前のエントリーを書いた時に、たまたま見つけた仰天ニュースで、
Bihar州、Khagaria地区のGulariaという村を
Gates 財団が養子にするという話が。
タイトルを見た時には、
前のエントリーのBihar州との覚書に関連した動きを
記事が「養子にする」と表現しているだけなんだろうと思ったのだけど、
全然そうじゃなくて、本気で養子にするつもりという話みたいだから驚く。
どうやら水道も電気も学校も医療施設もない、
少数民族が住んでいる貧しい村の現状を見かねて……ということらしいのだけど
1つの民間財団が1つの村を本気で「養子にする」と言われても、
それが一体どういうことなのか、私にはさっぱり想像もできない。
Gates Foundation to adopt Bihar village
NDTV, May 11, 2010
仮に比喩なんだとしても、
そんな比喩を平気で使ってしまう神経も分からないし、
また堂々と使わせておく村の方も、それをそのまま伝えるメディアの神経も分からない。
でも、グローバリゼーションで、貧困が進む一方の国や地域では
この善意の夫婦の養子になれるのなら、なりたい、してください……と
上がる手も、これから増えていくのかもしれない。
この善意の夫婦もまた、こんなことを言うくらいなのだから
これからも村や町を丸ごと養子にしてやることに、やぶさかではないのだろう。
善意のヴォルデモ―トさんは、
いよいよ人類みんなの、文字通り、親方・親分さまになっていく……。
Bihar州、Khagaria地区のGulariaという村を
Gates 財団が養子にするという話が。
タイトルを見た時には、
前のエントリーのBihar州との覚書に関連した動きを
記事が「養子にする」と表現しているだけなんだろうと思ったのだけど、
全然そうじゃなくて、本気で養子にするつもりという話みたいだから驚く。
どうやら水道も電気も学校も医療施設もない、
少数民族が住んでいる貧しい村の現状を見かねて……ということらしいのだけど
1つの民間財団が1つの村を本気で「養子にする」と言われても、
それが一体どういうことなのか、私にはさっぱり想像もできない。
Gates Foundation to adopt Bihar village
NDTV, May 11, 2010
仮に比喩なんだとしても、
そんな比喩を平気で使ってしまう神経も分からないし、
また堂々と使わせておく村の方も、それをそのまま伝えるメディアの神経も分からない。
でも、グローバリゼーションで、貧困が進む一方の国や地域では
この善意の夫婦の養子になれるのなら、なりたい、してください……と
上がる手も、これから増えていくのかもしれない。
この善意の夫婦もまた、こんなことを言うくらいなのだから
これからも村や町を丸ごと養子にしてやることに、やぶさかではないのだろう。
善意のヴォルデモ―トさんは、
いよいよ人類みんなの、文字通り、親方・親分さまになっていく……。
2010.05.17 / Top↑
インドのビハール州政府は5月12日、
母子・小児保健医療の改善促進のため、
革新的な解決策の開発と実施に向けて協力することとして
ゲイツ財団との間で協力覚書(MoC)に署名した。
MoCは
ゴール、プログラム地域、そして
双方に期待される役割と責任を明記。
Bill Gates氏によると、その目的は、
「栄養、ワクチン接種を含めて
優先課題として良質な家族保健サービスと介入を増やし、
革新的解決方法を開発、実施することによって
妊産婦と新生児、子どもの死亡率を下げること。
また結核、肺炎、下痢についても、
政府と民間セクターが共同して医療の届く範囲を広げ、質を高めることによって
タイムリーな診断と適切なケアを届けるべく、改善を行う」
Gates Foundation, Bihar govt sign MoC in child health
Press Trust of India, May 17, 2010
思い返されるのは、ゲイツ財団が、中国で
官僚が無能だからと「エイズ検査でゼニあげるよ」キャンペーンを仕切っていること。
それから、
人類は2040年に滅亡、でもグローバル福祉国家は通産相兼務の厚生相がご活躍だから大丈夫?とか。
善意のヴォルデモ―トさん――。
いくら善意でも、度が過ぎると、
「善意」よりも「ヴォルデモ―ト」の方をゴチックにしたくなってくる。
それに、他の記事もざざっと眺めてみたけど、
BiharとのMoCで、ワクチンが強調されているのはもちろんのこと
母子保健、家族保健、それから「革新的な解決策」というのが強調されている。
「革新的」という個所が一体どういうことなのか、おおいに気になるところ。
一方で、
早産・死産撲滅に、シアトルこども病院がゲイツ財団、ユニセフ、WHOと乗り出すかと思うと、
G8で途上国の母子保健対策として中絶や家族計画の導入が検討されていたり、
ゲイツ財団資金で超音波による男性の避妊法を開発、途上国向け?
……なんて話もあるものだから。
よもや、そういうのを指して「革新的」だなんてことは?
