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大統領から任命された15人のチームから成り、
大統領、議会その他連邦機関への諮問を行う連邦政府の機関、
National Council on Disabilityに対して、

Not Dead Yetのトップ、Dian Colemanが電話で、
全米に広がりつつある「無益な治療」論による一方的な治療の停止・差し控えについて、
「我々の命が脅かされている」と危機感を表明。

NCDがこれらの動きに対して懸念の声を挙げる中心となることを求めている。

その内容がNDYのブログに全文掲載されていますが、
ちゃんと訳す余裕がないので、指摘されている主なポイントのみ、以下に。

・無益な治療論そのものは以前からもあったが、そこには
障害のある生を生きるに値しないものとみなす価値意識と、
医療職の障害者のQOLに対する偏見が影響している。

・最もラディカルなテキサスの無益な治療法には
法改正の努力が何度も行われては実らずにきたが、
去年の改正案などはあまりにも穏やかな内容で、
障害者運動は反対せざるを得なかった。
それほどに「無益な治療」法は根付き、憂慮されるものとなっている。

・無益を巡る意識決定プロセスは病院内倫理委に依拠しているが、倫理委そのものに一定の基準がなく、
障害者運動は病院外に障害当事者アドボケイトを含めた場を設けるべきだと主張してきた。

・昨年のNDRNの報告書にも見られるように、
様々な州でP&A組織の介入が何人もの障害者の命を
無益な治療論による一方的な治療の中止から救ってきた事実がある。
NDRNも病院内倫理委ではセーフガードとして不十分だと指摘している。

NDY President Diane Coleman Submits Comments on Futile Care Policies to National Council on Disability
Not Dead Yet, April 22, 2013



昨年のNDRN報告書については、こちらに ↓

障害者人権擁護ネットから報告書「“A療法”・強制不妊・生命維持停止は人権侵害(2012/6/20)
障害者の人権を侵害する医療への痛烈な批判: NDRNの報告書「まえがき」(2012/6/22)
障害者への医療の切り捨て実態 7例(米)(2012/6/26)
NDRN報告書:概要(2012/7/7)
NDRN報告書:WI州の障害者への医療切り捨て実態 2例(2012/7/9)
NDRN報告書: A療法について 1(2012/7/13)
NDRN報告書: A療法について 2(2012/7/13)
NDRN報告書:カルメンの強制不妊ケース(2012/7/14)
NDRNのCurt Decker、"アシュリー療法“、障害者の権利、医療と生命倫理について語る(2012/7/31)
NDRN報告書: 提言(2012/8/2)

2013.04.26 / Top↑
East Anglia大学の認知症スクリーニングの専門家から、

今後、認知症患者の急増が見込まれることから
症状が出ていない内から認知症のスクリーニングを実施しようとの声が
英国でも上がっているが、

定期化すると、
未だ治療方法も見つかっていない中で無用な不安と混乱を招くだけで、
利益よりも害の方が大きい、と懸念の声。

「早期認知症」とは患者に症状が出る前の段階を言い、
診断は認知能力のテストと脳画像診断で行うが、
ちょっとした認知障害なら高齢者の3人に一人はあると答えるし
だからといって彼らの訴えが認知症の症状であることはほとんどない。

治療法もないのに、
症状がないうちから診断されてしまうと、
認知症というラベリングでスティグマを負い、
本人と家族の不安とストレスになるだけでなく、
職業や保険での差別にもつながりかねないし、
実際の病気が影響し始める以前からその人の人生はひっくり返ってしまう。

また医療費の面から言っても、
早期に診断される人を増やすことは無用なコスト増に繋がる。

だいたい、そんな時期から診断したって
本当に認知症になっているか、その人が生きているうちに症状が出るか、
そんな確率が明らかにできるわけでもない。

Routine Early Dementia Screening “A Disaster In Slow Motion”
MNT, April 18, 2013


なんか、これ、読んでいると、
認知症の早期発見スクリーニングに限らず、
遺伝子診断で、これこれの病気の確率がこれこれですよ、と
知らなくてもよいことを知ってしまうことにも通じるような気がする。


