マサチューセッツ州の医師会がPAS反対を確認したことを今日のエントリーにしたけど、ハワイでも医師らがPAS反対集会を開いている。:ハワイでもここ数年、合法化ロビーの暗躍しきり。
http://www.hawaiifreepress.com/ArticlesMain/tabid/56/articleType/ArticleView/articleId/5587/Hawaii-Physicians-Rally-Against-Assisted-Suicide.aspx
英国で今度は70歳のジストニアの女性が医師による自殺幇助を求めている。ターミナルではないが苦痛が耐え難いとの訴え。:報道するのは、やっぱりBBC。
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-sussex-16036362
本人にも家族にも知らせずに病院が勝手にDNR(蘇生無用)指定をカルテに書きこんでトラブルになるケースが増えている問題で、ケアの質コミッションが介入し始めているらしい。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/dec/05/nhs-hospitals-warned-resuscitate-orders?CMP=EMCNEWEML1355%%__AdditionalEmailAttribute1%%
【関連エントリー】
肺炎の脳性まひ男性に、家族に知らせずDNR指定(英)(2011/8/3)
「本人にも家族にも知らせず“蘇生無用”」はやめて一律のガイドライン作れ、と英国で訴訟(2011/9/15)
高齢者の入院時にカルテに「蘇生無用」ルーティーンで(英)(2011/10/18)
高齢者には食事介助も水分補給もナースコールもなし、カルテには家族も知らない「蘇生無用」……英国の医療(2011/11/14)
90歳、100歳で股関節置換手術やがん手術を受ける患者が増えている米国で、年齢制限すべきでは、という問題が論じられ始めている。:だから、ほら結局、トランスヒューマ二ストたちが描いている「不老不死の近未来ユートピア」ってのはスーパー・リッチだけの特権だったってことだよね。
http://articles.chicagotribune.com/2011-11-30/health/ct-x-surgery-for-old-20111130_1_life-expectancy-health-care-health-insurance
Circumvention Tourismという言葉を作った人がいるのか、もともとそういう表現があったのか。中絶、自殺幇助、生殖補助医療、女性器切除、幹細胞治療……などなど。自分の国では違法だったり高価だったりして受けられない医療を、ヨソの国に出かけてやってしまうこと。どういう訳語がいいのか、たちまち私の頭に浮かんだのは「かいくぐりツーリズム」。:そして、「かいくぐり」でやってきた人に効果があったことを根拠に、「ウチの国でも治験を始めます」と意気揚々と宣言する病院が出てくる。「かいくぐり」を受け入れている国でだって「まだ安全性は確立していない。気をつけろ」と警告が出ていたりもするのに。みんな最先端医療での国際競争を横目でにらんで、やりたくてウズウズしているものだから。
http://prawfsblawg.blogs.com/prawfsblawg/2011/12/circumvention-tourism-traveling-for-abortion-assisted-suicide-reproductive-technology-female-genital.html
研究者がNHSの患者データにアクセスできれば、医薬品開発の研究は進む、という声が上がっている。:人権よりも国際競争力。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/dec/04/nhs-patients-records-private-companies?CMP=EMCNEWEML1355%%__AdditionalEmailAttribute1%%
新たに開発されたダウン症の遺伝子診断。侵襲度が低いので歓迎されている、とか。
http://commonhealth.wbur.org/2011/12/dna-down-syndrome-test/
OECDから先進国の格差拡大に関する報告書。日本では最貧困層10%の平均収入が激減している。格差は大半の国で拡大。
http://www.guardian.co.uk/news/datablog/2011/dec/05/oecd-ineqaulity-report-uk-us?intcmp=239
英国では格差拡大が特にひどい。トップ10%の富裕層の収入が最貧困層10%の収入の12倍で、1985年の格差の8倍にも。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/dec/05/income-inequality-growing-faster-uk?CMP=EMCNEWEML1355%%__AdditionalEmailAttribute1%%
オーストラリアではトップ1%の所得が国民の総所得に占める割合が1950年代以降で最高に。
http://www.canberratimes.com.au/news/national/national/general/australias-rich-getting-wealthier/2382564.aspx?src=enews
オハイオ州が100キロ超えの肥満男児の母親に2年近くも指導をしたにもかかわらず十分な配慮をしないとして、親権をはく奪して男児を施設に入れた件で、お馴染みNorman Fostがコメントしている。「施設入所で肥満が治るわけではないが、軽減はされるかも。目的は肥満解消。男児の睡眠時無呼吸は肥満が引き起こしている可能性があり、たちまちの危険もある。150ポンドを目標に減量できれば無呼吸も治るかもしれない」。論争に。:メディカル・コントロールは進む。Fostは以下にリンクしたように、児童虐待をやりそうな親を抽出して指導・監督しろと説いている。
http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5h9hc-fN3ZADq_XpUW2IVHKhHx5_Q?docId=2d81466654b3434bbba08435a66fe4ab
【関連エントリー】
「ハイリスクの親」を特定することから始まる児童虐待防止プログラム:Norman Fostが語る「メディカル・コントロールの時代」(2011/2/21)
2011年8月29日の補遺
ここしばらく米国で論争になっている問題で、命にかかわるほどの肥満児については州が介入し親から引き離して治療することの是非。支持論者 としてNorman Fostが「少数のいのちに関わるほどの肥満児では州の介入が命を救うことになる」、反対論は法学者から「そういうケースで州が介入 することが結果を出すとは証明されていない。親元に置いたまま親を指導することは可能」。Norman Fostは結局メディカル・コントロール論者なのでは、と思う。
http://www.latimes.com/health/la-he-childhood-obesity-custody-20110829,0,3696579.story
NYT。在宅療養で医師に往診してもらう患者の方が入院患者よりも幸福度も健康度も高い。:そりゃ、でも、そういうことが可能な環境にいる人の話。最近この手の調査報告が頻出しているで、入院せずに自宅でがんばれという制度誘導がメディケアでもメディケイドでも、そのうちに出てくるんじゃないかと予測している。そういう制度を使って医療を受ける人には、自宅でゆっくり療養できる環境にない人たちも多いのではないかと思うのだけど。それに介護してくれる人がいないと、そんなのできないっすよ。
Bring Health Care Home: Patients who are treated at home by a doctor are happier and healthier.
