http://www.medicalnewstoday.com/articles/186836.php
アメリカの女性が養子にもらった少年が手に負えないと一人で飛行機に乗せてロシアに送り返した事件で、ロシア政府がアメリカへの養子縁組を停止しているが、両国間で協議が始まるらしい。:しかし、一方に、[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/60203607.html ロシアのアル中などの社会問題が子どもたちに影響しているという問題も]あるらしいし。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/8650894.stm
中国で2日続けて、小学校、幼稚園にナイフを持った男が乱入し、障害、殺傷事件が起きている。先月も8人の子どもが殺された事件があって、犯人が昨日死刑になったとのこと。
http://www.guardian.co.uk/world/2010/apr/29/man-stabs-children-china-kindergarten
英国NHSで、経費節減のため、救急と小児科を閉鎖しようとの動き。
http://www.guardian.co.uk/politics/2010/apr/28/doctors-nhs-cuts-guardian-letter
パーキンソン病の人にDBS(脳深部刺激療法)が有効だ、と。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8649344.stm
障害児の増加で、NY市が特別教育の学校は重症児に限定し、一般校に障害児の受け入れを求めることに。
http://www.nytimes.com/2010/04/29/education/29schools.html?th&emc=th
人の遺灰の入った壺が大量に捨てられているのを
落としたサングラスを探していたレスキュー・ダイバーが発見。
通報を受けて警察がダイバーを投入したところ、出てくるわ出てくるわ。
ダイバーの一人は、あまりに多いので50からカウントをやめたと語ったほど。
壺にはDignitasが使っていると思われる火葬サービスのロゴが入っており、
捨てられていた場所もDignitasの近くだという。
Dignitasの元職員のSoraya Wernliさん(52)は
少なくとも300個はあるのではないか、と推測。
「だいたい3個に1個くらいはZurich湖に沈めます。
最初は Minelli(Dignitasの創設者・責任者)が自分でやっていましたが、
その後は娘とか他のスタッフにやらせるようになりました」と。
2008年にDignitasの職員2人がチューリッヒ湖に遺灰を捨てているのを見つかった際にも
元職員の一人が「あの会社(Dignitasのこと)は、ずっと、やっていた」と語ったとのこと。
Ludwig Minelli氏は今のところコメントを拒否。
チューリッヒ市の市長は
「数にショックを受けている。システマチックに捨てていたとしか思えない。
警察の捜査の結果を待っているところだ」と。
Fury as ‘up to 300 urns containing human remains from Dignitas suicide clinic are at bottom of Lake Zurich’
The Daily Mail, April 28, 2010
Dialy Mailって、この記事に限らず、
ちょっとセンセーショナルな書き方が好みみたい。
捨てられていた壺の数は公表されていません。
300以上というのも、元職員の推測です。
Dignitasがやったと確定したわけでもありませんが
状況から、Dignitasと思われる、という話。
それにしても、ものすごく不思議なのですが、
Dignitasで自殺する人は多いし、
そういう人に家族が付き添って、最後のお別れもして……と
自殺に付き添う家族の愛をメディアは美しく持ち上げたりもするのだけれど、
そんな家族が、愛する人の遺灰を持ち帰らないというのでしょうか。
ちなみにSoraya Wernliさんは05年にDignitasを退職した後、
Dignitasでの虐待を暴き、閉鎖に追い込むために活動している女性。
これまでも、以下のニュースなどでコメントしていますが、退職の経緯などは不明で、Minelli氏からは在職時の恨みでやっていることだとの批判があったような記憶も。
「病気の夫と一緒に死にたい」健康な妻の自殺をDignitasが検討中(2009/4/2)
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/50993822.html
ウツ病患者の自殺幇助でDignitasにスイス当局の捜査(2009/5/27)
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/52607018.html
しかしAshleyの親への批判が最後に向かってしまう方向性に2点ばかり危惧を覚えた。
まず、
「重症児は多くのことを教えてくれる存在なのだ」というのは、
ちょっと、余分なことがくっついちゃったな、と言う感じ。
なにか世の中の役に立てる証拠が、人として尊重してもらうために必要だという前提を
最初から受け入れてしまって、いわば”存在意義”の証明をしようとしているように聞こえる。
これは、日本でも重症児の親の発言にありがちな言い方で、
私はいつも抵抗を覚えるのだけど、
そこには、重症児の親や支援関係者が、
「こんな子が生きていて何になるのか」と社会から問われているかのように
無意識のうちに感じさせられていて、それに対して、
子らの”存在意義”の証明を試みなければならないような心理が
自動的に働いているのかもしれないのだけれど、
そこは、「なんになるのか」という問いそのものを否定すべきなんじゃないのだろうか。
そもそも人は何かのためにならなければ生きて存在してはならないものなのか。
その問いを向けられる人と向けられない人があるとしたら、それはなぜか。
その問いは、どういう人にだけ向けられるのか。
その問いに答えを出せなかったら、待機している次の問いは何なのか。
――と、問い返さなければならないんじゃないだろうか。
そして、そういうふうに問い返しつつ、
別に何のためにもならなくたって人は人として尊重されてよいはずだ、
というところから本当は動かないでいるべきなんじゃないだろうか。
次に、
子どもの命を託された親が子どものケアをするのは「義務であり幸運」という言い方は
子どもの身体を侵襲して介護負担を軽減する点だけを批判して終わってしまうと思う。
"Ashley療法"には負担軽減によって介護を親に背負いこませる論理が隠れているけれど、
「義務であり幸運」という言い方もまた、親は負担は負担のまま黙って抱え込んで然りと主張する。
Claireさんが同じ重症児の親である立場から批判しようとして、
そっちに行ってしまったのは気持ちとして分からないではないのだけれど、
そのために、「社会が変わらなければならない」という障害当事者らからの批判の声が
ここに入り込む余地がなくなってしまうことの危険に気付いてほしかった。
そこに気づけないのは、
私たち障害児の親が無意識のうちに規範として内在化させてしまっている
「子どもに障害があったら、その子どもは親が生涯に渡ってケアするもの」という
「障害児の親のステレオタイプ」が、それだけ根深いからじゃないだろうか。
Claireさんの頭の中にある自分と娘のSophieさんとの関係が
「延長された育児・子育て」としてしかイメージされておらず、
成人し、大人になっていくSophieさんがイメージされていないのだと思う。
でも、それは、実はClaireさん自身が
知的障害の重さに基づいて、娘との関係をいつまでも親と子の育児関係でとらえているわけで、
障害の重い娘は親から自立することはあり得ないという意識があるのだとしたら、
それは「障害はあっても、その子なりに成長する」というClaireさん自身の主張と矛盾している。
もしも、どんなに重症の知的障害のある子どもでも、
その子どもなりに成長していくと主張し、その言葉を信じるのであれば、
重症障害のある子どもだからといって、いつまでも親にケアされ
親との密接な関係の中にだけ抱え込まれて暮らすことが本当に幸せかどうか……と
親もどこかで疑問を抱いてもいいのではなかろうか。
(Claireさんは聡明な人なので、単にまだ時期が来ていないだけなのかもしれないけど)
そもそも、知的障害のない障害者の場合、
それは「幸せかどうか」の問題ですらなく
親から自立して暮らす「権利」の問題と捉えられるのに、
重症重複障害者の場合には(と言うよりも、おそらく重症知的障害者の場合には)
なぜ自動的に「権利」の問題ではなくなってしまうのだろう。
”Ashley療法”論争を巡って個人的にやり取りをした際に、
障害者の権利擁護の運動や研究をしている人ですら
「なにがAshleyにとって幸福なのか」という問いの立て方をすることに、
「Ashleyに必要なのは家族という小さな世界」と言ったDiekema医師の言葉を、
それは批判する側も共有しているということではないのか、という疑問と苛立ちとを、
私はずっと感じてきた。
それは、Ashleyには選択できないから、だろうか。
でも、自立生活の権利を主張する身障者たちだって選択できないと思いこまれていたからこそ
そのパターナリズムと闘わなければならなかったのではないんだろうか。
Sophieさんは彼女なりに人として成長する。
したがって、現在Claireさんが「義務であり幸運」と呼ぶ「子育て」は
今後は徐々に、親による子の「介護」へと変っていく。
Sophieさんには、親とだけの小さな世界よりも、もっと広い世界で生きていく権利があるはずだ。
そして、Claireさんは人として老いる。
それは「義務」や「幸運」や麗しい「親のステレオタイプ」では越えることのできない、
どんなに愛情のある親にも訪れる、人としての現実だ。
だからこそ、障害のある子供と親の権利が
どちらかがどちらかをほとんど全否定することによってしか成り立たないような
不幸な事態を生まないためには、
「義務」や「幸運」と胸を張って抱え込むよりも
Sophieさんなりの「親からの自立」を自然に考えることができるように
それだけの受け皿とサービスがある社会へと、目を向けてほしかった。
少なくとも、
「社会の方が変わらなければならない」という主張は落とさないでほしかったと思う。
その主張を落としたまま、重症児の親だからこその“Ashley療法”批判が