【関連エントリー】
一族そろって胃を全摘して癌予防(2007/7/24)
遺伝子診断、無用のストレスが身体に悪いだけ(2008/9/19)
Google創設者、パーキンソン病遺伝子を告白(2008/9/19)
「お子サマに最適なスポーツと最適な訓練方法を」と“DNA霊感商法”(2011/5/20)
2013.04.26 / Top↑
昨日からアブ・ダビで開催されている
ワクチン・カンファでビル・ゲイツが基調講演。

ポリオ撲滅のため、
新たなワクチン開発に向けた6年計画を作るとして、
さらなるワクチンへの投資を呼び掛けた。

途上国へのワクチン支援で最も多くの資金を提供しているのはゲイツ財団で、
その次が米国政府、とも。

その講演の後に受けたインタビューの記事。
記事タイトルは、ビル・ゲイツ「衛星とGPSがポリオと闘っている」

どういうことかというと、

In order to reach the most at-risk children, the Gates Foundation has helped implement a satellite mapping technique, to ensure house-to-house vaccinators use aren't missing any villages or settlements. In some cases, they also equip the vaccination teams with cellphone GPS devices to record where they've gone.
"We take the GPS tracks from cellphones and overlay that onto the assignment, to make absolutely sure that they've gone where they were supposed to go, which helps get the coverage level up," Gates says. "The difference between 85% coverage and 90% coverage is the difference between not succeeding and succeeding."


ゲイツ財団が集めた金で途上国の子どもたちにワクチンを打つのは、
どうやら担当者が一軒一軒ワクチンを持って家を回るらしい。
house-to-house vaccinators というわけだから。

で、その人たちが
紙にイチイチ記録していたのでは
村や集落を見落として回り損なうようなことが起こるから、
ゲイツ財団がお金を出して、衛星マッピング技術とGPSが使えるようにした。

ワクチンチームにGPSつきの携帯電話を支給して、
どこを廻ったか記録していけるように。

それで接種率85%ではなく、90%をめざす。

Bill Gates:Satellites and GPS are fighting Polio
Mashable, April 24, 2013


【関連エントリー】
「ゲイツ財団(の連携機関)が途上国の子どもに銃を突きつけワクチン接種(2011/7/29)

                 ―――――――


ビル・ゲイツはフォーラムで、
ポリオ撲滅にゲイツ財団から18億ドルの資金提供を約束。

ちなみに、
このニュースが掲載されているのは the Economic Times――。

Gates’ Foundation to fund $1.8 bn to eradicate polio
The Economic Times, April 25, 2013
2013.04.26 / Top↑
去年の11月の以下のエントリーで読んだWPの長文記事を、
訳あって、読み返してみていたところ、

製薬会社資金に信頼性を失っていく治験データ……Avanidaスキャンダル(2012/11/30)

そのWP記事に寄せられた
がん専門医の方からのコメントで、ものすごいことが書かれているのに気が付いた。

コメント全文がこちら ↓
全訳はちょっとキツイので、ざざっと。

Let me enlighten many of you as a cancer MD who has been in this field for 50 years. Bias and ego, along with greed, dominate my profession. In fact, my favorite quote is that the oldest profession has become the oldest profession.

Clinical research is funded by the drug companies 95% of the time. The physicians are paid for each patient enrolled. Physicians are invited to be part of speaker panels that tour the globe espousing the particular drug or device. All of this is paid for, of course. The journals are full of advertisements for drugs, along with the continued bombardment of TV ads for various drugs for the sick and ailing American public. That is without a doubt a form of brain washing --but that's the state of the world in the USA today. I cannot stop the flood of medical tabloids that are replete with advertisements.

