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アシュリー事件で詳細な調査を行ったWPAS(現DRW)を含む
全米の障害者の人権擁護ネットワーク、NDRNから
“アシュリー療法”、強制不妊、治療の一方的停止と差し控えを批判する
大部の報告書が出たことと、その冒頭の批判声明について、
以下のエントリーで紹介してきました。

障害者人権擁護ネットから報告書「“A療法”・強制不妊・生命維持停止は人権侵害(2012/6/20)
障害者の人権を侵害する医療への痛烈な批判: NDRNの報告書「まえがき」(2012/6/22)


“アシュリー療法”と強制不妊についても、
書いておくべきことはいくつかあるのですが、

この報告書を読んで、最も驚き、心が騒いだのは
いわゆる“無益な治療”論による障害児・者の医療の切り捨てが
既にここまで来ているのか……という事例の数々。

とり急ぎ、報告書の27ページから30ページにかけて紹介されている7つのケースについて。


① Amelia Rivera事件:知的障害を理由に腎臓移植を拒否(2012年1月)

この事件は当ブログでも取り上げており、詳細は以下のエントリーに ↓
「知的障害があるから腎臓移植ダメ?」 フィラデルフィアこども病院(2012/1/18)


② 薬の副作用治療のはずが栄養も水分もなしの緩和ケアに(WA州)

知的身体にも障害のある若い男性が、
精神科薬の副作用の治療で入ったナーシング・ホームで
不当にホスピスケアに切り替えられ、餓死させられそうになったケース。

精神科薬の副作用で重大な神経障害を起こし、入院を経て
薬の副作用の治療目的でナーシングホームに入った。

ところがホームでは“debility NOS (特に分類されない虚弱)”と診断され、
ホスピス・サービスへ切り替え、栄養と水分の供給を行わず、
男性はそのまま死なされることになった。

DRWの調査員が訪問し、本人がうめき声を上げているのは空腹のためだと訴えても、
スタッフはどうせ何も分からなくなっているとして相手にしなかったので、
調査員は男性に眼でペンを追わせて意識が完全であることを証明し、
治療計画の変更を迫った。

その結果、男性には適切な栄養とリハビリ・サービスが供給され、
さらに通常治療に切り替えて口から食べるよう促したところ
男性は体重とともに身体能力を取り戻し、担当医は「奇跡の回復だ」と驚いた。


③ 法定代理人が本人の意思を無視してDNR指定(ND州)

人格障害とアル中で腎臓障害のある男性 Waldo (40)が
精神病院と治療施設と監獄とを行ったり来たりして
行動が改まらないことに業を煮やした法的代理人(法人)が
もはや改善の見込みも、支援を受けて自立生活を送れる見込みもないとして
Waldo を本人の意志に反して“no code(蘇生無用)”に指定した。

NDP&Aが介入し、裁判所でヒアリングが行われ、
弁護士に相談した代理人が、本人の意思を尊重することに同意した。


④ 78歳、知的その他の重複障害あるから大腸がん手術ダメ(RI)

ロードアイランドの入所施設で暮らす78歳の男性に大腸がんが必要だということになり、
州法に基づいて施設関係者が州に対して申請を行い、
手術を受けなければ男性は1年以内に死ぬとの予後情報を添付したが、

外科医は、これほど重い障害がある患者を延命させる理由はない、と反論。

本人は障害のために言葉を持たないが、幸いなことに
本人は生きていることを喜びとし手術を受けたいと希望していることを
施設職員が確信していたために、

そのことを医師に伝え、信じてもらうことができた。

それらを前提に考えれば、
手術の利益はリスクを上回ると外科医も考えを変えて
男性は手術を受け、その後2年間生きた。


⑤ 自己決定能力があるのに家族としか意志疎通を図らない病院 (OH州)

本人に自己決定能力があるので代理人が設けられていない人が
病院の緩和ケア病棟に入院させられてしまい、人権が侵害されているとして
ケア提供者から連絡を受けたオハイオ州の人権擁護団体(OLRS)が介入した。

病院側は言語障害のある本人との意思疎通をまったく試みないまま
家族の意向に沿って、症状を悪化させるとの理由で栄養と水分を中止していた。

OLRSは病院の危機管理課に連絡を取り介入を求めると同時に、
セカンド・オピニオンを求めた。

その結果、セカンド・オピニオンは当初の診断と変わらなかったが、
病院が積極的に本人に意思確認を図るようになった。
また姉(妹?)が代理人に任命され、彼を
緩和サービスのあるナーシング・ホームに移した。


⑥ 遠方に住む無関心な代理人が「検査も治療もしないで」 (IL州)

ナーシング・ホームの管理者からの通報で
内臓出血を起こしている入所の女性について
もう何年も面会のない遠方在住の代理人が
これ以上の検査も治療もしないよう求めてきたということだったので、

代理される人への虐待やネグレクトが疑われる場合の緊急代理人制度について
EFEから情報提供を行い、施設側がその手続きを行って、
州から緊急代理人が任命され、女性に救命治療が行われた。


