2ntブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
オレゴン州の昨年の自殺幇助報告書が保健局から出ています。

報告書そのものはこちら。わずか3ページです。

とりあえず、内容をかいつまんで解説してくれているLifeSiteのブログ記事から。

1年間の致死薬の処方件数は96件。
それを用いて死んだ人として報告されているのは59人。
前年の処方薬を使って死んだ人が6人で、

尊厳死法による2010年の自殺者は、計65人。

70%が65歳以上の高齢者で、
全員が白人、高学歴のガン患者。

大半が自宅で亡くなっており、自殺時にはホスピス・ケアを受けていた。
3分の1はメディケア患者。

これで尊厳死法ができてから同法のもとで自殺した人は525人に。

気になるのは、
精神科医に紹介されたのが、たった一人だったこと。

それから、処方された致死薬を飲んだけれども死なず、
後に元々の病気で亡くなった人が2人いること。

そのうちの一人は、致死薬を飲んで24時間以内に意識を取り戻し
5日後にもともとの病気で亡くなった。

もう一人は、飲んで3日半後に意識を取り戻し、
それから3カ月後に、もともとの病気で亡くなったという。

2010年に処方された人のうち、飲まずにもともとの病気で亡くなった人が20人。

ただし、処方数も死者数も
1月7日時点で保健局に届いた報告に基づくもの。

安楽死防止連盟のAlex Schandenbergは
多数が、自律できないことや社会参加できないこと、尊厳がないことを
理由に挙げていることを指摘し、依然、高齢者虐待の可能性が残る、と。


Oregon Report Shows Assisted Suicide Deaths Increase Again
LifeNews.com, January 26, 2011


当ブログが拾った情報では、
ここ数年の尊厳死法による死者数は、

2008年が60人。
2009年が59人。


【関連エントリー】
Oregon尊厳死法による自殺者増加(2008/3/21)
WA州とOR州における尊厳死法の実態(2009/7/6)
WA州とOR州の2009年尊厳死法データ(2010/3/5)
OR州の「尊厳死」:97%にC&Cが関与、たった20人の医師がせっせと処方(2010/3/11)
2011.01.28 / Top↑
1月21日の補遺で拾ったスイスの事件について、
詳細がありました。


提訴していたのは57歳のスイス国籍の男性、Ernst G. Haasさん。

20年間、重症の双極性障害に苦しんでおり、
もはや尊厳のある生を送ることができないとして
2回の自殺を試みるが、いずれも失敗。

自殺幇助に使われる処方薬のペントバルビタールを使えば確実に死ねると考えつく。

もちろん処方してくれる精神科医はいないので、政府や裁判所に対して、
苦しまずに確実に自殺できる支援を受けることはプライバシー権だと
再三に渡って訴えたが、いずれも失敗。

その後170人の精神科医に当たったが
誰も処方してくれなかったという。

そこでヨーロッパ人権宣言の8条のプライバシー権を主張して
ヨーロッパ人権裁判所に提訴していたもの。

1月20日、同裁判所が判決を下した。判事の全員一致。

確かに2002年の英国人女性Diane Prettyの判決で
生きているのが尊厳がなく苦しいなら自殺する権利を認めているので、
第8条は自殺する権利を認めているように見えなくはないが、

一方、第2条は生きる権利(the right to life)を保障しており、
多くの参加国が自殺する権利よりも生きる権利を重視している。

(自殺幇助用の毒物の処方には
医師の確認や精神科医のアセスメントが必要とされる)薬の処方システムは、
弱い立場の人たちが性急な決意をしたり濫用されることを予防するためのものであり、
特にスイスのように自殺幇助が合法である国では重要。

自殺幇助が容易に行われる国での濫用のリスクは決して侮れない。

自由意思による自殺希望の確認のためには
医師と精神科医による診察を経ての処方はセーフガードとして必要。

No right to assisted suicide, says European Rights Court
BioEdge, January 27, 2011


んー……この記事からだけでは、
裁判所の論点がイマイチはっきり伝わってきませんが……。


ダイアン・プリティ裁判についてはこちら
2011.01.28 / Top↑
カリフォルニアの研究者らから、現在の事前指示書に関する法的規制は(例えば署名がないと無効とか、そういうことだと思われます)せっかくの患者の意思を生かせないので、もっとコミュニケーション主体の柔軟なものに、との声。:それって、モノが言えなくなった時に身内が「こういうのは無駄な延命だからやめてほしいと言ってました。私は本人から聞いたんです」と言ったら、それで認めよう、ということ? 話が、なんだか英国の自殺幇助起訴ガイドラインみたいになってきましたね。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/214772.php

脳にシャントを入れることで、認知症の症状が改善される。:あー、そういえばDBSでウツ病を治すという話もあったな。(この下にリンク)
http://www.medicalnewstoday.com/articles/214775.php

DBSうつ病応用へ(2008/5/28)
「強迫性障害、ウツ病、肥満にも」DBSなど“実験的脳手術”(2009/11/29)

インドの代理出産産業の舞台裏。:たぶん、そういう話じゃないか、と。まだ読んでいないけど、読むつもり。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/9373/

英国女性の身につけるブラジャーのサイズが跳ね上がっているそうな。今や3人に1人が肥満だから? いえいえ、それだけではなく、本当に胸だけが大きくなっているらしいっすよ。
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2010/may/16/womens-breasts-are-getting-bigger?CMP=EMCGT_270111&

豊胸手術のインプラント、リンパ腫のリスクがあるかも?
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2011/01/27/AR2011012700119.html?wpisrc=nl_cuzhead

車の騒音が脳卒中のリスクを上げるんだって。:今、仕事の関係で、健康リスクとしての住環境の改善に取り組む英国のプログラムを調べてみている。NHSの予算も投入されているらしい。車の騒音も、確かに対象にするべきだよなぁ。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/214567.php

この前のアリゾナの乱射事件で撃たれたGiffords議員がヒューストンで脳の手術を受けたらしいのだけど、脳損傷を負った多くの帰還兵が治療を受けられずにいる問題がクローズアップされている時だけに……。
http://www.propublica.org/blog/item/in-houston-rep.-giffords-could-receive-brain-injury-treatment-thousands-of-

2010年秋に米国の4年制大学に入ったばかりの1年生200万人に精神状態を自己申告してもらったところ、精神的な健康状態が「平均以下」と回答した学生の数がこれまでで最高水準に達した。:なんとなく、分かるような気がする。頭の良さとか成績が良いこと(この2つは同じことじゃないんだけど、同じだと思っている人がすごく多い)だけが価値になっていくし。Obama大統領の一般教書演説のごく一部を日本のテレビニュースで聴いても、あまり彼らの救いにはなりそうもなかったし。いいのよ。あなたの人生は、あなた自身のために、あなたの好きなように生きても。一人一人に、そう言ってあげたい気分だわ。自分が本当は何が好きで、何をやりたいのか、もう分からなくなっているかもしれないけど。
http://www.nytimes.com/2011/01/27/education/27colleges.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha2
2011.01.28 / Top↑