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昨日の補遺で、この日本で子どもたちが所在不明となっているニュースを取り上げた。

いつもお世話になっているガウタマ・シンラン・ソリドゥスさんが
その話題でちゃんとしたエントリーを書かれているのを読ませていただいていたら、

確かに、ここのところ世界中から「奴隷労働」の話が出てきているんだよねぇ……と
改めて気になってきたので、自分のブログの中をちょいと検索して、
当ブログが知る限りの概要を眺めてみようと思いたった。

(たまたま連想が繋がったので
世界で起こっていることを見渡してみようというだけで、
日本で不明になっている子どもたちのニュースに関して何の根拠もなく
「彼らは奴隷労働に連れて行かれている」などと言いたいわけではありません。)


まず、補遺で拾った「奴隷労働」に関する記事が、こんなにあった。

どの国で起こっているか。どの国から人が流れて行っているか。
なんとなく1つの流れのようなものが見えてくる気がする――。

① 中国:レンガ工場で25歳から45歳の知的障害者32人が奴隷として働かされていた。2007年にも1000人の知的障害者が奴隷労働から救出された事件があったらしい。町を歩いている知的障害者をさらって売り払っている組織がある……みたいな話。
http://icad.wordpress.com/2009/05/23/32-slave-laborers-rescued/
(09年6月13日の補遺)

② アイルランドの高齢者問題関連機関から、人口高齢化に伴い、移民介護労働者が不可欠で貴重な存在となる、との報告書。:これ、既に起こっているけど、貧乏国の国民が金持ち国で介護・家事・子育てを担う奴隷労働者にされていく構図。前にカナダの国を挙げてのプログラムをちょっと調べたけど、本当に酷い実態だった。06年12月の「介護保険情報」に書いた文章をアップしようと思いながら、まだ机の横に転がったままだけど、これ、やっぱり近くアップしよう。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/165431.php
(09年9月30日の補遺)

③ で、その後アップしたのが、06年12月に「介護保険情報」に書いたこちらの文章。
“現代の奴隷制”輸出入される介護労働(2009/11/12)

④ 「奴隷労働」と呼ばわるのは失礼かもしれないけど路線としては同方向の記事。
「パリの女は産んでいる」から考えたこと(2010/2/23)

⑤ 夕方のニュースで見た件。香港のIT関連工場で、従業員の若者の自殺が相次いでいる問題で、アップル、HP、デルの3社が労働環境の調査に 乗り出す、と。:グローバリゼーションとネオリベで奴隷労働が広がっている。でも、夕方のニュースのコメンテーターは「中国では一人っ子政策で子どもの数 が減って、若者がたくましさを欠いているんじゃないか」と、またまた自己責任におっかぶせるような、たわけたコメントを。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/05/26/AR2010052604793.html?wpisrc=nl_cuzhead
(2010年5月27日の補遺)

⑥ ハワイの農場で、タイから好条件を謳って連れてこられた労働者に強いられていた奴隷労働が明らかに。
http://www.nytimes.com/2010/09/21/opinion/21tue4.html?th&emc=th
(2010年9月21日の補遺)

⑦ 英国のWorcestershireの農場で、ルーマニアの子ども7人が奴隷労働させられているのが見つかり、保護された。9歳から15 歳。凍えるような寒さの中、防寒できる服も着せられず、働かされていたらしい。大人も50人ばかり。農場労働者の手配師のことをどうやら gangmasterと呼ぶらしくて、the Gangmasters Licensing Authority(GLA)という役所が監督しているんだとか。:奴隷労働と人身売買、実は私たちのすぐ身近にまで広がってきているのかもしれない。子 どもたちにとって世の中全体が虐待的な親のような場所になっていく。
http://www.guardian.co.uk/society/2010/oct/24/children-working-in-freezing-field?CMP=EMCGT_251010&
(2010年10月27日の補遺)

