http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/9874
http://www.weeklystandard.com/articles/xinjiang-procedure_610145.html?nopager=1
MA州の自殺幇助合法化住民投票に関して、Second Thoughtsという反対運動のグループから障害者運動の活動家らが州下院で証言を行い、住民投票に反対。
http://www.digitaljournal.com/pr/518359
http://www.wwlp.com/dpp/news/politics/state_politics/Doctor-prescribed-suicide-draws-ire
そのMA州の男性Bruce Brodiganが父親の自殺幇助で起訴されたコネチカット州の裁判で、検察側が「愛情からやったことで、地域での奉仕作業も既に終えている」として起訴を取り下げ。裁判官もそれを受け入れて、みんなで「めでたし」にしたみたい。:ずるずる。
http://www.latimes.com/news/nationworld/nation/la-na-assisted-suicide-20111209,0,1824799.story
ノース・カロライナ州の1933-1977年の優生施策の推定7600人への補償問題。人数ではヴァージニアやカリフォルニアの方が多いが、ソーシャルワーカーにまで選別の権限を与えたのはNC州のみ。犠牲者の多くは貧困層やマイノリティの若い女性や知的障害者。
http://www.nytimes.com/2011/12/10/us/redress-weighed-for-forced-sterilizations-in-north-carolina.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha23
【関連エントリー】
NC州で、かつての強制不妊事業の犠牲者への補償に向け知事命令(2011/3/21)
NC州の強制不妊事業の犠牲者への補償調査委員会から中間報告(2011/8/15)
またまた韓国から「2015年までにヒトクローンつくる」と。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/9870
代理母ツーリズムでアイルランドの複数の夫婦に生まれた15人の子どもが、国籍も取れずアイルランドのパスポートも取れない状態に陥っている。
http://www.irishtimes.com/newspaper/frontpage/2011/1119/1224307824130.html
製薬会社資金による研究の透明性の問題。Lancetに。認可取り消しになったグラクソの糖尿病治療薬Avandiaなどを例に。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2811%2961859-X/fulltext?elsca1=ETOC-LANCET&elsca2=email&elsca3=segment
ファイザーのリピトール問題から学び、製薬会社はブロックバスターで一発ボロ儲けモデルから脱却せよ、とLancetの論文。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2811%2961858-8/fulltext?elsca1=ETOC-LANCET&elsca2=email&elsca3=segment
【関連エントリー】
ジェネリック薬を売らせないビッグ・ファーマの「あの手この手」が医療費に上乗せされていく(2011/11/15)
インターネット上のポルノ映像の広がりで、女性の間で性器の美容整形手術が流行しているとか。それに対して「ありのままでいいじゃん」というキャンペーンも。
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/the-womens-blog-with-jane-martinson/2011/dec/08/muff-march-designer-vagina-surgery
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2011/feb/27/labiaplasty-surgery-labia-vagina-pornography?intcmp=239
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2011/oct/14/designer-vagina-surgery?intcmp=239
NYT。IT企業は女性役員の数が最も少ない業種。
Where Are the Women Executives in Silicon Valley?: Technology companies have the lowest percentages of women board members and highest-paid executives among the biggest public companies in California, according to a new study.