⑦ 若干20歳に医師が「辱そうも障害も重すぎるから、治療は無益」 (ワシントンDC)

John Smithさんは若干20歳。
2010年6月11日に、感染を起こしてステージⅣとなった辱そうと
もともとの骨の感染症からくる骨髄炎の治療のため、入院した。

当初は点滴で抗生物質での治療が予定されていたが、
入院後に医師らは、傷が酷いうえに身体的にも知的にも障害が重いので
治療の利益がリスクを上回らないとして、治療を取りやめ、
栄養と水分の供給もなしに、介護施設に送って死なせようという、ということに。

とりあえずの受け皿がないために、そのまま病院で症状を悪化させていく
Johnさんを案じた介護スタッフが懸念の声を上げても、
医師らは「治療法はないし、もうすぐ死ぬ」と取り合わない。

7月になると、医師らはJohnさんをDNR指定とした。
その意思決定の理由には障害も含まれている。

しかし入院時にJohnさんの保護権は州にあり、
州法の規定によれば、意志決定は裁判所に任命された法定代理人と
法定保護者である児童家庭サービス局との協議によって行われなければならない。

ワシントンDCの人権擁護団体は
病院の担当医が上記所定の手続きを満たしていないことを文書によって証明。

Johnさんが、なんら積極的な治療を受けられなかった2か月の入院を終え、
地域の自分のアパートに退院して帰った8月2日には、
体重が10キロ以上も減り、辱そうは3倍の大きさになっていた。

その後、2回の入院で抗生物質による積極的な治療を受け、
その後地域の自宅に戻ったが、傷は回復しつつある。

「あれほど辛い思いをしたにもかかわらず、
また、この患者は死ぬと病院医師らが診断したにもかかわらず、
彼は今でも地域で生きて暮らしている」
2012.06.26 / Top↑
ビル・ゲイツが「やっぱり人類の将来には原発よ」と、自らが立ちあげに関与した次世代型原発開発企業のTerraPowerを売り込み。
http://www.bizjournals.com/seattle/blog/techflash/2012/03/gates-nuclear-energy-technology-is.html

で、その原発開発でTerraPowerの相棒になるのが日本の東芝なんだとか。:なるほど、最近にわかにゲイツ氏の関心事に日本政府が力を入れていることの背景には、タチ・ヤマダ氏の武田製薬赴任の他にも、こういう事情もあるのか?? それから原発の最初から結論ありきの再稼働なんかも?
http://www.bizjournals.com/seattle/blog/techflash/2010/03/reports_bill_gates_and_toshiba_to_team_on_new_nuclear_reactor.html

だいぶ前から、ビル・ゲイツがハワイのLanai島を買うのではないか、という噂が流れているけど、どうやら本当らしい。:そのうち世界の何割かがゲイツ一族やゲイツ財団の所有になったりして? 東京都みたいに、判断に合意形成がいるわけでもないし。 
http://www.bizjournals.com/seattle/blog/techflash/2012/06/will-bill-gates-buy-hawaiian-island-of.html

Roger Clemens と Lance Armstrong のステロイド疑惑にNorman Fostが登場し、「魔女狩り裁判みたいなことは止めろ」というタイトルの論考で例によって「ステロイドを使って何が悪い」論を展開したのに対して、「いや、非倫理的である」との批判。
http://www.usatoday.com/news/opinion/letters/story/2012-06-24/roger-clemens-peds/55797408/1

日本。石田東尾ダウン症告白に見る、高齢出産賛美の裏で中絶激増。:米国ではダウン症の可能性があるとされると9割が中絶している。……でも、考えてみたら、もう何年も前からずっと「9割」と言われ続けている、というのも妙な話。
http://biz-journal.jp/2012/06/post_289.html

【ダウン症児の中絶関連エントリー】
選ばないことを選んだ夫婦の記録(2007/11/4)
ダウン症児:産んだ夫婦・中絶した夫婦(2008/4/18)
英国でダウン症児の出生数が増加傾向(2008/11/24)
ダウン症の安全確実な出生前検査まもなく米国で提供開始(2009/2/25)
ダウン症アドボケイトと医療職団体が出生前診断で“合意”(2009/7/1)
ダウン症胎児急増するも出生率は減少(英)(2009/10/28)
ダウン症理由の中絶、実は政府統計の2倍(英)(2009/11/16)
ダウン症らしいからと、依頼者夫婦が代理母に中絶を要求(カナダ)(2010/11/18)


遺伝理論を巡る、Richard Dawkins vs EO Wilson の代理戦争が書評をきっかけに勃発。
http://www.guardian.co.uk/science/2012/jun/24/battle-of-the-professors?CMP=EMCNEWEML1355

NYT。犯罪者の出所後に社会復帰までのステップとして機能するハーフウェイ・ハウスで、民間の場合、ドラッグや暴力が横行しており、スタッフも専門的な研究を受けておらず、もっと管理監督を、との声。
Halfway Houses in New Jersey:Drug use, violence, poorly trained staff and escapes are common in the privately run institutions. Lawmakers must scrutinize the halfway houses, create standards and enforce them.