http://www.hawaiifreepress.com/ArticlesMain/tabid/56/articleType/ArticleView/articleId/5587/Hawaii-Physicians-Rally-Against-Assisted-Suicide.aspx
英国で今度は70歳のジストニアの女性が医師による自殺幇助を求めている。ターミナルではないが苦痛が耐え難いとの訴え。:報道するのは、やっぱりBBC。
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-sussex-16036362
本人にも家族にも知らせずに病院が勝手にDNR(蘇生無用)指定をカルテに書きこんでトラブルになるケースが増えている問題で、ケアの質コミッションが介入し始めているらしい。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/dec/05/nhs-hospitals-warned-resuscitate-orders?CMP=EMCNEWEML1355%%__AdditionalEmailAttribute1%%
【関連エントリー】
肺炎の脳性まひ男性に、家族に知らせずDNR指定(英)(2011/8/3)
「本人にも家族にも知らせず“蘇生無用”」はやめて一律のガイドライン作れ、と英国で訴訟(2011/9/15)
高齢者の入院時にカルテに「蘇生無用」ルーティーンで(英)(2011/10/18)
高齢者には食事介助も水分補給もナースコールもなし、カルテには家族も知らない「蘇生無用」……英国の医療(2011/11/14)
90歳、100歳で股関節置換手術やがん手術を受ける患者が増えている米国で、年齢制限すべきでは、という問題が論じられ始めている。:だから、ほら結局、トランスヒューマ二ストたちが描いている「不老不死の近未来ユートピア」ってのはスーパー・リッチだけの特権だったってことだよね。
http://articles.chicagotribune.com/2011-11-30/health/ct-x-surgery-for-old-20111130_1_life-expectancy-health-care-health-insurance
Circumvention Tourismという言葉を作った人がいるのか、もともとそういう表現があったのか。中絶、自殺幇助、生殖補助医療、女性器切除、幹細胞治療……などなど。自分の国では違法だったり高価だったりして受けられない医療を、ヨソの国に出かけてやってしまうこと。どういう訳語がいいのか、たちまち私の頭に浮かんだのは「かいくぐりツーリズム」。:そして、「かいくぐり」でやってきた人に効果があったことを根拠に、「ウチの国でも治験を始めます」と意気揚々と宣言する病院が出てくる。「かいくぐり」を受け入れている国でだって「まだ安全性は確立していない。気をつけろ」と警告が出ていたりもするのに。みんな最先端医療での国際競争を横目でにらんで、やりたくてウズウズしているものだから。
http://prawfsblawg.blogs.com/prawfsblawg/2011/12/circumvention-tourism-traveling-for-abortion-assisted-suicide-reproductive-technology-female-genital.html
研究者がNHSの患者データにアクセスできれば、医薬品開発の研究は進む、という声が上がっている。:人権よりも国際競争力。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/dec/04/nhs-patients-records-private-companies?CMP=EMCNEWEML1355%%__AdditionalEmailAttribute1%%
新たに開発されたダウン症の遺伝子診断。侵襲度が低いので歓迎されている、とか。
http://commonhealth.wbur.org/2011/12/dna-down-syndrome-test/
OECDから先進国の格差拡大に関する報告書。日本では最貧困層10%の平均収入が激減している。格差は大半の国で拡大。
http://www.guardian.co.uk/news/datablog/2011/dec/05/oecd-ineqaulity-report-uk-us?intcmp=239
英国では格差拡大が特にひどい。トップ10%の富裕層の収入が最貧困層10%の収入の12倍で、1985年の格差の8倍にも。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/dec/05/income-inequality-growing-faster-uk?CMP=EMCNEWEML1355%%__AdditionalEmailAttribute1%%
オーストラリアではトップ1%の所得が国民の総所得に占める割合が1950年代以降で最高に。
http://www.canberratimes.com.au/news/national/national/general/australias-rich-getting-wealthier/2382564.aspx?src=enews
オハイオ州が100キロ超えの肥満男児の母親に2年近くも指導をしたにもかかわらず十分な配慮をしないとして、親権をはく奪して男児を施設に入れた件で、お馴染みNorman Fostがコメントしている。「施設入所で肥満が治るわけではないが、軽減はされるかも。目的は肥満解消。男児の睡眠時無呼吸は肥満が引き起こしている可能性があり、たちまちの危険もある。150ポンドを目標に減量できれば無呼吸も治るかもしれない」。論争に。:メディカル・コントロールは進む。Fostは以下にリンクしたように、児童虐待をやりそうな親を抽出して指導・監督しろと説いている。
http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5h9hc-fN3ZADq_XpUW2IVHKhHx5_Q?docId=2d81466654b3434bbba08435a66fe4ab
【関連エントリー】
「ハイリスクの親」を特定することから始まる児童虐待防止プログラム:Norman Fostが語る「メディカル・コントロールの時代」(2011/2/21)
2011年8月29日の補遺
ここしばらく米国で論争になっている問題で、命にかかわるほどの肥満児については州が介入し親から引き離して治療することの是非。支持論者 としてNorman Fostが「少数のいのちに関わるほどの肥満児では州の介入が命を救うことになる」、反対論は法学者から「そういうケースで州が介入 することが結果を出すとは証明されていない。親元に置いたまま親を指導することは可能」。Norman Fostは結局メディカル・コントロール論者なのでは、と思う。
http://www.latimes.com/health/la-he-childhood-obesity-custody-20110829,0,3696579.story
NYT。在宅療養で医師に往診してもらう患者の方が入院患者よりも幸福度も健康度も高い。:そりゃ、でも、そういうことが可能な環境にいる人の話。最近この手の調査報告が頻出しているで、入院せずに自宅でがんばれという制度誘導がメディケアでもメディケイドでも、そのうちに出てくるんじゃないかと予測している。そういう制度を使って医療を受ける人には、自宅でゆっくり療養できる環境にない人たちも多いのではないかと思うのだけど。それに介護してくれる人がいないと、そんなのできないっすよ。
Bring Health Care Home: Patients who are treated at home by a doctor are happier and healthier.