The FDA panels that approve or reject drugs and/or devices are manned by individuals often on the payroll of the very same drug company seeking approval. From what I have experienced, there is huge bias in the way decisions are made by that panel. Due diligence is often not done by the panel since it is a part time job. Those on the panel are not asked to recuse themselves if there is a conflict of interest. In fact, nowadays the medical journals require you to state any conflicts of interest, including investments or payments related to the article you have published. If you "confess" the conflicts, then all is considered acceptable. The fact that Dr. ABC has stock in Glaxo, or is on the Speaker's Bureau for Aventis is only important in the declaration of the conflict. This is the closest thing to a confessional that I know--just admit your conflict of interest and all is OK.

How to find an honest man or woman. This is truly an odyssey of a biblical nature. But this pervades all of our culture and it is global in nature. We seem to not be able to get close to the truth. Our world is full of amazing technological advances, yet the basic issues of morality and ethics seem to disappear as the greed/ego aspects of our lives gather more "moss" due to the growing religion of consumerism. It's the Al Franken generation of Saturday Nite Live i.e., What's in it for me?

がん医療を50年やってきて、思うのは、
がん専門医の世界はバイアスとエゴと金銭欲に支配されているということ。

臨床実験は95%がた製薬会社の資金で行われており、
患者を一人参加させるたびに医師にはカネが入る仕組み。
薬や医療機器の販促講演に呼ばれれば世界中を旅して廻ってカネをもらう。
メディアは薬の広告攻撃を仕掛けて、まるで洗脳まがいだし、
医学雑誌も広告だらけだ。

薬を認可するFDAの委員会には、
当該製薬会社と金銭関係のある人物が入っていることが多いし、
私の経験からしても、そんな委員会にバイアスがないわけがない。
ディスクロージャーが義務付けられたといっても
金銭関係を「告白」すれば、それが免罪符になって終わり。

一体どこに正直な人間がいるのか、真実が一体どこにあるのか、
もはやほとんど宗教的な次元の話だ。
これが米国の文化であり、グローバルに広がっていくだろう。
素晴らしいテクノロジーの発達の一方で、道徳心や倫理感は消え失せて
消費主義という宗教のもと、金銭欲とエゴばかりがはびこっていく。


そういえば、日本のワクチン評価委員の製薬会社との金銭関係でも、
「ディスクローズしているのだから問題ない」というのが
厚労省の見解でしたっけね…… ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/66296856.html


ビッグ・ファーマ関連スキャンダルについては
もうウンザリするほどエントリーがあるので、リンク一覧は断念。

興味おありの方は
冒頭にリンクしたAvandiaスキャンダルの辺りから
リンクをたどってみてください。
2013.04.26 / Top↑
ほんの少しずつだけれど、
今の世界のあり方の本質的なところをズバリ突っ込んでくれる人が……?

この記事は
地球温暖化対策としてのEUの
二酸化炭素排出量の買い取りプロジェクトが挫折したことを巡って
そうした対策つぶしを強行させてしまった背景にあるのは
各国政府がもはや機能せず、市場主義に敗北してしまっている事態だ、と批判し、
地球を守るのは銀行や企業は民間マネーではできない、として
各国政府に檄を飛ばす内容。

これ、地球温暖化対策だけじゃない、と思う。

例えば、

This self-mutilation is a response to the fact that power has shifted. States now operate at the behest of others. Deregulation, privatisation, the shrinking of the scope, scale and spending of the state: these are now seen as the only legitimate policies. The corporations and billionaires to whom governments defer will have it no other way.
Just as taxation tends to redistribute wealth, regulation tends to redistribute power. A democratic state controls and contains powerful interests on behalf of the powerless. This is why billionaires and corporations hate regulation, and – through their newspapers, thinktanks and astroturf campaigns – mobilise people against it. State power is tyranny, state power is freedom.