NYT。子どもへの性的虐待スキャンダルに揺れるヴァチカンが、FOXニュースのレポーターを広報担当者として起用。
Fox News Reporter Hired as Vatican Media Adviser: the correspondent, Greg Burke, will try to shore up the Vatican’s communications strategy in a paper troubled by a widening leaks scandal and charges of sexual abuse by priests.
2012.06.26 / Top↑
ミュウはもう何度か書いてきたように
「おかあさんといっしょ ファミリーコンサート」が3度のメシよりも好きなヤツで、
家にいる限り、午前1回、午後1回のコンサートDVDが決して欠かせぬ日課となる。

その時には親が「○○(タイトル)にする?」と聞くのに対して
「ハ(Yes)」または首振り(NO)で答えて選んだり、

時には、ほぼ全巻を取りそろえてある棚のあたりを指さして、
「他のものを出してこい」と要求することもある。

そして、ずらっと目の前に並べられたケースの中から
「あれにしようかな、あ、でもこれもいいし……きゃ~、ど~しよ~」みたいに
実に楽しそうに目移りしつつ、しかし十分に悩ましげに、時間をかけて選んでいく。

面倒くさくなった親が適当なのを勝手にかけてしまったりすると、
オープニングの音楽がチャラッチャラ~と流れ始めたところで、
「これは違うっ!」と頑強な「ダメ出し」を食らう。

ケースからも最初の曲の出だしからも分かるほど、
ミュウはそれぞれをちゃんと判別しており、その時々の「選好」というものがあるんである。

そういえば、DVDを見ている間は
そのケースをずっと手に持っているのが子どもの頃からの彼女のルールだった。

手が大変不器用なので
1時間ちょっとの視聴の間には
何度かケースがずれて上手に持てなくなる時があるのだけれど、

そういう時、ミュウはいったん別の手に持ち替えたり、または
手にしたケースを自分のお腹に押しあて、腹でケースを支えつつ握り直す……という芸当を見せる。

それは、子どもの頃からずっとケースを持ったままDVDを楽しんできて、
その過程で、ケースをとり落としそうになるたびに「試行錯誤」する中から
少しずつ見つけ出してきた修正方法なんだなぁ……ということを、

この週末に、いつものように
なんてことなく、お腹を使ってケースを持ち替えている娘を見て、改めて考えた。

一般に「ものを考える」能力があるどころか、
「何も分からない」と思われているらしい重症のウチの娘が

「手にしているものを持ちにくくなってきたら、
お腹に押し当てて支えておけば、落とさずに握り直すことができる」と
試行錯誤を重ねながら、その方法を獲得した……ということは、
彼女が「思考している」ということなんでは……?


そういえば、数年前までミュウのおもちゃの一つに
親が使い終わった携帯電話が含まれていて、
片手で握ったまま、その親指だけでキーを押しては
画面が変わるのを楽しんでいたのだけれど、

半年ばかりそうやって遊んでいるうちに、ミュウはいつのまにか
親指の指先だけではなく、外に反らせた時の関節の内側や、
親指の付け根の出っ張りでも、握りこんだ携帯のキーを押すことができるようになっていた。

広範なキーを押すために
これもまた試行錯誤で獲得した彼女なりの「工夫」であり「わざ」のようだった。

時々、いつのまにか握る場所まで変わっていることがあるので、

注意して見ていると、
いったん別の手に持ち替えてから握り直すやり方のほかに、
時々ほんの一瞬だけ、携帯電話を握りこんでいる手をぱっと離すことがある。

その一瞬に、ほんの僅かに上または下に携帯を移動させて
次に握る場所を微妙に調節していることが判明した。

こいつは、本当はかなり頭がいいんではないか……。

私としては、つい、そう思ってしまうのは、
やっぱり、ただの親バカなんだろうか。

実際のところ、
この子たちの頭の中でどれほどの「思考」が行われているか
本当は誰にもわからないではないか……と、私は思うのだけれど。
2012.06.26 / Top↑
East Kent Hospitals の神経科部長で、Kent大学の臨床神経科学科教授の
Patric Pullicino氏が、ロンドンでの医師会講演で

現在、英国で病院またはNHSの医療化で亡くなる人は年間45万人おり、
そのうちの29%に当たる13万人がリヴァプール・ケア・パスウェイ(LCP)と呼ばれる
終末期ケアのパスの適応となっているが、

「LCPをスタートさせるだけのエビデンスがなく、
LCPはケアのパスウェイというよりも死の幇助のパスウェイになっている」

「まだかなり長く生きられるはずの多くの高齢患者が、
LCPによって殺されているのではないか」

「患者は状態の適切な分析もなしにLCPを始められていることが多い」

などと語り、その要因として、
ベッドを早く空けて回転させたいことと、
辱そうなど、手のかかる高齢患者への看護の手間を省きたいことの2点があるのでは、と。

また、一応、死が数時間後または数日後に迫っているなどと言われるが
それらは「明らかに誤り」であり、

QOLや予後に関する担当医やチーム内の個人的な見解が作用して
患者がLCPの対象とされている、とも。

Pullicino医師自身、
てんかん発作がある71歳の患者が肺炎で救急搬送されてきた際に、
週末のピンチヒッターで勤務していた医師が本人や家族の同意もなしにLCPを決めて、
モルヒネを投与していたので、月曜日にそれに気づいて
周囲の抵抗を受けながらも撤回させた経験がある、という。