2011.12.06 / Top↑
WA州と同じ「尊厳死法」の住民投票の実現に向け、
着々と署名集めが進んでいる米国マサチューセッツ州で、
23000人を超える会員を擁する同州医師会が代議員による投票を行い
1996年以来の医師会の方針を堅持し、自殺幇助合法化反対のスタンスに留まることを確認。
178 vs 56 だったとのこと。
同医師会会長 Lynda Young 医師は
「医師による自殺幇助は、癒す者として医療提供者としての医師の役割と矛盾すると
我が医師会の医師らは明確に宣言しました。
われわれは同時に、
終末期ケアにおける患者の尊厳の重要さと医師の決定的に重要な役割を確認するものです」
MA州で自殺幇助合法化に向けて行われている大規模キャンペーンのサイトは
こちらの Dignity 2012 ⇒ http://www.dignity2012.org/
Dignity 2012のスポークスマンは「(この法律で可能になるのは)は
ターミナルな患者が医師に致死薬の処方を求められるようになること。
それは従来考えられていた意味での自殺ではありません。自分で薬を飲むのだから」
「これは従来の意味での自殺ではないのです。
対象になるのはもともと死にかけている人たちで、
絶望したりうつ状態だから自殺したいという人たちではありません。
多くはできればまだ何年も生きたいと願っているけれど、
病気によって殺されようとしている人たちなのです。
Dignity 2012 の投票で問われるのは、誰もが終末期に
尊厳とコントロールを得られるように、という問題なのです」
「それに我々が住民投票で提案しているのは、
道徳上、倫理上の理由で致死薬の処方はしないことを選びたければ
医師にはその選択が認められています。
医師や病院に何かを強要するものではありません」
Major Battle Over Assisted Suicide Brewing In Mass.
CommonHealth, December 5, 2011
Massachusetts Medical Society Opposes Assisted Suicide
LifeNews.Com, December 5, 2011
すでに病気で死にかけている人が自分で致死薬を飲んで死ぬのは、いわゆる“自殺”ではない……
これは、またまた“新説”が登場しました。要注意――。
なお、これまでのMA州の動きについては
以下の補遺で逐次拾ってきました ↓
2011年8月21日の補遺
マサチューセッツ州で来年にも尊厳死法を巡る住民投票の可能性。:ここは州独自の施策として、いち早く皆保険に取り組んでいたところ。
http://www.patriotledger.com/news/state_news/x1510868140/Massachusetts-voters-facing-right-to-die-showdown
2011年9月10日の補遺
米国マサチューセッツ州で来年に自殺幇助合法化の住民投票を実現させようとする運動が申請していた署名向けアンケートの23の質問の文言に、検察局からOKが出た。:いよいよWA州で行われたような合法化に向けたすさまじい運動が本格化するのでしょう。そして、州民皆保険を実現し、医療施策に力と予算を入れてきたMA州が転べば、次は多分CA州が後に続く……ような気がする。
http://news.bostonherald.com/news/politics/view/20110907ag_approves_eligibility_of_23_questions_for_drive_to_2012_ballot/srvc=home&position=recent
http://www.lifenews.com/2011/09/07/massachusetts-ballot-prop-promoting-assisted-suicide-gets-ok/
2011年9月20日の補遺
カトリックの枢機卿がマサチューセッツ州での自殺幇助合法化の住民投票に向けた署名活動を批判。
http://www.boston.com/news/local/massachusetts/articles/2011/09/19/cardinal_urges_opposition_to_assisted_suicide_ballot_petition/
2011年11月19日の補遺
自殺幇助合法化をめぐる住民投票に向け、署名活動が進むマサチューセッツ州で、ショッピング・モールなどで「ターミナルな人への思いやりを」などと曖昧な文言での署名活動が行われているらしい。
http://www.thebostonpilot.com/article.asp?ID=14014
これ書いて、ふっと頭に浮かんだんだけど、
そういえば、WA州にワシントン大学があるように
MA州にはハーバード大学とマサチューセッツ総合病院がありますね。
いずれも「科学とテクノで簡単解決」文化の牙城……。
【追記】
ハワイでも医師らがPAS反対集会を開いている。:ハワイでもここ数年、合法化ロビーの暗躍しきり。
http://www.hawaiifreepress.com/ArticlesMain/tabid/56/articleType/ArticleView/articleId/5587/Hawaii-Physicians-Rally-Against-Assisted-Suicide.aspx
着々と署名集めが進んでいる米国マサチューセッツ州で、
23000人を超える会員を擁する同州医師会が代議員による投票を行い
1996年以来の医師会の方針を堅持し、自殺幇助合法化反対のスタンスに留まることを確認。
178 vs 56 だったとのこと。
同医師会会長 Lynda Young 医師は
「医師による自殺幇助は、癒す者として医療提供者としての医師の役割と矛盾すると
我が医師会の医師らは明確に宣言しました。
われわれは同時に、
終末期ケアにおける患者の尊厳の重要さと医師の決定的に重要な役割を確認するものです」
MA州で自殺幇助合法化に向けて行われている大規模キャンペーンのサイトは
こちらの Dignity 2012 ⇒ http://www.dignity2012.org/
Dignity 2012のスポークスマンは「(この法律で可能になるのは)は
ターミナルな患者が医師に致死薬の処方を求められるようになること。
それは従来考えられていた意味での自殺ではありません。自分で薬を飲むのだから」
「これは従来の意味での自殺ではないのです。
対象になるのはもともと死にかけている人たちで、
絶望したりうつ状態だから自殺したいという人たちではありません。
多くはできればまだ何年も生きたいと願っているけれど、
病気によって殺されようとしている人たちなのです。
Dignity 2012 の投票で問われるのは、誰もが終末期に
尊厳とコントロールを得られるように、という問題なのです」
「それに我々が住民投票で提案しているのは、
道徳上、倫理上の理由で致死薬の処方はしないことを選びたければ
医師にはその選択が認められています。
医師や病院に何かを強要するものではありません」
Major Battle Over Assisted Suicide Brewing In Mass.
