http://jobs.351.at/?p=36394
日本語ブログから。元情報を調べてみようと思って、まだ果たせていないけど、先日亡くなった女優の南美江さんは一旦脳死と判定された後に意識が回復していたとのこと。なぜ報道されない?
http://blogs.yahoo.co.jp/bijin1950/7060260.html
南アフリカ共和国で開催された国際小児科学会で、子どもの死亡率を2015年までに3分の1減じる目標を達成するためには、やっぱワクチンでしょう、特に途上国で、という話になったらしい。ロタ・ウィルス・ワクチンとか、肺炎球菌のワクチンなどが特に期待されている。このところ新しく開発されたワクチンに期待が集まる。
http://www.bbc.co.uk/news/health-10968854
インドで妊産婦を婚家先の家族が虐待することが多く、それが母子の健康状態の悪さに繋がっている、との研究。:ゲイツ財団やHIMEなんかのグローバル・ヘルスには、あくまでも生物としての個体を対象に医学で効率的に対処して、という発想――例えば、上のようにワクチンとか――しかないのだけれど、もうちょっと社会的な要因ってものがあるだろう、といつも思う。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/197971.php
心臓死後臓器提供(DCD)の腎臓は、脳死提供のものよりも痛んでいるとして、これまであまり使われてこなかったが、研究によって実際は十分に使える、と。これで腎臓移植件数が、わっと増えるのでは、と期待する声。
http://www.guardian.co.uk/society/2010/aug/19/kidney-transplant-revolution-cardiac-organs
米国でADHDと診断されている子どもたちの中には、たまたま幼稚園の年次や学年の中で最も年齢が低いことからくる診断ミスによるものが非常に多い可能性。そういう子どもたちが治療薬を飲まされている。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/198077.php
5月22日の補遺で拾った事件の続報。英国で8歳をレイプしようとした11歳2人に、収監は見送り、監察処分。
http://www.guardian.co.uk/uk/2010/aug/18/boys-attempted-rape-girl-eight-supervision-order
こういう立場からの批判がもっと出てくるべきだと、ずっと思っていた。
Ashley’s Case: The Ethics of Arresting the Growth of Children with Serious Disability
by Gary L. Stein,
Journal of Social Work in Disability & Rehabilitation,
Volume9, Issue 2&3 April 2010, Page 99-109
アブストラクトは
This article analyzes the justifications and ethics of attenuating the growth of children with serious disability. It considers the case of Ashley, a child with profound developmental and cognitive disabilities whose growth was attenuated through high-dose estrogen treatment and surgery. The goals of Ashley's parents and physicians were to keep her small, thereby making it easier for her parents to care for her at home. Perspectives supporting and opposing growth attenuation are presented. It is suggested that community resources and supports, rather than medical strategies, are necessary to address the social challenges of community living.
結論としては、
子どもを地域でケアしていくには、医療の戦略よりも、地域での資源と支援が必要なのだ、と。
これは、これまでにも繰り返し指摘されてきたことではあるのだけど、
実際に地域で支援に当たっている職種の声が出てこないと、
その必要性そのものが部外者にはなかなか具体的に理解されないのだろうと思う。
障害児教育の分野なんかからも、
もっと重症児の認知とかコミュニケーションなどについて、
医療のなかから見えていることだけじゃないという話が出てくるといいのだけど。
―――――――
いつも揚げ足取りしているみたいで気が引けるけど、
大事なことだから、ここでも事実誤認を指摘しておくと、
Ashleyに行われた身長抑制の目的を
親も医師も在宅介護の負担軽減のためだと主張していると
多くの論文著者と同じ誤解を、この著者もしている。
この事実誤認をする人は本当に多いのだけど、
実際にAshley父のブログをちゃんと読んだ人なら起こり得ない間違いなので、
論文を書こうかという人がその程度にしか資料を読んでいないことが、いつも不思議でならない。
担当医らは06年の論文で確かにそんなことを書いた。
メディア報道でも07年当時の論争でも、
勝手にそう思い込んで議論した人は多かった。
でも親は実際はそんなことは言っていないし、
それは目的ではなかったとブログで何度も明確に否定している。
少なくとも04年に要望した時点では、
親の目的はあくまでも本人のQOLの維持向上だった。
ただし、論争の中で、もっと年かさの重症児の親たちから体験談を聞く中で、
確かに在宅介護の時期を引き延ばすというメリットもあることに気付かされたと