「愛情あるまっとうな親なら成長抑制などせずとも立派に介護してみせます」という方向に向かってしまうと、
また論争当初のように親の愛情の問題や、親の評価の問題へと問題がすり替えられてしまう。
成長抑制やAshley療法を批判する人は、そこのところの危険性に自覚的でありたい。
最初から、これは親の愛や評価の問題なのではなかったのだけれど、
”Ashley療法”の倫理問題を親の愛の問題にすり替えたのはDiekema医師らのマヤカシの戦術であり、
また、どこの国の社会でも、その方が社会にとって都合が良ければ
コトが美しい「親の愛」や「家族の愛」の問題に情緒的にすり替えられて、
権利の要求や現実への抗議の口封じや、または
ある方向への世論誘導に利用されているのだから。
【関連エントリー】
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/29660632.html 重症児ケアの負担と親の意識について](2008/1/6)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/29773105.html 重症児ケアの負担と親の意識について 2](2008/1/6)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/33829274.html 「障害児の母親」というステレオタイプも](2008/3/4)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/44536404.html “A療法”には「親が抱え込め」とのメッセージ](2008/10/3)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/44794248.html 子どものケア、何歳から「子育て」ではなく「介護」?](2008/10/18)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/45440730.html 介護を巡るダブルスタンダード・美意識](2008/10/27)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/48844713.html 成長抑制を巡って障害学や障害者運動の人たちに問うてみたいこと](2010/1/28)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/59289641.html 親の立場から、障害学や障害者運動の人たちにお願いしてみたいこと](2010/3/12)
ビデオ講演を行う 重症児の母親 Claire Royさんが
[http://saynoga.blogspot.com/2010/04/conference-presentation.htmlという自身のブログで
講演内容を公開しています。
今までAshleyと同じような重症児の親から
こんなにまとまった、説得力のある批判が出たことはなかったように思います。
まず最初に娘Sophieさんのことが語られますが
脳死や植物状態の人も含めて、いかに認知機能が医療によって把握しにくいか
Ashley療法のみでなく移植医療を含めて、いかに医療が過ちを犯すリスクが大きいか
深く考えさせるケースです。
Sophieさんは6歳までは正常な子どもでした。
6歳の時に脳幹梗塞をおこして重症重複障害を負います。
MRIをとり、小児神経科医と神経外科医がアセスメントを行ったところ、
その日のうちに脳死状態になると言われて、臓器提供を求められたと言います。
現在Sophieさんは15歳。
医師はそんなことはあり得ないと言うけれど、
通常の会話は無理にしても、話したり質問に答えることはできます。
小学校2年生程度の読み書きもゆっくりとならできます。
数も認識はしていますが、計算はできません。男の子が大好きです。
生涯、胃ろう依存になると言われましたが、
現在は3食、おやつを口から食べて、胃ろうは水分補給と薬のみに使用。
側わんや手足の拘縮があり、寝たきりで
排せつも含めて生活全般が全介助。
けいれん発作があり、呼吸が突然止まることがあるので
常時見守りが必要で、夜はClaireさんが隣のベッドで寝ています。
感覚が過敏なので、外出が耐え難い刺激になることも。
身長は現在、約153センチ、体重約27キロ。
Ashleyとほぼ同じ障害像の娘について説明し、
だから「重症児の介護を知らないから批判する」との否定は
自分については言えないはずだと語り、また同時に、
自分の身近では重症児の親の中でも批判する人だって少なくない、とも。
これらを前置きとして、
Claireさんは「もしも自分がAshleyの親の要望を検討する倫理委の
メンバーだったとしたら、親に何と言うだろうか」と問い、
「やめなさい」と言う、と繰り返し答えます。
その主な理由が2つ述べられていて、
① 結局のところ、全てが認知機能のレベルの問題になっているということ。
脳死、よくても植物状態になると言われた自分の娘は
そうならずに、様々なことができる子どもに成長している。
身体機能が限られた人の知的機能が低く見誤られてきた事例は
Christy BrownやAnne McDonaldなど、少なくない。
また最近は、脳機能の可塑性も言われるようになってきた。
それに、知的機能の正常な子どもに行われた場合には
Ashley療法は「ショッキングなほど不適切」だと
Ashleyの親自身がブログで書いている。
すなわち身体の統合性への侵害を正当化するのは
知的機能の低さ以外の何でもない。
② 本人の利益というのは表向きで、本当の理由は
成長抑制を推進している主要人物たちの発言の行間ににじんでいる。
ここでClaireさんが引用するのは以下の3つ。
・06年Gunther&Diekema論文の一節が
成長抑制の利点として介護負担軽減を言っている個所。
・すっかり有名になった[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/7769852.html Dvorskyの「グロテスク」発言]。
・そして、 [http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/16960775.html Norman Fostの「フリーク」「シボレーのエンジンを搭載したキャデラック」発言]。
そして、
これらのどこにも倫理的なものはなく、あるのは差別だけだ、と指摘。
その後の要旨は、以下。
かつては普通の子どもだった娘は重症障害を持つ子どもとなったけれど、
それでもSophieの成長は親にとっては喜びであり、
それは障害のない子どもの親と変わらない。
確かに重症児のケアをする生活は大変で
親は疲れたり、苦しかったりフラストレーションを感じることもあるけれど、
弱い子どもを守り育てることも、我が子が一人の人として成長し発達していくために
力を尽くすのも価値のあることである。
健康な子どもを託された親と同じように
我々も親として子どもの命を託されたのであり、一日一日、守り、ケアし、
社会が望むようにではなく、ありのままのその子として尊重することが
我々の義務であり、幸運でもある。
重症児は多くのことを我々にも、社会にも教えてくれる。
成長抑制は子どもへの利益でもなければ、解決策でもない。
子どもたちは「問題」でもなければ「ジレンマ」でもない。
子どもたちは、尊重すべき人なのだから。
Claireさんに日本からスタンディング・オベーションを。
重症児Angelaちゃんの子宮摘出を認めた件について、
以下のエントリーで取り上げてきました。
豪で11歳重症児の子宮摘出、裁判所が認める(2010/3/10)
Angela事件(豪):事実関係の整理(2010/3/10)
Angela事件の判決文を読む 1(2010/3/11)
Angela事件の判決文を読む 2(2010/3/11)
重症児の子宮摘出承認でダウン症協会前会長・上院議員が検察に行動を求める(豪)(2010/3/13)
そして、その判決文を読んでみたところ、
一見、理由として挙げられていると見える、けいれん発作や貧血は現在は収まっており、
侵襲度の高い手段によって早急に対処する必要のあるような「健康問題」も
まして「命の危険」に当たる事実もなく、
むしろ判決文の書き方には多くのマヤカシや隠ぺいのトリックが仕掛けられていること、
その「文章のサブリミナル」とでも呼びたいトリックが
Ashley事件の主治医らの06年論文と同じヤリクチと思えることを
以下の2つのエントリーで指摘しました。
Angela事件の判決文は、Ashley論文(06)と同じ戦略で書かれている 1(2010/3/17)
Angela事件の判決文は、Ashley論文(06)と同じ戦略で書かれている 2(2010/3/17)
すなわち、
Ashley事件がSeattleで起こったことに必然性があったように、
Angela事件がQueenslandで起きたことにも訳があるのでは……と考えていたのですが、
まさか、こんなに早く行き当たるとは思っていませんでした。
今日、以下のLancetの論文を見つけました。
Maternal mortality for 181 countries, 1980-2008: a systematic analysis of progress towards Millennium Development Goal 5
The Lancet, April 12, 2010
1980年から2008年まで181カ国の出産時の死亡件数の統計を分析した研究。
大きく改善が見られるという結果の公表については、
改善が報告されると、先進国から途上国への援助が鈍るとして
Lancetに掲載を見合わせるよう圧力がかかったとNYTimesが報じたことから、
ガーナの母子保健関係者がIHMEのディレクターMurray医師の発言に反発し、
今度はMurray医師が誤解だと反論するなど、
現在ちょっとした騒ぎを巻き起こしている論文です。
しかし、ここで目を引かれるのは、その騒ぎではなく、
上記リンクのNY Timesの記事の、以下の一節。
The new report comes from the University of Washington and the University of Queensland in Brisbane, Australia, and was paid for by the Bill and Melinda Gates Foundation.