CommonHealth, December 5, 2011
Massachusetts Medical Society Opposes Assisted Suicide
LifeNews.Com, December 5, 2011
すでに病気で死にかけている人が自分で致死薬を飲んで死ぬのは、いわゆる“自殺”ではない……
これは、またまた“新説”が登場しました。要注意――。
なお、これまでのMA州の動きについては
以下の補遺で逐次拾ってきました ↓
2011年8月21日の補遺
マサチューセッツ州で来年にも尊厳死法を巡る住民投票の可能性。:ここは州独自の施策として、いち早く皆保険に取り組んでいたところ。
http://www.patriotledger.com/news/state_news/x1510868140/Massachusetts-voters-facing-right-to-die-showdown
2011年9月10日の補遺
米国マサチューセッツ州で来年に自殺幇助合法化の住民投票を実現させようとする運動が申請していた署名向けアンケートの23の質問の文言に、検察局からOKが出た。:いよいよWA州で行われたような合法化に向けたすさまじい運動が本格化するのでしょう。そして、州民皆保険を実現し、医療施策に力と予算を入れてきたMA州が転べば、次は多分CA州が後に続く……ような気がする。
http://news.bostonherald.com/news/politics/view/20110907ag_approves_eligibility_of_23_questions_for_drive_to_2012_ballot/srvc=home&position=recent
http://www.lifenews.com/2011/09/07/massachusetts-ballot-prop-promoting-assisted-suicide-gets-ok/
2011年9月20日の補遺
カトリックの枢機卿がマサチューセッツ州での自殺幇助合法化の住民投票に向けた署名活動を批判。
http://www.boston.com/news/local/massachusetts/articles/2011/09/19/cardinal_urges_opposition_to_assisted_suicide_ballot_petition/
2011年11月19日の補遺
自殺幇助合法化をめぐる住民投票に向け、署名活動が進むマサチューセッツ州で、ショッピング・モールなどで「ターミナルな人への思いやりを」などと曖昧な文言での署名活動が行われているらしい。
http://www.thebostonpilot.com/article.asp?ID=14014
これ書いて、ふっと頭に浮かんだんだけど、
そういえば、WA州にワシントン大学があるように
MA州にはハーバード大学とマサチューセッツ総合病院がありますね。
いずれも「科学とテクノで簡単解決」文化の牙城……。
【追記】
ハワイでも医師らがPAS反対集会を開いている。:ハワイでもここ数年、合法化ロビーの暗躍しきり。
http://www.hawaiifreepress.com/ArticlesMain/tabid/56/articleType/ArticleView/articleId/5587/Hawaii-Physicians-Rally-Against-Assisted-Suicide.aspx
2011.12.06 / Top↑
週末の帰省を終えてミュウを療育園に送っていくと、
詰め所であれこれの報告をした後でデイルームに行き、
座位保持装置に座らせ、「おかあさんといっしょ」のCDをかけてやり、
次は何回寝たら迎えに来るからね、と指を折ってカウントしてから
おでこにキスして別れる……というのが、
長い年月の間に自然にできた段取りになっている。
その長い年月のスタートのところでは
親も子もいろんな愁嘆場を何年も繰り返したけれど
いつからかミュウは別れ際に大きく腕を振り上げて
自分からバイバイしてみせるようになった。
といっても、それは見るからに“ヤケクソ”であって、
いっそ自分からバイバイして自分の気持ちをぶった切ってしまおうとでもするかのように、
顔をひきつらせて、なんだか暴力的な力任せの腕の振り方をする。
そして時には、ぶった切り損ねた気持ちの破片に逆襲されたみたいに
腕を振り上げたまま、顔が崩れるや、わっと泣き出してしまうこともある。
短くて5日、長くてもせいぜい2週間程度の別れとはいえ、
今なお子にとっても親にとっても切ない思いを強いられる場面ではある。
ところが、昨日ミュウを療育園に送っていった夫が
いつもの段取りを経て帰ろうとすると、
ミュウは、いつもよりもちょっと余裕で腕をあげたのだという。
バイバイする時には小さく笑顔まで見せたらしい。
すかさずデイルームにいた若手のスタッフが気付き、
「あーっ。ミュウさんが笑いながらバイバイしてる~」と声を上げた。
「え? あ、ほんとだ。すご~い」
「わぁ、ミュウさんが、お父さんに笑顔で手を振ってる!」と
他のスタッフもデイルームのあちこちから驚き、大いにウケてくれた。
ミュウは腕を振り上げたままギャラリーをぐるりと見渡すと、
いっそうノリノリで大きな笑顔になった。
そして得意満面の笑顔のまま
父親に向かって高々と腕を振り、余裕のバイバイをしたそうである。
帰宅した父親からその話を聞いた母親は、そういえば、と思いだした。
そういえば先週、「エロかっこいい」みたいにあなたを表現すると……という
診断マーカーにミュウの名前を入力してみたらばさ、出てきた答えは、
なんと、おとーさん、「エロおめでたい」だったんだよ。ぶはははっ。
昔からコイツは、ギャラリーが多いと張り切るヤツだったもんねー。
両手にスプーンと皿を持ち自分で食べる練習に熱中していた幼児期には
客が来てその前で食べてみせる場面があると俄然張り切ったものだった。
一口食べるたびに「どーお、今の?」とばかりに目をきらめかせ、
テーブルの客人を一人一人順番に眺めては目で称賛を強要する。
得意そうな顔でみんなから「わぁ、すごい」「えらいねー」と一通り賛辞をせしめ終えると、
おもむろにスプーンを握り直して次の一口に取り掛かる。
そして、また「どーだぁ?」と見栄を切る。
付き合わされる方は邪魔くさいことこの上ないが
ミュウが自分でご飯を食べられるようになったのは
イチイチ手を叩き賛辞を惜しまなかったギャラリーたちの
辛抱と努力のたまものだったと言っても過言ではない。
ギャラリーがいると、
そしてその人数が多ければ多いほど、
張り切るヤツだったよね、こいつは、昔から。
そうそう、そこんところ、ちっとも変わってない。
やっぱり「エロおめでたい」は言えてるねー。
夫婦で大笑いしながら、
初めてにこやかに親に手を振ってみせたというミュウに、
やっぱりコイツもまた一つ大人になったんだなぁ……と、しみじみ思う。
「自分で食べる技」の最初のギャラリーは2人の親だった。
その次のギャラリーは祖父母や親戚ご一同様だった。
そして、いつのまにか、
ミュウが認められたい人、ほめてもらって嬉しい人、
褒めてもらったから張り切っちゃおう! と思わせてくれる人が
ミュウの周りにはこんなにも沢山いてくれる――。
「エロおめでたい」はハッピーでないとやってられないしね。
あんた、また一つ大人になったね、ミュウ。
詰め所であれこれの報告をした後でデイルームに行き、
座位保持装置に座らせ、「おかあさんといっしょ」のCDをかけてやり、
次は何回寝たら迎えに来るからね、と指を折ってカウントしてから
