2ntブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
ビル・ゲイツがダボス会議でCNNの医療キャスター、サンジェイ・グプタのインタビューを受け、自閉症ワクチン犯人説を流したWakefield論文に憤りをあらわにしたらしい。「あの論文は何千人もの子どもを殺した」とか言って。とっくに科学的根拠を否定された後になって、Lancetがわざわざ削除したり、その後もまだ執拗にバッシング論文が続いたり(もちろんDiekemaも書いた)、あの論文に対する扱いの異様さの裏には、たぶんこの人がいるんだろうと思っていた。
http://www.dailytech.com/Bill+Gates+VaccineAutism+Paper+Killed+Thousands+of+Kids/article20839.htm
http://waronyou.com/topics/absolutely-appalling-disgraceful-rant-by-bill-gates-against-caring-decent-intelligent-people-who-have-the-audacity-to-question-the-effects-of-vaccines/

そのGates、発表したばかりの今年のゲイツ財団の重要課題でポリオを優先したことで、個人的にポリオ完全撲滅にこだわり過ぎて、他の病気対策に資金が回っていないと、批判されている。おなじみ倫理学者のArt Caplanって、子どもの時にポリオをやった人らしい。NYTで「撲滅は無理。せいぜいコントロールできれば」と。:もう30年近く前に留学した時、スポンサーがポリオ撲滅運動をやっている団体だったので、いろいろ耳にしたしポリオワクチンを作った博士の講演も聞いた。それを思うと、すごく不思議なんだけど、30年近くワクチンでポリオと闘ってきて、まだそういう事態なのなら、ワクチンじゃなくて貧困対策の方に支援や資金を振り向ける方が有効だということなんでは……? それでは儲かる人がいないのが問題なのかもしれないけど。
http://views.washingtonpost.com/leadership/light/2011/02/is-bill-gates-wrong-about-polio.html
http://www.latimes.com/health/boostershots/la-heb-bill-gates-polio-20110131,0,2045514.story
http://www.nytimes.com/2011/02/01/health/01polio.html?_r=1&src=me

ホーキング博士の元妻が、赤裸々に夫の介護生活を書いた本を出して、ひんしゅくを買ったり称賛されたりしているみたい。
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/private-pain-of-life-with-stephen-hawking/2069277.aspx

母親が働いていると子どもの肥満率が上がる、という調査結果。:父親がフルタイムで働いていることの影響は? 父親が毎日何時間も残業することの影響は? 父親が失業して母親だけが働いていたら?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/215710.php

米国で家計の助けにとアルバイトをする高校生が増えているけど、週20時間以上働くと成績にも素行にも悪影響が出ますよ~。:なんか、ほんと、いっつも思うんだけど、英語圏の学者さんたちにとって、子どもの成績が上がることと問題行動を起こさないことが子育てにおける最重要課題なのね。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/215712.php

そうかと思うと、早期教育に投資すると、先行き経済的なリターンが大きいですよ~って。:これも研究者が研究の結果を示して、こう言っているわけです。子育てとか教育って、いったい何なの? 
http://www.medicalnewstoday.com/articles/215705.php

ビッグ・ファーマ、そろそろ新しいヒット商品が出てこないと曲がり角なんだって。:だから、世界中でその「新しいヒット商品」にすべく、いろんなものが売り込まれている。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/215790.php

一人暮らしの高齢者の異常を察知するテクノロジー。:これについては既にパッケージ商品化されているものがいくつもあって、去年、ちょっと調べて書いたことがある。こちらに。結構すごい。技術そのものは大したものじゃない。すごいと思ったのは、こういう商品が広がっていく背景にある感覚の変化というか、ある種のマヒというか、そういうこと。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/215789.php

乳がんで様々な問題が発生するリンパ節切除までやる必要はなかった……という研究結果が出てきたみたい。:治療のエビデンスというのは、所詮はその時々のベストでしかない、というワキマエも、姿勢として持っている必要があるんじゃないかと、重症児の親として、かつて「奇跡の療法」と言われたボイタ法の経験から私はずっと思っているんだけど。あの時、目を吊り上げて我が子を抑えつけながら「あたしがゼッタイに歩かせてみせる」と呪文を唱える母親仲間に、「リハビリテーションって、調べてみたら、まだ出来てから30年ぽっちの学問なんだよ。今やっていることが今から10 年後には間違いだったって話になる可能性だってあると思うよ」と忠告してあげたもんだけど、果たして、その通りになった。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2011/02/08/AR2011020806420.html?wpisrc=nl_cuzhead

