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2010年11月に妻をDignitasで自殺させたChris Larner氏が、それを戯曲にして自ら演じるのだとか。
http://www.birminghampost.net/news/west-midlands-news/2012/01/18/wolverhampton-to-stage-play-of-woman-s-assisted-suicide-at-dignitas-65233-30148982/

Hertfordshireの高齢者チャリティAgeUKのトップが、自殺幇助合法化を提言したFalconer委員会の報告書を支持。:ついに高齢者チャリティまでが。
http://www.hertfordshiremercury.co.uk/Cheshunt-and-Waltham/Assisted-dying-status-quo-defended-by-elderly-charity-chief-18012012.htm

英国の介護者支援で、未支援の介護者発見にスーパーの店員さんにも一役買ってもらおうという案が出ていることは去年12月29日の補遺で拾って「やり過ぎでは」という感想を持ったけど、議員さんたちも同感みたい。でも、「そこまでやると、まるで監視社会」と思いかけて、だからこそ却って英国らしい発想なのか……とも。
http://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-16599146

中国で富裕層が増えるにつれ、慈善家も増えているらしくて、ビル・ゲイツが歓迎。
http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2012-01/17/content_14463894.htm

アフリカのマラリア撲滅運動に乗じて、抗マラリア薬の偽物が出回っているらしい。:この話、偽物が出回るからけしからんという読み方もあるけど、偽物が出回るというのは、それがゼニになるマーケットだと読んでのことだという読み方も、実は重要かも?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/240406.php

アスピリンを毎日飲んだからって、現在心臓病がない人の心臓病予防にはならないらしい。
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/study-questions-daily-aspirin-heart-benefits/2012/01/12/gIQABMvC4P_story.html?wpisrc=nl_cuzheads

【関連エントリー】
健康な人も5種混合薬を毎日飲んで将来の心臓病リスクを半減しようって(2009/4/2)
「40過ぎたらガン予防で毎日アスピリンを飲みましょう」って(2009/4/30)
2010年12月7日の補遺
2011年1月1日の補遺
2011年10月28日の補遺


グァテマラの非倫理的な人体実験の報告を受けて、オバマ大統領が諮問していた倫理問題諮問委員会から、人体事件の被験者保護を強化するよう提言。
http://www.nature.com/news/us-bioethics-panel-urges-stronger-protections-for-human-subjects-1.9647

【関連エントリー】
タスキギだけじゃなかった米の非人道的人体実験、グァテマラでも(2011/6/9)
米の科学者ら、非倫理的だと承知の上でグァテマラの性病実験を実施(2011/8/31)


日本。「安易に幹細胞治療を受けないように」
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=53164

【関連エントリー】
「幹細胞治療のウェブサイトは危険」と専門家が警告(2008/12/8)
米国FDAが認めなかったかな細胞治療、英国で治験へ(2009/1/19)
早くも米国で胚性幹細胞による脊損治療実験にGO(2009/1/24)
米国初のヒト胚幹細胞による脊損治療実験、突然の中止(2011/11/17)


日本語。ホルムズ海峡危機 米軍は「完全な準備できている」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120119-00000507-san-int

東アフリカで干ばつ。
http://www.guardian.co.uk/world/2012/jan/18/east-africa-drought-disaster-report?CMP=EM
2012.01.19 / Top↑
フィラデルフィア子ども病院に知的障害を理由に3歳の女児の腎臓移植を拒否されたとして、
母親が顛末を書き病院に撤回を訴えたブログに2万を超える署名が集まっている。

Amelia Riveraちゃん、3歳。
染色体異常の一種、ウォルフヒルシュホーン症候群で
発達が遅れ、てんかんや知的障害もある。

腎臓移植をしなければ余命1年程度と診断されているのだけれど、
母親の話では、1月10日に移植医とソーシャル・ワーカーとの面談で、
両親はAmeliaちゃんが“精神薄弱”だから移植待機リストには載せられない、と言われた。

身内の中で適合する腎臓の生体ドナーを探すというと、
移植後に飲まなければならない薬をきちんと飲めそうにない、
また現在飲んでいる抗けいれん薬と一緒には飲めない、
移植してもいずれまた次の移植が必要となる、
などの理由で、それも薦められないという話だった。