(ゴチックはspitzibara)
この論文、
Washington大学とQueensland大学との共同研究で、資金元はゲイツ財団。
論文の著者はWashington大学IHMEの所長Murray医師を含む9人で、
一人を覗いて全員IHMEの所属。
残る一人がQueensland大学のAlan D. Lopez医師。
それで思い出して、
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/36964869.html Murray医師が考案したDALYに関するエントリー]を覗いてみたところ、
IHME所長としての招聘されたばかりのMurray医師に関するSeattle Post-intelligencer紙の記事内容を
私自身が08年に以下のようにまとめていました。
SP-I紙が焦点を当てるのは
Murray氏の「爆弾言動」をめぐる“過激さ”と
彼の爆弾発言の洗礼をかつてのWHOの職員時代に浴びて以来
一緒に世界の医療データの見直しを行ってきた
豪のクイーンズランド大教授Alan Lopezとの関係。
Queensland 大学のLopez医師は、なんと、
Murray医師の長年のパートナーだったのです。
3月にAngela事件を聞いた時に思い出せなかったのが迂闊でした。
ついでに、
IHMEの[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/37136110.html Global Burden of Diseaseプロジェクトについて書いたエントリー]を覗いてみたところ、
このGBDプロジェクトに参加しているのはWHOの他、
米国のWashington、Harvard、Johns Hopkinsと、豪のQueenslandの4大学――。
もしかしたら、
Angelaちゃんの主治医のDr.Tって、
Queensland大学(Brisbane)の人だったりして……?
【関連エントリー】
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/60091004.html Ashley事件が示唆する3つの重大な事実](2010/4/21)
Disability, Health Care & Ethics - What Really Matters が
いよいよ明日に迫りました。
このカンファでAshley事件についての分科会で講演するWilliam Peace氏が
自身のブログで講演内容を公開しています。
http://badcripple.blogspot.com/2010/04/conference-paper-on-ashley-treatment.html
全文は上記リンクから読めますが、
個人的に特に印象的だった末尾の部分を以下に抜いてみます。
{{{:
Thus at a fundamental level there is an us and them―those with a disability and those without. This is a false dichotomy but is a part of the American social structure and dare I say medical establishment. The degree of disability is not important nor is the type of disability. We people with a perceived disability are simply the other. Given this, I do not consider myself one iota different from Ashley in spite of the great difference in our cognitive ability. In coining the term the Ashley Treatment doctors have not only over reached the bounds of ethics in medicine but sent a shot across the bow of every disabled person in American society. The message is very clear: disabled people are not human―they are profoundly flawed beings and extreme measures will be taken to transform their bodies. Consent is not necessary as the mere presence of people with a disability, particularly those like Ashley with a profound cognitive disability, is inherently unacceptable. Modern science however has come to the rescue and doctors have the technology to save us. The problem with this line of thinking is that it is inherently dehumanizing.
このように、基本的なところでは我々対彼ら、つまり障害のある人対ない人である。
こういう二分法は間違っているけれども、ある意味で米国社会の構造でもあり、
敢えて言えば医療の体制である。障害の重さや種類は重要ではない。
それとわかる障害のある我々は、ただそれだけで別枠として外されるのだ。
これを思うと、認知能力が大きく違うとしても、私は自分のことをAshleyと少しも違うとは思えない。
Ashley 療法という用語を編み出すことによって、医師らは医療倫理の境界を超えただけでなく、
米国社会の障害者一人一人に矢を射たのだ。そのメッセージは非常に明確だ:
障害者は人ではない――障害者は大きく損なわれた存在だから、
その身体に変更を加えるためには極端な手段が用いられることになるだろう、というもの。
障害者、特にAshleyのような重症の認知障害のある者の場合には同意は無用との考えは、
根本的に間違っている。
それでも現代の科学は助けてやろうとやってくるし
医師らはテクノロジーを使って助けてくれようとする。
この考え方の問題は、
それが根本的に障害者を健常者と同じ人とみなしていない(dehumanizing)ことだ。
}}}
William Peace氏は、07年の論争当初に「Ashleyは私だ」と書いた身障者。
今回の彼の講演の基本線も、そこがくっきりと立っていることがとても清々しい。
彼ほど、論争の当初から一貫して強く批判し続けてくれた障害当事者はいません。
緊張しているそうですが、
明日は、がんばってください。
Jack Kevorkian医師の伝記映画(アル・パチーノ主演)ですが、
私はハリウッド映画だとばかり思い込んでいたのですが、
HBOというケーブルテレビ局がオリジナル映画として作成したもののようです。
(ハリウッド映画でなくて良かった。日本で公開されたら……と気が気じゃなかった)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/52610262.html アル・パチーノ主演でKevorkian医師の伝記映画作成か](2009/5/27)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/59551584.html Dr. Deathをヒーローに祭り上げ、シャイボさんをヘイトスピーチで笑い物にするハリウッド](2010/3/25)
24日土曜日に最初の放送があり、
メディアにはその前後から関連記事がわんさと登場しています。
[http://www.ianyanmag.com/?p=2409 こちら]の雑誌記事によると
今後5月16日までの間に13回、放送予定。
この記事は「客観的で正確な描写でDr. Deathに息吹を吹き込むと同時に
3つの州でのみ合法とされているだけで何年も議論が低迷してきた
医師による自殺幇助(PAS)を一気に国民的課題として表面化させた」と。
また、Kevorkian医師自身が
「法律が道徳できでないと感じるなら、その法律には従わないことだ」と。
あちこちの記事に寄せられるコメントを見ても、
だいたい、こういう路線の捉え方が多く、
米国での医師による自殺幇助合法化に向けて
世論が一気に傾いて行くことが懸念されます。
HBOのYou Don’t Know Jackのサイトは[http://www.hbo.com/index.html#/index.html/eNrjcmbOYM5nLtQsy0xJzXfMS8ypLMlMds7PK0mtKFHPz0mBCQUkpqf6JeamcjIysskng+TzSmwNDSyMLCwt2BjZGAF98hZ8 こちら]。
作品の一部や撮影風景、出演者へのインタビュー、
Kevorkian医師自身へのインタビューなどが見られます。
HBOに寄せられた映画へのコメントは[http://www.hbo.com/index.html#/movies/talk/forums/item.html/eNrjcmbOYM5nLtQsy0xJzXfMS8ypLMlMds7PK0mtKFHPz0mBCQUkpqf6JeamcjIysqmWZqbYpmQWJxenpqaoGrkYm5qwMbIxAgDNUxfQ こちら]。