おでこにキスして別れる……というのが、
長い年月の間に自然にできた段取りになっている。
その長い年月のスタートのところでは
親も子もいろんな愁嘆場を何年も繰り返したけれど
いつからかミュウは別れ際に大きく腕を振り上げて
自分からバイバイしてみせるようになった。
といっても、それは見るからに“ヤケクソ”であって、
いっそ自分からバイバイして自分の気持ちをぶった切ってしまおうとでもするかのように、
顔をひきつらせて、なんだか暴力的な力任せの腕の振り方をする。
そして時には、ぶった切り損ねた気持ちの破片に逆襲されたみたいに
腕を振り上げたまま、顔が崩れるや、わっと泣き出してしまうこともある。
短くて5日、長くてもせいぜい2週間程度の別れとはいえ、
今なお子にとっても親にとっても切ない思いを強いられる場面ではある。
ところが、昨日ミュウを療育園に送っていった夫が
いつもの段取りを経て帰ろうとすると、
ミュウは、いつもよりもちょっと余裕で腕をあげたのだという。
バイバイする時には小さく笑顔まで見せたらしい。
すかさずデイルームにいた若手のスタッフが気付き、
「あーっ。ミュウさんが笑いながらバイバイしてる~」と声を上げた。
「え? あ、ほんとだ。すご~い」
「わぁ、ミュウさんが、お父さんに笑顔で手を振ってる!」と
他のスタッフもデイルームのあちこちから驚き、大いにウケてくれた。
ミュウは腕を振り上げたままギャラリーをぐるりと見渡すと、
いっそうノリノリで大きな笑顔になった。
そして得意満面の笑顔のまま
父親に向かって高々と腕を振り、余裕のバイバイをしたそうである。
帰宅した父親からその話を聞いた母親は、そういえば、と思いだした。
そういえば先週、「エロかっこいい」みたいにあなたを表現すると……という
診断マーカーにミュウの名前を入力してみたらばさ、出てきた答えは、
なんと、おとーさん、「エロおめでたい」だったんだよ。ぶはははっ。
昔からコイツは、ギャラリーが多いと張り切るヤツだったもんねー。
両手にスプーンと皿を持ち自分で食べる練習に熱中していた幼児期には
客が来てその前で食べてみせる場面があると俄然張り切ったものだった。
一口食べるたびに「どーお、今の?」とばかりに目をきらめかせ、
テーブルの客人を一人一人順番に眺めては目で称賛を強要する。
得意そうな顔でみんなから「わぁ、すごい」「えらいねー」と一通り賛辞をせしめ終えると、
おもむろにスプーンを握り直して次の一口に取り掛かる。
そして、また「どーだぁ?」と見栄を切る。
付き合わされる方は邪魔くさいことこの上ないが
ミュウが自分でご飯を食べられるようになったのは
イチイチ手を叩き賛辞を惜しまなかったギャラリーたちの
辛抱と努力のたまものだったと言っても過言ではない。
ギャラリーがいると、
そしてその人数が多ければ多いほど、
張り切るヤツだったよね、こいつは、昔から。
そうそう、そこんところ、ちっとも変わってない。
やっぱり「エロおめでたい」は言えてるねー。
夫婦で大笑いしながら、
初めてにこやかに親に手を振ってみせたというミュウに、
やっぱりコイツもまた一つ大人になったんだなぁ……と、しみじみ思う。
「自分で食べる技」の最初のギャラリーは2人の親だった。
その次のギャラリーは祖父母や親戚ご一同様だった。
そして、いつのまにか、
ミュウが認められたい人、ほめてもらって嬉しい人、
褒めてもらったから張り切っちゃおう! と思わせてくれる人が
ミュウの周りにはこんなにも沢山いてくれる――。
「エロおめでたい」はハッピーでないとやってられないしね。
あんた、また一つ大人になったね、ミュウ。
2011.12.06 / Top↑
「介護の成績表」を州ごとに――米国
米国退職者協会AARPは9月8日、米国の州ごとの高齢者と身体障害者に関する介護サービスと支援の“成績表”、“Raising Expectations: A State Scorecard on Long-Term Services and Supports for Older Adults, People with Physical Disabilities, and Family Caregivers”を発表した。①費用面での利用しやすさとアクセス、②ナーシング・ホームかアシスティド・リビングか在宅かの選択と事業者の選択、③生活の質とケアの質、④家族介護者への支援の4点について、全25の指標に基づいてデータを点数評価し、その詳細と共に全州をランクづけしたもの。総合点のトップ3はミネソタ、ワシントン、オレゴン。最下位にはミシシッピ、アラバマ、ウェスト・ヴァージニアなど南部の州が並ぶ。
AARPでは、「下位の州が上位の州の実践から学ぶ機会にと意図した調査だが、上位の州にも改善すべき点はあるので、この情報を元に関係者には改善に向けた意識を持ってもらいたい」。さすがに点数化・ランキングされたとなると各州とも地元メディアが敏感に反応し、自州の成績の要因を考察する記事が相次いだ。実際、報告書で明らかになったバラつき幅はショッキングである。
例えば、メディケイドの給付資格基準は州ごとに決めることになっているが、この指標でのトップ5州では平均して要介護の低・中所得者の63%に給付されているのに対して、最下位の州では20%にしか給付が認められていない(全米の平均は37%)。また障害者の生活に関する満足度の指標では、トップ5州で91%が満足と回答しているのに対して、最下位の州では81%。この指標で1位のノースダコタ州では、満足と回答した障害者の内57%が仕事についているのに対して、最下位の州で仕事についている障害者は5人に1人。ナーシング・ホーム長期入所者のうち辱そうのある人の割合でも、全米の平均12%に対して、7%から16%の開きがあった。
報告書は、総合ランキングで上位の州には以下の3点の施策方針が打ち出されていることが共通している、と分析している。
① 介護サービスと支援を必要とする、より多くの人にアクセスと選択が可能となるよう、またナーシング・ホーム以外の選択肢を提供できるよう、メディケイド事業で工夫。
② 必要とする人がサービスに繋がりやすいよう、効果的なワン・ストップ体制で情報とサービスへのアクセス改善。
③ 燃え尽きを予防するべく、介護者への支援とサービスの提供のみならず法的な保護措置をとって介護者ニーズに対応。
介護者支援施策を打ち出している州は、その他の指標全般においても高得点となる傾向があるとの分析は、たいへん興味深い。
報告書の試算によると、全州がミネソタ州並みの実践をすれば、12万人以上の入院が避けられ、130億ドルの医療費削減効果が見込まれる。ナーシング・ホーム入所にかかる費用負担はどの州でも中流家庭の支払い能力をはるかに上回っているため、地域で利用可能な範囲のサービスを整備していくことが必要だと説く報告書には、州ごとに具体的な改善策の提言と共に、それによって避けられる入院件数の試算まで添えられている。実に懇切な“ご指導”つき成績表なのである。
ただ、報告書の結論を読んでいると、そこはかとなく違和感を覚えるのは、こうした米国型競争原理が本当に公平なのだろうか……という点だ。曰く、高齢者にも障害者にも選択する権利がある。ニーズに応じた最も制約の少ない環境で暮らす権利は法的にも確認されている。上位の州の実践を見れば、介護サービス充実はコスト・パフォーマンスがよいことが一目瞭然。住む州によって介護の選択範囲や質が変わってはならない。だから各州はもっと頑張るべきだ――。