病院側はFacebookで個別ケースについて事情は明かせないとしながらも
知的障害を理由に移植を拒否することはない、とも。

母親は
「じゃぁ、半年後から1年後に腎臓がいよいよもたなくなったら
私たちにこの子を死なせろというんですか? と聞いたら、医師は yes と言いました」。

騒ぎになって、病院側は再度、両親と移植チームとの面談を予定。


障害のある子どもたちの移植問題を研究しているスタンフォード大のDavid Magnus教授が
2009年に小児移植の専門誌に発表した報告論文によると、

小児の固形臓器移植の待機リスト登録の決定要因に神経発達遅滞(NDD)を含めるかについて
移植プログラムによってバラツキがあって一貫しておらず、

移植プログラムの33%が「含めたことがない」「ほとんどない」と答えたのに対して
43%が「常に」または「たいてい」含める、と答えている。

62%がそれを決めるのは非公式のプロセスだと報告し、
統一された明確な公式手続きがあると答えた病院はゼロだった。

また遅滞の程度についても病院によってバラついており、
14%が軽度または中等度のNDDでも、どちらかといえば待機リストに載せない要素と答え、
待機リストに載せる決断にNDDは全く無関係と答えた病院は2%だった。

Arthur Caplanによると、
医師はそれぞれの子どもの症状、QOLに関する考慮、寿命などによって
移植の対象としないという決断をしているという。

例えば植物状態にある子どもや
移植後の管理が十分にできないと思われる施設入所の場合などは
移植の対象としないことが検討される。

手術の成功率に関わる病状がカウントされるのは正当な理由だが
知的障害それ自体を候補としない理由にするのは偏見であり、

QOLに価値判断を持ちこんで
「知的障害それ自体を移植の候補者としない理由にしている移植センターがあるのは事実だが
それは偏見だと思う」とCaplan。

Mom says special needs daughter denied life-saving kidney transplant
CBS News, January 17, 2012

Denying an organ to a ‘mentally retarded’ child
WP, January 17, 2012


Ameliaちゃんの場合、知的障害そのものが理由とされたのか、
それともCaplanの言うように、その他の病状によって手術が成功すると思えないのか、
もしかしたら後者の説明がきちんと誠意を持ってされず、
両親の誤解を招いたケースの可能性もあるのかも……?


David Magnus医師といえば、私にとっては
とても温かく記憶に残っている医師です。

2007年のシアトルこども病院生命倫理カンファで
「発達に遅れのある子どもを臓器移植の候補者リストに載せるべきか?」と題して
プレゼンを行っていました ↓

障害児の臓器移植 Magnus 講演 1(2007/9/8)
障害児の臓器移植 Magnus講演 2(2007/9/8)


そして、その中でルシール・パッカード病院が多くの倫理学者を参加させて作った、
以下の「予備的コンセンサス」を発表しています。

・親が望めば、どの子も評価・検討をしてもらえること。
・すべての決定はケース・バイ・ケース原則にて。
・評価のプロセスには、熟練した発達の専門家によるアセスメントが必ず含まれること。
・リストに挙げるかどうかの判断に発達の専門家が加わること。
・永続的に意識のない子どもは対象としない。
・軽度または中等度のNDDはそれ自体では、否定的な指標とはならない。
・「利益対負担」の判断からリストに載せない判断をする場合には、パリアティブ・ケアが必要。
・決定プロセスの透明性が必要。
・NDDの移植アウトカムについて、より良いデータが残される必要がある。
・親と医師のコンフリクト対応のため、不服申し立てが出来る機構が考えられなければならない。

このコンセンサスの作成には
CaplanもDiekemaもTruogやVeatchやRossやWilfondその他
多くの倫理学者が参加していますが

Magnusは講演の中で、特に障害児のアセスメントについて
発達の専門家のアセスメントを経なければ表面的には分からないと
強調していたのが印象的でした。

また、Fostらとのパネルでも、
障害児なんぞにかけるコストは無駄と、切り捨て姿勢を露骨にするFostに
Magnus一人が何度も反論していたのが、とても心に残りました ↓

