、やっぱりもう流れは決まっているのだろうなぁ……と思ってしまうところが空しい。
http://www.salemnews.com/opinion/x1684126269/Column-Vote-no-on-Question-2
http://doughtyblog.dailymail.co.uk/2012/10/what-about-the-seriously-ill-or-disabled-people-who-want-to-live.html
http://www.thebostonpilot.com/article.asp?ID=15213
http://www.thebostonpilot.com/article.asp?ID=15219
http://articles.boston.com/2012-10-12/letters/34377248_1_suicide-true-compassion-physician
http://www.patriotledger.com/news/x1787480220/Opponents-gather-support-to-fight-assisted-suicide-ballot-question

英国でまた患者と家族に無断でDNR(蘇生不要)指定の“無益な治療”Flockhart事件。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2012/10/flockhart-v-basildon-hospital-yet.html

英国では、ここ数年、
本人にも家族にも知らせずに一方的にDNR指定がされるケースが激増している ↓
“終末期”プロトコルの機械的適用で「さっさと脱水・死ぬまで鎮静」(英)(2009/9/10)
肺炎の脳性まひ男性に、家族に知らせずDNR指定(英)(2011/8/3)
高齢者の入院時にカルテに「蘇生無用」ルーティーンで(英)(2011/10/18)
高齢者には食事介助も水分補給もナースコールもなし、カルテには家族も知らない「蘇生無用」……英国の医療(2011/11/14)
ケアホーム入所者に無断でDNR指定、NHSトラストが家族に謝罪(英)(2012/5/8)
「ダウン症だから」と本人にも家族にも無断でDNR指定(英)(2012/9/13)


イタリア議会に、トランスヒューマ二ストの議員が誕生。Giuseppe Vatinnoさん。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10270

Journal of Medical Ethicsにトランスヒューマ二ストが続々と登場して超人類を作ることの倫理問題を論じているらしい。:私は2007年の“アシュリー療法”論争で擁護論をぶつ人たちの中に一種独特の風変わりな人たちがいるなぁ、と思って検索することによってTH二ストの存在を知った(詳細はトランスヒューマ二ズムとは?のエントリーを始め、「トランスヒューマ二ズム」の書庫に)。ショックを受け、大きな危機感を抱いた。それでもまだ当時は「極端なことを言う人たち」という印象だったけど、でもその後の6年間に科学とテクノがさらに発達し、米国社会を中心に世の中の方がTH二ストに追いついてきたような感じがある。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10271

インサイダー取引など3つの罪で近く判決が出る予定のゴールドマン・サックスの前頭取Rajat Guptaに温情ある判決を、とビル・ゲイツと前国連事務局長コフィ・アナン。
www.ibtimes.com/rajat-gupta-gets-letters-support-bill-gates-kofi-annan-ahead-his-sentencing-846017

アブ・ダビの皇太子がビル・ゲイツの慈善を呼び掛ける講演を聞いていたく感激。
http://www.khaleejtimes.com/kt-article-display-1.asp?xfile=data/nationgeneral/2012/October/nationgeneral_October191.xml§ion=nationgeneral

カナダの世論調査で臓器提供増えるなら金銭的インセンティブも支持。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/250802.php

ドナーの遺伝子変異1つを調べれば、腎臓が移植後に長く持つかどうかが判明する。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/251419.php

日本臨床倫理学会が誕生。
http://www.j-ethics.jp/

日本。「使えるお金1日1000円しかない」生活保護受給者の発言に異論 「むしろ最低賃金や年金の低さを叩くべきで、叩くべき相手を間違えていると思います」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121014-00000001-jct-soci

大阪でホームレス5人襲われる 1人死亡2人けが
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121014-00000022-asahi-soci

日本。<入れ墨調査>拒否・戒告のバス運転手、大阪市を提訴
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121015-00000031-mai-soci
2012.10.21 / Top↑
15日に東大の研究会で、アシュリー事件がフェミニスト現象学の視点から論じられる模様。
http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/events/2012/10/the_8th_meeting_of_the_study_g_2/

Taylorさんの死でまたぞろ過熱しそうなカナダの自殺幇助合法化議論で、自殺幇助よりも緩和ケアを、と医師。
http://bc.ctvnews.ca/focus-on-palliative-care-not-suicide-doctor-1.991011

スイスのデータから、自殺幇助を合法化しても自殺したい人が増えるわけではない、との調査結果。
http://www.wired.com/wiredscience/2012/10/legal-assisted-suicide/