ざっと最初のあたりを読んだ限りでは、
みんな安楽死に大賛成。
------
上記、HBOのサイトのプロモを見て、私が一番強烈な印象を受けたのは、
Kevorkian医師の「これは医療の問題なんだ。政治も法律も関係ない」という言葉。
これは、Ashley事件の立役者だと当ブログが考える倫理学者のNorman Fostの
無益な治療論やAshley療法、成長抑制療法についてのスタンスと、まったく同じ。
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/54315706.html こちらのエントリー]でも、ちょっと書いているのだけど、
私は前から、医療を含む科学とテクノロジーの世界の人には、往々にして、
自分たちのいる世界と、その外の世界の大きさについて大きな誤解があるんじゃないか
という気がしてならない。
つまり、医療の世界とか、科学とテクノロジーのそれぞれの専門の世界は
政治や経済や法律を含む「文化」や「社会」よりも大きいと
どこかで勘違いしていないだろうか、ということ。
「専門性が高い」ということが、「その他の分野よりも上位にある」という認識に繋がり、
それは1つの専門性においての優位であるにもかかわらず
勝手にそれを普遍的な優位と勘違いしてしまって
「いくら専門性が高くとも、その分野は文化の一部であって、
文化がその分野の一部に内包されているわけではない」という単純な事実、
つまり、文化や社会の方が大きいという至極当たり前の事実が
見えなくなっているんじゃないだろうか。
それが[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/59745450.html 障害者の権利に対する医療と倫理委の無理解]にも、
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/59781646.html 介護に関する無知を自覚できない工学者の無邪気]にも
重なっているんじゃないんだろうか。
そして、その誤解が、急速な科学とテクノの発展で、さらに助長されているんじゃないのだろうか。
もしかしたら、無自覚なだけではなくて、
Fost医師みたいに、どう考えても自覚的にやっているとしか思えない人もいる点では
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/53873948.html 科学とテクノは法の束縛から自由になろうと、駄々をこね始めている]ことも
個々の問題を考える際に背景として念頭に置いておかなければならないとも思うし。
今年2月28日、Florida州Naplesの5つ星ホテルRitz-Carltonで
Rodney Morgan氏ら英国人一家がチェックインした際に
「有色人種」と「外国なまり」のあるスタッフのサービスは受けたくないと要望。
ホテルの副支配人の名前でコンピューター・システムに
その旨が書き込まれた。
一家がホテルのレストランで食事をした3月12日
ハイチ生まれの米国人Wadner Tranchant氏(40)が給仕しようとしたところ、
一家が黒人ウエイターはいやだと言っているとの理由で上司から止められた。
Tranchant氏は「侮辱され、恥をかかされ、恐ろしい思いをし、脅され、
不当な辱めを受けて強い精神的なストレスを受けた。
そのストレスは今も続いており、医師の治療と心理療法を受けている」として
米国市民権法違反でホテルに懲罰と賠償金を請求する訴訟を起こした。
他のスタッフも何度も同様の扱いを受けたとされ、
裁判では9人のウエイトレスが証言する予定とのこと。
[http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/us_and_americas/article7105776.ece British family ‘asked not to be served by hotel’s black waiters’]
The Times, April 23, 2010
これまで解消の努力が積み重ねられてきた、あらゆる差別で
一気に揺り戻しが起こっているように感じられる今の世の中の空気を
象徴するかのような事件だと考えながら読んで、
記事の内容もさることながら、もっと気がかりに思えたのは
記事に寄せられている読者のコメントの数々で、
こういう希望は「客の好みとか選択の問題に過ぎない」と主張する人
つまり「客には自分の好みとしてこういう要求をする権利がある」と考える人が少なくないこと。
もう1つ目に付くのは
英国社会では人種間の分離は自主的に行われていて(self-segregation)、
誰もあからさまに言わないにせよ、この一家の姿勢は英国社会の現実そのものだと
指摘する人が複数あること。
それを問題視するよりも、むしろ、それが現実というものだと
半ば肯定するようなトーンで。
以下のエントリーで取り上げてきました。
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/54074776.html スイスで自殺幇助に付き添ったパートナー逮捕(英)](2009/7/19)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/54314012.html 英国で患者の自殺を幇助した医師が「証拠出すから逮捕に来い」と](2009/7/28)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/55777528.html 英国で自殺幇助容疑で元GP逮捕へ](2009/9/28)
Irwin医師は、英国の自殺幇助を巡る現行法の扱いは偽善以外の何でもないと主張している
自殺幇助合法化アドボケイト Friends at the End の創設者。
富裕な人だけがスイスで自殺できるのはおかしいと
2007年に末期がんの患者Cutkelvin(58)氏が自殺した際に
Dignitasまで付き添ったばかりではなく渡航費用の一部(4500ポンドのうち1500ポンド)を負担し、
そのことを公開して問題提起を試み、去年9月に逮捕されました。
現在、保釈中。
以下の記事によると、
公訴局長DPPに2度までも手紙を送ったとのこと。
2月に最終的に出たDPPのガイドラインでは起訴ファクターとして
「容疑者が犠牲者と知り合いではなく、特定の情報を与えて
自殺や自殺を企てることをそそのかしたり、または幇助した」
「互いに知り合いではない複数の犠牲者に自殺をそそのかしたり
または幇助した」
が挙げられており、Irwin医師の行為がこれらの当たると判断されれば、
ガイドライン策定以降、初めて起訴に至るケースとなるかも。
[http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/crime/7628786/Dignitas-British-doctor-first-to-face-charges-under-new-assisted-suicide-guidelines.html Dignitas: British doctor first to face charges under new assisted suicide guidelines]
The Telegraph, April 25, 2010
【関連エントリー】
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/59215948.html DPPの自殺幇助に関する起訴判断のガイドラインを読む 1](2010/3/8)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/59215973.html DPPの自殺幇助に関する起訴判断のガイドラインを読む 2](2010/3/8)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/59573429.html 英国の自殺幇助ガイドライン後、初の判断は不起訴](2010/3/26)
かなり前にニュースになっていた事件で、Minnesota州の元看護士の男性William Melchert-Dinkel, (47)がインターネットでウツ病の人たちに自殺をするよう働きかけ、方法を教えるなど幇助したとされていたが、金曜日に起訴された。直接の容疑はカナダ人女性と英国人男性の自殺幇助。しかし、ネットを通じて幇助した人は数10人と言われる。
http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5gQJO3cHmuYbUTstiXGkZE2lviZ9wD9F91QI00
製薬会社と並んで、ここ数年米国で問題になっているのが医療機器の会社のデータ改ざんや政治家との癒着。5年間に、そうした機器の不具合による死亡ケースが710例報告されて、FDAが認可の条件を厳格化。特に輸液ポンプなど。:2009年1月には[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/48380012.html FDAの科学者らから認可審査のずさんさについて内部告発]もあった。
http://www.nytimes.com/2010/04/24/business/24pump.html?th&emc=th
豚インフル・ワクチンの反作用に関する調査でマヒや死亡に至る可能性のある症候群が増えている可能性。しかし、米政府の関係者はまだ分からない、とも。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/04/23/AR2010042304965.html?wpisrc=nl_cuzhead