Fostのゴーマン全開 13日午前のパネル(2007/9/12)
2012.01.19 / Top↑
昨日、以下のエントリーで紹介したアリソン・ラッパーの妊娠裸像について、
ずっとグルグルしている。

Ouellette「生命倫理と障害」第5章: 「アリソン・ラッパーの像」

今朝一番のツイッターで、mnagawaさんがこの話題に反応しておられるのを発見したことから、
ぐるぐるが俄かにいくつかの焦点を結び始めた気がするので、
今までに考えたことを、ざっくりと。


ツイッターでmnagawaさんも
「女性が真っすぐな眼差しをして座ってるんだなと思ったのが最初」と書いておられるけれど、
私もこの像で目が止まったのは「まっすぐなまなざし」と「すっくと伸びた背」だった。

全体として受けた印象は、「強さ」と「清潔」。
同時に、ここに描かれているものは「意志」……? とも思った。

それが生きる意思なのか、子を産み育てようとする意思なのか、はたまた全然ちがうのか、
そんなことは本人以外には分かりようがないことだから詮索しても仕方がないのだけれど、
そこに一つの強い意思がある、ということを像が表現しているように感じた。

「清潔」だと感じたのは、
妊娠している以外に過剰に女性性が強調されていないからだと思う。
女性の身体ではあるけれど、存在そのものはとても中性的な感じがする。
「ここに妊娠している一人の人がいる」とでもいったふうな。

例えば髪が短いとか、顔が中性的だということだけではなくて、
もうちょっと、そこに描かれている人の存在感そのものが
私には「女性」というよりも「ひとりの人」だった。

BBCに引用されていた評論家は
「非常に力強く、女性の、生命の、真の美しさ」と言っているのだけど、
私は「女性の」ではなく「生命の」でもなく、「真の」でもなくて、
「アリソン・ラッパーという一人の人がある強い意思を持ってそこにいる、
その姿を描いて、そこに描かれた凛と澄んだ意思の強さが美しい」というふうに感じた。

それでも、この像を「醜悪」だと感じる人がいる。
そのことについて考えていて、頭に浮かんだのは2つ。

1つは、
この像に私はたいした違和感はないんだけど、それは何故だろう、と考えていたら
この像って、妊娠していることを除けば、あの乙武クンと同じ姿なんでは? 

乙武クンが発言・行動し、マスコミに登場してくれたおかげで、
私たち日本人は英国人よりはるかに「手がなく脚が短い身体」を見慣れているのかも?

じゃぁ「醜悪」だと感じる違和感には
「慣れ」の問題という部分も大きいのか……?

……と考えて、もう1つ、連想が繋がったのが、
娘とその周辺にいくらでもいる「奇妙な身体を持った人たち」のこと。

ミュウ自身、背中が3次元にねじれているし脚も曲がったまま固まっているから、
私たち親は見慣れているし、そういう身体ごとミュウはミュウなので、
大したことでも何でもないけれど、初めて見る人にとっては
「なんてねじれた身体」「気持ち悪い身体」と見えるのだろうと想像してみる。

そして実際、世の中にはミュウ以上に身体が変形した人たちが沢山いる。

中には、いいかげん見慣れている私自身、初めて見た時に思わず息を飲み、
いったい人の身体のどこがどうなったらこうなるのか、と内心でこっそり考えたほど、
見事な(?)変形をきたした人もある。

そういう「変形した身体」「ねじれた身体」「奇妙な身体」を持った人たちが
文字通りフロア・ライフでゴロゴロしているのが重症障害者の世界なわけで、
これもまた見慣れた私には大したことでも何でもないけれど、
そういう人たちが自力で動くと、その動きもまた見慣れていない人の目には
「異様な動き」「気持ち悪い動き」と映るのだろう。

でも、
先の見事なほどの変形をきたした身体の持ち主であるAさんとその後、何度も接しているうちに、
個人的に知りあい、Aさん「その人」と日常的にやりとりをしていると、
本当に身体はぜんぜん問題ではなくなるものなんですよ、これが。