クリスマス・シーズンに、介護者をケアする気持ちを。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/238913.php
――――――――――
以下のブログを教えていただき、
ちょっとコーフンしながら沢山のエントリーを読んで回った。
ブログ主は、「生存権」ではなく、その発展形として「健康権」を、主張をしている医師。
「静かな日 医療構造改革に抗して 野田浩夫」
http://nodahiroo.air-nifty.com/sizukanahi/
健康権については、もうちょっといろいろ読んでみないと、とは思いつつ例えば以下 ↓
山岡淳一郎「医療のこともっと知ってほしい」岩波ジュニア新書2009・・・健康権との関わり(2011年7月18日)
http://nodahiroo.air-nifty.com/sizukanahi/2011/07/2009-c678.html
生存権、正義論、健康権の関係・・・川本隆史「NHK白熱教室JAPAN」を見ながら(2011年7月26日)
http://nodahiroo.air-nifty.com/sizukanahi/2011/07/post-3762.html
当ブログでも言及した高谷医師のパーソン論論文を契機に書かれているものを始め、
脳死臓器移植と終末期医療について書かれていることがたいそう面白くて ↓
パーソン論と脳死臓器移植―雑誌「月刊保団連」2011年7月号 高谷清論文に触発されて(2011年7月14日)
http://nodahiroo.air-nifty.com/sizukanahi/2011/07/2011-a1ef.html
会田薫子「延命医療と臨床現場 人工呼吸器と胃瘻の医療倫理学」東京大学出版会2011 ノート・・・消極的安楽死は議論せよ、ただしそのことが積極的安楽死に道を開いてはいけない(2011年10月11日)
http://nodahiroo.air-nifty.com/sizukanahi/2011/10/2011-9756.html
高谷清「重い障害を生きるということ」岩波新書 2011・・・医療従事者は、自らの運動のモデルを重症心身障害者福祉運動に求めるべきである(2011年11月21日)
http://nodahiroo.air-nifty.com/sizukanahi/2011/11/2011-172c.html
火曜日の夜、(同室の)Aさんの希望でいつも”NHK歌謡ステージ”を見ているのですが、今週、特に気に入ったようで、”キャーキャー”と、にじ部屋が引っくり返るような大騒ぎだったとのこと。ちなみに出演歌手は「小林旭」だったそうですが……。ミュウさん、渋いですねぇ。
この話は、薬をもらいに詰め所に寄った際に、父親が看護師さんからも直接聞いたので、
よほど園内で噂になるほど本当に「部屋が引っくり返るような大騒ぎ」だったようで……。
さらに昨夜は、夕方のNEWS番組で”キャーキャー”と叫ばれていたミュウさん。何が面白いのかさっぱり分からず??と思っていたら、Bさん(身障の女性)が”橋下徹が出とったんよー”と教えてくれました。大阪市長も好みなのかな?
小林旭は、まぁ、よい。許す。が……、ちょっと待て。なんだとぉ、はし……?
おかーさんは、あんたを、そんな子に育てた覚えはないよっ。
ゲイツ財団肝いり“HIV感染予防ゼリー”は「新たなタスキギ実験」?(2011/6/24)
このニュースで「素晴らしい予防効果」で表象されていた臨床実験CAPRISA004では
39%の予防効果があるとされていた tenofovir 含有ゼリー、
その後、
HIV臨床治験ネットワーク the Microbicide Trial NetworkによるVIOCEという治験でも
ジンバブエ、南アフリカ、ウガンダの15か所で
5029人のHIV陰性で性行為がある女性を対象に
ゼリーと錠剤について同時に実験が行われていたところ、
The National Institute of Allergy and Infectious Disease (NIAID)の
独立の監査委員会 Prevention Trials Data and Safety Monitoring Board (DSMB)が
定期チェックとして調べた09年9月9日から11年9月30日までのデータによって
tenofovir ゼリーには予防効果がないことが判明。
感染率はそれぞれ6%と6.1%で、
プラシーボ・ゼリーを渡されたグループとの間に差がないため。
DSNBはVOICEに対して治験を取りやめ、
できるだけ早くゼリーの使用をやめるように参加者に通知するよう勧告。
ここで、ちょっと不可解な記述があって引っかかるのは、
ネットワークは全ての参加者に計画変更を通知しているとはいうものの、
ゼリーの安全性に大きな問題があるわけではないため、
本物のゼリー・グループの被験者には12月か1月の受診時まで
使い続けてもらうのだそうな。
FDAはtenofovirの認可を検討する前に
VOICEのデータを検証すると言っている。
別の治験も進行中で、こちらは2年以内に結果が報告される予定とか。
ちなみに、冒頭にリンクした記事で書いたように、
今年6月にCAPRISA004 実験について出ていた指摘は、
「39%の予防率」というのは、実は「61%は予防できない」ということであり、