アブ・ダビのメディア・サミットでビル・ゲイツが基調講演。各国政府や富裕層からの寄付だけが世界中の貧しい人たちを救う唯一の手段だ、と。
http://gulfnews.com/business/economy/donations-only-means-to-solve-issues-bill-gates-1.1087217

そのサミットで、「大統領選に出馬の意志は?」と問われて、ゲイツ氏は「ない」と答えたとか。:ビル・ゲイツをアメリカ大統領に、と考える人たちもいるのかぁ。まぁ、いるだろうなぁ。私は頭に浮かんだこともなかったけど。だって、彼にすれば別に今さら一国の大統領になる必要なんか、ないんじゃないのかなぁ。
http://www.cbsnews.com/8301-205_162-57529076/bill-gates-says-hell-never-run-for-office/

ゲイツ財団、パキスタンでの家族計画と医療に関してAman 財団と5年間の提携。
http://www.wam.org.ae/servlet/Satellite?c=WamLocEnews&cid=1290001168998&p=1135099400124&pagename=WAM%2FWamLocEnews%2FW-T-LEN-FullNews

ゲイツ財団がポリオ撲滅や農業改革などでイスラム開発銀行と連携へ。
http://www.equities.com/news/headline-story?dt=2012-10-10&val=572832&cat=finance

9月19日にGilles-Eric Seraliniらから遺伝子組み換え作物には健康被害のリスクありとの報告が出たけど、科学者から非難ごうごうらしい。:こういう話題となるとメディアの書き方も俄かに懐疑的なトーンになる。世の中の不況が深刻になればなるほど、科学者は研究資金をバイオ資本に頼らざるをえなくなるだろうし。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/251284.php

NYT。突然の髄膜炎の多発にステロイドとの関連? 昨日もこのニュースはNYTに出ていた。:ちなみにNorman Fostはステロイドのエンハンスメント利用解禁論者で「ステロイドの副作用など問題にならない」と言ってきた。
After a Meningitis Death, Family Members Ask Why: Diana Reed received a series of steroid injections to alleviate her neck pain. She later died, one of more than 130 people to have contracted meningitis in a national outbreak.

バイアグラを使ったVegas Mixxという薬物にも、髄膜炎との関連?:読んでいないけど、上の記事の流れ?
http://www.propublica.org/article/what-a-failed-vegas-sex-pill-and-the-meningitis-outbreak-have-in-common

【関連エントリー】
アシュリー論争にも出てた「ステロイドの専門家」Norman Fost 1(2007/8/11)
A両方擁護の2人ドーピング議論に(2008/1/26):FostとSavulescuの接点がここに
ある作家の違法ステロイド体験(2008/6/10)
違法ステロイド体験から思うこと(2008/6/10)
ステロイドの副作用は過小に報告されている(2008/6/10)
オリンピック選手は人体肝臓実験マウスなのか?(2008/8/20)
(Fostが、ステロイドの副作用説には「医学的根拠はない」と発言している)


先天異常のある胎児への胎児段階での手術が予後を改善?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/251287.php

精神疾患も肥満も遺伝子変異?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/251271.php

Nova Scotiaで療養介護病床44床を在宅患者のレスパイトに転換。:こういう動きは広がるかも?
http://www.cbc.ca/news/canada/nova-scotia/story/2012/10/10/ns-respite-care-beds.html

NYT。米で、テキサス州の訴訟を機に、大学入学を巡るアファーマティブ・アクション(マイノリティに優先的に入学枠を設けるなど)が論議に。
Race-Conscious Admissions in Texas: The Fisher case is testing the Supreme Court’s fidelity to precedent and its faith in universities.

パキスタンで、女性にも教育を受ける権利を訴えた14歳の少女Malala Yousafzaiさんが、タリバンに撃たれた。
http://www.guardian.co.uk/world/2012/oct/09/taliban-pakistan-shoot-girl-malala-yousafzai
2012.10.21 / Top↑
無益な治療ブログのThaddeus Popeが「英国のRasouli事件」だと言っていたMr. Lの無益な治療訴訟で、イスラム教徒の教えに反すると抵抗する家族の訴えを裁判所が却下して、「意味のある生の延命にならないなら」治療は中止すべきだと医師サイドの言い分を認めた。Right to life 事件。「生きる権利訴訟」なのね。こういうのは。「死ぬ権利」と比べると、なんとも地味。
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-19873175