AさんはAさんでしかなく、たまに意識するとしても
せいぜいが「そういう身体を持ったAさん」でしかない。

でも、たぶん、そういう体験そのものは
案外に誰もが経験しているんじゃないだろうか。

自分のセックスのパートナーが必ずしも
グラビア・アイドルやイケメン俳優みたいな
パーフェクトな容貌や身体の持ち主でなくても
みんなそれはそれとして何ら問題なくやっていけていることと
それは、とても似ていることのような気がする。

恋愛して好きになった人とセックスする段になって
期待以下の身体だったから愛情そのものが冷めてしまった、という人はいないだろうし、
いたとしたら、それは愛情そのものがその程度のものだったということだろうから、
人と人との関係性の中では、身体って所詮はその程度のことでしかないんでは?

誰かの「異なった身体」がインパクトを持つのは、それを初めて見た瞬間だけ。
そして、相手との関係性の中では、その一瞬にはほとんど意味はないのでは?


mnagawaさんは、ラッパー像の四肢の様態について
「(自身にとっては)プラスにもマイナスにもあまり働かない」と書いている。

私もそう。

それは、たぶん、「見慣れている」というだけではなく、
そういう名前も個性もある「その人」との「出会い」を繰り返し体験して、
人との関係性の中で身体はその程度のものでしかないことを知っているからなのでは?

そしてそれは、上でセックスについて書いたように、本当は誰もが知っていることなのに、

人に愛されるためにはパーフェクトな身体を手に入れることが大事なのだと
誤って思いこまされてしまうのと同じように、

「障害ゆえに異なっている身体」だけが「そういう身体を持ったその人」よりも大問題だと
どこかで誤って思いこんでいるだけなのでは?


そういえば、この前、
重症障害児・者を見たことも触ったこともない学者さんたちが
アカデミックな世界で障害のある新生児の中絶や安楽死を議論していることへの疑問から
そういう人たちと「出会う」べく行動を起こしてほしいと、ある人にお願いし、
「見学にいく」のではなく「出会って」ほしいのだと念押ししたのだけれど、

「見学」にいって、フロアで文字通りごろごろしている
いくつもの「ねじれた身体」や「奇妙な身体」を「見て」終わってしまったら、
「自分ならこんな姿になってまで生きたいとは思わない」的な安易な感想に繋がらないとも限らない。

だからこそ、
その中の誰かと触れあい、○○さんという名前を持ち個性を持った人と接し、付き合ううちに、
ねじれた身体が全然問題ではなくなる「○○さんとの出会い」の体験をしてもらいたい。

「出会ってほしい」にこだわった私自身の気持ちとは
改めて、なるほど、こういうことだったんだなぁ……と再確認。

それならばこそ、やっぱり、
障害児・者の処遇や命にかかわる議論をする学者さんたちはもちろん、世の中の一人でも多くの人に
「障害ゆえに異なった身体をもっている誰か」と出会い、「その人」自身と知り合い関わることで、
「人との関わりにおいて身体は所詮はその程度のことに過ぎない」と
発見する体験をしてもらえたら……と改めて思う。


【関連エントリー】
「A事件・重症障害児を語る方に」という書庫を作りました(2010/10/4)


もう1つ、
そういえば、昔、デミー・ムーアが臨月のヌードを雑誌の表紙に発表した時にも
賛否両論が轟々とあったなぁ……というのも思いだしたのだけど、
これについては、まだグルグルが余り収束していないので、また改めて。
2012.01.19 / Top↑
米国の複数の専門医会が集まって「賢い選択」キャンペーンを行い、4月までに医師と患者が賢い選択を行うに当たって問うべき5つの事柄なるものを設定することに。過剰な検査や治療を防ぐため。
http://medicalfutility.blogspot.com/2012/01/choosing-wisely-five-things-physicians.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+MedicalFutilityBlog+%28Medical+Futility+Blog%29