途上国の女性たちを実験のために感染リスクに晒しているのは
新たなタスキギ実験だ、との指摘でした。
ある方から「治療としての位置づけが十分でなく効果が過剰に言われているのでは」などの
コメントをいただきました。
睡眠薬による「植物状態」からの「覚醒」 続報(2011/12/7)
この方からは、いつも専門的な情報のみならず良い刺激をもらっているのですが
今回のコメントからも、あれこれ考えるヒントをいただいて、
混とんとしている自分の頭の整理が多少できたような気がするので、
いただいたコメントへのお返事として書いたことを、
とりあえず今の段階で整理できたことのメモとして以下に。
ご返信ありがとうございます。
この薬の「治療としての位置づけ」について、ですが、06年には南アの医師らが会社を立ち上げて治験をやってくれるパートナーを探している段階だったので、今年に入って米国の大学や研究所で初めての大規模実験が始まったというのは、そこまでやっと進んできたということなんだろうと思います。06年のパートナー探しでもZolpidemの新しいマーケットの可能性を訴えていましたし、そこに何らかの食い付きがあって投資資金が投じられたから起こったことだろうとも推測します。植物状態や最小意識状態の改善に向けて睡眠薬の新たなマーケットが、まさかブロックバスターに化けるわけではないから、この治験に資金を集めるのは難しいのでは、と私は思っていたので、まずはここまで進んできたことを歓迎したいと思っています。まだ、位置づけられるためのプロセスがやっと始まろうとしている、という段階ではないでしょうか。
次に、この研究の「医療の動向における位置づけ」というか「意義」について、私は意識障害の治療の可能性そのものよりも、まずは”無益な治療”判断による一方的な治療停止がどんどん慣行化していく中で、無益性判断の根拠とされている「不可逆性」を否定することに最も大きな意味があるのでは、と考えます。
おっしゃるように、新たな治療法が紹介される時に過大評価や過剰な先取り期待を煽る報道がされることは日々繰り返されていますが、その多くは「科学とテクノの簡単解決文化」とその背景の利権とが方向づけていく最先端・予防と弱者切り捨て優生/資源化路線に沿ったもののように思います。この研究でも、続けていくにはコストが問題となると研究者が懸念していますが、同じく「命を救う治療」であっても、「命を救う」が多額のコストを費やすことの免罪符としてまかり通っていく(または世論の目くらましとして有効に働く)分野と、「命を救う」だけではコストが正当化されにくい分野とが歴然とあるということでしょう。私はこの研究はむしろ後者に属するように感じているので、なんとか前進してほしいと願うものです。
この記事の中でも言及されているOwenらの研究は、植物状態とされた人の脳画像によって「Yesだったら、テニスをしているところを想像して」という指示を出し、運動野にテニスをしている時に近い反応が見られることなどを通じて、植物状態とされた人の意識の有無やコミュニケーションを探ろうとするものです。これについて初めてエントリーにした時に私も「むしろ、こうしてコミュニケーションが可能になれば、それは安楽死誘導に使われていくのではないか」という懸念を持ちました。また、そういう方向に使い道が開けそうだということになれば、「自己決定と選択と尊厳」を謳って、むしろ研究資金が集まるのだろうな、とも懸念します。
昨日、米国で1週間前に銃乱射事件の犠牲になった1歳の子どもについて、「脳に活動が見られないから」という理由で治療は無益だとして、こども病院が両親に人工呼吸器取り外しを言い渡した、という報道がありました。たった一週間です。まだちゃんと読んでいませんが「脳に活動が見られない。もう天国に行っている」という言い方からすると、ちゃんとした脳死判定があったという印象ではありません。
現場でこういうことが慣行化されていく時代だからこそ、このような事例や研究をもとに、治療としての効果云々という次元ではなく、もっと本質的な倫理問題の議論がされるべきなんじゃないかと思うのです。研究資金の流れに沿った議論をする生命倫理学者の方の発言ばかりが目立って、それに抗う議論を出してくる学者の方が非常に少ないと思えるだけに、強く、そう思います。
最後の「研究資金の流れに沿った」という個所はちょっとわかりにくい表現になってしまいましたが、
「科学とテクノの簡単解決文化」とその利権の目指す方向に沿った、という意味です。
なお、Owenらの研究については、
「植物状態」5例に2例は誤診?(2008/9/15)
植物状態の人と脳スキャンでコミュニケーションが可能になった……けど?(2010/2/4))
さらに11月11日の補遺で以下
脳スキャンで植物状態の人の意識状態を確認しコミュニケートできる可能性。前からこの研究をやっているケンブリッジのAdrian Owen教授ら。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/nov/10/brain-scanner-hope-patients-vegetative?CMP=EMCNEWEML1355
ロンドンオリンピックの聖火リレー・ランナーの一人に決まった。
Saraさんは両親の介護をしている。
特にMSの母親の介護が中心。