英国人の妻を持つ米国人ジャーナリストが、義理の父親の死に際して、英国の病院ではリヴァプール・ケア・パスウェイ(LCP)が既に当たり前となっている状況を紹介し、英国型の死に方を推奨している。:いきなり「もうできることはありません」と医師が患者に宣告する場面を紹介しておきながら、記事途中では「LCPは患者の選択の問題」はないんじゃないか、と思うけど。
http://www.nytimes.com/2012/10/08/opinion/keller-how-to-die.html?pagewanted=all

【関連エントリー】
“終末期”プロトコルの機会的適用で「さっさと脱水・死ぬまで鎮静」(英)(2009/9/10)
「NHSは終末期パスの機会的適用で高齢患者を殺している」と英国の大物医師(2012/6/24)
英国の終末期パスLCPの機会的運用問題 続報(2012/7/12)


ジンバブエから英国に渡り住み込み介護者として働いていた女性Ntando Moyoさん(35)が、住み込み先の家のシャワー室で死んでいるのが見つかった。捜査しても原因は不明のまま、というのだけれど、家族は捜査に不満。怒っている。: 非常に気がかりな記事。2006年に既に東南アジアからカナダへの介護者の出稼ぎは人権侵害、事実上の奴隷制度として問題となっていた。(関連は以下にリンク)そういう人たちの不審死だから……ということはあってはならないけれど。
http://www.newzimbabwe.com/news-9240-Carers+death+in+shower+unexplained/news.aspx

【関連エントリー】
“現代の奴隷制”輸出入される介護労働(2009/11/12)
世界の「奴隷労働」を、拾った記事から概観してみる(2011/1/20)


Telecare(テクノロジーによる遠隔介護)は「介護者支援」とアピールする記事がこの前から目につく。:いつか、これが「介護者支援」として売り込まれていくだろうことは前から予想していたけど、やっぱりそれは似て非なるものじゃないかと思う。
http://www.ukauthority.com/Headlines/tabid/36/NewsArticle/tabid/64/Default.aspx?id=3825

【関連エントリー】
「サイボーグ患者宣言」(2008/6/19)
「患者の手を握って励ます人造の手ロボット」を考えた(2008/11/4)
「尿吸飲ロボ」から“QALY時代の排泄ケア”を想像してしまった……(2010/2/20)
「洗車機とUFキャッチャーでオムツ交換ロボットできる」と言う工学者の無知(2010/4/5)
テクノロジーによる遠隔介護支援システム(米国)「介護保険情報」2010年9月号
米国で認知され始めた「介護の力」「介護保険情報」2011年2月号


英国の地方自治体が介護者実態調査。
http://www.hartlepoolmail.co.uk/news/local/council-survey-on-carers-is-launched-1-4994196

心臓病リスク抱えた高齢者でアスピリンが認知症の症状を遅らせる?: アスピリンとスタチンとビタミンD。3種の神器ならぬ3種の万能薬。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/251160.php

NYT。ADHDの治療薬が障害のない子どもに成績向上の目的で用いられている。
Attention Disorder or Not, Pills to Help in School: Drugs that normally are used to increase focus are used in some cases simply to improve performance in school.

【関連エントリー】
ADHD治療薬の“スマート・ドラッグ”利用を解禁せよ、とNorman Fost(2010/12/28)


NYT。医療現場で医師たちが診断を下し、治療法を選択するのにiPadやスマホなどのテクノロジーが不可欠になりつつある。その他にも、患者の行動モニターに使うなど、医療におけるテクノロジー関連の記事が4,5本あるみたい。
Redefining Medicine With Apps and iPads: Technology has given cilinicians new tools to diagnose symptoms, decide treatment and to share information, changing what it means to be a doctor or a patient.

アブ・ダビで開かれるメディア・サミットの基調講演はビル・ゲイツ。関連は ⇒ゲイツ財団のメディア・コントロール(2010/10/21)
http://www.chicagotribune.com/entertainment/sns-201209271353reedbusivarietynvr1118059941-20120927,0,4750246.story

ワシントンDC近郊でホームレスが増えてシェルターが満杯。行き場のないホームレスが増えている。
http://www.washingtonpost.com/local/with-shelters-full-homeless-families-have-no-where-to-go/2012/10/07/b03f2800-0f18-11e2-a310-2363842b7057_story.html
2012.10.21 / Top↑