ブログに追記されてはいるし、
その方が世間に通りが良いことをすでに彼らも学習したとすれば、
今後、成長抑制療法が一般化されていこうとする際には
親の介護負担の軽減がひいては本人の最善の利益だという論理で
押されていくのだろうとは思うけれど。
(個別ケアプランに応じた費用が直接サービス利用者に支給される)で
障害者の買春費用の支払いまで認められるべきかどうかが、論争になっている。
ある自治体が21歳の知的障害のある男性のケアプランに
オランダのアムステルダムへの買春旅行を入れたと報じられたのがきっかけ。
男性のソーシャルワーカーは、
ソーシャルワークとはクライアントのニーズを汲んでそれに応えること、
この人の場合は怒りとフラストレーションを抱えており、
セックスにお金を使うだけのニーズがあると考えた、と。
障害者のセックスは人権だとも。
The Sunday Telegraphなどの調査によると、
ストリップ・クラブとかインターネットの出会いサイトの費用くらいは
認めるという自治体が多い中で、4つの自治体が
本人の心身の福祉になるなら障害者による性労働者への支払いを認めている。
中には、知的障害者が不当な搾取を受けないよう、
ワーカーが介入して支払い料金の確認を行う、というところも。
違法行為でない限り使い道の道徳性を云々することはしない、という自治体もあり、
大半は、この問題に特に明確な方針はなく、
違法行為でない限り、ソーシャルワーカーの個別判断に任せるのが基本姿勢の様子。
メディアの取材に対して、
障害者から性労働者への支払いに使われたかどうかは知らないと回答した自治体も。
Disability Allianceの幹部Neil Coyle氏は
「大半の障害者は性サービスの料金を国に払ってもらおうなんて考えていない。
自治体に支援を求める時には着替えだとか入浴など、
求めているのは尊厳のある暮らしを維持するために不可欠なサービス。
自治体がこのところ、
そういう基本的な支援を、必要とする人から引き上げていることを考えると、
障害者にとってセックスはそれほど重大な問題ではない」
Councils pay for prostitutes for the disabled
The Telegraph, August 14, 2010
女性の立場からいえば、ここにはいくつもの差別が重なっていて、
気にかかる問題ではあるものの、どう考えたらいいのか、今のところ、まとまらない。
(「売春」はいつのまにか「性労働」になったんですね。
知らなかった……。その言葉、なんとなく女性の自己選択を匂わせている気がするのだけど、
昨日だったかGuardianに世界規模での子ども・女性の人身売買について報じる記事があって
その実態はホロコーストに匹敵する今世紀最悪の道徳的犯罪だ、と。)
Telegraphの報道は、まずまず冷静だし、
各自治体の姿勢もそれなりにまっとうだとも思う。
それよりも、
連立政権になって社会保障がずいぶん圧縮されようとしているようだから、
Coyle氏が言う通りに、問題は実は別のところにあるんじゃないのか、という気がして、
そっちの方が気がかりな感じ。
なにしろ、
以下の2本のMailの記事は、明らかに世論の反発を煽っている。
文章のトーンや不正確で誘導的な表現が不快なのでロクに読んでいないけれど、
タイトルに登場している5億2000万ポンドは
高齢者と障害者を対象にしたダイレクト・ペイメントの予算総額だというのに、
わざわざ、それを「こんな巨額な納税者の資金から」とタイトルに書くというのも、
「障害者に買春させるために納税者はこんなに沢山のゼニを使わされているのか!」
というメッセージがそこには仕掛けられているようにも思え、
障害者がセックスするのが問題なのか、
障害者が買春するのが問題なのか、
それとも買春のために海外まで行くのが問題なのか
(アムステルダムには障害者専門の売春婦がいるとのこと)
障害者がタダで、または自分の金でセックスするのは構わないけど、
障害者がセックスすることに社会サービスの費用を使うことが問題なのか、
買春に社会サービスの費用を使うことが問題なのか、
それが海外というのは贅沢だという問題なのか、
それとも、そもそも5億2000万ポンドという金額が
納税者が高齢者と障害者の社会サービスのために出してあげる額として気に食わないから
そんな不謹慎かつゼイタクな目的で使われているんだったら
いっそ取り上げてしまおう……という、
一見、障害者のセックスを問題としているようでありながら、
実は全く無関係な問題をみんな考えてみろ……と言外に言われている、ということなのか。
Councils pay for disabled to visit prostitutes and lap-dancing clubs from ₤520m taxpayer fund
The Daily Mail, August 16, 2010
The madness of offering the mentally disabled sex with prostitutes at taxpayers’ expense
The Daily Mail, August 18, 2010
そういえば、コイズミ政権の頃、
日本でも、こういう路線の話を聞いたよなぁ……。
私があの当時あれこれの検討に参加していた人から直接聞いたことがあるのは、
「生活保護を受けている家庭というのは何代にも渡って保護を受け続けていて、
保護で暮らすのが当たり前という感覚がもうライフスタイルになっているから、
その一家では最初から誰も働く気などない。
生活保護に寄生している、そういう家族が結構ある」
有名な重心施設の名前を出し、
「重心施設なんて、子どもにバンバン薬を飲ませて、
ただ眠らせておいて福祉の予算を沢山せしめてボロ儲けしている」
真偽すら分からないし、仮に事実だとしても、
悪質な例外ケースに過ぎない。
しかし、制度が見直され
本当に保護を必要とする人が拒否されたり、
高齢者や母子家庭の保護費が減額されたり、
重心施設全体の経営が圧迫されるような制度変更が行われていく前には、
なるほど、ああいう話が
「みんな、そういう、とんでもない連中なんだ」と言わんばかりに