その男性は治療によってけいれん発作が治まり、4週間後に退院して家に帰り、
その後1年2カ月後に別の病院に運ばれて、やはりLCPの適用となり死亡。

他にも、3年前に、ロンドン大学の老年医療科の名誉教授 Peter Millard氏、
St. Luke病院がんセンターの緩和ケア部長、Peter Hargreaves氏などからも、
「裏口安楽死」の警告の声があり、

弱者の治療(の判断?)に経済要因が持ち込まれている危険性が指摘されていた、とのこと。

Top doctor’s chilling claim: The NHS kills off 130,000 elderly patients every year
The Daily Mail, June 19, 2012


09年に、現場医師らがDaily Telegraph紙に内部告発の手紙を書いたのも、
これと全く同じ、LCPが高齢者であれば機械的に適用されている、との指摘でした ↓

“終末期”プロトコルの機会的適用で「さっさと脱水・死ぬまで鎮静」(英)(2009/9/10)


3年前に出た医療現場でのLCP適用への批判とは、
この辺りのことのように思われます。

しかし、この記事の1か所には
「Pullicino医師は、その71歳の男性患者がその後に生きた14カ月は
NHSと納税者への大きなコストによって賄われたものだと認めざるをえなかった」という
下りがあるので、その場でそうした質問(突っ込み?)があったものと思われ、

英国でも米国同様に“無益な治療”論は
既に当該患者に対する治療そのものの無益性よりも、
社会がそのコストを容認するか否かという意味での無益性へとシフトしている……ということでは?
2012.06.26 / Top↑
2月に論争になった「出生後中絶」すなわち新生児殺しの容認について、きっかけとなった論文を掲載したジャーナルJME(編集長はSavulescu)が、その論争の続編みたいな特集を予定しているらしい。:より誠実な生命倫理の議論が志向されている、というよりも話題性が追求されているだけなのか、まるで生命倫理学者の世渡り術はタレント並みなのか……とか思ってしまう。昨今の倫理学者はラディカルなことを言えば言うほど、権威ある大学に迎えられていく、と言っていたのは誰だったっけ?
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10121#comments

【「出生後中絶」関連エントリー】
シンガーが「出生後中絶」論文論争に登場(2012/3/9)
中絶してもいいなら“出生後中絶”と称して新生児殺してもOK(2012/2/27)
“出生後中絶”正当化論は「純粋に論理のエクササイズ」(2012/3/5)


英国の医師から「NHSは毎年恒例患者を13万人、見捨てて死なせている」と内部告発。:前にも出た“終末期”プロトコルの機会的適用で「さっさと脱水・死ぬまで鎮静」(英)(2009/9/10)と同じく、リヴァプール・パスウェイの機会的適用の問題。日本でも尊厳死法ができたら、恐らくは医療現場はこういうところに向かうのでは? 
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2161869/Top-doctors-chilling-claim-The-NHS-kills-130-000-elderly-patients-year.html

日本語。臓器移植:「心停止後」欧米で急増 ドナー不足解消狙い:オランダ、ベルギーと安楽死を合法化している国、一方的なDNR指定が問題になっている英国、UNOSが心臓死後臓器提供DCDを「循環死後臓器提供」と呼び替えることを提言している米国で突出していることが目を引きます。そもそもDCDについては知る人にはとっくに周知の事実だったのに(当ブログでも関連エントリーは多数あります)、今このタイミングになって一般のメディアがことさらに取り上げることの意味を考えてしまう。
http://mainichi.jp/select/news/20120624k0000e040099000c.html

米、人種間の資産格差22倍 経済危機が少数派直撃
http://www.47news.jp/CN/201206/CN2012062201001311.html

ゲイツ財団が、MITとハーバード大にオンライン教育ツール開発のグラントを100万ドル。
http://www.bcs.org/content/conWebDoc/45794

囚人の高齢化問題。:前にも⇒「刑務所で認知症患者が増加、介護も囚人に(米国)」書きました(2012/5/7)
http://www.medicalnewstoday.com/releases/246626.php

英・豪・米の介護者週間にも家族介護の美化が見られることには、いつも忸怩たる思い。
http://www.surreycomet.co.uk/news/9775909.Devoted_carer_says_mum_is_number_one/

一方、こういう介護者週間メッセージはありがたい。「苦しい時には声を」。
http://www.thecomet.net/news/carers_week_message_don_t_suffer_in_silence_1_1416233