ここ数年、ヨーロッパ、ロシア、日本、アメリカなどから金属製品のスクラップを買い込んできたインドで、その加工を行う小さな工場で働く人たちが立て続けに7人が入院する事態となり、警察がその地域を閉鎖。有害ITゴミによる環境汚染や人的被害の恐れ。:[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/60000283.html 4月16日の補遺]に関連記事。もちろん07年の[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/56696920.html 象牙海岸の悲劇]は忘れられないし、現在もまだ続いている。
http://www.nytimes.com/2010/04/24/world/asia/24india.html?th&emc=th
米国のボーイスカウトに、70年以上も前から性的虐待に関する苦情処理のファイルがある。それほど多発していたということ。80年代にリーダーの男性から性的虐待を受けたという男性の訴訟で、米国ボーイスカウトは賠償金185万ドルの支払いを命じられた。
http://www.nytimes.com/2010/04/24/us/24scouts.html?th&emc=th
http://www.examiner.com/x-29099-Grand-Rapids-Public-Health-Examiner~y2010m4d22-HBOs-Jack-Kevorkian-film-spotlights-assisted-suicide
http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5hT9vOTc-PV_bpyXxDgy2uJI4zkYgD9F872GO1
フロリダのリッツ・カールトンホテルに宿泊した英国人一家が、チェックインの際に「有色人種スタッフや外国なまりのあるスタッフのサービスは受けたくない」と要望し、黒人ウエイターが差別されたとして提訴。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/us_and_americas/article7105776.ece
スペインで世界初のフル・フェイス移植。近く英国のチームが世界初で行う予定にしていたところ、スペインに先を越された格好。患者は30代の農夫で、銃の暴発で口、あご、鼻を失い、自力での呼吸も食事もできなくなっていた。胃ろうと、首からチューブを入れての呼吸になっていたとのこと。顔の移植については、これまで、フランス、アメリカ、中国、スペインで行われてきたが、すべて顔面の部分移植で、フル・フェイスは今回が初めて。ただ、顔の移植には、強い免疫抑制剤を障害に渡って飲み続けることから重大な副作用のリスクがあり、倫理問題がとり沙汰されている。:顔の移植については2008年8月にフランスと中国の2例を[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/42876328.html こちらのエントリー]で取り上げた際に、すでに「次はフルフェイスで」という話が出ていて、つまりは世界初のフルフェイスをどこの国がやるかの国際競争だった。顔面移植の倫理問題も、この時の記事には免疫抑制剤の副作用以外にも、いろいろ触れられていたのだけど。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/europe/article7105588.ece
サウジアラビアで80歳の男性と結婚させられていた12歳の少女の離婚の申し立てが認められ、結婚年齢の見直しの必要が言われている。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/middle_east/article7104248.ece
性犯罪者が登録されて、生涯、見直しなしで監視の対象とされるのは人権侵害だとの2人の性犯罪者が訴えを、英国最高裁は部分的に認めた。:米国では確か、足首にGPSの発信機をつけさせるんじゃなかったっけか。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/8634239.stm
カトリック教会が教会として初めて、長年の児童虐待について正式に謝罪。
http://www.timesonline.co.uk/tol/comment/faith/article7104305.ece
病院ごとの患者の死亡率だけを問題に調査に入るのは不当、と英国の病院。:まったく、その通りだと思う。医療とか教育には成果主義はなじまないような気がする。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8633214.stm
前立腺がんの患者のうち、貧困な地域の患者は裕福な患者ほど放射線治療や手術を受けられていない。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8637584.stm
重い自閉症の子どもを持つ父親が、言葉を持たない自閉症の人向けにコミュニケーション機器 Speas4Meを作成。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/8634607.stm
日焼けマシーンの中毒になる人たち。皮膚がんのリスクがあるという問題と、日焼け中毒の人たちは薬やアルコールの中毒リスクも高いという問題と。:摂食障害に共通する自尊感情の問題とか……?
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8625840.stm
英国保守党のCameron党首が、宙ぶらりん議会(hung Parliament)になったら経済危機だと。:日本でも、そういう方向に向かっているみたいだし。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/politics/article7104332.ece
リハビリ打ち切りへの動きと激烈な戦いを続けてこられた
多田富雄氏が21日に亡くなったとのこと。
昨日の朝日新聞の記事では
国際的な免疫学者としての氏の功績が非常に詳しく述べられて、
新作能の作者であったことにも触れられているのだけれど、
その後のことについては
{{{:
01年に脳梗塞で倒れ、重い右半身まひや言語障害といった後遺症を抱えたが、リハビリを続けて左手でパソコンを打ち、朝日新聞文化欄に能をテーマに寄稿するなど、意欲的な文筆活動を続けていた。
}}}
そのリハビリを、医療費削減のために続けさせてくれない国と
多田氏は「それは死ねということだ」と闘ったはずなのだけれど
そのことには触れられていない。
この記事の書き方への抗議と多田氏への哀悼の意を込めて、
これまで多田氏のことを書かせてもらったエントリーを以下に。
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/36517682.html 「私のリハビリ闘争」に思うこと](2008/4/14)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/45117290.html 重度のマヒあれば免疫学者も講釈されるステレオタイプ](200810/18)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/47573536.html “師長の王国”](2008/12/24)
有罪判決を受けて2008年に出獄したDr. DeathことDr. Kevorkianが
患者の苦しみに共感し「死の自己決定権」を求めて闘う姿を描く映画
You Don’t Know Jack(アル・パチーノ主演)が24日に公開とあって、
英語圏のメディアがしきりにこの映画を取り上げていますが、
リリースを出して「みんなでこの映画を見て死の自己決定権を考えよう」と
呼びかけています。
死病の診断を受けているにもかかわらずターミナルではないとされる患者が
最も辛い目に遭わなければならない状況になっている、
引き伸ばされているのは命ではなく、むしろ死が引き伸ばされているのだとして、
命が永続させられることは、拷問に等しい」と。
赤線を引っ張ったところだった。
病気になり、苦しみ、絶望し、そして最後に死……。
ふと思い出したこと。
世界中の癌治療研究の最先端を次々に取材して歩く番組があった。
取材が進むにつれ、治療法が進めば癌の方がさらに進化していく実態と直面し、
結局、科学がいずれ癌に勝利するという希望を発見できずに帰ってきた立花氏が
最後に訪れたのは、鳥取県の「野の花診療所」。
徳永進医師のホスピスだった。
すっかり科学とテクノの信奉者になっていた立花氏が
自分が癌患者となり、科学はおそらく癌を制圧しきれないという事実を受け入れて
番組の最後に語った言葉がとても印象的だった。
「人間には、ちゃんと死んでいく力が備わっている」のだということを。
自殺幇助のKevorkian医師、下院出馬の以降(2008/3/14)
アル・パチーノ主演でKevorkian医師の伝記映画作成か(2009/5/27)
Dr. Deathをヒーローに祭り上げ、シャイボさんをヘイトスピーチで笑い物にするハリウッド(2010/3/25)
尊厳死アドボケイト団体の幹部4人を逮捕、他8週も自殺幇助容疑で家宅捜査(米)
精神障害者への自殺幇助でもthe Final Exit に家宅捜査
Final Exit 自殺幇助事件続報:130人の自殺に関与か?