大ウツの関連遺伝子変異め~っけ。:遺伝子変異とか脳内化学物質バランスとか、なんですかねぇ……。でも、この記事、すごい人気。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/215893.php

寿命は遺伝子よりも生活習慣に影響される。:まぁ、そりゃ両方でしょうし。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/215895.php
2011.02.09 / Top↑
麻酔学のジャーナルの電子版ページでの
印刷版が出るのに先立つアブストラクトの公開のようですが、
なにしろ、「臓器提供安楽死」を提唱した、あのSavulescuが
今度はICUにおける無益な治療の一方的な停止を一般化しようと
以下の文章を書いています。

共著者のDominic Wilkinsonって、なんか見覚えがあると思ったら、
やっぱり去年Bioethics誌に「臓器提供安楽死」を書いた時の共著者でした。

つまり
去年「臓器不足解消のため、生きたまま臓器摘出して安楽死させてもいいことにしよう」と
書いた2人の著者が、今度はICUにおける一方的な「無益な治療」停止に向けたスタンダード作りを狙い、
「ICUでの無益な治療の一方的な停止をアリにしよう」と。

彼らの意図が
ICUでの「無益な治療」停止による心停止後臓器提供(DCD)にあることは明々白々でしょう。

Knowing when to stop: futility in the ICU
Dominic JC Wilkinson, Julian Savulescu
Current Opinion in Anaesthesiology
Post Author Corrections, 2 February 2011


アブストラクトは

Purpose of review: Decisions to withdraw or withhold potentially life-sustaining treatment are common in intensive care and precede the majority of deaths. When families resist or oppose doctors' suggestions that it is time to stop treatment, it is often unclear what should be done. This review will summarize recent literature around futility judgements in intensive care emphasising ethical and practical questions.

Recent findings: There has been a shift in the language of futility. Patients' families often do not believe medical assessments that further treatment would be unsuccessful. Attempts to determine through data collection which patients have a low or zero chance of survival have been largely unsuccessful, and are hampered by varying definitions of futility. A due-process model for adjudicating futility disputes has been developed, and may provide a better solution to futility disputes than previous futility statutes.

Summary: Specific criteria for unilateral withdrawal of treatment have proved hard to define or defend. However, it is ethical for doctors to decline to provide treatment that is medically inappropriate or futile. Understanding the justification for a futility judgement may be relevant to deciding the most appropriate way to resolve futility disputes.



概要、ざっと、

ICUにおける生命維持治療の差し控えや中止はすでに頻繁に行われているが、
問題は医療職の治療中止の判断に家族が反対した場合で、
その場合にはどうするのが倫理的かというはっきりしたモデルができていない。

また無益概念も一定していないために、議論が混乱してきた。

そこで最近のICUでの無益な治療に関する文献を
特に倫理問題と現実問題から検証しつつ、
無益性判断の正当化理論への理解を深めることによって
ICUにおいて医師らが無益または不適切と考える治療を拒否を認めよう。
そのための然るべき意思決定手順、デュー・プロセス・モデルを提示する。

……といったところか。

つまり、
あちこちに四の五の言わさず、
医師が無益だからダメだと言ったらダメ、というルールを
さっさと作っちゃいましょーよ……ということですね。

それにしても、なんだろう、包囲網が狭まっていく、この加速度の速さは……?

以下のエントリーにもあるように、
臓器提供は安楽死の次には、無益な治療論と繋がっていくぞ……と
当ブログはずっと書いてきましたが、それにしても、
まさか、こんなに早く次々に展開していくとは……。

しかし、この展開こそ、
一方的な医療サイドによる「無益な治療」拒否によって「死の”自己決定”権」議論が成立しなくなるように、
「臓器提供安楽死」を含めた臓器提供における”自己決定”という正当化の土台が
すでに成立しなくなっていることの証左でもある、と私は考えますが。


【Savulescu「臓器提供安楽死」関連エントリー】
「生きた状態で臓器摘出する安楽死を」とSavulescuがBioethics誌で(2010/5/8)
Savulescuの「臓器提供安楽死」を読んでみた(2010/7/5)
「腎臓ペア交換」と「臓器提供安楽死」について書きました(2010/10/19)
臓器提供は安楽死の次には”無益な治療”論と繋がる……?(2010/5/9)