日本語。結城康博さんのブログ記事で「寝たきり専門の介護施設???」:高齢者では療養病床の廃止で追い出された高齢者が、こうした貧困ビジネスの餌食になっている実態がある。これが、いずれ重症障害者でも起こっていくのではないか、と私はずっと前から恐ろしくてならない。
http://blogs.yahoo.co.jp/yyyyyasujp/52811041.html

介護予防に、ビタミンD。:補遺でも散々拾っているけど、ビタミンDとスタチンとアスピリンは、予防医学の「三種の神器」? でも、こういうのも ⇒ サプリで散々儲けた後で「やっぱりビタミンDの撮り過ぎはよくない」って(21010/11/30)
http://www.medicalnewstoday.com/articles/246555.php

ピッツバーグ医大の研究で、遺伝子操作でマウスの老化を止めらたんだそうな。ピッツバーグと言えば、心臓死後臓器提供DCDのメッカでもある。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/246914.php

こちらはコカインの作用を無化するコカイン中毒DNAワクチン研究。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/246761.php

グローバルな二酸化炭素排出量はこれまで思われていたよりもはるかに大きい。
http://www.guardian.co.uk/environment/2012/jun/21/global-carbon-emissions-record?CMP=EMCNEWEML1355

今後5年間で、英国の警察業務の多くの部分が民間企業に委託されていくだろう、との予測。:なんか、こわいな。私兵化しないのかな。
http://www.guardian.co.uk/uk/2012/jun/20/g4s-chief-mass-police-privatisation?CMP=EMCNEWEML1355

英国で、年金問題を巡り医師らがスト。
http://www.guardian.co.uk/society/2012/jun/21/doctors-strike-pensions-hospitals-gp-surgeries?CMP=EMCNEWEML1355
http://www.guardian.co.uk/society/2012/jun/21/doctors-strike-action-pensions?CMP=EMCNEWEML1355

英国の生活保護制度の変更に際して、窓口の対応が悪ければ申請者に自殺者が多発する恐れが指摘されている。:どんどん進んでい英国の社会保障費カット。
http://www.guardian.co.uk/society/2012/jun/20/jobcentre-supervisors-suicide-risk-benefit-claimants?CMP=EMCNEWEML1355

日本では<生活保護>33歳女性の申請拒否、指導で受理 京都 舞鶴:バッシングでこういうことが起こるのは予想できたこと。府の良識ある対応がまだしもの救いだけれど。
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0620/mai_120620_4805156935.html
2012.06.26 / Top↑
“アシュリー療法”を巡るシアトルこども病院とWPASの合意の期限にあたる5月に
WPAS(現DRW)が加盟する全国的障害者人権擁護ネットワーク 
National Disability Rights Networkが出した報告書について
6月20日の以下のエントリーで取り上げました。

障害者人権擁護ネットから報告書「“A療法”・強制不妊・生命維持停止は人権侵害(2012/6/20)


現在、半分くらいまで読んだところなのですが、

まず冒頭の「まえがき」にあたるNDRNのトップの書簡に
強く胸を揺さぶられたので、

以下に全文を仮訳してみました。


今この時にも米国のどこかで親や代理人が医師と椅子を並べて、ターミナルでもない人の生命維持治療の差し控えや、子どもの生殖器や乳房芽の切除や、ホルモン療法による成長抑制について相談している。後者は、この療法を受けた最初の子どもとされる女児の名前にちなんでアシュリー療法と一般に呼ばれているが、我々の社会が障害のある人々を価値なきものとみなし、その人権を侵害してきた数々の出来事のつらなりの先に、最も新しく追加された、最も恥ずべき事例である。

こうした相談が行われるのは、そこで問題にされている人がほとんど価値のない存在だとみなされているからに他ならない。彼らはただ障害を持って生まれたというだけの理由で、十全な人間ではないものとみなされ、自由やプライバシーの権利も、望まない侵害を受けない権利(right to be left alone)からも無縁とされてしまうのだ。

医師と親とが一緒になって、意識状態やQOLについての想定だけを根拠に、子どもから臓器を摘出し成長を抑制することを決めてしまうなど、考えただけでもショッキングで醜悪である。障害者がどれほど「お荷物」として想定されているか、驚くほどくっきりと描き出している事例がオレゴンにある。出生前診断が見逃したためにダウン症候群の子どもが生まれたと訴える両親に、陪審員が300万ドルの支払いを認めたのだ。その子どもの出生は「ロングフル・バース」と称された。こんなことが米国で起こり、今も起こっているという現実は、米国人として我々が持っているはずのコアな価値観に照らせば、汚辱である。それが自分で声を上げることのできない人たちの身に起こっているのだから、なおのこと汚辱である。こうした野蛮な実態に光を当て、それを支持しつつ21世紀を進もうとする医療界を批判すべく、NDRNは当報告書“Devaluing People with Disabilities: Medical Procedures that Violate Civil Rights. 障害のある人への軽視:市民権を侵害する医療”を刊行した。