⑧ イタリアで不法移民を入国させていた一味を摘発。ドイツ、フランスでも更に逮捕者が出る見込み。入国させていた移民の多くがアフガンの子どもたちだとのこと。人身売買、奴隷労働、ここにも。一味が国際テロと関与しているとの話も。
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-12178074
(2011年1月13日の補遺)


その他、奴隷労働に関する記事としては、

restavekという名の幼い奴隷(ハイチ)(2008/9/24)
知的障害者の奴隷労働70年代から州が黙認(2009/3/3)


闇の臓器売買については

バイオ企業と結託した葬儀屋が遺体から組織を採り放題(2009/7/30)
被災地に“援助”ではなく“臓器狩り”に人が駆けつける“腎臓バザール”パキスタン(2009/7/31)


以下は、こういうことの背景を、
何も知らない素人なりに考察してみるという大それた試みのエントリー。

飲むだけで運動効果が得られる薬(2008/8/4)
「インドで考えたこと」で考えたこと(2009/11/21)
事業仕訳の科学研究予算問題から考えること(2009/12/12)
人類は2040年に滅亡、でもグローバル福祉国家は通産相兼務の厚生相がご活躍だから大丈夫?(2010/3/18)
流れが決まったら学者さんは口をつぐむ……ものだとしたら?(2010/3/30)
2011.01.20 / Top↑
各国から自殺希望者が押し掛ける「自殺天国」スイスの法務大臣が、ここまで自殺ツーリズムが繁盛してはまずいだろうと、規制を提案:ここ2年くらい、スイスのエライさんはずっと、こういうことを言いつつ、世論調査をやってみたりしては、また腰が砕けることを繰り返しているような気がするんだけど。
http://www.bloomberg.com/news/2011-01-18/suicide-tourists-make-swiss-minister-uneasy-as-terminally-ill-seek-escape.html

【スイスでの規制関連エントリー】
スイス議会が自殺幇助規制に向けて審議(2009/6/18)
Dignitas あちこち断られた末にお引越し(2009/6/28)
スイスで精神障害者の自殺幇助に「計画的殺人」との判断(2009/6/30)
スイス自殺幇助グループExit、当局と合意(2009/7/12)
APが「スイスは合法的自殺幇助を提供している」(2009/7/18)
チューリッヒ市が自殺幇助に“規制強化”とはいうものの……(2009/7/21)
スイス当局が自殺幇助規制でパブコメ募集(2009/10/29)
スイス連邦裁判所が「チューリッヒ市とExitの合意は無効」(2010/6/18)
スイス政府、“自殺ツーリズム”全面禁止せず、規制強化で対応の方針(2010/9/18)


英国保健大臣が明日発表するNHS法案のNHS改革案が、あまりにもラディカルで大規模なことに、官邸もびっくりだとか。プライマリー・ケア・トラストの廃止など。でもマニフェスト違反だと与党内からの反発も。:労働党が頑張っていたのになぁ……。築き上げるのはシコシコ。壊すのは一瞬。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/jan/19/nhs-cuts-scale-shakeup-surprise?CMP=EMCGT_190111&

英国のアルツハイマー病協会がずっとずっと闘い続けていた件で、ついに勝利。重症者にしかNHSで治療薬を認めないとのNICEの方針を撤回させた。:ずっと情報を目にするたびに、陰ながら応援していた。おめでとう。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/213982.php

ビデオ・ゲームはメンタル・ヘルスの問題に繋がりますよー。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/213861.php

一時はゲイへの反感が強かった米国南部で事情が変わり、フロリダではゲイのカップルが親になっているケースが非常に多い。
http://www.nytimes.com/2011/01/19/us/19gays.html?nl=todaysheadlines&emc=tha23

スイス銀行からWikiLeaksのアサンジ氏に、2000年の世界の富裕層の税金情報が流れたらしい。流すぞ、と。
http://www.guardian.co.uk/media/2011/jan/17/julian-assange-tax-wikileaks-swiss?CMP=EMCGT_190111&