【Savulescu論文で触れられたベルギーの「安楽死後臓器提供」関連エントリー】
ベルギーで2年前にロックトインの女性、「安楽死後臓器提供」(2010/5/9)
ベルギーの医師らが「安楽死後臓器提供」を学会発表、既にプロトコルまで(2011/1/26)
ベルギーの「安楽死後臓器提供」、やっぱり「無益な治療」論がチラついている?(2011/2/7)
2011.02.09 / Top↑
シアトルこども病院は05年から毎年7月に
小児生命倫理カンファレンスを開催しています。

今年は7月22、23日で、第7回のテーマは

Who’s Responsible for the Children?
Exploring the Boundaries of Clinical Ethics and Public Policy

子どもたちの医療はだれの責任か?
臨床倫理と公共施策の限界を探る

カンファの情報ページはこちら

そこに、このカンファで検討される具体的な問いがいくつか挙げられており、

• Under what circumstances should individual providers or healthcare institutions extend medical care to children whose families cannot pay?
• Do providers' responsibilities extend beyond the walls of the clinic? How do we balance obligations to provide better healthcare with obligations to improve other factors that influence health, such as diet, exercise, housing and education?
• Do providers have an obligation to tell families about healthcare options that are not “available” or will not be provided because of financial constraints?
• Should care to children be prioritized based on social, physical or mental health status?
o Children who have expensive technology-intensive care needs, such as ventilators, dialysis or transplants?
o Children with intellectual disabilities who require special resources, yet will remain dependant on society?
o Children who have mental healthcare needs?
o Children who are undocumented?

• How will healthcare reform affect the goal of providing for the basic healthcare needs of all children?


・家族に支払い能力のない子どもに個々の医療提供者または医療機関が医療を行うべきだとされる状況とは?

・医療提供者の責任はクリニックの外にまで及ぶのか? より良い医療を提供する義務と、食事、運動、住まいや教育など、健康に影響するその他のファクターを改善する義務とのバランスをどのようにとるのか?

・経済的な制約のために「対象外になる」または提供されない治療の選択肢について、家族に知らせる義務が提供者にはあるか?

・社会的、身体的または知的状態に応じて、子どもたちへの医療に優先順位をつけるべきか?

たとえば、
  ・人工呼吸器、人工透析や臓器移植など高度技術による高価な治療が必要な子どもは?
  ・特殊な資源を必要とする知的障害があり、社会に依存し続けるであろう子どもは?
  ・メンタル・ヘルスのニーズ(つまり精神障害?)のある子どもは?
  ・不法入国・不法滞在の子どもは?

・すべての子どもの基本的な医療ニーズに応えるというゴールに、医療制度改革はどのように影響するか?



もう、一読段階でわわわわっ……と頭の中が疑問だらけになるのですが、

まず漠然と思うのは、
さすがに、主催のTruman Katz小児生命倫理センターは
Ashley事件を正当化し続けるDiekema医師の牙城とあって、
いかにも“Ashley療法”論争の論点がそのままここにもあるなぁ……と。

例えば、
① 本来は社会で解決すべき問題が
最初から医療の中で解決されるべき問題として提起される傾向。
② 障害、特に知的障害に対する根深い偏見と差別。
③ その差別意識が功利主義的な切り捨て医療の正当化に使われる傾向。

最初の①の傾向でいえば、
例えば家族に支払い能力がない子どもへの対応は
最初の問いが前提しているように個々の医療提供者や医療機関の判断の問題ではなく、
米国社会または各州レベルでの社会や行政の課題として対処すべき問題であり、

それがなされていないために個々の医療者が判断を負わされている状況があるなら
それは医療が社会に問題を投げ返すべきなのであり、それをせずに医療の中で
どのような状況では治療をすべきで、どのような状況ならすべきでないかと
個々の判断の問題として提起され、そこに基準を模索する方向の議論が行われるとしたら
それは筋も違うし、不適切なのでは?