これまで30年以上に渡って障害者の人権を専門とする弁護士として、またそのアドボケイトとして活動してくる中で、私はもう障害者に対するありとあらゆる形態の差別と有害行為を見てきたと思うことも多いが、残念なことに、その私ですら驚き衝撃をうけるほどの行いを人間はさらにやってのける。

多くの人がアシュリー療法は医療ではなく優生思想だと考える一方で、医療界では医師も医療倫理学者も病院側も、そして時には障害のある子どもの親までもが、この子たちは知的障害が重く理解する能力がないから、何の害もなされていないと主張する。そうして市民権を侵害する医療決定を正当化してしまうのである。

人は誰も、市民権と人権と生まれながらにしての尊厳と共にこの世に生を受ける。障害があっても、その事実は変わらない。それなのに、障害のある人は日々、完全な一人の人間であると認めてもらうための闘いを強いられている。

なるほど我々は米国障害者法(ADA)など、多くのすばらしい進展を遂げてきた。しかし、アシュリー療法などが容認されてしまう時、いや、提唱されてしまうだけでも、それは障害のある人々には何の価値も権利も尊厳もない世界に向かって傾斜する、すべり坂である。

Curt Decker
Executive Director
National Disability Rights Network
(ゴチックはspitzibara)


言及されているオレゴンのケースは、今年3月の出来事。
関連情報は、ざっと以下に ↓

http://www.droregon.org/the-dro-blog/oregons-wrongful-birth-case
http://www.oregonlive.com/portland/index.ssf/2012/03/jury_rules_in_portland-area_co.html
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2113342/Deborah-Ariel-Levy-Portland-couple-wins-case-Legacy-Heath-wrongful-birth-daughter-born-Down-syndrome.html



【ロングフル・バース訴訟関連】
「出生前診断やらないとロングフル・バース訴訟で負けますよ」と加医師会(2008/11/8)
ロングフル・バース訴訟がテーマ、Picoultの近刊を読む(2009/8/10)
Picoult作品のモデル、NH州のロングフル・バース訴訟(2009/8/11)
2012.06.26 / Top↑
米国で初めて、
公的強制不妊プログラムの犠牲者への補償を決めたNC州の決断については
以下のエントリーで拾ってきましたが、

NC州で、かつての強制不妊事業の犠牲者への補償に向け知事命令(2011/3/21)
NC州の強制不妊事業の犠牲者への補償調査委員会から中間報告書(2011/8/15)


ここへきて「まさか……」。
まさに絶句の展開です。


Bev Perdue知事と州下院が支持しているにもかかわらず、
犠牲者一人につき5万ドルを支払う補償案は上院で予算化を認められなかった。

1350人から1800人と言われる犠牲者が名乗り出た際に
州には9000万ドルが必要となり、その懸念が背景にあるものと思われるが、

これまでに生存中の犠牲者として認定された人は146人で
今後手続きにかかる申請も200人分。
それほどかからないと言われてもいた。

上院議員の中には、

合法的に実施されたプログラムの賠償を行ってしまえば、
次には奴隷やインディアンの子孫にも賠償しろ、など、
米国が過去にやった強制不妊以上のことにまで賠償の門戸を開くことになる……と反対する声も。

同州は21日、
強制不妊の新たな申請を打ち切り、
今後は州のアーカイブ部門で対応することに。

当然、犠牲者や支援者は怒っている。

14歳で不妊手術をされた Elaine Riddickさんは
「政治家のメンタリティーは
優生思想を支持した当時から何も変わっていないんだと思うとショックです。
人の人生をめちゃくちゃにしておいて、こんなことをするんですか?」

現在アトランタ在住のRiddickさんは
70年代に米国最高裁に提訴しようとしたが聞き入れられなかった。
現在、他の犠牲者グループと一緒に集団訴訟の準備中。


Payments for Victims of Eugenics Are Shleved
NYT, June 20, 2012


まさに、
急速に本音をムキ出しにしていく
酷薄な「時代の声」を聞くかのような……。
2012.06.26 / Top↑
【ただいま英・豪の介護者週間です】
英国の今年の介護者週間のテーマは In Sickness and in Health 病める時も健やかな時も。
http://www.chron.com/business/press-releases/article/Counselling-Directory-Offer-Carer-Support-During-3644047.php
http://www.chesterfieldpost.co.uk/public_services/hospital_medical/hosp_med_00000161.html
http://www.bbc.co.uk/news/health-18482859
http://www.bbc.co.uk/news/uk-northern-ireland-18477082
http://www.hertfordshiremercury.co.uk/Health-and-Beauty/Health-and-Well-being/Spotlight-on-Carers-Week-14062012.htm
http://www.thisisderbyshire.co.uk/pound-500-000-help-boost-health-hundreds-carers/story-15968603-detail/story.html
http://www.guardian.co.uk/society/2012/jun/18/half-unpaid-carers-risking-health
http://www.google.com/hostednews/ukpress/article/ALeqM5ipOrccpYUljZ_8G1OXb8psFWGa8Q?docId=N0339081339952925701A
http://www.guardian.co.uk/social-care-network/2012/jun/20/celebrating-carers-commitment?newsfeed=true