母子・小児保健医療の改善促進のため、
革新的な解決策の開発と実施に向けて協力することとして
ゲイツ財団との間で協力覚書(MoC)に署名した。
MoCは
ゴール、プログラム地域、そして
双方に期待される役割と責任を明記。
Bill Gates氏によると、その目的は、
「栄養、ワクチン接種を含めて
優先課題として良質な家族保健サービスと介入を増やし、
革新的解決方法を開発、実施することによって
妊産婦と新生児、子どもの死亡率を下げること。
また結核、肺炎、下痢についても、
政府と民間セクターが共同して医療の届く範囲を広げ、質を高めることによって
タイムリーな診断と適切なケアを届けるべく、改善を行う」
Gates Foundation, Bihar govt sign MoC in child health
Press Trust of India, May 17, 2010
思い返されるのは、ゲイツ財団が、中国で
官僚が無能だからと「エイズ検査でゼニあげるよ」キャンペーンを仕切っていること。
それから、
人類は2040年に滅亡、でもグローバル福祉国家は通産相兼務の厚生相がご活躍だから大丈夫?とか。
善意のヴォルデモ―トさん――。
いくら善意でも、度が過ぎると、
「善意」よりも「ヴォルデモ―ト」の方をゴチックにしたくなってくる。
それに、他の記事もざざっと眺めてみたけど、
BiharとのMoCで、ワクチンが強調されているのはもちろんのこと
母子保健、家族保健、それから「革新的な解決策」というのが強調されている。
「革新的」という個所が一体どういうことなのか、おおいに気になるところ。
一方で、
早産・死産撲滅に、シアトルこども病院がゲイツ財団、ユニセフ、WHOと乗り出すかと思うと、
G8で途上国の母子保健対策として中絶や家族計画の導入が検討されていたり、
ゲイツ財団資金で超音波による男性の避妊法を開発、途上国向け?
……なんて話もあるものだから。
よもや、そういうのを指して「革新的」だなんてことは?
2010.05.17 / Top↑
Ashley療法、成長抑制を批判し続けている
重症児の母親Clair Royさんが12日のエントリーで、
A療法の正当化は不確かな将来予測に基づいていると指摘している。
例えば、
Ashleyの認知能力は、この先もずっと変わらない、とか
まだ始まってもいない生理が必ずや痛みを伴うものになる、とか
乳房が将来、必ずや大きくなって本人が邪魔くさいに決まっている、とか
大人になった時の身長と体重はこのくらいになる、とか。
そして、
自分の娘が最初は「脳死」だと言われ
(この時、なんと臓器提供を求められています)
その後には「植物状態」だと言われたはずなのに、
今では読み書きもでき、数も数えられるし、周りの出来事も理解している、として
大人になった時にはこうなるはず、という不確実な予測に基づいて
成長抑制を正当化するのは、あまりにも非科学的なのでは、と批判しています。
Predicting Ashley
No More Ashley X’s: Say NO to Growth Attenuation, May 12, 2010
Royさんが書いている批判そのものは、これまでにも
当ブログを含めて、すでに多くの人が指摘している点ではあるのですが、
読みながら、思ったのは、
これと全く同じことが、
昨日「中絶か重症障害か……選ぶのは親のあなた」(英)で取り上げた
障害胎児の中絶や、重症新生児の安楽死にも言えるし、
中途障害者の絶望や重病の人の先取り不安から起きている自殺幇助の要望に、
認めてあげよう、死なせてあげよう、と応じることにも
実は通じているんじゃないのかなぁ……と。
重症児の母親Clair Royさんが12日のエントリーで、
A療法の正当化は不確かな将来予測に基づいていると指摘している。
例えば、
Ashleyの認知能力は、この先もずっと変わらない、とか
まだ始まってもいない生理が必ずや痛みを伴うものになる、とか
乳房が将来、必ずや大きくなって本人が邪魔くさいに決まっている、とか
大人になった時の身長と体重はこのくらいになる、とか。
そして、
自分の娘が最初は「脳死」だと言われ
(この時、なんと臓器提供を求められています)
その後には「植物状態」だと言われたはずなのに、
今では読み書きもでき、数も数えられるし、周りの出来事も理解している、として
大人になった時にはこうなるはず、という不確実な予測に基づいて
成長抑制を正当化するのは、あまりにも非科学的なのでは、と批判しています。
Predicting Ashley
No More Ashley X’s: Say NO to Growth Attenuation, May 12, 2010
Royさんが書いている批判そのものは、これまでにも
当ブログを含めて、すでに多くの人が指摘している点ではあるのですが、
読みながら、思ったのは、
これと全く同じことが、
昨日「中絶か重症障害か……選ぶのは親のあなた」(英)で取り上げた
障害胎児の中絶や、重症新生児の安楽死にも言えるし、
中途障害者の絶望や重病の人の先取り不安から起きている自殺幇助の要望に、
認めてあげよう、死なせてあげよう、と応じることにも
実は通じているんじゃないのかなぁ……と。
2010.05.17 / Top↑
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