もっとも、メディケイドも
メディケイドの対象にはならないけど保険に入れない層の子どもには S-Chipプログラムもあるはずなので、
そこのところの事情は、よく分かりませんが。
(カンファ準備委員会の中にはWA州保健局からも人が出ています)

第2の予防医療の責任に関する問いについても同じことが言えて、
この問題を個々の医療提供者の責任範囲の問題として提起するのは筋が違うと思う。

②については一目瞭然。
あまりにも不快なので今たちまち云々する気になれませんが、
Ashley事件に関して言われてきたことの多くが
ここでも言えるような気がします。

③ についても同様ですが、
こうした問題提起がシアトルこども病院から出てきていることは
決してAshley事件やその背景と無関係なわけではないでしょう。

それについては、
今朝アップしたばかりの以下の2つのエントリーに詳細をとりまとめました。

シアトルこども病院・ワシントン大学とゲイツ財団の密接な関係:グローバルな功利主義・優生主義医療の動き(2011/2/9)
Ashley事件関連資料リンク集 12: 病院・大学とゲイツ財団との関係(2011/2/9)
2011.02.09 / Top↑
こちらのリンク集は大まかながら以下のエントリーとNO対応しています。

シアトルこども病院・ワシントン大学とゲイツ財団の密接な関係(2011/2/9)

① ゲイツ財団からシアトルこども病院へのグラント(1997-2004)
http://www.gatesfoundation.org/Grants-1997/Pages/Children-s-Hospital-Foundation-OPP212.aspx
http://www.gatesfoundation.org/Grants-1998/Pages/Children-s-Hospital-Foundation-OPP213.aspx
http://www.gatesfoundation.org/Grants-1999/Pages/Children-s-Hospital-Foundation-OPP214.aspx
http://www.gatesfoundation.org/Grants-1999/Pages/Children-s-Hospital-Foundation-OPP194.aspx
http://www.gatesfoundation.org/Grants-2000/Pages/Children-s-Hospital-Foundation-OPP214_01.aspx
http://www.gatesfoundation.org/Grants-2000/Pages/Children-s-Hospital-Foundation-OPP194_01.aspx
http://www.gatesfoundation.org/Grants-2001/Pages/Children-s-Hospital-Foundation-OPP214_02.aspx
http://www.gatesfoundation.org/Grants-2001/Pages/Children-s-Hospital-Foundation-OPP10996.aspx
http://www.gatesfoundation.org/Grants-2002/Pages/Children-s-Hospital-Foundation-OPP214_03.aspx
http://www.gatesfoundation.org/Grants-2002/Pages/Children-s-Hospital-Foundation-OPP22523.aspx
http://www.gatesfoundation.org/Grants-2003/Pages/Children-s-Hospital-Foundation-OPP28304.aspx
http://www.gatesfoundation.org/Grants-2004/Pages/Children-s-Hospital-Foundation-OPP34253.aspx

② ダウンタウンの土地購入に向けたキャンペーンをゲイツ夫人が率いる(2001-2006)
http://community.seattletimes.nwsource.com/archive/?date=20061027&slug=childrens27
http://www.seattlechildrens.org/media/press-release/2006/02/000199/

③ 子ども病院の理事会にはMicrosoft関係者が少なくとも3人
http://www.seattlechildrens.org/about/board-of-trustees/

④ 2007年の子ども病院のGAPPS立ち上げにゲイツ財団から150万ドル。
その後も両者は優生思想の匂いのする早産・死産撲滅運動のパートナー。
http://seattletimes.nwsource.com/html/health/2009199464_births09m.html
http://www.bizjournals.com/seattle/stories/2008/07/28/focus7.htmlhttp://www.medicalnewstoday.com/articles/147293.php
http://www.youtube.com/watch?v=yqQRio1-P6c
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2809%2961762-1/fulltext?&elsca1=Vol.%20374%20Number%209697%20Oct%2010,%202009name&elsca2=email&elsca3=segment
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/56163443.html

⑤ 子ども病院とゲイツ財団はワクチン推進パートナー
http://www.gavialliance.org/about/in_partnership/index.php
http://www.medicalnewstoday.com/articles/171360.php
http://www.seattlechildrens.org/research/initiatives/bioethics/events/pediatric-bioethics-conference/2006-pediatric-bioethics-conference/

Diekema医師もワクチンを始め同財団の関心事への発言しきり。
http://archpedi.ama-assn.org/cgi/content/abstract/163/5/432
http://www.michiganlawreview.org/assets/fi/107/vaccination.pdf
http://www.michiganlawreview.org/articles/choices-should-have-consequences-failure-to-vaccinate-harm-to-others-and-civil-liability
http://pediatrics.aappublications.org/cgi/content/abstract/124/2/813
http://www.bmj.com/content/342/bmj.d2.full