日本。所在不明高齢者に続いて、所在不明の小中学生。いかにもヤバそうな話も。:各国の奴隷労働や人身売買の話を思い出してしまい、そんな話に思いを重ねたこと自体、自分が道徳的に許されないことをやってしまったような気分になった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110119-00000092-san-soci

【20日追記】
ガウタマ・シンラン・ソリドゥスさんが、この問題でちゃんとした記事を書いてくださっている。
http://blogs.yahoo.co.jp/solidussolidarity/33947668.html

「人体の不思議展」にやっと捜査のメス。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110119-00000510-san-soci

【関連エントリー】
死体の展覧会(2008/2/22)
「人体の不思議展」中止要望所への緊急署名(2008/5/5)
2011.01.20 / Top↑
13日のフランス上院、25日に自殺幇助合法化を審議のエントリーで
紹介した件の続報。

25 vs 19の賛成多数で上院の委員会を法案通過。

13日の報道では2つだったし、バラバラだったけど、
社会党、UMP(国民運動連合)、Gauche(左翼急進党)から出た別々の案が
ミックスされて1つの法案として出てきたようです。

第一条は

any mature person, in the advanced or terminal phase of a accidental or pathological affliction that is grave or incurable, causing physical or psychological suffering that cannot be relieved, can request to receive medical assistance to die.

成熟した人なら誰でも、事故によるものであれ、病気であれ、
重症または不治の状態が進行しているか、またはターミナルで
それが和らげることのできない身体的または心理的な苦しみをもたらしているならば
死ぬための医療支援を受けことを求めることができる。




フランスの上院で特に安楽死に特定した審議が行われたのは初めてのこと。

1月25日に上院議員で審議されるが
フランスの新聞は、通過することは考えにくい、と。

死ぬ権利協会では、フランスの史上初めて
自殺幇助合法化に向けた議会の第一歩が踏み出された、と声明を発表。

一方、UMPの議員グループが
弱者を保護する目的にかなう現行法に反するものだとして、遺憾の意を表明。

France consider euthanasia law
The Connexion, January 19, 2011


そこそこ年端のいった人が(子どもも含めて)
そこそこ気の毒な状態で本人が辛くてならないというなら、
死なせてあげてもいいことにしよう……。

……て話、これ?
2011.01.20 / Top↑
臓器移植法を問い直す市民ネットワークのHPからの情報。


 食道がんの名医である加藤抱一氏(1944年生まれ、環境省・公害健康被害補償不服審査会会長、外科医)が、2010年10月25日発行の『日本臨床外 科学会雑誌』(第71巻10号)の編集後記に以下の文章を掲載されています。「植物状態にもなれないだろう」と診断された状態から生還されたご自身の貴重な体験談です。「日本救急医学会雑誌」への症例報告が待たれます。



として、「不人気」と題した、以下の編集後記が紹介されている。


                     不 人 気
                                            加 藤 抱 一

 最近の新聞記事に、「獣医師確保,悩む自治体」との見出しで、「口蹄疫や鳥インフルエンザなどに対応する公務員獣医師の確保に自治体が苦心している」と 書かれていた。獣医師は10年で20%増加し、待遇の良いペットの医師は増加しているのに公務員獣医師は1998年から4%減。報酬など待遇面で不利な公 務員は不人気という。翌日の紙上には、「医学部の地域枠16大学定員割れ」と、われわれ人間の医者についても「不人気」の記事が載った。若い人あるいは医 師の卵にとって、待遇の良くない地域医療を担うことは不人気ということである。必要なものが、本当に必要とされている所に行き届かない日本の社会を反映しているといえよう。