しかし、ランキングの下位に並んでいるのは低所得層も高齢者、障害者人口も多い“貧しい”州である。一方ニューヨーク・タイムズの当該記事は、物価も人件費も高い都市部のジレンマに触れている。報告書で指摘された不備の責をすべて州に帰すことが果たして公平な競争原理といえるのだろうか……。
報告書の結論(要約版)はその冒頭で、バラつきの要因として、米国にユニバーサルな介護サービス制度がないことを挙げているのだが、その後は個々の「選択」を保障する重要性を繰り返し説く一方で、「だからユニバーサルな介護提供制度を」とは一度も提案せず、各州の尻を叩き続けて終わってしまう。医療制度改革を巡って、格差の広がりを背景に自己責任論と個人の選択重視で真っ二つの米国世論に、AARPも配慮せざるを得ないのだろうか。
「介護保険情報」2011年11月号 連載「世界の介護と医療の情報を読む」(p.66)
なお、文中のゴチックは、このエントリーで付け加えたものです。
米国退職者協会AARPは9月8日、米国の州ごとの高齢者と身体障害者に関する介護サービスと支援の“成績表”、“Raising Expectations: A State Scorecard on Long-Term Services and Supports for Older Adults, People with Physical Disabilities, and Family Caregivers”を発表した。①費用面での利用しやすさとアクセス、②ナーシング・ホームかアシスティド・リビングか在宅かの選択と事業者の選択、③生活の質とケアの質、④家族介護者への支援の4点について、全25の指標に基づいてデータを点数評価し、その詳細と共に全州をランクづけしたもの。総合点のトップ3はミネソタ、ワシントン、オレゴン。最下位にはミシシッピ、アラバマ、ウェスト・ヴァージニアなど南部の州が並ぶ。
AARPでは、「下位の州が上位の州の実践から学ぶ機会にと意図した調査だが、上位の州にも改善すべき点はあるので、この情報を元に関係者には改善に向けた意識を持ってもらいたい」。さすがに点数化・ランキングされたとなると各州とも地元メディアが敏感に反応し、自州の成績の要因を考察する記事が相次いだ。実際、報告書で明らかになったバラつき幅はショッキングである。
例えば、メディケイドの給付資格基準は州ごとに決めることになっているが、この指標でのトップ5州では平均して要介護の低・中所得者の63%に給付されているのに対して、最下位の州では20%にしか給付が認められていない(全米の平均は37%)。また障害者の生活に関する満足度の指標では、トップ5州で91%が満足と回答しているのに対して、最下位の州では81%。この指標で1位のノースダコタ州では、満足と回答した障害者の内57%が仕事についているのに対して、最下位の州で仕事についている障害者は5人に1人。ナーシング・ホーム長期入所者のうち辱そうのある人の割合でも、全米の平均12%に対して、7%から16%の開きがあった。
報告書は、総合ランキングで上位の州には以下の3点の施策方針が打ち出されていることが共通している、と分析している。
① 介護サービスと支援を必要とする、より多くの人にアクセスと選択が可能となるよう、またナーシング・ホーム以外の選択肢を提供できるよう、メディケイド事業で工夫。
② 必要とする人がサービスに繋がりやすいよう、効果的なワン・ストップ体制で情報とサービスへのアクセス改善。
③ 燃え尽きを予防するべく、介護者への支援とサービスの提供のみならず法的な保護措置をとって介護者ニーズに対応。
介護者支援施策を打ち出している州は、その他の指標全般においても高得点となる傾向があるとの分析は、たいへん興味深い。
報告書の試算によると、全州がミネソタ州並みの実践をすれば、12万人以上の入院が避けられ、130億ドルの医療費削減効果が見込まれる。ナーシング・ホーム入所にかかる費用負担はどの州でも中流家庭の支払い能力をはるかに上回っているため、地域で利用可能な範囲のサービスを整備していくことが必要だと説く報告書には、州ごとに具体的な改善策の提言と共に、それによって避けられる入院件数の試算まで添えられている。実に懇切な“ご指導”つき成績表なのである。
ただ、報告書の結論を読んでいると、そこはかとなく違和感を覚えるのは、こうした米国型競争原理が本当に公平なのだろうか……という点だ。曰く、高齢者にも障害者にも選択する権利がある。ニーズに応じた最も制約の少ない環境で暮らす権利は法的にも確認されている。上位の州の実践を見れば、介護サービス充実はコスト・パフォーマンスがよいことが一目瞭然。住む州によって介護の選択範囲や質が変わってはならない。だから各州はもっと頑張るべきだ――。
しかし、ランキングの下位に並んでいるのは低所得層も高齢者、障害者人口も多い“貧しい”州である。一方ニューヨーク・タイムズの当該記事は、物価も人件費も高い都市部のジレンマに触れている。報告書で指摘された不備の責をすべて州に帰すことが果たして公平な競争原理といえるのだろうか……。
報告書の結論(要約版)はその冒頭で、バラつきの要因として、米国にユニバーサルな介護サービス制度がないことを挙げているのだが、その後は個々の「選択」を保障する重要性を繰り返し説く一方で、「だからユニバーサルな介護提供制度を」とは一度も提案せず、各州の尻を叩き続けて終わってしまう。医療制度改革を巡って、格差の広がりを背景に自己責任論と個人の選択重視で真っ二つの米国世論に、AARPも配慮せざるを得ないのだろうか。
「介護保険情報」2011年11月号 連載「世界の介護と医療の情報を読む」(p.66)
なお、文中のゴチックは、このエントリーで付け加えたものです。
2011.12.06 / Top↑
睡眠薬で植物状態から回復する事例が相次いでいる:脳細胞は「死んで」いない?(2011/8/31)のエントリーで話題になっていたzolpidemの効果について、NYTに長い長い記事。:プリントアウトしたので、数日中に、たぶん読みます。
http://www.nytimes.com/2011/12/04/magazine/can-ambien-wake-minimally-conscious.html
カナダのALS患者Gloria Taylorさんの裁判で、Taylorさんの弁護士が「自殺幇助を合法化しなければ、闇の自殺幇助が横行するだけ」と弁論。
http://fullcomment.nationalpost.com/2011/12/02/lorne-gunter-let-me-kill-myself-or-ill-kill-myself/
FENが「GA州法の自殺幇助関連規定は言論の自由を侵す」と訴訟(2010/12/11)の訴訟で、障害当事者らが証言していたらしい。NYDのエントリーに詳細。
http://notdeadyetnewscommentary.blogspot.com/2011/11/georgia-disability-activists-at-supreme.html
大動脈破裂から脳死になった65歳の男性の呼吸器取り外しをめぐって、病院と家族が対立したケースで、病院は「この状態で水分を提供することは違法行為になる」とウソを。
http://www.forbes.com/sites/carolynrosenblatt/2011/12/01/dont-pull-the-plug-a-familys-battle-with-the-hospital/