⑥ ゲイツ財団の“私設WHO”、ワシントン大学IHME
http://www.healthmetricsandevaluation.org/
http://www.healthmetricsandevaluation.org/who/director.html
http://www.seattlepi.com/national/358237_globalhealth09.html
http://seattletimes.nwsource.com/html/localnews/2004336312_healthstats09m.html
http://www.grandchallenges.org/about/Newsroom/Pages/GlobalChallengeExplorationsPressRelease.aspx
http://www.grandchallenges.org/MeasureHealthStatus/Challenges/PopulationHealth/Pages/ConsortiumProject.aspx
http://uwnews.org/uweek/article.aspx?id=59923

⑦ ゲイツ財団、ワシントン大学IHMEとLancetのコラボ
http://gateskeepers.civiblog.org/blog/_archives/2008/4/6/3622488.html
http://gateskeepers.civiblog.org/blog/_archives/2008/4/9/3628052.html
http://www.thelancetglobalhealthnetwork.com/
http://www.thelancetglobalhealthnetwork.com/current-calls
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/12/11/AR2008121103318.html
http://7thspace.com/headlines/299971/global_childhood_immunization_coverage_growing_at_only_half_the_officially_reported_rate.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/47215945.html
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2009-06/uow--ghf061809.php

⑧ ゲイツ財団について

・ビル・ゲイツの慈善資本主義
http://www.newstatesman.com/society/2008/03/philanthropists-money
http://www.opendemocracy.net/node/36210/print
http://crosscut.com/2008/08/22/gates-foundation/16933/For-Gates%2C-global-health-should-drive-foreign-policy/
http://www.nytimes.com/2008/12/14/opinion/14sun3.html?th&emc=th
http://www.nytimes.com/2010/08/01/opinion/01kristof.html

・世界の保健相に勝手に自任しているビル・ゲイツ
http://www.nytimes.com/2009/12/03/health/policy/03china.html?_r=4
http://www.ndtv.com/news/india/gates-foundation-to-adopt-bihar-village-24783.php
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/us_and_americas/article6350303.ece

・ゲイツ財団のメディア・コントロール進む
http://www.lambslain.com/2010/10/bill-gates-king-of-world-web-grows.html
http://www.guardian.co.uk/gnm-press-office/guardian-launches-global-development-site
2011.02.09 / Top↑
当ブログは、立ち上げ当初から一貫して
Ashleyに子宮および乳房摘出手術と成長抑制療法を実施したシアトルこども病院とワシントン大学には
ゲイツ財団との密接な関係があり、その関係こそが事件の背景では、と検証を続けてきましたが、

単にAshley事件の背景に留まらない同病院・大学とゲイツ財団の関係や、
そこから派生する世界規模の功利主義・優生主義的な保健医療施策推進の動きが
検証過程で透けて見えてきたので、このあたりで一度それらを簡単に取りまとめてみようと思います。

検証過程については主だったエントリーをリンクしました。
また、それぞれ根拠となる英文資料はそれらのエントリーにもありますが(一部リンク切れも)
別途Ashley事件関連資料リンク集12に、とりまとめました。

① シアトルこども病院は1997年から毎年ゲイツ財団から多額のグラントをもらっている。
04年までの情報では、具体的な金額は毎年1万ドルを基本に、
01年に50万ドル、2002年からの6年間に2000万ドル、04年に6万ドル。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/12574597.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/57736683.html

Ashleyの親からの要望を受けて手術が行われたのは04年。
ちょうど2000万ドルの分割支払いの最中でもあり、
追加で6万ドルのグラントがあった年に当たる。

② ゲイツ夫人のメリンダさんは2001年から5年間に渡って
同病院の資金集めキャンペーンを率いた。
06年に同病院がシアトルのダウンタウンに土地を購入した際にも、
彼女はそれに向けたキャンペーンの先頭に立ち、
キャンペーン発表会では基調講演を行っている。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/12594069.html

Ashleyの親から要望があった時、
シアトルこども病院はゲイツ財団に対して非常に大きな恩義のある立場にあったことがわかる。

③ シアトルこども病院の理事会メンバーには
少なくとも当ブログが確認した08年時点と11年時点では
ビル・ゲイツの妹、マイクロソフト社の役員、同社草創期の幹部の妻と
マイクロソフト/ゲイツ財団の関係者が少なくとも3人いる。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/55492869.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/62701692.html