ニュー・メキシコでトレーラー・ハウスで暮らす86歳の寝たきりの姑をベッドに縛り付けて、壁の破れ目から自由に出入りするネズミやその他野生動物の餌食にした(足の指が食べ尽くされていたとのこと)ネグレクトで、介護者として登録されていた嫁とその娘を逮捕。姑のメディケアとか福祉手当を横取りもしていたらしい。トレーラー・ハウスは汚く、悪臭がすごかったとか。姑は衰弱も酷く、病院で死亡。:そのトレーラー・ハウスに同居だったのか別居だったのかとか、その女性の息子はどうして記事にまったく出てこないのか、ヘルパーなど外部の専門職がどうして入っていなかったのか、など、分からないことの多い記事、事件。いずれにしろ、高齢者介護と貧困の問題が重なると虐待が起きやすくなるんだろうと思う。
www.dailymail.co.uk/news/article-2087076/Carers-charged-neglect-death-woman-86-toes-chewed-wild-animals.html?ito=feeds-newsxml

日本。高齢者賃貸マンション、生活保護受給者の争奪戦。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120107-OYT1T01037.htm

パーキンソン、ALS、MSと診断される人が増えており、早急にNHSの神経科を強化しなければ破たんが近い、と関連チャリティの連盟が警告
http://www.guardian.co.uk/society/2012/jan/17/nhs-neurological-alliance-warns-timebomb?CMP=EMCNEWEML1355

NYT. 米国で医師への金銭の流れのディスクローズを製薬会社に義務付ける方向? :Grasley議員が主導して出来たサンシャイン法とはまた別に?
U.S. to Force Drug Firms to Report Money Paid to Doctors: To head off medical conflicts of interests, the companies would be required to disclose what they pay doctors for research, consulting, speaking, travel and entertainment.

【関連エントリー】
ProPublicaが暴く「ビッグ・ファーマのプロも医師軍団の実態」(2010/11/2)
ProPublicaの製薬会社・医療機器会社と医師との金銭関係調査アップデート(2011/9/9)


NYT. 子どもたちの肥満スクリーニングとそれを受けたカウンセリング費用が保険会社と雇用主の負担となるらしい。
Learning to Be Lean: Health insurers and employers must now pay to screen children for obesity and provide them with counseling. Experts say creating such programs will be a challenge.

英国の社会保障費削減を受けた福祉改革で、障害のある学生たちへの手当が危うくなる懸念。
http://www.guardian.co.uk/education/2012/jan/16/disabled-students-welfare-reform?newsfeed=true

今年に入ってロンドンではもうティーンエイジャーが14人も殺されている。:ずいぶん前から、ちょっとしたことでギャング化した若者同士が争って刺し殺したり撃ち殺したりが問題になっていた ⇒ ロンドンの若者が荒れている(2008/9/17)
http://www.guardian.co.uk/uk/2008/may/25/ukcrime?CMP=EMCNEWEML1355

親がちょっと気をつければギャングからの誘いには抗えますよ、という研究結果。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/240354.php

ジョンズ・ホプキンスの調査で、古いデータで主治医が高齢者は移植対象から外しているが高齢者でも腎臓移植すれば予後が悪くない、と。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/240356.php

【関連エントリー】
「腎臓が欲しければ、他人にあげられる腎臓と物々交換で」時代が始まろうとしている?(2010/6/30)
「質のいい腎臓は若者優先に」とNYT社説(2011/3/1)
「若い人が優先」腎臓分配方式の提言にRossが反論(2011/3/7)
イスラエルの貧困層から米国の富裕層へ、腎臓を闇売買(米)(2011/10/29)


中国のどこぞに日本人のための町がつくられようとしているみたいなんだけど、それってやっぱり富裕層の避難先? 
http://timesofindia.indiatimes.com/city/chennai/1500-acre-Japanese-township-to-come-up-soon-on-OMR/articleshow/11443415.cms

日本語ニュース。誘拐の子供ら1332人救出=物乞い強制―中国新疆ウイグル自治区
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120116-00000072-jij-int

人身売買の犠牲となり英国のマリファナ農場で働かせられていた7人のヴェトナム人の子ども達、英国政府とフランス政府との極秘の紳士協定により、フランスへ送還。
http://www.guardian.co.uk/uk/2012/jan/17/child-trafficking-victims-bounced-back?CMP=EMCNEWEML1355

NYT. 数年間のデータだけで教師の良しあしが分かるか? というタイトルの記事なのだ度、そのリード部分にある「より良い教師がより良いテストの点数とより良い人生に繋がる」というセンテンスに、イヤ~なものを感じる。
Can a Few Years’ Data Reveal Bad Teachers?: Better teachers lead to better test scores and better lives. But with only a few years’ data, can districts tell which teachers are good?