台湾で新しくできた法律により、人体組織のサンプルは提供者の書面による同意が必要となり、それに伴って何百万という組織サンプルが廃棄されることに。しかし大手の研究機関Academia Sinicaは、そんなことをしたら研究ができなくなると反発している。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/9862
近年、米国の白人が大統領特赦で釈放される確率は黒人の4倍になっている、とProPublicaの調査。
http://www.propublica.org/article/shades-of-mercy-presidential-forgiveness-heavily-favors-whites
高齢者のお相手をするロボットの研究開発。Companion for older peopleだって。こういう感覚も高齢者差別の一形態と言えるのでは? なんで高齢者に限って、その相手はロボットなの?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/238617.php
世界的不況で英国の世帯の4分の一が燃料貧困。「燃料貧困」とリヴァプール市の取り組みについては「寒い家」対策はエネルギー節減、温暖化改善、健康格差も改善……BMJに報告された調査(2011/5/19)に。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/dec/01/fuel-poverty-affects-quarter-households?CMP=EMCNEWEML1355%%__AdditionalEmailAttribute1%%
米国ケンタッキー州のバプティストの教会が、異人種間の結婚を認めず、そういう夫婦には葬儀以外の協会の行事への参加まで禁止。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/dec/01/kentucky-church-interracial-marriage-ban?CMP=EMCNEWEML1355%%__AdditionalEmailAttribute1%%
新潮社、「新潮新書」全作品電子書籍化へ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111203-00000001-it_ebook-sci
http://www.nytimes.com/2011/12/04/magazine/can-ambien-wake-minimally-conscious.html
カナダのALS患者Gloria Taylorさんの裁判で、Taylorさんの弁護士が「自殺幇助を合法化しなければ、闇の自殺幇助が横行するだけ」と弁論。
http://fullcomment.nationalpost.com/2011/12/02/lorne-gunter-let-me-kill-myself-or-ill-kill-myself/
FENが「GA州法の自殺幇助関連規定は言論の自由を侵す」と訴訟(2010/12/11)の訴訟で、障害当事者らが証言していたらしい。NYDのエントリーに詳細。
http://notdeadyetnewscommentary.blogspot.com/2011/11/georgia-disability-activists-at-supreme.html
大動脈破裂から脳死になった65歳の男性の呼吸器取り外しをめぐって、病院と家族が対立したケースで、病院は「この状態で水分を提供することは違法行為になる」とウソを。
http://www.forbes.com/sites/carolynrosenblatt/2011/12/01/dont-pull-the-plug-a-familys-battle-with-the-hospital/
台湾で新しくできた法律により、人体組織のサンプルは提供者の書面による同意が必要となり、それに伴って何百万という組織サンプルが廃棄されることに。しかし大手の研究機関Academia Sinicaは、そんなことをしたら研究ができなくなると反発している。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/9862
近年、米国の白人が大統領特赦で釈放される確率は黒人の4倍になっている、とProPublicaの調査。
http://www.propublica.org/article/shades-of-mercy-presidential-forgiveness-heavily-favors-whites
高齢者のお相手をするロボットの研究開発。Companion for older peopleだって。こういう感覚も高齢者差別の一形態と言えるのでは? なんで高齢者に限って、その相手はロボットなの?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/238617.php
世界的不況で英国の世帯の4分の一が燃料貧困。「燃料貧困」とリヴァプール市の取り組みについては「寒い家」対策はエネルギー節減、温暖化改善、健康格差も改善……BMJに報告された調査(2011/5/19)に。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/dec/01/fuel-poverty-affects-quarter-households?CMP=EMCNEWEML1355%%__AdditionalEmailAttribute1%%
米国ケンタッキー州のバプティストの教会が、異人種間の結婚を認めず、そういう夫婦には葬儀以外の協会の行事への参加まで禁止。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/dec/01/kentucky-church-interracial-marriage-ban?CMP=EMCNEWEML1355%%__AdditionalEmailAttribute1%%
新潮社、「新潮新書」全作品電子書籍化へ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111203-00000001-it_ebook-sci
2011.12.06 / Top↑
カナダの“無益な治療”訴訟、Rasouli裁判を継続して追いかけているGlobe and Mailの記事。最高裁が上訴を認めるかどうかの判断が待たれているところらしい。:記事はその他の死の自己決定権関連事件にも触れて、終末期医療の問題として扱っている感じ? でもRasouliは明らかに「無益な治療」事件だから、死の自己決定と混同しない方がいいと思うんだけど。
http://www.theglobeandmail.com/life/health/end-of-life/supreme-court-asked-to-hear-end-of-life-case/article2254394/
【Rasouli裁判関連エントリー】
「“治療停止”も“治療”だから同意は必要」とOntario上位裁判所(2011/5/17)
「患者に選択や同意させてて医療がやってられるか」Razouli裁判続報(2011/5/19)
2011年8月12日の補遺(Rasouli訴訟、最高裁へ)
カナダで死の自己決定権を求めて訴訟を起こしたALS患者のTaylorさんが証言をするわけではないが、どういう人間が起こした訴訟か裁判官に知ってほしいと法廷に。「死にたいわけじゃない。毎日精一杯生きたいと思っている。ただ、苦しみながら尊厳のない死に方をしたくないだけ」と。