【カナダTaylor訴訟 続報】
http://www.ctv.ca/CTVNews/TopStories/20120619/Gloria-Taylor-right-to-die-doctor-assisted-death-120619/
http://www.cbc.ca/news/canada/british-columbia/story/2012/06/18/bc-gloria-taylor-assisted-suicide.html
http://fullcomment.nationalpost.com/2012/06/18/will-johnston-the-wrong-decision-on-assisted-suicide/
http://www.cbc.ca/news/yourcommunity/2012/06/reaction-to-the-striking-down-of-canadas-assisted-suicide-law.html
http://www.ottawacitizen.com/opinion/Assisted+suicide+broad/6801849/story.html

英国の作家テリー・プラチェットが、「自殺幇助反対派のヒステリー」を批判。
http://www.telegraph.co.uk/news/celebritynews/9334190/Sir-Terry-Pratchett-opponents-of-assisted-suicide-stir-up-needless-hysteria.html

BMJが医師らに自殺幇助容認を呼び掛け。:BMJは随分前から歴然と合法化ロビーだし。⇒http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/55274951.html
http://www.christian.org.uk/news/bmj-wants-doctors-to-go-soft-on-assisted-suicide/

ビル・ゲイツが「イノベーション文化」だとインドを高評価。:その「イノベーション」の中には貧しい農夫たちを自殺に追い込んでいるモンサントのGM農業改革や「革新的家族計画」という名の下での強制的不妊手術なんかも含まれているのかな。
http://www.ndtv.com/article/india/bill-gates-gives-india-high-marks-for-its-culture-of-innovation-233797

ゲイツ財団とモンサントが、ミルクを通じて人間の遺伝子操作を行い、人類を小型化しようと画策している?:前から、どうもビル・ゲイツの言うことと、シンガー、サヴレスキュ、ウィルキンソンなんかが言うことって、近いよねー……とは思っていたけど、いよいよモロに重なってきた。そういえば、A療法論争の展開の節目ごとにシンガーが顔を出してくるなぁ。Maraachli事件ではシンガーは「同じ金を使うなら、ワクチンで途上国の子どもたちを救え」とも言ってたなぁ……。
http://www.salem-news.com/articles/june122012/monsanto-gates-dp.php

英国で精神障害者の25%しか適切な治療を受けられていない、との調査結果が出て、その報告書はその対応のために内閣に大臣を置くように提言している。:なんだか、なぁ……。
http://www.guardian.co.uk/society/2012/jun/18/mental-illness-people-help?CMP=EMCNEWEML1355

規制強化で、ビッグ・ファーマとの協力関係をしり込みする医師が増えているらしい。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/246665.php

スウェーデンで10歳女児に幹細胞から作った血管を移植。
http://www.guardian.co.uk/science/2012/jun/14/girl-vein-stem-cells-transplant?CMP=EMCNEWEML1355

1998年に金沢大学医学部付属病院産婦人科で、同意なき臨床試験が行われ、99年に訴訟になっていたということを、昨日知った。その時に、病院側が提出した証拠文書の改竄を暴いた同大の医師が打出喜義氏。私は先週末、某所でお目にかかった折にはこの事件のことを知らず、たいへん失礼をしてしまったのですが、実に素敵な方でした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%93%E5%87%BA%E5%96%9C%E7%BE%A9

クルーグマンさんがNYTに「犠牲者としてのギリシャ」というコラムを書いている。
Greece as Victim: Whose hubris caused this crisis?

ウィキリークスのジュリアン・アサンジ、亡命希望しエクアドル大使館へ。
www.guardian.co.uk/media/2012/jun/19/julian-assange-wikileaks-asylum-ecuador?CMP=EMCNEWEML1355
2012.06.26 / Top↑
なんともショッキングな調査結果――。

ここ数年の経済不況で親が失業したり、総体的な家庭の経済状況の悪化により、
英国で満足な食事を取れないまま登校する児童が増えている。

ガーディアン紙のサイトの教師ネットワークに参加している全英591人の教師への調査で

5人に4人(83%)の教師が
朝おなかをすかせている生徒がいる、と回答。

55%の教師が
生徒の4分の一が十分な食事を取らずに学校に来る、
不況、失業、福祉削減で家族の経済事情が悪化している、と回答。

半数以上が、そういう生徒が過去1,2年で増加している、と。

教師の49%が、朝食を食べていない生徒のために食べ物や果物を持っていったことがある。
ほぼ5人に1人が、昼食を買うお金を生徒にあげたことがある。

低所得家庭の子どもたちには無料の昼食が提供されているが、
5人に4人が、そういう子どもたちには登校時に無料の朝食が必要と。

実際に必要性を感じて独自に「朝食クラブ」を実施している学校もあるとのことで、

記事のビデオでは、ベーグル2分の1切れが配られており、
校長先生らしき女性が「前日の給食の後はなにも食べずに学校に来る子どもたちもいる」。
(私はこのビデオの英語はほとんど聞き取れないので、たぶん、ですが)