そう――。
権力がシフトしてしまっている。
国家は今では他者からの命を受けて機能している。
規制緩和も民営化も小さな政府も、みんな企業と長者さんたちのご希望であり、
各国政府は企業とスーパーリッチに頭を下げてはお望みのままに――。

税は富の再分配を意図するように、規制は権力の再分配を意図する。
民主国家は弱きもののために強きものの利益をコントロールし抑制する。
だからこそスーパーリッチも企業も規制を憎み、
自前の新聞やシンクタンクやネット上に張ったキャンペーンを通じて
人民を反政府に駆り立てる――。

This is an example of what happens in a market-based system: any clash between generating profit and protecting the natural world is resolved in favour of business, often with the help of junk science. Only those components of the ecosystem that can be commodified and sold are defended. Nature is worthy of protection when it is profitable to business.


そう――。
市場原理によるシステムのパターンといえば、
利益創出と自然保護の相克がビジネス的にオイシイ形で解決できる時には
エセ科学が登場し、ゼニになるものだけを擁護する。

自然は、ビジネスにとって利益を産む場合にのみ保護に値する――。

(ここ、「自然」を
「人権」とか「患者の命や苦しみを救うこと」「切実な願いをかなえること」とかに
置き換えてみたって筋がそれなりに通りそうだし)


When governments pretend they no longer need to govern, when they pretend that a world regulated by bankers, corporations and the profit motive is a better world than one regulated by voters and their representatives, nothing is safe. All systems of government are flawed. But few are as flawed as those controlled by private money.

政府がもはや統治する必要がないかのようなフリをする時、まるで政府が銀行家や企業や利益追求によって制される世界の方が、有権者やその代表が制する世界よりもベターだというフリをする時、安全なものは何もない。政府のシステムで穴のないものはない。しかし、民間マネーによって牛耳られるシステムほど穴だらけのシステムはほとんどない。


This faith in the market is misplaced: only governments can save our living planet
The Guardian, April 22, 2013


安全なものは何もない……。



【関連エントリー】
ゲイツ財団の慈善ネオリベ医療グローバリズム賛歌(2009/6/20)
「必要を創り出すプロセスがショーバイのキモ」時代と「次世代ワクチン・カンファ」(2010/5/29)
ビル・ゲイツの音頭で米国の長者たちが各国政府の頭越しに世界人口抑制に取り組もうと合意(2010/6/9)
“プロザック時代”の終焉からグローバル慈善ネオリベ資本主義を考える(2011/6/15)
国家的権威から市場主義的権威による超国家企業の政治制度へ(2012/1/25)
ザッカ―バーグ、IT長者を政治勢力として結集へ?(2013/4/8)
2013.04.26 / Top↑
道徳エンハンスメントについては
これまで以下のようなエントリーを書いており、
いつかこの問題の議論の全容みたいなものを
どこかでチェックしてみたいと思っていたのですが、

SavulescuとSingerが「犯罪者は脳が決める。科学とテクノで犯罪予防を」1(2012/2/4)
SavulescuとSingerが「犯罪者は脳が決める。科学とテクノで犯罪予防を」2(2012/2/4)
SavulescuとSingerが「犯罪者は脳が決める。科学とテクノで犯罪予防を」3:リアクション(2012/2/5)
脳刺激法のエンハンスメント利用を巡ってSavulescu(2012/2/2)
「将来の凶悪犯は幼児期から分かる」と刑法改革を提唱するドイツの脳神経科医(2013/2/10)


たまたまWikiのサイトの
Moral Enhancement関連の論文一覧を見つけたのでメモとして。

http://ieet.org/index.php/tpwiki/Moral_Enhancement


ここに書かれているMoral Enhancementの定義は以下。

The use of information technology, psychopharmaceuticals, genetic engineering, brain stimulation or nano-neurotechnologies to control immoral sentiments, reasoning and behavior, and/or enhance moral sentiments, reasoning and behavior.