12歳の時にYouTubeに動画を投稿してヤング・ケアラーの問題を訴えて以来
そうした発言を続けてきており、
首相とヤング・ケアラーの面談にも招かれ、施策提言を行ったことがある。
Saraさんが走るのは5月24日。
Olympic torch to be carried by Shrewbury carer
BBC, December 8, 2011
英国内17万5000人とも言われる(70万人というデータも)ヤング・ケアラーですが
昨今の社会保障費削減のあおりで彼らへの支援もカットされつつあります。
この話題を機に、問題意識が高まりますように。
なお、Saraさんがキャメロン首相と面談したのは
去年11月にBBCが行った若年介護者キャンペーンの一環。
それについては、以下の連載で簡単にまとめました。Saraさんにも言及あり ↓
英国BBCが若年介護者特集
「介護保険情報」2011年1月号 連載「世界の介護と医療の情報を読む」
この時に読んだ記事によると、
Saraさんは7歳の時からMSの母親の介護と家事をになっており、
4年前からは関節炎の父親にも介護が必要となったとのこと。
「私のような子どもはどうしたら大学に進学できるのですか」と
キャメロン首相に率直な質問をぶつけています。
この記事の最後に、私は以下のように書きました。
連立政権が社会保障全体の予算削減方針を打ち出している中、こうした介護者支援施策が今後どのように展開されていくのか気になるところだ。医療や福祉が 患者や高齢者や障害者のところで切り捨てられていけば、必然的に、その周辺にいる子どもたちに負担がのしかかっていくだろう。
それを思う時、同じような経済苦境下の日本で若年・子ども介護者の存在が今なお可視化されていないことが案じられる。
なお、話がさかのぼりますが
spitzibaraが07年に初めて若年介護者について知って書いた連載記事はこちら ↓
英国介護者週間
「介護保険情報」2007年8月号 連載「世界の介護と医療の情報を読む」
この記事の最後に私は以下のように書きました。
若年介護者については、近年の英国の動きを受けて米国でも米国介護連合NACが 2003年に初の若年介護者全国調査を実施。05年にまとめられた詳細な報告によると、米国でも8歳から18歳の若年介護者が130万人程度おり、未支援 のまま重い介護負担に苦しんでいると見られる。NACの報告書は、英・豪・NZなど若年介護者支援先進国の施策に学び、早急に支援を整備すべきだと締めく くっている。
日本で「若年介護者」という言葉すら聞かないのは、わが国には介護者役割を担う子どもが存在しないからなのだろうか……?
07年に書いた最後の2行、
今もう一度ここで声を大に繰り返したいので、ゴチックにしてみました。
また、その他、これまでに同誌の連載で介護者支援関連で書いたものは
去年、介護者支援シリーズにとりまとめました ↓
英国の介護者支援
英国のNHS検証草案と新・全国介護者戦略
米国 家族介護者月間
障害のある子どもを殺す母たち
NHSの介護者支援サイト Carers Direct
【その他、最近の関連エントリー】
「障害児とその親」支援と「障害者と介護者」支援がシームレスでない、という指摘(英)(2011/9/9)
英国のチャリティが介護者実態調査、「往診で介護者の健康チェック、介護ノウハウ研究と支援用具、それからレスパイトを(2011/9/16)
BBCの元プロデューサーで末期がんだったGeraldine McClellandさん(61)が昨日、スイスのディグニタスで幇助自殺。「なんでわざわざスイスまで来ないといけないのか。自分の国で死ねないのは英国の政治家が臆病ものばかりだから。英国もスイスと同じ制度にすべき」と、怒りの抗議文が、死の数時間後に公開された。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2071410/Our-cowardly-MPs-BBC-woman-died-Dignitas.html
カナダの自殺幇助合法化裁判でも、去年ディグニタスで死んだ末期がんの女性 Kathleen Carterさんのケースが「モデル・ケース」として紹介され、高いカネを払い時間と身体的な負担を侵して外国まで行かなくとも死ねるように、と弁論に。
http://www.theglobeandmail.com/life/health/end-of-life/good-death-in-swiss-clinic-held-up-as-model/article2263912/
上記、Carterさんの事件については ⇒ Dignitasで自殺した15人目のカナダ人は「脊柱管狭窄症でターミナル」の怪(2010/2/9)
カナダ王立委員会の出した自殺幇助合法化提言に、「報告書はバランスを欠いている」との批判。
http://www.montrealgazette.com/health/Assisted+suicide+panel+failed+present+balanced+arguments/5826773/story.html
オレゴンの医師から「オレゴンの尊厳死法の過ちを繰り返すな」という声。:7月にも別の医師から同じ声が上がっていた ⇒ OR州の医師「PAS合法化は間違い」(2011/7/4)
http://www.theprovince.com/news/Oregon+mistake/5817153/story.html