誇張して流されるものなのだなぁ……ということを私はあの時に学んだ。
きっと、
「それじゃ、私たちは損じゃないか」という不平等感というのは
それほど火をつけやすく、報復感情を呼び寄せやすいものなのだろう。
「あいつらだけ得しやがって。
そんなの、こっちばっかり損じゃないか」という国民感情が芽生えれば、
そこには自ずと「どうにかしろよ」という報復・処罰感情が伴って、
“得している人たち”のための予算が削られることは
不平等や損得の是正に過ぎない、しごく正当なことのように感じられて、
障害者にとって、それは生きていくのに基本的なケアを削られることなのだという事実は
そういう感情を持ってしまった人からは見えにくくなる。
そういえばMencapが連立政権の社会福祉制度改革で
DLA(障害者手当)を打ち切られる人が出ることを心配している。
Reforming the welfare system
Mencap, August 18, 2010
以下のソーシャル・ケアのサイトの掲示板では
ワーカーさんたちの議論もあって、ちゃんと読めば勉強になりそうなのですが、
ここは障害者のセックスの問題を議論させられることそのものが
戦略にまんまと乗せられることになるんじゃないのか、という感じも。
Sex and social work
Care Space – The online community for social care
その掲示板で、障害者と性の問題に詳しい人が、
みんなもっと勉強しろと言って張っていた関連サイトのリンクを、
一応、メモとして以下に。
http://www.outsiders.org.uk/news/sex-workers
www.touchingbase.org/about.html
sexuality.about.com/b/2007/01/19/sex-work-and-disability.htm
sexuality.about.com/b/.../sex-work-and-disability-reconsidered.htm
www.outsiders.org.uk/news/sex-workers
www.field.org.au/events/resources/disability_sexuality/
www.tlc-trust.org.uk/
women.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/.../article5716226.ece
www.rsm.ac.uk/academ/sej101.php
www.pickledpolitics.com/archives/6533
www.bbc.co.uk › Home › Features
www.independent.co.uk › News › UK › This Britain
www.zoomerang.com/Survey/WEB228BX3BZR3X
www.informaworld.com/index/780900864.pdf
Washington大学のIHME(ゲイツ財団の私設WHOとも言われる)が
去年から世界のあちこちで調査を行っており、
IHMEとHarvard大、Johns Hopkins大、Queensland大、そしてWHOによる
Global Burden of Disease, Injuries and Risk Factors Study 2010の一環として、
現在インターネットでのアンケート調査を実施中。
責任者はIHMEの所長でDALYの考案者でもあるMurray医師と
Harvard 大の国際医療の助教授 Joshua Salomon医師の2人。
グローバル・ヘルスに莫大な資金が投入されている以上、
正確なデータが必要だ、として
例えば、以下のような質問に答えが求められている。
ここに2人の人がいます。一人は全く目が見えません。もう一人は絶え間のない強い腰痛に苦しんでいます。総じて言えばどちらの人が健康でしょう?
申し分のない健康状態で5年しか生きられないことと、重症障害を負って15年生きることのどちらかを選ぶとしたら、どちらがいいですか?
Institute for Health Metrics and Evaluation launches landmark survey to discover the impact of disease worldwide
W UNIVERSITY WEEK, August 19, 2010
今現在全く健康だからといって、この先5年間そのまま生きられると
誰かに保障してもらえる人間なんか、世界中どこにもいないし、
健康だろうが、持病があろうが、重症障害があろうが、
人がこの先何年生きるかなんて、見通すことのできる人もいない。
どっちがいいかという質問に答えることはできても、
その選択を実際に生きることのできる人はどこにもいない。
みんな、「今ここに生きている自分」を生きていくだけじゃないか。
じゃぁ――
大恋愛で結婚したら、思いがけない事故ですぐに死んでしまう人生と、
大恋愛で結婚したら、子ども3人のうちの1人がグレて一生苦労させられる人生と
大恋愛で結婚したら、何となくうまくいかなくなってズタズタに傷つけあって離婚する人生と、
大恋愛で結婚したら、自分が難病にかかって、相手の会社が倒産してしまう人生と、
大恋愛で結婚したら、きまぐれで始めたビジネスが大当たりして世界中を飛び回って暮らす人生と、
上記のうち、死ぬの以外がどこかで全部起きてしまう人生と、
どれがいいですか?
選ぶことができない性格のものを並べて
あたかもそれが選べる性格のものであるかのように選ばせ、
あまつさえ、その結果を何かの施策の参考データとして使おうというのは、
質問することそのものが、どこかいかがわしくはないだろうか。
それより――
あなたが脳卒中の後遺症で半身が不自由になったとします。
急性期はもちろん維持期まで個別計画にのっとったリハビリを受けられる国と、
急性期だけでさっさと打ち切りにされて、後は事実上見棄てられる国と、
どっちに住みたいですか――?
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