IT、向精神薬、遺伝子工学、脳刺激法、ナノ神経工学を利用し、道徳に反する感情、思考と行動をコントロールし、加えて/または、道徳的な感情と思考と行動をエンハンス(強化)すること。


論文が多数挙げられていて、概要もリンクもついているので
また改めて読んでみようと思うのですが、今日のところは
ざっと見たところ、2008年からぽつぽつ出始めて、
この2、3年くらいで急増している印象かな。

私でも知っているビッグ・ネームでは、
John Harris,
Peter Singer,
Jurian Savulescu。

興味深いのは、
Ashley事件の時に擁護に出てきたトランスヒューマニストも
(考えてみりゃ当たり前なんだけれど)名前を連ねていて、

James Hughes それから Matthew Liao 。


A事件での、この2人については ↓
“A療法”擁護者の2つの系譜(2008/1/17)
不思議な“アシュリー療法”エッセイと、その著者たち 1(2007/9/27)
不思議な“アシュリー療法”エッセイと、その著者たち 2(2007/9/28)
HughesもAshley両親についてIEETサイトで(2008/3/17)

James HughesのTHニズム関連では ↓
Hughesの「サイボーグ市民」
he とshe の新たな文法?
サイボーグ社会の“市民権”
人工知能が人間をペットに?(2008/2/29)
Yale大とTH二ストの組織IEETが、動物の権利とパーソン論でカンファ(2013/4/14)
2013.04.26 / Top↑
VT州の世論調査で、PAS合法化への意見は真っ二つ。
http://vtdigger.org/2013/04/16/vermont-alliance-for-ethical-health-care-says-its-poll-shows-vermonters-very-much-divided-on-physician-assisted-suicide-bill/

カナダの世論調査で数年ぶりに自殺幇助と安楽死への反対意見が増加。
http://www.lifesitenews.com/news/poll-finds-decline-in-canadian-support-for-legalizing-assisted-suicide-and

ディグニタスへ行ったカナダの女性Susan Griffithsさんに医師らのPAS承認降りる。
http://www.cbc.ca/news/canada/manitoba/story/2013/04/22/mb-susan-griffiths-doctor-oks-assisted-suicide.html

オーストラリアで自殺幇助事件として処理された06年の事件に10年になって殺人場面の目撃証言が出てきて、再捜査へ。:近親者が幇助しましたと自己申告する自殺幇助と殺人の区別が果たして本当に可能なのか、という疑問が私にはずっとある。
http://www.theaustralian.com.au/news/nation/suicide-case-turns-to-murder/story-e6frg6nf-1226626216122

治験請負企業Cetero ResearchがFDAからデータ操作や隠ぺいの常態化を指摘され、同社が治験に関係した薬は100以上に及ぶという話題は16日の補遺で拾ったけれど、それでもFDAはそれらの薬を認可するんだとか。
http://www.propublica.org/article/fda-approved-new-drug-despite-ongoing-investigation-of-lab-misconduct

BMJに、クローン病患者による、なぜビッグ・ファーマは治験データのディスクローズを邪魔するのか、と問う論考。ステロイドの副作用に苦しみ続けたという体験から。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/259244.php

米国の子どもたちの間でリタリンやアデロールなどの処方薬の濫用が急増している、との調査結果。
http://www.cbsnews.com/8301-204_162-57580869/prescription-drug-abuse-by-teens-up-sharply-study/

【関連エントリー】
米国のティーンの間で処方薬の濫用が広がっている(2009/12/1)
ADHD治療薬の“スマート・ドラッグ”利用を解禁せよ、とNorman Fost(2010/12/28)