【関連エントリー】
C&Cが移植医と一緒に「尊厳死法に参加しましょう」と医師らに呼びかけ(2009/4/16)
WA州とOR州の2009年尊厳死法データ(2010/3/5)
OR州の「尊厳死」:97%にC&Cが関与、たった20人の医師がせっせと処方(2010/3/11)
オレゴン州の尊厳死法、セーフガードは機能せず(2010/8/17)
PAS合法化後、オレゴン州では自殺率がアップ(2011/1/12)
「抗がん剤も放射線もダメだけど自殺幇助はOK」というOR州メディケアのガイドライン(2011/1/17)
OR州の2010年のPAS報告書 自殺者また増加(2011/1/28)
【その他の話題】
米国オークランドで新たな“無益な治療”争議。11月28日に起きたラッパーによる銃乱射事件の被害者の一人 Hiram Lawrence Jr. (1)の両親に、オークランドこども病院の医師らがHiramの脳には活動が一切見られず「天国に行ってしまっている」ので、人工呼吸器を停止する、と通知。両親は弁護士を雇って、セカンドオピニオンをとるまで停止を阻止する構え。:事件のとばっちりを受ける形で1歳の我が子がそういう状態になったら、親はそう簡単に心の整理がつくわけじゃないと思う。わずか1週間というのは、余りにも非情なのでは?
http://www.nbcbayarea.com/news/local/Docs-Want-to-Take-Rap-Shooting-Victim-Off-Life-Support-Family-135201918.html
12月6日は英国の介護者啓発デイだったらしい。介護者にアドバイスや情報が発信される日。:日本の「介護の日」はプロの介護職を念頭に置いているので、「(無償で様々なケアを担う)ケアラーの日」が別に設定されたらいいのに、と思う。
http://kensington.londoninformer.co.uk/2011/12/carers-advice-day.html
「アルツハイマー病の人の介護ヒント集」:これは読んでエントリーにしたい。
http://www.dailyrx.com/feature-article/alzheimers-disease-long-term-care-giving-tips-16248.html
ビル・ゲイツ、中国政府と安全で効率の良い新しい原発の開発へ。:ゲイツ財団は何年も前からエイズ予防支援などで中国政府にずいぶんと食いこんでいる。”慈善”名目でカネと人材を送りこむことを通じて各国政府や大手企業の中にまずは十分に浸透し、その上でこういう動きに持っていけば、それはすごく巧妙な投資戦略かもしれない。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052970203501304577084450143654704.html
SSRIが自閉症スペクトラムの成人の反復行動の軽減に有効かも、という話が出てきている。:SSRI
のブームも一段落と見えるところに、気になるニュース。
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/antidepressant-drugs-may-help-adults-who-have-an-autism-spectrum-disorder/2011/11/30/gIQAEqvNWO_story.html?wpisrc=nl_cuzheads
緊急避妊薬、モーニング・アフター・ピルに規制緩和の動きがあったのだけど、これまで通り薬局で買えるのは17歳以上のみ、ということに。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/238831.php
米国の企業が不況により、自社社員の医療保険の内容を給料ランク別に差別化しようとし始めている。
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/employers-consider-cutting-health-insurance-premiums-for-lower-paid-workers/2011/11/30/gIQA19GCWO_story.html?wpisrc=nl_cuzheads
日本語ニュース。中国で人身売買関与の608人逮捕、子ども178人を保護。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111207-00000061-reut-int
日本の捕鯨船3隻が下関港を出港。以下の日本のニュースをいくつか読んでみた中には言及がないし、英文記事も最初の方しか読んでいないのだけれど、Guardianによるとグリーンピースなどから「震災復興費の中から捕鯨船警戒に費用を使っている」と批判が出ているらしい。読売新聞が書いている「第3次補正予算に安全対策費などとして約23億円」のことかもしれない。:それにしても読売以外のニュースは海上保安官の捕鯨船への同乗についてのみ書かれて護衛船の同行には触れず、「など3隻」の中に護衛船が含まれる書き方なのかどうか、なんだか、なぁ……。調査捕鯨に関するニュースでは、英語圏の報道とのギャップにいつも??