Final Exit Networkの公式サイトを読んでみた
CA州の自殺幇助事件続報
自殺幇助合法化議論、対象者がズレていることの怪
Final Exit自殺幇助事件、週末の続報
「ホスピスだって時間をかけた自殺幇助」にホスピス関係者が激怒
FEN創設者GoodwinのAP通信インタビュー
FENの自殺幇助ガイド養成マニュアル
精神障害者の自殺幇助で新たにFEN関係者4人を逮捕
FENが自殺幇助合法化プロモビデオをYouTubeにアップ
OhioでもFENによる自殺幇助事件か(2009/6/18)
久々に Final Exit Network自殺幇助事件の続報(2009/10/16)
FEN事件で精神障害者の自殺を幇助したボランティア、有罪を認める(2010/1/13)
闇の自殺幇助機関FEN事件の4人を起訴(米)(2010/3/10)
自殺幇助法案(Francine Lalonde議員提出)は20日夜、否決されました。
「法案を廃案にして終わるのではなく
この問題について対策を考えなければならない」
「ウツ状態で生きる気力を無くしている人に必要なのは
取り返しのつかない簡単解決を勧めることではない」と語り、
今後、緩和ケアや高齢者ケアについて研究する委員会を立ち上げて
党派を超えて参加を呼び掛けていく、と表明。
もうちょっと詳しい記事。
Lalonde議員は癌の闘病生活からターミナルな人への自殺幇助を考えたのだとか。
カナダの議会でも自殺幇助合法化法案、9月に審議(2009/7/10)
カナダ・ケベック州医師会が自殺幇助合法化を提言(2009/7/17)
図書館がDr. Death ワークショップへの場所提供を拒否(カナダ)(2009/9/24)
カナダの議会で自殺幇助合法化法案が審議入り(2009/10/2)
自殺幇助合法化法案が出ているカナダで「終末期の意思決定」検討する専門家委員会(2009/11/7)
http://www.medicalnewstoday.com/articles/186039.php
http://www.jscf.org/jscf/SIRYOU/igaku-1/saiboisyoku/jscf050405.html
もしかしたら上記リンク以外でのことだったかもしれないけど、
臨床現場で医師は患者に対して「医の倫理」を持っており、
一方で科学を発展させる「科学者の倫理」との板挟みになる時代だという話と、
その相克の中で胎児組織の利用においては、
医師は「医の倫理」を捨てて「科学者の倫理」をとった
という分析が印象的だった。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/186032.php
http://www.nytimes.com/2010/04/21/opinion/21wed1.html?th&emc=th
http://www.medicalnewstoday.com/articles/185898.php
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2010/apr/20/brain-training-games-iq
http://www.medicalnewstoday.com/articles/185815.php
http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/health/mental_health/article7101411.ece
http://www.medicalnewstoday.com/articles/185862.php
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/uk/crime/article7101283.ece
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/us_and_americas/article7101161.ece
http://www.usatoday.com/money/industries/health/2010-04-20-medical-marijuana-side_N.htm?csp=DailyBriefing
http://www.usatoday.com/money/industries/health/2010-04-20-medical-marijuana_N.htm?csp=DailyBriefing
早々と一般化する場合のスタンダードを設定しようと試みたことは、
既にいくつかのエントリーにまとめました(詳細は文末にリンク)が、
AARP誌のサイトに反論が3つ寄せられていました。
3歳では障害が将来どういう状態で固まるかを正確に予測することは不能。
・成長抑制目的での小児に対するエストロゲンの大量投与は
著者らが書いているよりもはるかに、これまでの一般的な医療と距離がある。
知的障害女性に対するルーティーンとしての不妊手術があったが、
時を経て前者はスタンダードな医療となり後者はすたれることとなった。
成長抑制がどちらになるかはまだ分からない。
可能な選択肢は障害のある成人への集団介護以外にはない。
・この治療は、正常な身体に手を加えるものであり、
それは自分の知る限り他には不妊手術以外に存在しない。
ロボトミーや、障害があることを理由に髄膜瘤をしなかったり
ダウン症児の心臓病を治療しなかったり、など
これまで医師と親とは、偏見やサービスに対する無知から
発達障害のある人たちへの医療について不幸な決断を行ってきたのである。
特に3歳段階でコミュニケーション能力について断定的な診断が可能と考えることは
明らかな誤りで、その後の育て方によって変ってくる。
また仮に診断が可能であるとしても、3歳段階で将来のことまで決めるには
親がまだ混乱している。
飛び出して行って攻撃的な行動をとる子どもの方が手がかかる。
そういう子どもこそ10歳になっても成人しても親がケアするためには
成長抑制が有効なのでは?
重症身体障害のある子どもは遺伝的最終身長まで伸びないというエビデンスはあり、
障害像に応じて、その子の成長を予測することも可能となりつつある。
ただ遺伝的に背が高くなりそうだからと将来に不安を感じる親には
こうした予測も情報提供すべきである。
将来を予測したうえでの療法として親に提示するのは時期尚早である。
Noritz医師とKuperminc医師の批判には、
効果があるとのエビデンスがあれば、また知的障害の重さが正確に診断可能なのであれば
許容されるが……との前提があること、
Kuperminc医師の「次のステップはランダムな実験」にしろ
この段階で広く一般化して推奨するのは賛成しないものの
個別に行われるケースはデータ化して効果を検証すべきだとの姿勢になっていることも
成長抑制療法そのものの倫理的検討の必要が認識されていないという点で気になります。
当ブログが以前から指摘してきたことの1つですが
英文での批判としてはKalichman医師の指摘が初めてではないかと思います。
議論が分かれるところでしょうが、敢えて施設と言っていないことには含みもあるのかもしれせん。
医師と親の障害者に対する偏見によって間違った医療上の判断がされてきた歴史を
ちゃんと自覚している医師もいるのだ、という事実――。
DiekemaとFostが成長抑制療法で新たな論文(2009/6/6)
成長抑制WGのウラで論文が書かれていたことの怪(2009/6/6)
成長抑制論文にWhat Sortsブログが反応(2009/6/7)
私がDr. Fostをマスターマインドではないかと考える訳(A事件)(2009/6/13)
Diekema&Fostの成長抑制論文を読んでみた(2009/6/14)
Diekema&Fost論文の「重症の認知障害」が実は身体障害であることの怪(2009/6/15)
病院の公式合意を一医師が論文で否定できることの怪(A事件・成長抑制論文)(2009/6/15)
Bad Cripple誌の成長抑制批判から“科学とテクノの催眠術”を考える(2009/7/16)
「一筆ずつ描かれていく絵のように子は成長する」成長抑制批判(2009/7/23)
手術不能の脳の癌を患うSteve Johnsonさんが医師による自殺幇助を望んでいる、
というものなのだけれど、
というか、むしろ、C&CがTVコマーシャルまで流している、という事実。
去年の大みそかに最高裁が現行法のままでターミナルな病状の人が
医師による自殺幇助を求めることは違法ではないとの判断を下したものの、
その直後から、来年にもPASを違法とする法案を提出するとの声が
州議員らから続出しており、まだまだ先行き不透明である、との記述。
裁判所が自殺幇助認めたものの、やってくれる医師がいない?(MT州)(2009/4/6)
合法とされたMT州で自殺幇助受けられず子宮がん患者が死亡(2009/6/18)
自殺幇助を州憲法で認められたプライバシー権とするか、2日からモンタナ最高裁(2009/9/1)
モンタナの裁判で「どうせ死ぬんだから殺すことにはならない」(2009/9/3)
モンタナ州最高裁、医師による自殺幇助は合法と判断(2010/1/2)
MT州最高裁の判決文をちょっとだけ読んでみた(2010/1/5)
合法化判決出ても医師ら自殺ほう助の手続きに慎重(2010/1/11)
モンタナの自殺幇助合法化 続報(2010/1/1)
Montanaで最高裁判決後、少なくとも1人にPAS(2010/4/10)
Stonybrook 大学における認知障害に関するシンポでPeter SingerがA事件に言及
http://www.stonybrook.edu/sb/cdconference/podcasts.shtml(シンポ・サイト)
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=ncppXrGFCBA(YouTube)
http://whatsortsofpeople.wordpress.com/2008/12/14/singer-on-parental-choice-disability-and-ashley-x/
http://whatsortsofpeople.wordpress.com/2008/12/19/singer%E2%80%99s-assault-on-universal-human-rights/#comment-545
Ashleyの父親がブログに3周年のアップデイトを追加