英国の大富豪Tony Achcroft氏も、ゲイツやバフェットらのthe Giving Predgeに参加を表明。世界中の大富豪が資産を持ち寄るなら、そこに生まれるのは世界中のどの国家にも太刀打ちできない資金力のある団体。慈善が表看板だとしても、その事実が変わるわけではない。慈善資本主義は慈善ではなく金融資本主義。
http://zeenews.india.com/business/news/international/lord-ashcroft-to-donate-half-of-his-1-2-bn-pounds-fortune-to-charity_74610.html
http://www.thesundaytimes.co.uk/sto/news/uk_news/People/article1248795.ece?CMP=OTH-gnws-standard-2013_04_20

22日には次世代原発の件で韓国にいたビル・ゲイツ、24日にはアブダビでのグローバル・ワクチン・サミットへ。そして、カタール・チャリティと2018年までにポリオ撲滅に向けて連携協定。
http://thepeninsulaqatar.com/qatar/234247-qc-gates-foundation-join-hands-to-fight-polio.html

日本語。英GSK社とインドのワクチン企業とが6種混合ワクチンを製造する合弁企業を設立。インドおよび途上国の小児向けに。:わざわざ会社を作っても儲かるから作る。途上国がそんなの自力で買えるわけもないのだけれど、そこは慈善資本主義でカネは集まる。カネが集まって製造したワクチンが買われれば株主は儲かる。その株主が慈善資本主義の広告塔をやる。カネがまた集まる。それが見越せているから途上国の小児向けワクチンを製造する会社を興せる。違うかな?
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130202/165900/

日本。厚労省ワクチン評価4委員 製薬会社から寄付金 厚労省「問題ない」 「利益相反」指摘する声も
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20130422161544293

日本語。ワクチン評価委員の医師と製薬会社 不透明な関係 厚労省など「金額公開 問題ない」「NPO法人「臨床研究適正評価教育機構」(東京)理事長で、この問題に詳しい桑島巌医師は「日本の医学界に情報を公開しようという土壌がなかったことに加え、利益相反に伴う深刻な事態に陥った経験が少ないからだろう」と分析する」:へぇぇ。「利益相反に伴う深刻な事態に陥った経験」が日本の医学界には少なかった……でしょうか? 米国でルールづくりが加速した点についても、99年の感染症で死亡した事例がきっかけだったとおっしゃっていますが、へぇぇぇ。「史上最も悪名高い小児臨床実験」と言われたパキシル研究329は? Biedermanスキャンダルは? Grassley議員が委員長を務めた委員会が暴いた癒着スキャンダルの数々が、サンシャイン法につながったのでは?
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20130423115255176

日本。厚科審 予防接種・ワクチン分科会が初会合、異例の傍聴者発言を導入
http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=41066

全国子宮頸癌ワクチン被害者連絡会のHP
http://shikyuukeigan.fem.jp/

英国でははしかが流行。「ウェークフィールドのせいでMMRを受けていない世代」に。
http://www.guardian.co.uk/science/life-and-physics/2013/apr/19/mmr
http://www.guardian.co.uk/society/2013/apr/17/measles-outbreak-mmr-jab
http://www.guardian.co.uk/uk/2013/apr/18/swansea-measles-cases-exceed-800

高齢者にロボット介護とセンサーばっちりのスマートシステムを。
http://cordis.europa.eu/fetch?CALLER=EN_NEWS&ACTION=D&SESSION=&RCN=35660

日本。電動車いす入場拒否 ひろしま菓子博「災害対応」理由に:夕方のニュースで知事が「この対応で問題ない」との見解。21日に出された実行委員会からの「電動車いすの利用について」文書 ⇒ http://www.kashihaku2013.jp/themes/hika/20130421release.pdf
http://www.asahi.com/national/update/0420/OSK201304200006.html

日本。<クレーン車暴走>母にも賠償責任 宇都宮地裁判決:なんで成人なのに母に賠償責任? 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130424-00000033-mai-soci

日本語。フランス同性婚合法化、土壇場の反対デモ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130422-00000013-jij_afp-int

日本語。5歳女児が監禁・強姦され重体、インド
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130420-00000022-jij_afp-int