http://www.guardian.co.uk/world/2011/dec/07/japan-whaling-fleet-tsunami-earthquake-funds?CMP=EMCNEWEML1355%%__AdditionalEmailAttribute1%
調査捕鯨船団が出港、民間の護衛船も初同行。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111206-00000779-yom-soci
<調査捕鯨>回以上保安官が同乗し、目視採集船など出港――山口・下関 (毎日)
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20111206dde041040076000c.html?link_id=k_kanren_news_body
調査捕鯨、海上保安官同乗へ=妨害活動に備え、最大規模 (時事通信)
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-111205X536.html?link_id=k_kanren_news_body
世界中で報告されていることについて2006年の記事を
8月に以下のエントリーで紹介しましたが、
睡眠薬で植物状態から回復する事例が相次いでいる:脳細胞は「死んで」いない?(2011/8/31)
その続報がNYTにありました。
A Drug That Wakes the Near Dead
NYT, December 1, 2011
この記事でも、上記06年の記事にあった「覚醒」の第一例
南アフリカのLouis Viljoenさんについて書かれており、
Viljoenさんはその後、zolpidemの効果が持続する時間がどんどん長くなって、
最後には飲む必要がなくなったとのこと。
ただし、この記事の中核となっているのは
米国テネシー州メンフィスのChris Coxさんの新しいケース。
08年10月に鎮痛剤の過剰摂取から意識不明となり
15分以上の心停止だったことから脳損傷が避けられなかったものの
救急スタッフは呼吸器をつけ、最善を尽くして救命した。当時26歳。
両親は医師から
その夜の内にきっと心臓まひが頻発して死ぬから呼吸器を外すように言われたが拒否。
次にDNR(蘇生無用)指定を勧められたが、それも拒否した。
結局、心臓まひは起きず、クリスは4日後に意識を取り戻す。
3年後の現在、話すことはできないし、寝たきりで身体は拘縮し
胃ろう依存で、よく肺炎も起こしているが、
両親がリサーチの末に辿り着いた睡眠薬Ambien(zolpidemに同じ)によって
認知は改善してきている、と両親。
目をパチパチしたらYES。指をクネクネしたらNO。
親指を立ててみせて、と言われたら親指を立てる。
担当医も、クリスが植物状態を脱して最少意識状態との境界レベルにあると認める。
これまで、酸欠による植物状態は3カ月続くと固定し
外傷による植物状態も1年で固定すると考えられてきたが、
ここ10年、その定説を覆すデータが出てきている。
例えば
① 2003年にアーカンソーのTerry Wallisさんが19年間の最少意識状態から覚醒したが
脳画像では、生き残ったニューロンが死んだニューロンを迂回して新たに繋がり合い、
彼の脳は自ら修正を行っていたことが明らかになった。
② 2007年にはWeill Ciornell 医大のNicholas Schiff医師らがNature誌に論文を発表し、
損傷を受けて何年も経った患者が「脳ペースメーカー」とも言えるDBSで
話したり食べたりするまでに回復した事例を報告した。
③ 今月のLancetで英国の神経学者Adrian Owenが発表したところでは
植物状態とされて身体は一切動かない患者の脳が簡単な指示に反応していることが
明らかになった。
(この話題については当ブログでも11月11日の補遺で拾っている。
Owenらの研究については他にも以下のエントリーがある。
植物状態の人と脳スキャンでコミュニケーションが可能になった……けど?(2010/2/4))
Zolpidemの認知障害の治療薬として初めての大規模治験が
Moss Rehabilitation Research Instituteとペンシルベニア大学で
今年始まったところだ。
この10年の事例では、
効果のある人と、全くない人とがあり、
効果のある人でも、使っているうちに効かなくなる人と、
長く使っても効果が薄れない人、どんどん改善して飲まなくてもよくなる人があり、
何がそれを分けている要因なのかは不明。
Weill Cornel 医大の医師で、間もなく