 今日の医学雑誌では「症例報告」が不人気である。世界的にも症例報告を掲載する医学誌は極端に少なくなっている。そのような状況にも関わらず、本誌の掲 載論文は各号、概ね原著2、3編、症例報告40~50編で、症例報告に偏重した構成を維持している。邦文誌に原著論文の投稿が少ないのも最近の一般的な傾 向ではあるが、本誌には症例報告の投稿が多く、われわれもそれを歓迎している。今日、臨床や研究の場で活躍中のシニア外科医の多くが、学術論文執筆の手始めに症例報告を投稿した経験があり、論文を執筆すること自体が医師としての勉強の機会であったはずである。また、症例報告は貴重な経験を医学界に周知させる手段であり、後世に残る貴重なデータベースでもある。われわれはそのような症例報告の価値を十分認識している。

 不人気とは逆に、最近毎日のように紙上で目にするものに、改正臓器移植法によって脳死の判定を受けた人の臓器移植が家族の承諾だけで行われた記事があ る。その記事を目にするたびに、半年前、私自身に起こった心肺停止の経験が思い起こされる。人工呼吸と数回のAEDで心拍は再開したが、当日と翌日の2回 の脳波を含む諸検査結果をもとに、救急病院の担当医から家族に、回復の可能性は絶望的であり、植物人間にもなれないだろうと説明された。しかし、家族の希望で低体温下のICU管理が継続され、3,4日後には意識が回復に向かい、2週間でICUを退出。約1ヵ月で独歩退院して、6ヵ月後の今こうして編集後記 を書いている。私事で恐縮だが、私の蘇生に関与してくださった皆様にこの場を借りて心からの感謝の意を表したい。

 私自身はまだ意識が朦朧としていた時のことで家族から聞いた話ではあるが、救急担当医は、私の回復を「奇跡が起こった」と表現したという。この奇跡は、 私自身にとって極めて幸運な出来事であったと同時に、非常に勉強になった。私の家族や知人、蘇生に携わっていただいた救急関係者の方々にとっても貴重な経験となったに違いない。のみならず、あれが奇跡であったとすれば、当世人気の臓器移植の対象となる脳死に関連した資料として、不人気な症例報告をする意義 がある出来事であったと思う。一流の救急病院で適切に対応していただいた結果であるから、症例報告に必要な医学的資料は十分に存在しているはずである。



加藤氏が最後の数行で言外に訴えていることを、
しかと聞くべきだ、と強く思う。

海外ニュースを中心に追いかけていると、
「どへぇ?」と仰天することばかりで、まるで海の向こうでは
日本とは別世界が繰り広げられているかのように思えてもくるけれど、
そこは既にグローバル経済の世界。ちゃんと地続きで、
ブローバル・ネオリベ経済の後ろから
グローバル「科学とテクノで簡単解決バンザイ」ネオリベ文化が
しっかり追いかけてきている。日本でも。

ぜんぜん違うように思えるとしたら、その要因の1つは、たぶん
メディアにかかっているフィルターの厚みなんじゃないのかなぁ……。

もっとも、英語圏のメディアだって「報道は死んだ」と言われて久しいし、
Ashley事件を眺めてみるだけでも、全く機能しないところまで
何らか(誰か?)の意によって操作を受けているとしか思えないのだから、
それよりも厚いフィルターとなると……。

日本の臓器移植についても
広く一般に報じられていることと
専門医らの業界内で論じられていることとの間に
大きなギャップがあり、そのギャップによって、
実際に何が行われているかが移植業界の外からは分かりにくくなっているという事実は
こちらの「ドナー神話」エントリーで紹介した「脳死」・臓器移植に反対する関西市民の会の守田憲二氏から
具体的な情報と共に多くを学ばせてもらっている。

そして、そのたびに、
専門文献を緻密に読みこんできた守田氏の頭脳と努力によって
日本の臓器移植の実態が欺瞞に満ちたものだということが暴かれていて、
それらの事実検証がインターネット上に歴として存在しているというのに、
メディアは目をそむけ続けている……という現実について考え込む。

果たして、加藤氏のケースは報告されるでしょうか――。
2011.01.20 / Top↑