日本語。女児監禁事件の警察対応に抗議、インドでデモ:抑圧され追い詰められた貧困層の男性が、自分よりも弱い女性や子どもをはけ口にする。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130420-00000858-yom-int
2013.04.26 / Top↑
ビル・ゲイツが米国の教育改革、特に教師の評価方法について
継続して発言しており、

ゲイツ財団の米国公教育コントロール 1(2011/5/2)
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 2(2011/5/2)
「生徒に生体データ・ブレスレットつけさせ教師の技量を評価」研究に、ゲイツ財団から100万ドル(2012/6/19)

最近では
生徒のテストスコアだけでなく
授業の評価もするために全米の学校のすべての教室に
50億ドルを投じてビデオカメラを設置すると言っていることを
当ブログでも拾っていますが、

そうしたゲイツの発言に対して、
米国の中学で科学を教えてきた教師でブロガ―のAnthony Codyという人が
ちょっと面白い批判をしている。

もともと教育の専門家でもないゲイツが
ただカネがあると言うだけで口を出したことが
現在の事態を招いているというのに、それを振り返ろうともせず、
さらに教師を評価する方法を云々していることへの批判のようなのだけど、

特に、教育改革や教師の評価以外にも当てはまる個所が
とても興味深いと思ったので、そこを以下に。

The concentration of wealth in the Gates and Walton families allows them to pay for research that supports their ideas, influence media outlets and funnel money through political action committees that advance their agendas ― all without accountability

ゲイツ一家やウォルトン一家への富の集中によって、
彼らは自分たちの考えを裏付ける研究にカネを払うことができるし
メディアに影響を及ぼし、
自分たちのやろうとすることを推進してくれる政治的団体や委員会にカネを回すことができる。
しかも、アカウンタビリティなど一切問われることもなしに。


If Mr. Gates demands that teachers be held accountable for their work, surely he must accept some accountability for his.

ゲイツ氏が教師に自分たちの仕事への説明責任を問うのなら、
彼だって自分の仕事に説明責任を引き受けるべきである。


Codyは、ビル・ゲイツが主張する教師評価の基準に沿って
「億万長者の慈善評価」を試みていて、原文はこちら ↓
 http://blogs.edweek.org/teachers/living-in-dialogue/2013/04/accountability_for_mr_gates_th.html

私はイマイチぴんとこないので、これについてはパス。

Many approve of Bill Gates’ latest words on education, but some question their source – Gates himself
Deseret News, April 22, 2013


【関連エントリー】
世界中の研究機関に流れていくゲイツ財団のお金(2008/8/28)
ゲイツ財団の指摘研究機関が途上国への医療支援の財布を管理しようとしている?(2009/6/20)
ゲイツ財団の慈善ネオリベ医療グローバリズム賛歌(2009/6/20)
公衆衛生でマラリア死8割減のエリトリアから「製薬会社株主ビル・ゲイツのワクチン開発」批判(2011/8/2)


  ――――――――――

ちなみに、22日に韓国へ行き、朴大統領と会談したGates氏、
大統領と握手する際に左手をパンツのポケットに入れたままだったことから
韓国でえらい不興を買ったらしい。

今日もまだニュースがちらほら見かけるくらいだから、
このニュース、世界中を駆け回っている模様。

朴大統領は
科学を発展させ「クリエイティブな経済」をめざすため
アドバイスをよろしく、と。

なお、ゲイツ氏の韓国訪問は、
次世代型原発のベンチャー企業 Terra Powerのチェアマンとしてのお仕事だったとのこと。
(既に中国とはこの件で連携の約束ができている。⇒http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/64541183.html)

以下の記事に問題の握手の写真と、
その写真をでかでかと掲載した韓国の新聞各紙の写真が共にあります ↓

Bill Gates ‘disrespects’ South Korean president with casual handshake
The Telegraph, April 23, 2013
2013.04.26 / Top↑