こうした現状に、
GP協会、全国校長会、小児科学会から
無料の給食制度の適用となっている英国で130万人の子どもたちには
朝食も出す必要がある、と大臣らに呼び掛け。

一方、学校での無料の給食制度の適用条件そのものが厳しく、
その対象となっていないままおなかをすかせている子どもたちがいる問題も。

今回の調査で明らかになった、朝食を食べられないでいる子どもたちは
そうした厳しい適用条件から外れたボーダーラインの家庭の子どもたちだ、との指摘も。

ロンドン市長はこの問題を重視し、
ロンドンの特に貧困地域に当たる50校で無料の朝食を提供しているチャリティ
Magic Breakfastに対して資金援助を考えている、とのこと。

Magic Breakfastは英国の1000の小学校の内200校で無料の食事を提供しており、
それら200校では半数以上の生徒が学校で無料の食事をとっている。

この1年間で学校に届ける食事の量は20%も増えたという。

「ニーズは急増しています。現場のニーズにアタフタしているところです。
我々が提供するシリアル、ベーグル、ポリッジ(お粥)、オレンジジュースを
増やしてくれと学校からは頼まれているので、
なぜそんなに増やさないといけないのか聞いてみると、
おなかをすかせて登校してくる生徒が増えている、と言われます。
何故そんなことになるのか聞けば、去年失業した親が増えたからだ、ということです。

こんなにたくさんの子どもたちが空腹と栄養不良で
学校へ来てもロクに勉強もできないなんて、我々社会の汚点です。

こんなに沢山の子どもたちが登校時に勉強する気にならないほどお腹をすかせているのに
豊かで責任ある社会だなんて、どうして言えますか?」

ウェールズでは、75%の学校が
家庭状況を問わず生徒に朝食を無料で提供しているが、
今年度の費用は1130万ポンド。
次年度は1270万ポンドに上がると見られる。

イングランドの大臣らには学校で無料の朝食を提供する考えも
無料の昼食制度の拡大をする考えもなく、学校ごとに独自にやるなら
工夫してやってほしい、という姿勢。

しかし、設備とスタッフの問題もあり、
なかなか教育現場にとっても容易なことではない。

Exclusive: Half of teachers forced to feed pupils going hungry at home
The Guardian, June 19, 2012
2012.06.26 / Top↑
障害児・者への“アシュリー療法”、強制不妊、生命維持停止について
市民権、人権侵害である、と批判する大部の報告書が、
National Disability Rights Network から5月に出ていました。

タイトルは 
Devaluing People with Disabilities
Medical Procedures that Violate Civil Rights

著者は
David Carlson
Cindy Smith
Nachama Wilker

資金はNIDRR(the National Institute on Disability and Rehabilitation Research)

報告書本体はこちら ↓
http://www.ndrn.org/images/Documents/Resources/Publications/Reports/Devaluing_People_with_Disabilities.pdf


Ashley療法だけでなく“無益な治療”論の観点からも
これは非常に重要な文書。

読んで、おいおいにエントリーにしていこうと思いますが、
とりあえず書いておきたいことは2点で、

① 今年5月は、07年のWPASとこども病院の合意の最初の期限であり、
その期限切れの時期にタイミングを合わせて、この報告書が出されている、ということ。

この点について、私がずっと懸念してきたことは以下に ↓

シアトルこども病院は、5年の合意期限が切れるのを待っている?(2010/11/8)

実際に、以下のような動きが起きている ↓
論争から5年、アシュリー父ついに動く(2010/3/16)
豪でアシュリー事件の賛否を問うアンケートが仕掛けられている?(2012/5/15)


② 大いに引っかかるのが、
この報告書のファースト・オーサーのDavid Carlson。

この人は07年に
このネットワークの一つであるWPAS(現DRW)が調査報告書を書いた時にも
ファースト・オーサーだった人。

07年5月のワシントン大のシンポにも登場したけれど、

その後、シアトルこども病院が、
明らかに初めに結論ありきとしか思えない成長抑制ワーキング・グループを立ち上げた時に、
そのメンバーに入った。

9年1月に同病院がこのWGの結論を正当化するためのシンポを開いた段階でも
Carlsonはまだメンバーに残っていた。

ところが、WGの結論(一定の条件付きで成長抑制を妥当とする)がついに
へースティング・センター・レポートに掲載された際には
メンバーの一覧の中にCarlsonの名前はなく、
20人いると論文中で書かれているメンバーが実際には19人しかいなかった。

その欠員1名について論文は報告していないし、
Carlson自身もメンバーから抜けたことについて説明していない。
(少なくとも私はそんな説明には行き当たっていない)。


WPASの調査報告書が
当初の目的を途中であきらめてしまっていることを含め
David Carlsonという人の行動そのものが、当ブログでは
Ashley事件をめぐるミステリーの一つです。

その詳細は以下のエントリーに ↓
なぜWPASのCarlson弁護士はWGメンバーから消えたのか?(2010/12/6)
2012.06.26 / Top↑