④ シアトルこども病院は2007年に早産・死産撲滅に向けたキャンペーン
The Global Alliance for the Prevention of Prematurity and Stillbirth(GAPPS)を立ち上げた。
その際、ゲイツ財団から150万ドルが提供されている。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/52225363.html

その後も両者はユニセフ、WHOやMarch of Dimes、PATHなどの団体と協働して、
早産・死産撲滅運動におけるパートナーシップを築いている。
March of Dimesは新生児スクリーニングを推進しており、その
「出生時の障害や早産や死を防ぐことによって子どもの健康を増進する」活動に
象徴されるように、彼らの早産・死産撲滅運動には優生思想が色濃い。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/57563784.html

March of DimesがLancetに発表した早産に関する研究論文にも、
医療費負担軽減目的での早産とそれによる障害児の撲滅意図が見てとれ、
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2809%2961762-1/fulltext?&elsca1=Vol.%20374%20Number%209697%20Oct%2010,%202009name&elsca2=email&elsca3=segment
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/56163443.html

つまるところ、GAPPSを中心にした早産・死産撲滅キャンペーンの背景にある理念とは、
以下に述べるワシントン大学IHMEとLancetとゲイツ財団3者による
DALYに基づく世界の保健医療施策コントロールの路線と非常に近似と思われる。

⑤ シアトルこども病院はGAVI(ワクチン予防接種世界同盟)の立ち上げにも関わっており、
ゲイツ財団の主要関心事であるワクチン接種を広めることに非常に熱心である。
GAVIはゲイツ財団からの7億5000万ドルを元に2000年のダボス会議で立ち上げられた。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/60982732.html

同病院トルーマンカッツ生命倫理センターは
05年に小児生命倫理カンファレンスを立ち上げ、
第2回に倫理問題としてはさして大きくもないワクチン接種問題をテーマに取り上げた。
http://www.seattlechildrens.org/research/initiatives/bioethics/events/pediatric-bioethics-conference/2006-pediatric-bioethics-conference/

同倫理センター幹部でありAshley事件の担当医でもあるDiekema医師も
ワクチンについて盛んに発言している。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/57393511.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/58264106.html

Diekema医師の倫理学者としての発言をたどると、
ワクチン以外にも、ゲイツ財団の関心事の代弁者の風情が漂っている。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/61382794.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/61438466.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/61611595.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/60650786.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/61289111.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/61254998.html

⑥ ワシントン大学に08年4月に新しく開設された医療経済研究機関
The Institute for Health Metrics and Evaluation (IHME)には
ゲイツ財団から1億5000万ドルという「同大史上最大の民間資金」が投入された。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/36871163.html

IHMEの公式サイトトップページにも、以下のように書かれている。

The Institute for Health Metrics and Evaluation is generously supported by the Bill & Melinda Gates Foundation and the State of Washington for its core activities.



ハーヴァード大学からIHMEの所長に抜擢された Christopher Murrayは
長年の共同研究者であるオーストラリア、クイーンズランド大学のAlan Lopezと共に
障害を勘案した生存年数DALYを考案した人物。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/36964869.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/55315756.html

WHOなどと一緒に、Global Burden of Diseaseプロジェクトを通じて、
医療資源のコストパフォーマンス検証と効率的な分配を進めている。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/61414938.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/37136110.html

さらに、ゲイツ財団は英国の有力な科学誌Lancetとも
Global Health Networkキャンペーンで提携し、
ここにIHME(ワシントン大学)も加わった3者の連携が出来上がっている。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/37161928.html

IHMEがワクチン接種や母子保健に関するゲイツ財団の主張に沿った論文を書き
Lancetに掲載される、ということが頻繁に目につくほか、
IHMEに限らず、Lancet誌にはゲイツ財団の関心事周辺の論文が多い。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/47215945.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/61414938.html

⑦ ついでに、ビル・ゲイツ・ゲイツ財団がやっていること

ビル・ゲイツの慈善資本主義
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/36451688.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/36791091.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/43082183.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/43042267.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/56962992.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/61282467.html

その「世界の保健大臣」としての振る舞いについて
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/53306321.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/53306697.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/56466230.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/57491438.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/60574483.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/60574592.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/60806661.html

ゲイツ財団はLancetだけでなく世界の主要メディアとの提携によってメディア・コントロールを強めている。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/6191
2011.02.09 / Top↑