ビル・ゲイツがナイジェリアへ。ワクチン・プログラム推進で知事らと大臣が合意。:去年からビル・ゲイツはせっせとナイジェリアへ力を注いでいる。10月には「2012年の内に撲滅に成功した州には50万ドル上げるよ」と賞金まで。
http://www.thenationonlineng.net/2011/index.php/health/33458-governors-okay-immunisation-programme.html

ナイジェリアのワクチン推進については、去年9月30日の補遺で↓
ビル・ゲイツがポリオ撲滅推進でナイジェリアへ。:大統領選挙を巡って、すさまじい内乱状態が起きた ばかりの国でも、この人は最重要課題はポリオの撲滅だ、ワクチン推進だ、と説く。「無政府状態のソマリアだってワクチン接種率は高いんだぞ」と胸を張るこ の人にとって、いったい物事の優先順位ってどうなっているんだろう、とずっと不思議。
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5igG2I_nNG70Bo-ObivptdutviDGA?docId=CNG.211f4e001608b37db54efe2a0eef44b5.551

ビル・ゲイツが来たとなると、ナイジェリアの上院議長が「2年以内にポリオを撲滅してみせます」と約束したそうな。:2年で撲滅ったって当面それどころじゃなかろうに、それでも約束してみせたくなるほどに、何かイイコトがあるんだろうな……と、どうしても。
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5igg1wgeq1pHQyeh_DIHww-8eTniw?docId=CNG.11b830e74e89175fd9b015ca71842771.551

10月7日の補遺では↓
そのゲイツ氏、この前ナイジェリアに行って議会の要人に「2年間でポリオ撲滅します」と約束させていたけど、やっぱ信じられなかったのかしら。「2012年のうちに撲滅に成功した州には50万ドルあげるよ」と賞金まで。:どうも、この人の発想にはこういうのが多い。中国でエイズ検査キャンペーンをやった時も「検査受けたらゼニあげるよ」だったし。
http://www.vanguardngr.com/2011/10/polio-eradication-bill-gates-to-give-states-500000-award/
http://allafrica.com/stories/201110070226.html
2012.01.19 / Top↑
Alicia Ouelletteの”Bioethics and Disability” 第5章「生殖年齢」の
冒頭で取り上げられている話題がこれ。

まったく知らなかったので検索してみたら、
日本語でもいろいろ出てきた。

マーク・クインと言えば、1997年の「センセーション展」で、自ら採血した冷凍血液で自分の頭像を作るというグロテスクな作品で、一躍その名が知られる所となったアーティストである。
今回マーク・クインが制作したのは、彼の友人であるひとりの障害者をモデルにした巨大な彫刻。高さが3.6mもある、ぬめりとした表面を持つ大理石でできた人物像。
その人物像を巡って、今ロンドン中が大騒ぎになっている。理由は、その巨大な人物像には腕がなく、足は極端に短く、妊娠8ヶ月の女性の裸体だからである。先天的な障害を持つ彼の友人の名が、作品タイトルになっており、「Alison Lapper Pregnant(妊娠8ヶ月のアリソン・ラッパー)」という。
(中略)
ある評論家は「非常に力強く、女性の、生命の、真の美しさを秘めている」と絶賛し、あるジャーナリストは「公然に醜いものを設置した」と酷評した。
そして当のアーティスト本人は「今まで歴史の中で、障害者は常にアートにおいて不当な扱いを受けてきた。アリソンの像は、女性の強さを表す、新しいタイプのアートなのだ」とコメントしている。
この彫刻、2007年ドイツの彫刻家トーマス・シュッテの「鳥のためのホテル」という抽象建築彫刻にとって変わるまでの間、観光客だけでなく、ディベート好きなロンドナーにとっても格好の議論のネタとして君臨するのであろう。
またやってくれたぜ、マーク・クイン!
ROUTINE Diary of Manya Kato, 2005年9月20日(在英の方がBBCの記事を元に紹介)