http://ashleytreatment.spaces.live.com/mmm2007-10-25_18.59/mmm2007-10-25_18.59/blog/cns!E25811FD0AF7C45C!1827.entry
シアトルこども病院が成長抑制シンポ
http://www.seattlechildrens.org/research/initiatives/bioethics/events/growth-attenuation-children-severe-disabilities/
http://badcripple.blogspot.com/2009/01/ashley-treatment-symposium.html
http://badcripple.blogspot.com/2009/02/ashley-x-intrigue-and-ethics-collide.html
http://www.planet-of-the-blind.com/2009/02/miniature-people-on-the-pillow-or-how-to-experiment-on-the-developmentally-disabled-in-broad-daylight.html
Diekema医師ボストン子ども病院でAshley事件について講演
http://www.seattlechildrens.org/research/initiatives/bioethics/events/faculty-and-staff-speaking-engagements/
Pediatrics誌にDiekema、Fostらが成長抑制論文
http://pediatrics.aappublications.org/cgi/content/abstract/123/6/1556
オーストラリアの法律事務所が成長抑制の法的手続きについて医師らに警告
http://hwlebsworth.ensoconsultancy.com.au/health_sept09/growth-attenuation-therapy.html
http://severedisabilitykid.blogspot.com/2009/07/coming-of-age-and-growth-attenuation.html
http://severedisabilitykid.blogspot.com/2009/12/working-through-issues-on-ashley.html
http://whatsortsofpeople.wordpress.com/2009/06/06/wake-up-call-growth-attenuation-therapy-principles-for-general-practice/
http://www.alzheimers.org.uk/mynameisnotdementia
http://www.alzheimers.org.uk/site/scripts/download_info.php?downloadID=418
http://www.medicalnewstoday.com/articles/185778.php
http://www.medicalnewstoday.com/articles/185618.php
http://www.nytimes.com/2010/04/13/business/13docpay.html
http://www.medicalnewstoday.com/articles/185381.php
http://www.nytimes.com/2010/04/13/health/13diab.html
http://www.propublica.org/feature/how-senator-david-vitter-battled-formaldehyde-link-to-cancer
http://www.medicalnewstoday.com/articles/185662.php
http://www.medicalnewstoday.com/articles/185716.php
「薬のあるところ、病気は(そして患者も)出てくる」を信条としてきたビッグ・ファーマは、
このところ「次はワクチンが儲かりまっせぇ」と当て込んでいたものの、
去年の暮れにはCDCの前センター長Julie Gerberding氏が
Merck社のワクチン部門の責任者に就任したことで
国際的なワクチンを巡る陰謀説への疑念ぬぐいがたく、
かつての戦略に逆戻りしている、というのが以下の記事の要旨。
更年期後の骨粗鬆症予防薬には、その3つがそろっている。
飲んでいればとりあえず不安が消えるから。
顎の骨が溶けたり発がん性があったり、
予防するはずの骨折を引き起こすなど
副作用が指摘されてきたので、
新たにSERM薬の売り込みが狙われている。
今年3月にはコレステロールにも心臓にも問題のない650万人への使用も認め、
世の中を上げてスタチンを飲ませよう、という風潮。
しかも、ここでも「不安、永続、盲信」が有効。
恐ろしげな病気のようにも見えるけど
検索してみたら、なんのことはなく、
不眠症では、製薬会社はもう儲けられるだけ儲けたから、
不眠症マーケットには、これ以上の伸びしろはなく、そこで考えついたのが
夢遊病だとか寝汗だとか、夜勤でリズムを崩して寝つきが悪い人とか、睡眠時無呼吸とか
眠りにまつわるリズムの乱れを病気として扱うこと。
多動や衝動性や、組織に不向きだったり、時間の管理ができなかったり、
そんな人間なら誰の結婚相手の兄弟にでもいそうなのだけれど、
それでもB医師によれば生涯、薬を飲むべき病気らしい。
それでも同年の精神科ニュースには
社交性が乏しく、極端に柔軟性を欠き、癇癪を起こしやすい、
光や熱や痛みに過敏であるなどの症状があれば、
成人自閉症の可能性があり、しかし幸いなことにSSRIで症状を緩和できる……と
書かれている、とのこと。
死者が(特に子どもで)沢山出たために中止になった治験データに基づいて
FDAに認可された。
製薬会社は吸引ステロイドとセットで売りまくろうとしている。
追加薬が認可されている。
「効かない薬である」または「診断が間違っている」という方が正しいのでは?
と、この記事は疑問を投げかける。
老化ではなく、ホルモン低下症。
「繊維筋痛症はほんものの病気」啓発が盛んに行われているが
全ての症状に当てはまらない人を治療の対象にすべく
製薬会社は「ウツ病スペクトラム障害」という用語を編み出してきたらしい。
たまたま引っかかってきた市場分析レポートが以下。
この分野のマーケットのポテンシャルが如何に重視されてきたかが感じられます。
「不十分な認識と患者特定不足による市場成長の阻害」を易しい日本語に翻訳すると、
骨粗鬆症や予備軍の患者をどんどん見つけないと市場が伸びない」ということでは?
それによって描いてきた「大きな絵」(世界で進行していること)に、ぴたりと符合します。
今年に入って立て続けに「日本の子どもを守るためにワクチンを」の記事を打っているし
「健康ギャップ」なくても「ワクチン・ギャップ」埋めないと「世界に恥じ」る……と説くワクチン論文も
先日読んで、それは保健施策ではなく経済施策なんですね……と了解したばかり。
HPVワクチンに公費助成し学校で集団接種すると決めていたけど、
なんだか、たいそう不思議なことで、
豚インフルエンザですら集団接種になっていないのに、
「学校へ行ったらHPVに感染するというわけじゃないのだから」といって
州ごとに義務付けるワクチンの対象としては
HPVワクチンの優先順位は低いと考えているというのに。
「これからはワクチンが儲かりまっせぇ」の前のことだから
今ではDiekema医師の言うことも変わっているとは思いますが。
http://articles.latimes.com/2010/apr/12/health/la-he-unreal-20100412
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/scotland/edinburgh_and_east/8623153.stm
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8622751.stm
http://www.nytimes.com/2010/04/16/us/politics/16webhosp.html?th&emc=th
http://www.usatoday.com/money/industries/environment/2010-04-15-electronic-waste_N.htm?csp=Daily%20Briefing
http://www.guardian.co.uk/education/2010/apr/15/elite-universities-underprivileged-intake-struggle
こちらの記事では20年前に脳出血を起こしたとのことなので、いずれかの情報が誤りと思われます)
疑問を呈するカトリック系のサイトの記事。
犯罪法が強制的な自殺防止を認めている反面、
権利章典法(? the Bill of Rights Act)は医療を拒否する権利を認めている点を巡るもの。
栄養と水分の供給は治療ではなく、基本的なケアとみなされるため、
患者自身が拒んだとしても、供給し続けるのが医療の義務となる。
Pageさんは20年前に起こした脳出血の後遺症で重度の障害があったものの
栄養と水分を拒否すると決めた際にターミナルな状態ではなかった事実。
その事実を見過ごしていることも指摘する。
これまでは、ターミナルな状態の人が尊厳のある死を望む場合に
安楽死を合法化しようと運動してきたはずのMartinさんは、
いまでは事実上「死にたければ誰でも」と運動しているではないか、
高齢者チャリティによると、高齢者の自殺の背景には、
診断されず治療されていないウツ病が多く潜んでいるということであり、
高齢者に対して「あなたたちは人生をもう生き終えて価値がない」というようなものだ、
終末期のニーズにきちんと応えていくこと、
孤立している高齢者に手を差し伸べることだ、と。
そうでない人の場合には基本的なケアとして中止はしない、できない、と。
1999年に末期がんの母親に致死量のモルヒネを投与して安楽死させ、
有罪判決を受けて服役した後に、その体験を本に書いて
自ら選ぶ安楽死の合法化を提唱している女性。
植物状態の患者への栄養と水分供給停止を禁じる法案、上院を通過(伊)(2009/4/26)
植物状態での栄養と水分停止は日本でも行われていた(2009/5/20)