“Rights Come to Mind: Brain Injury, Ethics and the Struggle for Consciousness”
という本を上梓するJoseph J. Fins医師は
「いったん最少意識状態まで回復したら、次はどこまでいくかは予測不能。
完全な意識を回復する患者もいれば、そこに留まったままの人もいる。
結果を知るためには、時間をかけて様子を見るしかない」
ペンシルベニア大のSoojin Park 医師は
長期予後が不透明な中でチューブだらけで感染症を立て続けに起こしている姿を見れば
家族もラクにしてやりたいと思うのは自然だし、医師が最悪を念頭に
家族に治療停止を提案することも少なくない、と語り、しかし、それは
「さっさと解決してすっきりしたいがために、
どっちとも分からないことを全部すっ飛ばしているだけ。
早いうちから一律にもう駄目だと決めてしまうのは間違い。
今のように時間が経過した後の回復の可能性がデータで出てきているなら、なおさらだ」
ただ、家族にとっては延々と諦めずに戦い続けるのか
それでも結果は分からないとなると苦しいし、
合併症と闘いながら丁寧な意識状態のアセスメントを繰り返すことには
コストの問題もあり、難しい、とMossの治験ディレクター。
「植物状態」の4割は誤診だとのデータもある、とこの記事でも言及されており、
それは実は上記のOwenらのデータで、当ブログでも08年に拾っていますが ↓
「植物状態」5例に2例は誤診?(2008/9/15)
私自身はAshley事件を通じて
重症障害者の意識状態に対する医療職の偏見の根深さを痛感してきたし、
実際にミュウやその他の重症児・者の認知や知的レベルについても
親や直接処遇職員に比べて実は何も知らないと言ってもいいほど医師が無知であることは
様々に見聞してきた。
この記事の中にも象徴的なエピソードが出てくる。その概要は以下。
「植物状態」や「最少意識状態」を間違いなく診断できると思いこんでいる医師に、
また親が「ウチの子は分かっている」という言葉に疑いを差し挟むすべての人に、
じっくりと読んでもらいたい、と思う。
Chris Coxさんは目を覚まして2週間後には目で物を追うようになり、
1カ月後には簡単な指示に従うようにもなった。
そこで友人が見舞いに来た時に
ベッドの両脇に2、3人ずつ並んで、
「ジムを見て」「今度はボブを見て」と指示すると
クリスさんは正確にその友人を目視してみせた。
そこで母親が医師にその話をして改めてMRIを撮ってほしいと求めたところ
医師は「そんなのは脳幹の反射に過ぎない。
名前の通りの人を目視したところを友人や家族が目撃したのは
クリスの現状を否認したい気持ちのなせる技に過ぎず、
実際の回復のエビデンスではない」と突っぱねた。
この医師は、一日おきにクリスの病室に立ち寄るが、
ドアのところからクリスの名前を大声で呼び、反応があるかどうかを見ては去っていく。
一度も部屋に入ってきて間近にクリスを見たことはなかった。
そこである時、母親が腕をつかむようにして部屋に引きずり込み、
ベッドサイドまで連れてきた。
そして、「瞬きして」と息子に語りかけた。
息子は瞬きをして見せた。
次に医師にドアまで歩くように言い、
息子には医師の動きを目で追うようにと指示した。
息子は言われた通りに医師の動きを目で追った。
さらに親指を上げてみて、という指示に
クリスの親指がわずかながら、もぞもぞと持ちあげられると
医師は驚いて口をあんぐりとさせた。
そしてやっと
クリスが植物状態ではなく最少意識状態だということを理解した、という。
私としては
瞬きと指の動きでYESとNOを表現できるということは
質問の内容を理解できているということだと思うし、
友人をそれぞれ認識できているということを考えても
クリスさんは感覚レベルをはるかに超えた「意識」を有しているのだけれど
それを表出することができないでいる可能性があるのではないか、
そういう人を快不快の感覚レベルの「最少意識状態」とすることは
それって本当のところ、どうなのよ? という気がしますが。
他にも、もともとのアセスメントに同様の問題があったと思われるケースはあります ↓
自己で視力を失った聴覚障害者が「指示に反応しない」からリハビリの対象外……というアセスメントの不思議(2011/2/6)
「生きるに値しないから死なせて」家族の訴えを、介護士らの証言で裁判所が却下(2011/10/4)
その他「植物状態」や「脳死」からの回復例についてはこちらの文末にリンク一覧があります ↓
またも“脳死”からの回復事例(豪)(2011/5/13)
その他、関連エントリーとして ↓
「わかる」の証明不能は「わからない」ではない(2007/9/5)
重症障害児・者のコミュニケーションについて、整理すべきだと思うこと(2011/11/21)