ラッパー氏は1965年、腕と足が奇形的に短い「アザラシ肢症」という障害を持って生まれた。生後6週で親に捨てられ、保護施設で育つなど、不遇な幼年時代を過ごした。
ラッパー氏は17歳のとき、正常人たちと一緒に英国のバンステド大学で美術の勉強を始めた。22歳のときに結婚して幸せな新婚生活を送りもしたが、夫の暴力に苦しみ、2年間の短い結婚生活を終えた。
1999年姙娠したラッパー氏は、周囲の人々が「子供も母親のような障害を持って生まれるかもしれないし、たとえ子供を生んだとしても、どのように育てるのか」と言って出産を止めさせようとしたが、子供を生むことを決心し、元気な男の子を生んだ。
ラッパー氏は遅まきながら自分の夢を実現するために美術の勉強を再度始めた。
ヘドルリ美術学校とブライトン大学を卒業したラッパー氏は、手がなくて口で絵を描く画家兼写真作家の道を歩き始めた。
ラッパー氏は写真機で光と影を利用し、自分の裸身をモデルとし、彫刻のような映像を作って高い評価を受けている。
腕のない「ミロのヴィーナス」をもじって、自らを「現代のヴィーナス」と呼ぶラッパー氏は、身体の欠陷を乗り越えて肯定的な自分の発展を遂げ、世界の人々から尊敬を受けた。
ラッパー氏は昨年、英国の彫刻家マーク・クィーン氏が臨月のラッパー氏をモデルにした5mの彫刻作品を、ロンドンのトラファルガー広場に展示し、「モデル」としても有名になった。
「人生に挫折はない、夢と希望があるのみ」…口足画家のラッパー氏
美術市場、2006年4月26日 (ラッパーさん韓国訪問ニュースを紹介するブログ記事)


ウ―レットは、
この像に対して起きたリアクションについて
「障害のある女性が性的な存在となり子育てをする」ということへの驚き、困惑、反発であり、

その背景にあるのは「障害のある女性は性的な存在ではなく、
子どものように無能で依存的、受動的、ジェンダー外の存在であり、従って
養育とか生殖といった役割にはふさわしくない」との思い込みがある、

そして、それらが偏見となって
かつての優生思想に基づく知的・精神障害者への強制不妊手術に繋がったのだ、と述べる。

ここで引用されている Barbara Faye Waxmanの言葉が、ずん、と来る。

The message for disabled kids is that their sexuality will be realized through their sexual victimization……I don’t see an idea that good things can happen, like pleasure, intimacy, like a greater understanding of ourselves, a love of our bodies.

障害のある子どもには、あなたのセクシュアリティから起こるのは性的な被害だけ、とのメッセージばかりが送られて……たとえば悦びとか親密さとか自分のことがより理解できるようになるとか、自分の身体を愛しむとか、いいことだって起こる可能性については誰も考えない。


セクシュアリティと育児にまつわる偏見から、
特に知的障害・精神障害のある女性は自動的に子育てに不適切とされて
生まれた子供の親権を与えられなかったり、
自己決定能力のある障害者でも強制不妊や隔離の対象とされたり、
本人のためだとして性的な関係から遠ざけられてしまう。

またウ―レットは、医療の現場にある障害者に対する偏見も指摘する。

例えば、女性障害者が婦人科の検診を受けようとすると、ADAから10年も経った現在でも
診察台に上がるための介助者を自分で調達して来いと求められるし、

そのために女性障害者では癌の発見が遅れている事実もある。

さらに、
当ブログでもお馴染みのBill Peaceが
怪我をした息子を救急病院へ連れて行った時に、
医療職が息子に向かって「親はどこか」などと問い、
そばにいる車いすの成人男性は自動的に患者とみなされて
それが親だとは誰も思いもしなかったエピソードを上げ、

次のように指摘する。

ピースの体験は典型的で深刻なものだ。彼の体験は、障害のある人は患者であって人ではないという偏見がいかに医療職に根深いかを物語っている。
(p.200)


ウ―レットの「生命倫理と障害」に関するエントリーの一覧はこちらの末尾に ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/64541160.html
2012.01.19 / Top↑