http://www.washingtonpost.com/world/americas/canada-woman-pursues-doctor-assisted-suicide-with-plea-before-court/2011/11/30/gIQAInDwEO_story.html
http://www.ctvbc.ctv.ca/servlet/an/local/CTVNews/20111130/bc_gloria_taylor_assisted_suicide_111130/20111130/?hub=BritishColumbiaHome
米国のHIV感染者の内、延命効果のある治療をちゃんと受けることができているのは、わずか28%のみ。
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/only-28-percent-of-americans-with-hiv-are-getting-optimal-care/2011/11/29/gIQA1h4I9N_story.html?wpisrc=nl_cuzheads
ProPublicaが「ウォール・ストリートはとっくに占拠されている」ただし「縁故資本主義で」と2本の記事。:全然読めていないけど、その縁故って例の「0.1%」の密接なつながりも含めて?
http://www.propublica.org/thetrade/item/on-wall-street-some-insiders-express-quiet-outrage
http://www.propublica.org/article/crony-capitalism-hank-paulsons-extraordinary-meeting
英国の公共セクターのストライキ。学校も半日で終わり。救急車スタッフもストライキ。「生死にかかわるケースにはまだ対応しています」と赤字の看板。9分のビデオがあるんだけど、聞きとり能力が低くてちゃんと理解できない。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/nov/30/public-sectors-strike-protest-rookies?CMP=EMCNEWEML1355%%__AdditionalEmailAttribute1%%
英国、イランの外交官らを国外追放。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/nov/30/britain-expels-iranian-diplomats-tehran?CMP=EMCNEWEML1355%%__AdditionalEmailAttribute1%%
NYT.フロリダ州が、米国生まれの市民権を持った学生でも、両親が合法移民だと証明できなければ授業料を値上げすることに。
Sins of the Parents: Florida is charging citizens born in the United States higher college tuition if they can’t prove their parents are legal residents.
http://www.theglobeandmail.com/life/health/end-of-life/supreme-court-asked-to-hear-end-of-life-case/article2254394/
【Rasouli裁判関連エントリー】
「“治療停止”も“治療”だから同意は必要」とOntario上位裁判所(2011/5/17)
「患者に選択や同意させてて医療がやってられるか」Razouli裁判続報(2011/5/19)
2011年8月12日の補遺(Rasouli訴訟、最高裁へ)
カナダで死の自己決定権を求めて訴訟を起こしたALS患者のTaylorさんが証言をするわけではないが、どういう人間が起こした訴訟か裁判官に知ってほしいと法廷に。「死にたいわけじゃない。毎日精一杯生きたいと思っている。ただ、苦しみながら尊厳のない死に方をしたくないだけ」と。
http://www.washingtonpost.com/world/americas/canada-woman-pursues-doctor-assisted-suicide-with-plea-before-court/2011/11/30/gIQAInDwEO_story.html
http://www.ctvbc.ctv.ca/servlet/an/local/CTVNews/20111130/bc_gloria_taylor_assisted_suicide_111130/20111130/?hub=BritishColumbiaHome
米国のHIV感染者の内、延命効果のある治療をちゃんと受けることができているのは、わずか28%のみ。
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/only-28-percent-of-americans-with-hiv-are-getting-optimal-care/2011/11/29/gIQA1h4I9N_story.html?wpisrc=nl_cuzheads
ProPublicaが「ウォール・ストリートはとっくに占拠されている」ただし「縁故資本主義で」と2本の記事。:全然読めていないけど、その縁故って例の「0.1%」の密接なつながりも含めて?
http://www.propublica.org/thetrade/item/on-wall-street-some-insiders-express-quiet-outrage
http://www.propublica.org/article/crony-capitalism-hank-paulsons-extraordinary-meeting
英国の公共セクターのストライキ。学校も半日で終わり。救急車スタッフもストライキ。「生死にかかわるケースにはまだ対応しています」と赤字の看板。9分のビデオがあるんだけど、聞きとり能力が低くてちゃんと理解できない。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/nov/30/public-sectors-strike-protest-rookies?CMP=EMCNEWEML1355%%__AdditionalEmailAttribute1%%
英国、イランの外交官らを国外追放。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/nov/30/britain-expels-iranian-diplomats-tehran?CMP=EMCNEWEML1355%%__AdditionalEmailAttribute1%%
NYT.フロリダ州が、米国生まれの市民権を持った学生でも、両親が合法移民だと証明できなければ授業料を値上げすることに。
Sins of the Parents: Florida is charging citizens born in the United States higher college tuition if they can’t prove their parents are legal residents.
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