「いまや栄養と水分は無益な治療」とテリー・シャイボさんの弟(2009/7/22)
四肢麻痺のホーム入所者に栄養拒否で自殺する権利が認められる(2009/8/17)
餓死する権利認められた四肢マヒ男性、Dr. Deathの指南で「やっぱりスイスへ行きたい」と(2009/8/20)
イエスが守ってくれるから死なないと断食する統合失調症患者の栄養補給は「非人間的な無益な治療」(2009/8/28)
“終末期”プロトコルの機械的適用で「さっさと脱水・死ぬまで鎮静」(2009/9/10)
http://www.longislandpress.com/2010/04/14/judge-upholds-murder-charge-in-l-i-speakers-death/
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/science/genetics/article7097547.ece
http://www.nytimes.com/2010/04/15/us/politics/15poll.html?th&emc=th
ターミナルで死を望む患者に致死薬を投与する医師の行為を罪に問わないように求めているもの。
同州の障害者の保護・アドボカシー局
Office of Protection and Advocacy for Persons with Disabilities(OPA)が
障害者アドボケイト、 Catherine D. Ludlum、Claude Holcombの2氏と共に
最高裁に動議を提出し、この訴訟に障害者の視点が含まれるよう介入を求めています。
施設に入らずに自立生活を送るために必要な支援を見つけることが出来ずに失望してしまった人が、
くじけそうになったり希望を失いそうになるのは人間なら当たり前の気持ちなのだが、
打ち勝ちがたいほどに強くなることがあるのだということ。
QOLについて、また障害と「不治の病」の区別について
予見や無意識の偏見があること。
死に瀕してもいない患者からの治療の差し控えや中止が医師らによって決められてしまったために
障害者の生命を保護するためにOPAが行動を起こさざるを得なかった事例をいくつか挙げている。
本人確認や病歴などにおいて基本的な事柄で誤解が起きたり「苦しんでいる」と決めつけられたり、
誤ったQOLについての思い込みに基づく医療決定が行われた体験を述べている。
障害者には致命的な影響が出ることになるのは間違いない。
この訴訟は公序良俗に大きな影響を持っている。
ヨーロッパその他でのこれまでの事例を見ても、
医師による自殺幇助が合法化されると
真に思いやりのある終末期ケアの選択肢は減っていき
法の適用範囲を規制する試みも濫用を防ぐには至っていない。
また、医療コストの削減がしきりに強調されている現在、
“お荷物”とみなされる人にPASが期待されるだろうことも
懸念しなければならない。
Office of Protection and Advocacy for Persons with Disabilities(OPA), April 8, 2010
行政サイドの障害者権利擁護の立場から、ここまで大きな動きがあったのは初めてではないでしょうか。
動議の具体的な文章が紹介されています。
http://notdeadyetnewscommentary.blogspot.com/2010/04/connecticut-affidavit-of-james-d.html
この問題を取り上げています。
http://badcripple.blogspot.com/2010/04/assisted-suicide-some-get-inherent.html
誰でも当初は天と地がひっくり返るほどの衝撃を受け、
その衝撃の中で絶望したり死を考えたりするものであるとしても、
多くの人は時を経て、その絶望から這い上がり、
新しい生活パターンと新しい価値観や
これまでとは違った生きる喜びや希望を
見いだしていく強さをも、また持っている。
一度乗り越えたら、それで受容が完全に行われて終わりというものではなく、
本人や周囲の変化によって、受容とは、らせん状に繰り返されていくものであり、
状況がほんのわずかに変わったり、らせんを、ほんの少し登ることさえできれば、
それが「生きていてよかった」に転じていく可能性が伴っているのだということを、
決して忘れてはならない……と思う。
医師は「障害について」知識は持っていても「障害を」知ってはいないのだ、ということ。
障害と共に暮らすというのがどういうことかについては、何も分かっていない。
それは医学的なアセスメントでもエビデンスでもなく、ただの個人的な偏見でしかないにもかかわらず。
「分かっていると証明できないから分かっていない」と、平気で非科学的な論理を振りかざして
自分たちの偏見を正当化し、「治療の無益」論を「患者の無益」論へと巧妙にすり替えて、
QOLや知能の低い患者には人権など認めなくてもいい、死なせてもいいのだと主張する。
謙虚に耳を傾けたり、自らの無知や偏見を謙虚に振り返ってみる姿勢を欠いている。
彼らが無益な治療論や、重症障害児の栄養と水分の停止にも積極的である事実にも
その傲慢が通じている。
能力があること、能力が高いことに対する価値意識だけが突出してきて、
逆に、能力が低いこと、機能を失っていることは「悲惨」や「生きるに値しない生」と無価値とされて
それが尊厳や人権の否定、命の切り捨てに繋がっていこうとしている。
その後3年間で社会の空気はさらに冷え込み、
ほとんど直線的に繋がってしまった観がある。
本来は社会で解決すべき問題に対するtechnical fix(科学とテクノによる簡単解決)が
いろいろと出現してくるのだろうし、
「社会的または医療的に無益な患者が自己決定として選択させられる死」というものが立ち現れてくる。
「死の自己決定権」アドボケイトの広告塔 Debbie PurdyさんがBrown首相に質問。
オレゴンやワシントン州、オランダ、スイスで問題なく行われていることが
英国民には行うことができないとでもいうのか、
自国民を信頼しないというのか、というもの。
病気や障害を持った人や家族の苦境に理解を示した後に
自分自身の家族との経験から法は変えるべきではないと確信している、
動機が良いものである限り行為はその動機に照らして判断されることになった、
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/politics/election_2010/article7097760.ece
オレゴンやワシントンで問題が起きていないのに、
英国人だけはうまく法律を使えないとでもいうのか、と言い続けている。
http://www.orilliapacket.com/ArticleDisplay.aspx?e=2531347
http://www.hollywoodnews.com/2010/04/13/anderson-cooper-giving-1st-post-prison-interview-to-dr-jack-kevorkian/
http://www.nytimes.com/2010/04/14/us/14abortion.html?th&emc=th
http://blogs.yahoo.co.jp/kebichan55/50500046.html
http://business.timesonline.co.uk/tol/business/law/article7095791.ece
http://www.guardian.co.uk/world/2010/apr/12/vatican-guidance-abuse-police
http://link.timesonline.co.uk/r/0GE68UO/65D3/EHVVM/75RA/C43TS/OS/h
http://www.guardian.co.uk/world/2010/apr/13/vatican-homosexuality-paedophilia-claim-condemned
Kathleen Dobsonさん(74)の死を巡って、
自分は母親の意図については全く知らなかったし、同意もしていない、
文書は母親の死後になって初めて送られてきたものだ、
知っていたら止めていた、と3男の Robert Carlton氏が疑問を呈し、警察が捜査を開始。
母親は介護を賄うだけの資金を十分持っていたし、
年齢相応の痛みがあっただけでQOLもそれほど低くはなかった、
08年6月にバンガローを弟に残すと遺書を書き変えたのもおかしい、
死の直前に母親と話した時にも遺書の話もスイスへの旅行の話も出なかった、と
暗に、母親はみずからの意思とは別に自殺に導かれたとほのめかしている模様。
Dobsonさん自身がスイスへの旅行については何も知らなかったと
Telegraphのインタビューに答え、同様の疑念がある様子。
警察の捜査の行方に注目しておきたい。
http://www.telegraph.co.uk/health/7569995/NHS-bureaucrats-care-for-themselves-not-the-patients.html
http://www.nytimes.com/2010/04/10/world/europe/10russia.html?th&emc=th
モンタナ州最高裁の去年の判決からこちら、
少なくとも1人が、医師による自殺幇助(PAS)を受けて死亡。
尊厳死法による所定の手続きを定めているわけではなく、
現行法のままで特に違法と認めないという判決だったので、
州当局が実態を把握することが難しい。
公開するかしないかが、なんでC&Cの勝手な判断になるのか。
そんな実態をどうして把握できるというのか。
裁判所が自殺幇助認めたものの、やってくれる医師がいない?(MT州)(2009/4/6)
合法とされたMT州で自殺幇助受けられず子宮がん患者が死亡(2009/6/18)
自殺幇助を州憲法で認められたプライバシー権とするか、2日からモンタナ最高裁(2009/9/1)
モンタナの裁判で「どうせ死ぬんだから殺すことにはならない」(2009/9/3)
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/57852469.html モンタナ州最高裁、医師による自殺幇助は合法と判断(2010/1/2)
MT州最高裁の判決文をちょっとだけ読んでみた(2010/1/5)
合法化判決出ても医師ら自殺ほう助の手続きに慎重(2010/1/11)
モンタナの自殺幇助合法化 続報(2010/1/16)